こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

112 / 113
 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回で遂に本当に終わりを迎えます。

 色々言いたい事はあるので後書きの方に載せておきますので読みたい方はそちらを読んでください。

 長い事続いたこのシリーズですが、そろそろ最後の話へ参りましょう。

 それではどうぞ!


epilogue

 とある空港。そこに一人の男がいた。

 その男は真っ黒なスーツに身を包み、大きな鞄を持っていた。その中には白衣が入っており、その他にも大切な物が色々入っている。

 

 空港で飛行機を待つ間、男はもう五年も前に撮った写真を見ながら微笑んだ。

 その写真は男にとって友達のみんなが集まって撮った集合写真。その写真を見ながら男は五年前の事を思い出していた。

 もう五年も経つと言うのに物凄く大切に保管されていたせいか、色褪せること無くその時の状態で残っていた。

 

『次は龍川空港行き。ご登場は7番ゲートです』

 

 そのアナウンスを聞いて男は写真を鞄に仕舞うと飛行機に乗る為に歩き出した。

 

「あそこに行くのは久しぶりだな。伊真舞市」

 


 

 伊真舞市のとある店前で人集りが出来ていた。

 それも全員が同じ学校の友人。つまりは同窓会に出席しに来たメンバー達だ。

 既に全員20歳を越えているため、居酒屋で飲み会をする事にしたのだ。

 だが全員が来れた訳でもないのだ。約一名ほど同窓会に来れていない人物が居た。

 その人物にもちゃんと招待状は送ったのだが、全く返事が無い。その為、メンバーは少し不安になってしまっていた。

 

「ったく、あいつはどこほっつき歩いてんだ」

「あ、あつし君。そう言う言い方はあんまり良くないと……思うよ。多分忙しいんだよ」

「そうは言うけどよ、つみき。お前も全員で集まりたかったのは同じだったんじゃないのか?」

「た、確かにそうだけど……」

 

 そう会話する二人の左手の薬指にはお揃いの指輪がハメられて居た。

 この二人の結婚は別に意外でも無かった。ここに居た全員が既に予想は出来ていたのだ。

 二人は高校生の時から既に付き合っており、高校を卒業したら直ぐに結婚するのかと思われたが、二人はなんと20歳の時にあつしから告白し、結婚。予想外の遅さに祝福とブーイングの嵐だった。

 だがその時のつみきの嬉しそうな顔を見ると直ぐにブーイングの雨は止んだ。

 

 そんなつみきのお腹はポコっと膨らんでいた。

 

「結婚は今結婚している人の中で遅い方なのに赤ちゃんは一番速かったね」

「うん」

「赤ちゃんを身ごもった感じってどんな感じなの?」

「なんかね、ちょっと体が重く感じて今まで以上に疲れるんだけど、全身で幸せを感じてるみたいでなんだかその疲れも嬉しいっていうか……えへへ」

 

 つみきは嬉しそうにお腹を撫でながらえへえへと笑う。

 

「結羽も早く絆成君が帰ってくるといいね」

「うん……でも私は急かすつもりは無いんだ。優也には自分のペースで生きて欲しいから」

 

 結羽は遠い目をした。

 羨ましかったのだ。確かに自身にも恋人が居たが、彼氏は都会の方へ出て行ってしまったから事実上の遠距離恋愛となってしまった。

 それから会っていないし、電話をしたりメールをするだけだ。だけど結羽は全く彼氏への愛は尽きていない。寧ろ期間が長引く度に会いたい会いたいと強く思うようになって更に愛が強くなって行くのを感じていた。

 

「そういう事を言ってると帰ってきた瞬間に寝取ってやりますよ柴野セ・ン・パ・イ」

「む? 露木ちゃん。それはどういう事かなぁ〜」

「痛い痛い! ごめんなさい! 許してください!」

 

 露木も結羽の彼氏の事が好きだった人物の一人。偶にこう言うネタを口走るが好きだった事を知っている結羽は気が気じゃなく、思わず過剰反応をしてしまう。

 露木はもう諦めており、現在は隣の県で一人暮らしをしながら会社で働いていた。

 

