今回で最終回です。次回はエピローグとし、今後は気が向き次第、アナザーストーリーを投稿して行きたいと思います。
ただ、アナザーストーリーは本当にいつ投稿するかは分からないので気がついたら読んで頂く感じでお願いします。
それでは前回のあらすじ
優也の誕生日。
それではどうぞ!
side優也
時間は流れ三年生、卒業式。
俺はあれから猛勉強をした。学力が落ちた時の事をカバーする様に中学の頃みたいに全ての娯楽を無視して勉強をした。
まぁ、流石に結羽達の事は無視することは出来ない為、息抜きに雑談なんかはしたが、殆ど部屋に篭もりきって勉強をしていた。
結羽には寂しい思いをさせているかもしれないと思ったが、結羽が「気にしないで」と言ってくれたのでだいぶ安心した。本当に好きになったのが結羽で良かった。
そして俺はその勉強の甲斐もあってか都内でもハイレベルと言われている医師学校に受かる事が出来た。
運に関してはダメダメなので運ゲーでは無く確実に受かる様に猛勉強をした甲斐があった。何せ教科書を洗いざらい全て復習したのだから、かなり疲れたものの、受かった時の嬉しさって言ったら物凄いものだった。
そして受かった事を結羽に伝えると物凄い祝福してくれて、何故か俺よりも喜びパーティを初めてしまった。そんな結羽の姿を見れて余計に嬉しくなってくる。
俺は卒業したらすぐに飛び立つ。俺がみんなと居れる時間もあと少しだ。
因みに悠真は近所の専門学校。星野さんは近所の大学。結羽も星野さんと同じ近所の大学に行く事となった。
俺らの学校は結構レベルが高かった為、結羽がダメに見えたが、結羽も本来はそこそこ学力はあったようで今回はまだ易しい大学を受験した為、合格はそう難しくは無かったようだ。
そしてついに来た卒業式。俺らは最後となる伊真高の制服に身を包んで体育館の自席で自分の名前が呼ばれる事を待つ。
出席番号順、更に俺らのクラスはAなので俺が呼ばれるのはすぐだ。
俺らのクラスは担任の今倉先生が名前を読み上げて行く。
「絆成 優也」
「はい!」
大きく返事をして俺は壇上に登り、校長先生の前で礼をする。
すると校長先生は一枚の卒業証書を手に取り、読み上げ始める。
「卒業証書、絆成 優也」
以下同文だ。内容的には良くある全ての過程を終了しました的な事を書いてある。
俺は壇上で卒業証書を受け取りながら色々な事を思い出していた。
医療研究会と言うくじ引きの部活に入れ無かったこと。入学早々に寝坊して遅刻しそうになった所、同じく遅れそうになって走っている結羽と十字路で出会った。
そして初めて公園で話をして友達となった。
悠真と再会、生徒会長の白波さんとの出会い。そして副会長の神乃さんとも出会った。
バイトを初めて如月と北村さんに出会った。
二年生では神乃さんの妹さん、露木ちゃんと出会った。最初こそ辛辣だったものの、段々と打ち解けてきた感じがして少し嬉しかった。
萌未と久しぶりに会うと悪化していた。昔からだが、更に悪化していた。何がとは言わないけどな。
その他にも沢山色々なことがあった。俺の人生の中で一番濃い学校生活だったと思う。
俺が壇上から降りると次の人の名前が呼ばれる。
「柴野 結羽」
「はい!」
ついに結羽の番だ。
結羽はあの壇上で何を考えるのだろうか? だが、誰でもあの上に立ったら今までの事を思い出すのでは無いだろうか。それは良い思い出も悪い思い出もあるだろう。だが、それら全てが高校での思い出なのだ。青春の1ページなのだ。
「白井 つみき」
「はい!」
白井さんは最初こそ引っ込み思案であつしとしか話せなかったが、いつの間にか俺とも話せるようになっていて今では結羽とは仲良しだ。
よく結羽とは遊んでいるのを見るため、仲良くなった二人を見て安心する。
「童明寺 あつし」
「はい!」
