こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回は学校祭の当日です。

 それでは本編行きましょう!

 では!

 第17話スタート


第17話 学校祭

学校祭当日

 

 俺はいつものように登校していた。

 

 そしたらいつものように俺と違う道から結羽がやってくる。

 

 これはもう、見慣れた光景だ。

 

結羽「あ、おはようございます!」

 

 っと結羽は元気に挨拶をしてくる。

 

 元気に挨拶をしてもらえるとこっちも元気になる気がする。

 

優也「おう、おはよう。今日は朝から元気だな」

 

 俺がそう言ったら結羽は急にうつ向いて指をもじもじとさせながらこう言ってきた。

 

結羽「一緒に廻るの…楽しみだったから…」

 

 結羽は言い終わったあとこっちを見て満面の笑みになった。

 

 そんなに楽しみだったのか?

 

 まぁ…うちのクラスは料理できる人があまりいないから客が一段落するまで逃がしてはくれないだろうけど。

 

 そんなことを話していると校門が見えてきた。

 

 校門の門も学校祭風に飾り付けてある。

 

 そして校門の先には、色々な出店が準備をしていた。

 

 うちの学校は、校舎の入り口まで校門から距離がある。

 

 そして校門から入り口までは真っ直ぐな道が延びていて、ど真ん中には噴水がある。少し豪華な作りだ。

 

 その道を挟んで両方に出店が並んでいる。

 

 そんな準備中の出店を横目に校舎の中に入っていく。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 やはりと言うか、校舎の中も装飾が(ほどこ)されていた。

 

 至るところに輪っかの飾りがあり、天井の蛍光灯には色々な色のシートがつけられており、かなり言い雰囲気になっていた。壁にも蛍光灯の光があたって綺麗な色になっていた。

 

結羽「校内の装飾を見るだけでも楽しいね」

 

 確かにこの光景は何度見ても見飽きる事は無いであろう。

 

 そして俺は「だな」と返しておく。

 

結羽「私このクラスだから!またあとでね」

 

 そうして俺達は一旦分かれた。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「こっち、ワッフルとコーヒー」

 

「こっちは、ミルクティーね!」

 

 かなり忙しい。

 

 なぜかここだけ人気で行列ができているレベルだ。

 

 もしかしたら、結羽には悪いが一緒に廻れ無くなってしまうかも知れない…もっと回転率上げなければ。

 

 お菓子などを作ったりもしているが注文数は基本的にお茶かコーヒーの類いが多い。

 

 更にお茶一杯で友達と話し込んで居座る人も居るわけで、中々回転率が上がらない。

 

優也「まだまだ休憩はお預けになりそうか?」

 

「まぁ、そうだな…ってまさかお前!彼女と約束でもしてるのか?」

 

優也「していない…」

 

 と、思うが、それに近いことはしたと思う。

 

 結羽との約束があるからな。

 

「なら、上がって良いぜ!後は俺達に任せて彼女さんと行きな!」

 

 なにそのカッコいいけど、フラグになりかねない台詞は!

 

優也「ありがとう!モブA(・・・)

 

「モブA言うな!俺にはれっきとした〇〇(ピー)って名前があるんだぞ!って規制音やめろ!俺の名前はそんなに卑猥じゃない!」

 

 その瞬間

 

 店内に結羽が入ってきた。

 

 ってか、あいつ並んでいたのか!それと、お化け屋敷どうした!?

 

優也「俺、あの客の相手をしたら上がるわ」

 

 そして、前を向きながら手を降って結羽の元に向かう。

 

 まぁ、俺、厨房なんだが、少し話をしたかったから勝手に出てきた。

 

 ちゃんとエプロンも脱いだよ。

 

 そして、結羽は俺を見つけると笑顔になった。

 

結羽「あ、ゆ、優也!」

 

優也「何でここに居るんだ?」

 

 俺は頭をコツンと軽く叩く

 

結羽「うぅ…だって、会いたくなって…」

 

優也「何?」

 

 あ、もう流れが読めた。

 

 どうせ結羽がここで大声でさけ…

 

結羽「バカ…」

 

 ばない!?

