こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回は中間テストです!

 それでは本編行きましょう!

 では!

 第18話スタート


第18話 中間テスト

 学校祭も終わって本格的に秋の気候になってきた。

 

 まだ本当に寒いわけでは無いけど少し肌寒い。

 

 そして、俺はブレずに勉強を

 

 まぁ、あと1週間で中間テストだから仕方がない。

 

 本来ならば2週間前からテスト勉強をしたかったのだが…

 

 学校祭が終わったあと毎日毎日、交互に悠真と白波さんが冷やかしに来たもんで全く勉強がはかどらなかった…

 

 さすがに1週間前と言う事で来なくなって(ようや)く落ち着いて勉強が出来るもんですよ!

 

 今回は前回とは違って俺に教えてくれと頼み込んで来るやつは居な…

 

 ピンポーン

 

 居たわ…

 

 そして、俺は自室から出てインターホンの所に向かう。

 

優也「はい!どちら様ですか?」

 

『結羽です!今回も勉強教えてもらおうかな?と』

 

 こいつだけは変わっていないようだ。

 

優也「ああ、良いぞ」

 

 そう言って俺は玄関を開ける。

 

優也「上がってくれ」

 

 俺は結羽に入るように(うなが)す。

 

結羽「お邪魔しまーす」

 

 そう言って結羽は俺の家に上がった。

 

結羽「そういえば、何でいつも優也のお父さん居ないんですか?お父さんは居るんですよね?」

 

優也「それは父さんが朝早くから夜まで仕事をしているからだ。たまたま最近は仕事量も多くで俺が寝た後に帰ってくることも珍しくない」

 

 俺がそう説明すると結羽は『そうなんだぁ』と、相槌を打ってくる。

 

 俺にはそんな適当っぽい返事でも返事をしてくれる話し相手が居ることは幸せな事だと思う。

 

 今までの俺はクラスでボッチで浮いた存在だった。

 

 いつも一人で居るからだな。

 

 それで、近寄るやつも居なかった。だけど

 

 今、俺には話し相手が居る。これってかなりの進歩じゃないか?

 

結羽「寂しくないの?」

 

優也「大丈夫だ」

 

 俺は留守番慣れてるからな。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

自室

 

 俺達は俺の部屋で勉強をしていた。

 

優也「えーっとここがこうで、これがこう。これはこうなってこうなるからこうなるんだ」

 

 俺は適当な紙に問題の解き方を書きながら説明しているので、自然と『こう』と言う言葉を連発していた。

 

 我ながら教え下手だ…

 

 教えるのがうまい人ならばもう少しうまく説明出来るんだろうけど…

 

結羽「優也って勉強すごい出来るよね!」

 

 結羽がそう言ってきたから俺は『ああ』と返す。

 

 そしたら結羽がしんみりした顔でこう言ってきた。

 

結羽「それも七海ちゃんのために築きあげてきたんだよね」

 

 何で結羽がしんみりする必要があるんだ?それは俺の問題なのに。

 

優也「ああ、だが何で結羽がしんみりする必要があるんだ?」

 

結羽「だって、わ…し…わ…らな…くを…し…なんて」

 

 結羽が細々と呟いたので声は途切れ途切れでしか聞こえなかった。

 

結羽「ひゃうっ」

 

 俺は今にも泣き出しそうな結羽を反射的に撫でていた。

 

優也「大丈夫だ!今の俺にはお前らが居る!それだけでも心の支えになるんだ。俺は大丈夫だから泣くなよ」

 

 俺がそう言うと結羽は小さく頷き『うん』と言った。

 

優也「じゃあこの話しはおしまいにして勉強を再開しようぜ」

 

結羽「うん」

________________

 

次の日

 

春海「それではテストを開始します」

 

 そして、次々と俺達の机に問題用紙、回答用紙が配られる。

 

春海「始め!」

 

 その合図と共に一斉に問題を解き始める。

 