あつしは学校ではクールキャラで通ってて、イケメンなので隠れファンクラブなるものも存在する。まぁ、白井さんが彼女権限で近づかせないだろうけども。
いつもは弱気の白井さんもあつしの事となったら異常な行動力を発揮する。
そして俺らのクラスは終わり、次のクラスへ移る。
「坂戸 悠真」
「はい!」
悠真は俺の中学時代からの知り合いだ。途中であいつが転校して行ったが、進学を期に戻ってきた。騒がしい部隊の一人だ。
奴に俺はいつも振り回されていたなぁ。
「星野 光」
「はい!」
星野さんは文学少女的風貌で、人と絡むのを好まない。だが、そんな彼女が俺の事が好きだと知った時はびっくりした。
星野さんもかなりの学力なので俺と一位二位争いをしていた。良い思い出だ。
そして全員に卒業証書を手渡され、卒業式が終了した。
「おつかれ〜」
「ん? ああ、お疲れ様」
卒業式が終わり、玄関に出ると隣を歩いていた結羽が突然声をかけてきた。
確かに疲れた。卒業証書を受け取るだけだが、普段ああ言うところに登らない俺はかなりの緊張で疲れてしまった。
「で、でさ優也。あの、第二ボタンって貰えるかな?」
「ああ、いいぞ」
「あーあ……やっぱり勝てませんでした」
「露木ちゃん!? いつの間に」
俺が結羽にボタンを手渡しているといつの間にか露木ちゃんが真横に居たため、驚いてしまう。
「先輩はこれから空港ですか?」
「だね。向こうで色々とやっておきたいことがあるから早めの方が都合がいいんだ」
皆とはここでお別れだ。結羽は最後まで見送りをしてくれるらしい。本当にありがたい、良い彼女を持ったなとしみじみと思う。
「そう言えば神乃さんも結羽と同じ大学なんだっけか……露木ちゃんはどうするんだ?」
「先輩が娶ってくださるのなら専業主婦って言いたいところですが……残念です」
当然露木ちゃんは娶らない。娶るとしたら結羽だ。俺の恋愛として好きな人は結羽だけだ。
普段の結羽の事を見ていたら結羽以上に良い女性が居る気がしなくて浮気する気にもならない。まぁ、もとより浮気なんてする気は無いがそれだけ結羽は良い彼女って事だ。
「優也、寂しくなるね」
「だが、全く連絡をしてはいけないわけでない。こまめに連絡はするさ」
「うん、期待して待ってるね」
そして俺と結羽は空港へと向かった。
じいさんとばあちゃんにも途中で挨拶して行った。ばあちゃんは年相応の感情表現で涙をポロポロ流して別れを惜しんでくれ、じいさんは「早く行け、バカ孫が」と口は悪いが表情からじいさんも寂しいと思ってくれているようで少し嬉しくなった。
「それじゃあ優也、ここでお別れだね」
「そうだな。じゃあ、何年後になるかは分からないがまたここで再会しよう」
「うん!」
俺は最後に結羽と唇を重ねた。ほんの一瞬くっつけるだけだったが、幸せな気分になれた。
ポンポンと頭を撫でてから俺は飛行機に乗り込んだ。
飛行機の窓から最後のこの街の景色を眺める。
「しばらくの間、さようならだ。伊真舞市」
こうして俺は都会へと飛び立った。これからもっと辛いことが待っているだろうが必ず七海を治してみせる。
「七海、兄ちゃんは頑張るからな」
最後にみんなで校門前で写真を撮った。その写真を見ながら俺は飛行機に乗ること数時間後、俺は都会にたどり着いた。
ここから俺の新生活が始まる。
はい!第最終話終了!
なんか話的区切りは前回の誕生日で区切りが良さそうだったのでここまで飛ばしてしまいました。
まぁ、気が向けばアナザーストーリーとしてこの期間の話を少し書くかもしれません。
次回はエピローグとなっております。
それにしても僕の小説史上最も雑な終わり方ですね。ですが、このまま卒業までダラダラと繋げても面白く出来る自信がなかった為にこういう形になりました。
それでは!
さようなら