「露木ちゃんが悪いよ〜」

「真依先輩!? どうしてここに!?」

「居ちゃ悪いかしら? 私も一応『友達』の括りだと思うのだけど」

 

 現在、露木と真依は同じ会社で働いていた。そして真依は露木の上司に当たる人物なのだ。

 

「それにしても来るのか? 全く……同じ遠方からはるばる来た神乃さんも来てるってのに」

「多分優也は来ると思う」

「へぇー。まぁ、確かにあいつは何も言わずにすっぽかすようなタマじゃねぇもんな」

 

 悠真と光の坂戸夫婦。みんなにとって一番意外だったのはこのカップルだ。

 悠真と光が付き合いだしたのは卒業後。卒業後、二人は偶然再会したことにより一緒に遊ぶようになった結果、悠真から告白し、今に至る。

 光はあつしとつみきよりは遅いものの、身ごもっている。

 

「うぅ、親しかった人同士が次々と結婚を! しかも結羽ちゃんまでそっちに行くのね! およおよおよ」

「会長。そんな泣き真似は辞めてください。恥ずかしいです」

「そ、そうです! それに私も結婚してませんから!」

「でも婚約者が居るのでしょ? そんなの、結婚しているのと同じじゃない!」

 

 結羽はそんな元生徒会長の様子を見ながら引き笑いをしていた。

 

「でもまぁ、あいつも来るかは分からないしもう入っちゃうか? 来るなら招待状に店の名前も書いてあるから来るだろうし」

 

 そして全員が待つことを諦めて今居るメンバーで始めようとしたその時だった。

 店の目の前に1台のタクシーが止まったのである。

 そのタクシーからは真っ黒なスーツを来てサラリーマン的な風貌のおとこが降りてきた。

 サングラスをかけており、顔がはっきりとは分からないが、みんなは一瞬でその人物が誰なのかを見抜いた。

 

「ありがとうございます」

 

 男はタクシードライバーに礼を言うと、振り返って店を眺める。そして間違いない事を確認してから店に入ろうとしたその時だった。

 

「遅れちゃったし、みんなもう始めてるか……な…………っ!?」

 

 男は驚いた表情をした。その表情を見て全員確信を持った。そして決定打は驚いた表情をした後に男がサングラスを外した事だった。

 

『優也っ!?』

「おわっと、みんな!」

 

 優也はいきなり取り囲まれた事にビックリしたものの、直ぐに元の雰囲気に戻った。

 

「遅せぇよ。今まで何やってたんだよ」

「そうだ! 珠には連絡よこせ馬鹿野郎」

「悠真……あつし……」

 

 口調は強いが、心配してくれていた様子の二人に感謝する。

 

「そう言えば悠真と星野さん、結婚したんだってな。おめでとう。これ、結婚式に出席出来なかった詫びだ」

「うわぁ、高そうなお菓子だな。大事に食べさせてもらうよ」

「ありがとう」

 

 事前に優也は手紙で結婚した4人の事は伝えられていた為、結婚祝いを買って来たのだ。流石に悠真と光が結婚した事には優也も驚いていたが。

 

「あつしと白井さんも。おめでとう」

「サンキュー」

「ありがとうね」

 

 同じようにあつしとつみきにも結婚祝いを手渡した。

 

 そして他の面々の方も見る。

 

「手紙を読んだんですが、白波さんと露木ちゃんって今、一緒に働いてるんですよね?」

「ええ、そうね。彼女は本当によくやってくれているわ」

「そうでしょう。俺の自慢の後輩ですからね」

「なんで先輩が誇らしげなんですか……」

 

 優也的には露木は一番可愛がっていた後輩だった為、少し心配だったのだが、手紙で真依と一緒に働いてると聞き、少し安心したのだ。

 

「神乃さんもお疲れ様です。長旅で疲れましたよね」

「絆成君程じゃ無いわよ」

 

 そして一通り挨拶が終わった所で優也は最後に結羽の方へと向いた。

 