 今回はテスト勉強の時間が少なかったから不安である。

 

 そして、前回のテストの時に彗星(すいせい)(ごと)く現れた星野 光。今回こそは勝ちたいんだがな。

 

 (あいつ)は前回のテストで俺から一位を奪い去っていった。学力は俺と同等(どうとう)だろう。

 

春海「そこまで!」

 

 今回の範囲はどれも難しい範囲だったらしい。魔物の事もあるだろうが難しい事も(あい)まって、かなり落ち込んでいる人が多い。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 そして、すべてのテストが終わり、下校していた。

 

 現在、俺は一人で下校中

 

 悠真は用事があるとか言ってたな。

 

 結羽は今日、母が仕事で帰りが遅くなるらしいから毎日のように晩御飯を食べに来る冬馬の飯を作らなくてはならないらしい。

 

 その時

 

 公園のベンチで座り本を読んでいる女の子が目に入った。

 

 目を()らすとその女の子は星野さんだった。

 

 星野さんっていつも一人で本を読んでいる。まるで他の人との関わりを避けているみたいに。話しかけたら返してはくれるけどあまり仲良くなりたくないと言う感じだ。

 

 その姿はまるで昔の俺みたいだ。

 

 昔の俺は人を寄せ付けようとせず切りはなそうとしていた。

 

 結羽が居たから今の俺が居るんだよな。

 

 しかし、人を寄せ付けようとしないところ、昔の俺を見ているみたいで放っとけない。

 

 そして、俺は星野さんに近づいて行った。

 

光「何の用?」

 

優也「いつも一人で本を読んでいるけどどうしてなんだ?」

 

光「あなたには関係ない」

 

 似たような事をいってるよ。

 

優也「す、少し気になってな」

 

光「赤の他人に話す義理は無い」

 

 あのときの俺も

 

 

 俺はあまり他人とつるむ気は無い!

 

 俺とお前はほとんどお互いの事を知らない赤の他人だ!

 

 

 今となっちゃ何であのときこんなことを言ったのか馬鹿馬鹿しくなる。

 

 あのとき結羽に助けてもらった俺だからこそ分かる気持ちってのがある。

 

光「わかったら早く帰ったら?」

 

優也「いいや、俺は帰らないね!俺って以外と頑固な所があるから気になった事は聞かずにはいられないんだ」

 

光「迷惑な性格ね…」

 

 そしたらいきなり星野さんはベンチから立ち上がった。

 

 そして、こちらに向き直った。

 

光「何でそこまで私の事情を知りたがるのかしら?」

 

優也「星野さんを見てると昔の自分を見ている気分になるんだ」

 

光「そう、だけど私はあなたとは違うわ。私はあなたのように輝いて無いもの…

 

優也「え?なに?」

 

光「何でもないわ」

 

 後半部分の声が小さすぎてよく聞こえなかった。

 

 星野さんは何をもって違うと言ったのだろうか?

 

優也「まぁ、確かに違うな」

 

光「でしょ?なら

優也「心が」

 

光「…… え?」

 

 星野さんは意表をつかれたみたいな顔になって硬直してしまった。

 

優也「俺には分かる。星野さんはとっても他人思いのやさしい子だと。昔の俺の好きなことは他人の幸せだった。だがそれは俺の妹に向けて放った言葉なんだ。星野さんと話してて分かったよ。星野さんは昔の俺みたいに他人を無理に遠ざける事はしなくて、むしろ楽しんでるように見えた。」

 

光「何よそれ…それにしても、ふふっ、他人の幸せってナルシスト?しかも妹に向けて放ったって相当なシスコンね」

 

優也「俺はシスコンじゃない!」

 

 星野さんの言葉は落ち着いていて感情を表そうとはしないが、その表情は楽しそうだ。

 

 だけど、俺ってそんなにシスコンっぽいか?