 

 小声ーっ!

 

 俺はてっきり「バカ~~~~ッ!」っと叫ばれて周りに注目されるパターンかと思いきや小声で来ましたか。

 

 もしかして、ついに結羽も場所をわきまえると言うことを覚えたか!

 

 結羽がまた一つ新しく覚えたのは嬉しいぞ!

 

優也「何にするんだ?」

 

結羽「コーヒー(砂糖×2)で!」

 

 そして俺は結羽の注文をメモして厨房に戻った。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 俺はコーヒーを()れて戻ってきた。

 

 俺が戻ってくると、結羽は周りを見回していた。

 

 この人混みで一人と言うのはやはり心細いのだろうか?

 

 確かに中は混んでいて、とてもじゃないが俺一人では入る勇気が無い。

 それを考えれば一人で入ってきた結羽ってスゲー。

 

優也「お待たせしました。コーヒー(砂糖×2)です」

 

 そうして結羽の前にコーヒーを置く。

 

 そしたら周りに気を取られていて気づかなかったのかコーヒーが置かれるカチャンという音で一瞬ビクッてなってから俺の方を見てきた。

 

結羽「あ、ありがとう」

 

 そして結羽はコーヒーを一口すする。

 

結羽「それにしても、人気だね」

 

 確かに、なぜかここはすごく混んでいる。

 

 外の出店に行ってる人は少しだけだろう。

 

 よっぽど外の出店の方が美味しい料理を食べられるだろうに…

 

優也「ああ…そうだな」

 

 (あや)うく見て廻れないところだった…

 

 まぁ…このあとは(おも)存分(ぞんぶん)見て廻れるんだけどな。

 

優也「それ飲んだら行くぞ」

 

 「うん!」と嬉しそうな声で結羽が相槌(あいづち)をうつ。

 

 そして結羽はコーヒーを飲み干して立ち上がった。

 

結羽「うん! はいこれお代」

 

 そして結羽から受け取ってカウンターに立っている人に渡す。

 

優也「じゃあ行くぞ」

 

 そして店を出た。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 出たのは良いが、最初はどこに行くか……悩む所である。

 

 クラスの出し物一覧は、

 

◇◇◇◇◇

 

一年生エリア

 

1-A……喫茶店      in 優也

1-B……お化け屋敷    in 結羽

1-C……リアル脱出ゲーム in 光

1-D……迷路       in 悠真

 

二年生エリア

 

2-B……クレープ屋

2-C……型抜き

 

三年生エリア

 

3-B……美術展

3-C……喫茶店

3-D……お化け屋敷

 

特別エリア

 

2-A……演劇

2-D……演劇

 

3-A……アニメアフレコ

 

任意……バンド

任意……マジック

任意……コント

 

生徒会企画……クイズ  in真依

 

◇◇◇◇◇

 

 とりあえずこんな感じだ。

 

 演劇とかはまだやらないらしいし、一番遊べるとしたらここ、一年生エリアだよな。俺のクラス以外遊べるし。それによって客が集まってるのかもしれないが。

 

優也「とりあえず出店行って飯食わね?!俺、ずっと食ってないから腹へったし…」

 

結羽「ふふふっ、そうだね。私もコーヒー以外口にしていないからお腹がへったよ」

 

 そうして意見が合致して出店で、まず飯を食べることになった。

 

 出店は、たこ焼き、お好み焼き、焼きそば等々(などなど)ある。

 

 ほとんどお祭りに似たメニューだな。

 

 そして、俺はたこ焼きを買って、結羽は焼きそばを買い、近くのテーブルで食べることにした。

 

 席につくとすぐに焼きそばを食べ始めた。

 

 結羽って料理を美味しそうに食べるんだよな…

 

優也「中々うまいな」

 

 今回の出店の料理は当たりだったらしい。

 

 やっぱりたこ焼きは、焼きたてのアツアツの時がうまい。

 

 これはたこ焼きに限ったことでは無い。

 

 世の中の料理のほとんどに言えることであろう。

 

結羽「うん」

 

 その時、横から声をかけられた。

 

「はーい!君たち少し時間良い?」

 

 なんだろうか?

