こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回はこん彼のアフターです。前回のエピローグから数年後の話となっております。

 ここで毎週投稿は終わりとさせていただきます。また描きたくなったらこの続きやifとかを書くかもしれません。

 それではどうぞ!


After

「お兄ちゃん! 起きてお兄ちゃん!」

「あと3960時間……」

「そんなに寝てたら一年終わっちゃうよ!!」

 

 寝ている兄を妹が起こそうとしている。

 休日なのだが、兄は結構な寝坊助で、妹が起こさなければ永遠に寝てしまう可能性があるので毎朝起こすようにしている。

 兄の名前は優翔(ゆうと)。妹の名前は柚結(ゆゆ)。とても仲良しな兄弟だ。

 

 そしてその隣の部屋でも似たような光景が繰り広げられていた。

 

「あなた、起きて。あなた」

「お兄ちゃん……そんなに寝坊ばかりすると結羽(・・)さんに愛想つかされちゃうよ」

「それだけは嫌だ!」

 

 愛する妻に愛想を尽かされる。

 あんまり恐れたりするタイプじゃないものの、それだけはどうしても怖いのだ。

 結羽はエプロンをして如何にもさっきまで料理をしていた格好だ。

 ほんのりとリビングから良い匂いが漂ってきている。

 

 男は観念して起き上がると伸びをする。

 

「おはよう。結羽」

「おはよう。優也」

 

 絆成 優也は数年前、医師になりこの地へと戻ってきた。その時に柴野 結羽と結婚し、式も挙げ、籍も入れて今は絆成 結羽となっている。

 結羽はその名前を貰えたことが嬉しくて嬉しくてしょうが無く、絆成 結羽と書く度に頬が緩んでしまうほどの甘々っぷりだ。

 

「しかしお兄ちゃんがこんな素敵な人と結婚するとは思っても無かったよ」

「まぁ、あの頃はな……」

 

 優也をお兄ちゃんと呼ぶ元気な女の子。名を絆成 七海と言う。

 七海は少し前までは昏睡状態だった。しかし、なんと優也はそれを治してしまったのだ。有言実行をし、その時はないて喜び、目を覚まして退院した日にはパーティも執り行った。

 

「お兄ちゃん。そろそろ朝ごはんを食べないと時間がまずいんじゃない?」

「うわ、もうこんな時間か。早く飯食わねぇと」

「あ、ちゃんと噛んで食べてね」

 

 リビングへとダッシュしていく背中に結羽は言った。

 そんな優也の様子を見て結羽はクスッと笑った。何だか慌ててる優也を見るとあの再会の瞬間を思い出すからだ。

 数年思い続けた相手に再会出来た時の嬉しさは計り知れないものがあったのだ。

 

「さて、私も学校に行く準備をしますかね」

 

 七海はもう二十歳だ。しかし、つい最近まで昏睡状態だったため、勉学に取り組めていないって言うことで定時制の学校に通うこととなった。

 定時制だから夜からなのでまだ準備はしなくていいのに七海はだいたいこの時間から準備を始める。

 

「そう言えば優翔君と柚結ちゃん。見ていると昔を思い出すな」

 

 優也も七海に叩き起されていた。ただ一つ違うのは優しさだ。

 柚結は優しい。揺らしたりと優しい起こし方をする。

 対する七海は起きない時はボディープレスをするのだ。それか豆腐を食べさせる。優也は豆腐が嫌いな食べ物なのだ。

 

「いやぁ、まさかお兄ちゃんが医者にね……それに結羽さんって言う奥さんと優翔君と柚結ちゃんも居る。お兄ちゃん、良かったね」

 

 ☆☆☆☆☆

 

 他の皆も結婚した人は子供が生まれて育児をしている。

 そんな中、今も昔も関係が変わっていないのは、

 

 ピンポーン

 

「はーい」

 

 結羽がドアを開けるとそこにはつみきが居た。二人とも親になってから良く絆成家に集まって遊ぶようになったのだ。

 

「こんにちは結羽」

「待ってたよつみき。いらっしゃいすずちゃん」

 

 つみきの後ろに隠れている女の子、名前はすず。つみきとあつしの間に生まれた子供だ。

 すずは人見知りで何度も来たことはあるが、一向に結羽には慣れない。

 

「ん? お、すず」

 

 そこへ優翔がやっと目を覚ましてやってきた。

 優翔を見るとすずは優翔へと走って行く。そしてそのまま抱きついた。

 なぜだか知らないが、すずは優翔にベッタリなのだ。連れてきた時はずっと一緒に遊んでいる。

 最初こそ優翔にも警戒の意思を示していたが、今となってはデレデレである。

 

「お兄ちゃんは冷たいもんね。だから優翔君の優しさに惹かれたのかな」

 

 すずにも兄が居る。ここに来る時も誘ったのだが、誘いを断わってゲームをしていた。

 兄は少しすずに対して冷たい。つみきは照れ隠しだと分かっているが、冷たいので優翔が優しくしたら簡単に惹かれる様な性格になったのだろう。

 ただ、結果的には優翔に惹かれて正解だったのだろう。優翔はそこそこルックスも良いし、何よりも優しい。

 この優しさは優也と結羽の優しさのDNAを両方引継いでいるから物凄く優しく、困っている人を見たら見過ごせない性格になっていた。

 

 その性格に結羽は昔の優也を見た。

 あのサッカーボールで結羽を助けた時の優也を。優翔も将来、サッカーボールで人を助けるようになるんじゃないかなと思ってクスッと笑った。

 

「じゃあお茶を淹れるね」

「うん。お願い」

 

 すずが優翔に抱き着いているのを見て柚結は頬を膨らませる。柚結にとってすずは大好きなお兄ちゃんを奪おうとする敵なのだ。

 なので柚結も無言で近づいて優翔に抱きついた。

 

「ちょ、柚結!?」

「ふふ、モテモテだねぇ」

「これはモテモテって言うのか?」

 

 優翔は満更でも無さそうだった。

 優翔は誰かさんに似てシスコン、そしてすずはに少しだけ好意を持っているので抱きつかれて反応に困っている。

 

「それじゃあお茶会、始めよう」

「そうだね」

 

 今日もいつも通りの毎日が過ぎていく。




 はい!今回はアフターでしたが少しグダグダしてしまいました。少し反省です。

 次回は未定です。しばらくは残り三作品を重点的に書いていきますので新作はまだ無いですね。
 次書くとしたらオリジナルなのでなろうの方で書くと思います。

 それでは!

 さようなら

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