こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!時季を気にしない系ミズヤです。

 僕のラブコメでは時季を気にしたら完結が何年か先になってしまいます。

 なので今回は時季外れのハロウィンです。

 それでは!どうぞ!


第19話 ハロウィン

 だいぶ寒くなってきた今日この頃

 

 吐く息も白い

 

 寒いと目が覚めね?え?覚めない?

 

 まぁ、良い、とにかくだ。

 

 とにかくだ。

 

 なぜこんなことを言い出したのかと言うと。

 

優也「寒いなかご苦労様です」

 

 俺ん家のストーブの前で三人震えていた。

 

 一人目は結羽だ。そして、二人目が悠真。最後に白波さんだ。

 

 なぜそこまでして俺ん家に来たのかと言うと

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 プルルルプルルル

 

 突如として自室で勉強をしていたら固定電話機がなった。

 

 今は父さんも仕事に行っているので仕方なく電話を取りに行き

 

優也「はい、どちら様ですか?」

 

『あ、俺、俺俺!』

 

優也「あ、間に合ってます」

 

 ガチャ

 

 ふぅ…こんなに早く結羽の家で学んだテクを使うことになるとは思わなかった。

 

 まさか、俺の家におれおれ詐欺を仕掛けようとする(やから)が現れるとは…

 

 そしたら、

 

 プルルルプルルル

 

 今度はなんだよ…

 

優也「あい、どちら様ですか?」

 

 少し適当な言葉で電話に出た。

 

『あ、私、私私!』

 

優也「あ、間に合ってます」

 

 まさか同じ日に似たような電話が来るとは…

 

 今のはなんだ?

 

 わたしわたし詐欺とでも言うべきか?

 

 語録(ごろ)悪いな。

 

 そしたら

 

 プルルルプルルル

 

 なんだよ同じような時間帯に三回も

 

優也「間に合ってます」

 

『え?ちょ!えええ?待って!どう言うこと?』

 

 めちゃくちゃ慌てた声を放ってきた。

 

 この声は恐らく

 

優也「あ、結羽か…ビックリした」

 

『ビックリしたのはこっちだよ!急に訳の分からないことを言って切ろうとするんだもん』

 

 ほんっとうにすみませんでしたー!

 

 俺は電話の前で綺麗な土下座を決める。

 

 相手には見えていないけどね。

 

優也「で、なんのようだ?」

 

『そうそう、今日ハロウィンでしょ?だからパーティーしようって誘ったんだけど悠真と白波さんは急に切られたって私に泣きついてきたんだよ?』

 

 あ、もしかして

 

優也「おれおれ詐欺をしてきた奴とわたしわたし詐欺をしてきたやつらか」

 

『何そのわたしわたし詐欺って語録悪いよ!』

 

優也「気にしないでくれ」

 

 (まぎ)らわしいあいつらが悪い。

 

優也「で、どこでやるんだ?」

 

『優也ん家』

 

優也「……」

 

『優也ん家』

 

優也「二度まで言わなくとも聞こえてるわ!何で毎回俺ん家なんだ!」

 

『優也ん家の方が何かと都合が良いんだよ』

 

 何で俺ん家だと都合が良いのだろう。悠真とか白波さんの家って言う手は無かったのだろうか?

 

『取り合えず今から向かうね』

 

優也「え?ちょ!」

 

 ガチャ

 

 き、切られた…あいつら、本気で来るつもりらしい。

 

 学校行ってきて、帰ってきてすぐに勉強を初めて、電話来て……って学校で言えば良かったじゃねーか!

 

 そしたら

 

 ピンポーン

 

 電話を切られたすぐあとにインターホンがなった。

 

 もしかしてあいつら俺の家の前で待ち構えていたんじゃないだろうな!

 

優也「はーい」

 

『悠真です!』

 

『真依です!』

 

 あ、結羽は来てなさそうだな。

 

 ってことは結羽が電話している間に結羽を置いてきたのか!