 

 まぁ今は飯を食べていただけだから時間はあるんだけど…

 

優也「良いですよ」

 

 俺がそう言うと「ありがとうございます」と言ってカメラを取り出した。

 

「一枚良いですか?生徒会で使いたいので」

 

 と、言ってきた。

 

 ってかこの人も生徒会なのかよ。

 

優也「そうなんですか。俺は良いですよ」

 

 結羽はと言うと、なぜかキッと睨み付けていた。

 

「ありがとうございます!」

 

 カシャッ

 

 どうだろうか?綺麗に撮れたのだろうか?

 

「ありがとうございます!名前をうかがっても良いですか?」

 

 かなり礼儀正しい言葉使いだな。

 

 良かった…生徒会にああいう人ばかりだと、生徒会の未来が心配でならないからね。

 

優也「俺は絆成 優也」

 

結羽「柴野 結羽」

 

 結羽はまだムスッとしている。本当にどうしたのだろうか?

 

「あー!あなた達が!」

 

 ん?なんか知ってるような口振りになったぞ?

 

「いつも会長があなた達の事を話しているから名前は知ってたんです!へー!あなた達が!」

 

 そんなに俺達の事を話していたのか?

 

 なんか恥ずかしいな。

 

「私、神乃(しんの) 夕華(ゆうか)です!副会長でして、勝手に会長が私を次期会長にする気みたいです」

 

 あの会長…そんなことをしていたのか…

 

 その時

 

真依「やあやあ!君たち、今、私の(うわさ)をしていなかったかい?」

 

 横から白波さんがわいて出てきた。

 

 いつもながら陽気(ようき)な話し方である。

 

夕華「あ!会長もここに居たんですか」

 

優也「白波さんは神出鬼没(しんしゅつきぼつ)ですね」

 

 本当にこの会長はどこにでも現れる。

 

 しかも、忘れかけた頃に急に現れるから心臓に悪い。

 

結羽「で、何で来たの?」

 

 いつもより低いテンションでそう言う結羽。

 

 確かになぜここに来たかは気になるが、怖いです!結羽さんの表情が暗くて怖いです!

 

 絵で書くとしたら顔の上半分がサーッてうす黒い色で塗られている感じの顔です!

 

 そして、無理に笑顔を作っている感じもヤバイです!やんでるんですか?とでも疑いたくなる表情

 

 今、下手なことを言ったら洒落(しゃれ)にならなそうだ。

 

真依「いやねー、二人を見かけたから来たって神野ちゃんが居たんだよね」

 

 うん、これぞ無難(ぶなん)な解答って感じだな。

 

 これなら結羽を怒らせずに済みそうだ。

 

結羽「ふーん…私たち、次廻らなくちゃ行けないから行くね?」

 

 そうして俺は黒い表情を浮かべた結羽に連行(・・)されていった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 二人が見えなくなったところで(ようや)く元の表情に戻った結羽と今は演劇部の会場に居た。

 

 演劇部の演劇は少し前に終わってしまい、次は2-Aの演劇が始まるようだ。

 

 演劇部の会場はステージのように観客席が階段状になっていて後ろの席からでも見やすいようになっている。

 

 なぜ、来ているのかというと結羽が

 

 演劇を見たい!