「結羽」

「優也、おかえり」

「ああ、ただいま結羽」

 

 久しぶりに会えた感動からか優也は人目もはばからずに結羽を抱きしめた。それによって結羽の顔はリンゴみたいに真っ赤に染る。

 

「まぁ積もる話もあるだろうし、立ち話もなんだからとりあえず中に入ろうか」

 

 それから席に着くと各々今まであったことを話し出した。

 その中でもみんなに会える確率が低い優也と夕香のの事が一番話題に上がった。

 

「俺は何とか医師免許を獲得出来た。んで、こっちの病院に配属される事が決まってこっちに来ようとしている時に招待状が届いたからタイミングが良かったんだ」

「そうなんだ。どちらにせよまたあえて良かったよ」

「俺もだ結羽」

 

 二人とも、随分と会えなかった反動で愛おしさが限界突破している。今にもこのままキスを始めてしまいそうな雰囲気だ。

 

「良かったわね。彼氏が帰って来て」

 

 真依は不貞腐れてチューチューと飲み物を飲む。それに同調して露木も不貞腐れてチューチューと飲み物を飲んだ。

 

「そう言えば結羽、プレゼントがあるんだ」

「え、何?」

 

 そう言って優也が取り出したのは小さな小箱だった。

 

「開けてみてくれ」

 

 結羽は手渡されたので言葉通りに直ぐに開けるとその中身を見て先程優也が抱きしめた時よりも顔が真っ赤に染まり、頭から湯気を出している。

 みんなはどうしたのだろうと結羽の方を向き、全員の視線を集めた。

 

「ゆ、優也! こ、これって……そう言う意味だよね?」

「ああ、そうだな」

 

 その中に入っていたのは――指輪だった。

 

「結羽。俺、約束通りに医者になって帰ってきたぞ。だから俺と、結婚してくれ」

「……うん……私も、優也と結婚したい」

「結羽、ありがとう。待っててくれて」

「ううん。こっちこそ約束守ってくれてありがとう」

 

 こうしてまた一組のカップルが誕生した。

 

「よし! 今日は同窓会兼絆成夫婦の誕生を祝して、飲むぞ!」

『おーっ!』

 

 悠真の司会により会が再開した。

 これからどうなるのかは誰も予想は出来ない。だけど優也と結羽はどんな困難もくぐり抜ける事が出来るような謎の自信があった。

 

 そして数ヶ月後、優也と結羽はみんなに見守られながら結婚式をあげた。

 

 

 Fin




 はい!これにて『こんな僕に彼女は必要なのだろうか?』完結です!

 ここまでどうでしたかね? かなりグダグダしたシーンもありましたが、僕的には結構楽しくかけました。
 それにしてもやはり長い事書いてた物が終わるってのは考え深いですね。
 この話は僕が書いた作品、二作品目です。
 完結は三作品目ですが、僕の書いてきた中で最長……いや、なろうで書いてる物の方が長いですが、まぁ週投稿では最長です。

 そして皆さん。ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!

 恐らく今後は気が向いたらこの作品のアナザーストーリー。もしもの話。そして、この本編の番外編、まぁ今回の話から更に数年後の話を投稿すると思います。

 そしてこのアカウントではもうこの作品以外のオリジナルは投稿せず、二次創作専用にしようかと考えています。

 オリジナル作品は小説家になろうの方で現在は『転生者は気まぐれ勇者〜勇者にはなりたくないけど大切な人は守り抜いてみせます〜』を掲載中です。

 ちなみにここでも現在は無意識の恋の第二期、『無意識の恋 Second stage』と『東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜』を掲載中です。

 こちらで書かせて頂いてる二作品は毎週投稿となっており、小説家になろう様で書かせて頂いてる転生者は気まぐれ勇者の方は現在は毎日投稿をしています。

 この作品が面白かったと思っていただけた方はそちらの三作品もよろしくお願い致します。

 最後になりますがこれまで読んで頂き、ありがとうございました。
 また別の作品でお会いしましょう。

 それでは!

 さようなら

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。