 

優也「結羽を連れてこい」

 

 そうしてインターホンを切った。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 そして、結羽を連れて戻ってきた三人は俺の家に入るや否や即行でストーブの前に行き占領した。

 

優也「どうするんだ?パーティー…家なんも無いぞ」

 

真依「だ、だだだ、大丈夫よ!ここにあるわ」

 

 おおー!それはありがたい!これで1食分浮く。

 

悠真「とにかく寒い。俺達、お前に閉め出されてからもうダッシュで結羽を迎えに行ったんだからな!」

 

 そんな逆ギレされても……今回は完全にお前らが悪い。

 

 俺は目を半開きにして悠真を見る。

 

結羽「そ、そんなに怒らないで下さい。なれてますので」

 

 なれてるって…悲しい…

 

 俺は同情の意味を込めて結羽の肩をとんとんと叩く。

 

結羽「え?何でそんな同情の視線を送って来るの?」

 

優也「だって…なぁ?」

 

 可哀想に…

 

優也「で、これから準備を始める訳だけれども、人数少なくね?」

 

結羽「しょうがないよ……だって……私たち知り合い少ないもん……」

 

 悲しい事実である…

 

優也「そうだ!結羽、冬馬を連れてこいよ!人数は多い方が楽しいだろ?」

 

悠真「お、お前がそんなことを言うなんて……明日は槍が降るのかな?

 

 なんだよこいつ!俺が珍しく乗り気になってやってんのに!

 

優也「とにかくだ。連れてきたらどうだ?」

 

結羽「うん!わかった!連れてくる!」

 

 そしたらストーブから離れて玄関から出ていった。

 

優也「よしっ!俺も行きますか!」

 

悠真「ん?優也はどこいくんだ?」

 

優也「ちょっとな」

 

 そして、俺も結羽のあとを追うように玄関に向かった。

 

優也「……お前、何やってんだ?」

 

結羽「ざふいぃぃ」

 

 結羽が声を震わせながら言ってきた。

 

 なるほど、寒くて戻ってきたのか…ってこいつらどうやって来たんだ?

 

優也「ほらよ、これ貸してやる」

 

 俺は着ていたコートを脱いで結羽に羽織らせた。

 

結羽「え?良いの?」

 

優也「ああ、じゃあ行くぞ」

 

 そして、俺は結羽と共に外に出た。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

結羽「そう言えば優也はどこか行くんですか?」

 

 相変わらずこいつは敬語タメ定まらないやつだ。

 

優也「ちょっとな、俺はこっちに用事があるからまたあとでな」

 

 そう言って結羽と別れる。

 

 俺が向かっている先…そこは…

 

 いつもの公園だ。

 

優也「俺の読み通りなら…あ!居た」

 

 そう、俺が探していた人は

 

優也「星野さん!やっぱりここに居た!」

 

 星野さんだ。

 

光「何よ」

 

 相変わらず口調が冷たい。

 

光「あ、あなたは、ナルシストでシスコンでロリコンの優也」

 

 いつの間に星野さんの中でそんな長い二つ名がついていたのだろう?

 

 取り合えず

 

優也「俺はナルシストでもシスコンでもロリコンでも無い!」

 

 俺はそういうのには全く興味が無い。

 

光「まぁ、良いわ。で、何のよう?」

 

優也「そうだった!完全に忘れるところだった」

 

 そして、俺は一回息を吐いてから吸い直して

 

優也「星野さん、パーティー来る気は無い?」

 

 そう、俺がなぜここに来たかと言うと星野さんをパーティーに誘うためだ。

 

光「何の?」

 

優也「ハロウィン」

 

光「………」

 

 そして、暫しの間があった。

 

 何この状況…とても気まずい…

 

 その沈黙を破ったのは星野さんだった。

 

光「行かないわ」

 

 と、星野さんが言った。

 

 断られた。

 

優也「何でだ?」

 

光「だって、私、興味ないもの」

 

 星野さんは相変わらずである…

 

 なんと言うか…星野さんらしいと言うか…何一つ変わってないようなって言うか…

 

優也「そうか…俺さ、星野さんと仲良くなるチャンスだと思ったんだがな」

 

光「あら、何いってるのかしら?私に偉そうにあれこれ言った癖に」

 

 『あ゙ぁ~~~~~~』と俺は心の中で発狂する。

 

 恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい

 

 なんなんだよ!あのときの俺は!

 

 今思い返してみると死ぬほど恥ずかしい。

 

光「それに、お互い無視出来ないような関係になってるんだし、これ以上仲良くなる必要は無いんじゃないの?」

 

優也「それでも、星野さんに友達と呼んでもらえる関係になりたい」

 

光「なら良いわよ。『友達』」

 

 え?

 

 い、今、俺のことを友達って!

 

光「友達、何してるのよ友達、用が済んだならさっさと帰ったらどうなの?友達」

 

 あ、あれ?