 

光「でも、そうね…少しはあなたの口車に乗ってあげましょうか?それでは、さようなら」

 

 星野さんは勢いよく振り返り帰っていく。

 

 勢いよく振り返ったので髪の毛が綺麗なウェーブを描いた。

 

 そして心なしか振り向き様に微笑(ほほえ)んだように思った。

 

優也「あ、ああ、さようなら」

 

 本当は結構明るい子なのかもしれない。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

テスト返却日

 

 今回もベスト10まで公表される。

 

 先程すべてのテストが返されたので順位が貼ってある掲示板の所に来ていた。

 

優也「ふぅ…」

 

 何とか一位だった…

 

 星野さんは二位、少しミスをしたら抜かされてしまいそうだ。

 

 って言うことは星野さん、何かミスったのか?

 

 あの学力なら同一になってもおかしくないと思うんだが。

 

 俺が掲示板を見ているとそこに悠真がやって来た。

 

悠真「お!お前、(一位)の座を取り戻したな!」

 

優也「まぁ、今回はかなり不安ではあったが満点だ」

 

 この学校にはずば抜けて点数が高い2名が居る。その2名が俺と星野さんだ。

 

 (ちなみ)に三位との差は、今回の場合『15点』だ。まぁ、今回のは難しかったから仕方ないよね。

 

 星野さんは掲示板を見に来ていないが、彼女曰く『そんなものに興味が無い』だそうだ。相変わらず落ち着いた突き放し声である。

 

 でも、人間関係は改善しようと頑張ってるらしい。この前クラスの人に話しかけようとしてあわあわして、たぶんこれがアニメなら目をぐるぐる回していたのが可笑しくて思わず吹き出しそうになってしまった。

 

 まぁ、あいつ、言葉はきついけども、ちゃんと他人の話を聞いて取り入れたり、実行したりはするみたいだ。

 

 言い回しがいつも遠回しなんだよな。しかも、かなり素直じゃない。

 

 俺と悠真が雑談をしているとそこにどす黒いオーラを放った人物がやって来た。

 

 その人物は結羽だった。

 

優也「どうしたんだよ!結羽」

 

結羽「う、うぅ~、テスト…ヤバイ…」

 

 ほんとこいついつもヤバイヤバイ言ってるけど、よくこの学校、受かったよな。

 

悠真「よくこの学校受かったな」

 

 言った~!包み隠さず言った~!今それ言うか!瀕死の相手にとどめの一撃を放ちやがった!

 

 悠真、少しは状況を考えろよ!

 

結羽「う、うぅ…ユ゙ヴヤ゙ぁ~」

 

 とどめ一撃を刺され、結羽は涙目になってこちらを見ている。

 

 少し、同情してしまう。

 

 さすがに可哀想だと思ってしまったから。

 

 何かフォローしてやらねば!だが、何を言ってやれば元気つけることが出来る?

 

優也「え、えっと……そうだ!結羽には勉強が出来なくとも結羽にはちゃんと結羽の長所があるから安心しろ!」

 

結羽「たとえばどんな?」

 

 ギクッて肩を震わせる。

 

 俺は何も思い付かなかったため適当に並べた言葉なのでそこを考えていなかった。

 

優也「えーと……」

 

 その時、俺の脳裏に俺と結羽が友達になっ(・・・・・・・・・・)た時(・・)の事(・・)が浮かぶ。

 

優也「人を救うことが出来る」

 

結羽「? どう言うこと?」

 

優也「つまりだ。持ち前の優しさで他人とすぐに仲良くなれる。友達付き合いが得意って感じかな?」

 

結羽「そう……そんな風に思われてるんだ…

 

 結羽は頬を赤く染め、ゆらゆらと左右に揺れている。

 

優也「まぁ、そろそろ、次の授業が始まるから教室に戻ろうぜ」

 

 そして、そこで解散して、自分の教室に戻った。




 はい!第18話終了

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