 

 と、言ってきたためここに来ることにしたのだ。

 

 あと(いち)()分で始まるらしい。

 

 そして俺達は席についた。

 

結羽「楽しみ」

 

 結羽はすごく嬉しそうにそんなことを言ってくる。

 

 その笑顔は男に向けてはいけないと思います。

 

優也「だな」

 

 と、俺は結羽に返す。

 

 隣同士で座って左右には誰も居ない。

 

『では、2-Aの演劇、始まりまーす』

 

 そしてついに電気が消えた。

 

 ガーーー

 

 機械音のような音がしたあとカーテンが開き、うっすらとステージの上に人影が見える。

 

 そして、その人影にスポットライトが向けられる。

 

「今日は皆様お集まりいただきありがとうございます。それでは2-Aの演劇、お楽しみください」

 

 そして、手を腹に当ててお辞儀をしてはける。

 

 そして、演劇が始まった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

結羽「おもしろかった!」

 

 結羽は嬉しそうにしていて、足取りも軽いようでスキップしている。

 

 おもしろかったなら良かった。

 

優也「次はどこにする?」

 

結羽「なんか、()(さん)年生のエリアはいきずらいから一年生エリアにしない?」

 

 確かに、俺達一年生にとっては上級生のエリアに行くと言うのはハードルが高い。

 

 一年生エリアには知り合いも何人かいるし行きやすさが全然違う。

 

 へたれで豆腐メンタルな俺達にとっては一年生エリアが一番行きやすいのだ。

 

優也「なら、1-Dに行こうぜ。悠真も居るだろうし」

 

 確か、1-Dは迷路だったか?どんな迷路だか気になるし、行ったら面白そうだしな。

 

結羽「うん、じゃあそこいこう」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

1-D

 

悠真「ふゎーあ」

 

 あいつ!やる気あんのか!

 

 俺達がついてから一番最初に見かけたのは欠伸(あくび)をしている悠真だった。

 

 受付をやっているようだが、一切のやる気を感じない。

 

 俺達が目の前にやって来ると

 

悠真「あーい、二名様ですねーこちらへ」

優也「やる気あんのか!」

 

 俺が悠真にそう言うと驚いた様子でロボットのように俺達の顔を交互に見る。

 

悠真「いや!これはその!デート客という事でおまけしておくから頼む!これは内密にしていてくれ!」

 

優也「違う!そんな気づかい、いらねーよ!」

 

 俺がそうつっこむが結羽は赤くなってうつむいてしまった。

 

 そして、結羽はデートと言う単語を否定しようとはしない。

 

優也「結羽さん?」

 

結羽「ひゃい!」

 

 すごく大きな声で返事した。

 

 しかし、今のところで驚く要素はどこにあったのだろうか?

 

 結羽が声を裏返して噛む時は大抵驚いた時だ。

 

悠真「じゃあ、頑張ってきてね」

 

 今の頑張ってにはどのような意味が込められていたのかは今の俺には知るよしは無かったが、結羽は分かったのだろうか?

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

数分後

 

結羽「難しかった…優也がこんなに迷路得意だったとは!」

 

 結羽は途中から右も左も分からなくなってたからな。

 

 俺はこの教室の出入り口の配置から計算して進んだだけなんだけどな。

 

優也「今日は楽しかったか?」

 

結羽「はい!」

 

 それなら良かった。

 

 俺も楽しかったし、クラスメイトには感謝だな。

 

優也「お疲れ」

 

結羽「うん、優也も…ね」

 

 そして、俺はお疲れと言う意味も込めて頭を()でた。

 

結羽「ひゃう…うぅ~~」

 

 結羽は一瞬変な声を出したとものすごく真っ赤になってしまった。

 

 少しの間撫でてると結羽か『えへへ~』って言っていて正直可愛いと思ってしまった俺がいた。

 

 なんだこの可愛い小動物は!?

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

優也「じゃあな!」

 

結羽「うん!」

 

 そして、いつもの曲がり角で別れて家に帰る。

 

 だんだん漸く、『幸せ』の意味が分かってきた気がする。

 

 これが、この日々が幸せなんだ。

 

 俺の『幸せ』はこう言う事を指すんだな。

 

 こうして俺の『幸せ』な日が終わりをつげた。




 はい!第17話終了

 今回はかなり長くなってしまいました…

 せめても6000文字行けば分けたんですけどね…

 今回はここまで!

 次回もよろしくお願いします!

 ではでは!

 さようなら

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