 

光「友達、あなたのパーティーには行く気は無いから帰ったら?」

 

優也「って、ちがーう!」

 

光「何がよ。ちゃんとあなたの事を『友達』と呼んであげたわよ?」

 

優也「違う!俺は友達って思って欲しかっただけで別に友達って名前じゃないから!友達って呼ばなくて良い!」

 

光「分かってるわよ優也」

 

 じゃあ、最初からそうしろよ…

 

優也「しっかし困ったな~~ このまま手ぶらで帰るのもな~~ なんて言えば良いんだろうか~~」

 

 俺は超絶棒読みで星野さんに向けて言った。

 

光「わ、分かったわよ!行くわよ!」

 

 よっしゃ!

 

 と、心の中でガッツポーズをした。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

優也「ただいま」

 

結羽「あ!優也!」

 

 俺が帰ると結羽と冬馬も居て既に支度を始めていた。

 

 俺が入った瞬間、結羽がキッチンから飛び出して来た。

 

 料理をほうって置いて良いのだろうか?

 

悠真「そう言えば少し用事があるとかなんとか行って出ていったが何してきたんだ?」

 

優也「ああ、それは」

 

光「お、お邪魔します」

 

 そう言って光が部屋に入ってきた。

 

 そして、結羽と目が合う。

 

結羽「これはこれは、学園の秀才の星野 光さんでは無いですか?秀才がこんなところに居て良いんですか?」

 

光「お気を使わずに、あなたとは違って(・・・・・・・・)私は天才(・・)ですのでこんなこと位では学力は下がりませんわ。そんなことよりあなたの方がヤバイのでは?すぐに家に帰って勉強してくれば少しは学力もましになると思いますけど?」

 

 怖い…この二人怖いです。

 

 笑顔なのに黒い…作り笑顔感が半端ないです。

 

 しかもお互いの間にバチバチと火花が散っています。

 

 どうしてお互いの事をそんなにけなし合うのかが意味不明です。

 

冬馬「待って!落ちついて!姉ちゃん!」

 

優也「そうだ!まずは落ち着け!」

 

結・光「「優也はちょっと黙ってて!」」

 

 思い切り怒鳴られた…だと!

 

 この二人はなぜか仲が悪いな。

 

真依「あらま…」

 

悠真「とうの本人が理由に気がつかないとは」

 

 あの二人は黙って見てるし…

 

 その(かん)もずっと争い続ける二人

 

 そしたら急にこちらを向き

 

結・光「どっちの方が好きなの!」

 

 どういう意味だこれは!

 

 取り合えず、途中から話の論点がずれていたことは理解した。

 

 取り合えずここは無難に

 

優也「どっちも好きだぞ?」

 

 その瞬間ピキッと言う音がしたような錯覚を覚えた。そして時間が止まったような…

 

 あれ?俺これ、何かとてつもないことをやらかしたんじゃ!

 

 そして、時は動き出す。

 

 結羽と光以外の人は皆、あちゃー…って頭を押さえている。

 

結羽「そう…優也がそんな人だとは思わなかった」

 

 表情に感情が見えなく、声も冷めている。

 

光「ふーん」

 

 星野さんにいたってはそれ以上なにもしゃべらない…星野さんの無言の圧力は何よりも怖いです。

 

悠真「優也、お前それ、最悪の回答だぞ」

 

 え?マジで?

 

 最悪の回答…なにされるか分からない恐怖…

 

 今まで悪感情(あくかんじょう)の中の1つ【悲しみ】の最高値は経験したことあるけど…これは悪感情の中の1つ【恐怖】の最高値だぞ。

 

 そして、俺が後ずさりしているとタイミングを合わせたかの用なタイミングで

 

結・光「バカ~~~ッ

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

優也「痛ててて…」

 

悠真「我慢しろ…自業自得(じごうじとく)だ」

 

 結局、二人は飯を食ってる時も仲が悪いままだった。

 

 悠真はなぜこうなったか知っているようだったが教えてはくれなかった。

 

 俺はあの後、数発叩かれて頭が痛いし耳なりが(いま)だにする。

 

 そして皆が帰った後、俺は部屋で考えても見たが全然理由が思い付かなかった。

 

優也「あれはいったいなんだったんだ?」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

光「はぁ…優也ってかなり鈍感ね」

 

結羽「あれが優也の欠点だね」

 

 二人は別の道を歩きながらも同じ話題でため息をつく。

 

結羽「次こそは!」

 

光「私が」

 

「「勝つ!」」




 はい!第19話終了!

 時期外れのハロウィン話いかがでしたでしょうか?

 さて、どちらが勝つのか!

 それでは!

 さようなら

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