こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 結羽が露木に百合だと勘違いされた。



 それではどうぞ!


第106話 ジャストタイミングとデート開始

side結羽

 

 露木ちゃんとデートの約束も出来たし、優也のテスト勉強が終わったらお祝いに最高のデートが出来るように予習しなくちゃね。

 服装なんかはだいぶ優也の好みが分かってきた。優也は私が好みの服を着ていると少し目をそらすのだ。

 それで分かったんだけど、優也は清楚系が好きみたい。でもこんなにかわいい服は私には似合ってないんじゃないかって思う。着るなら私よりずっと大人っぽい人じゃないと……。

 

「うーん……うーん……」

「なぁ、さっきから俺の隣でなに唸ってんだ?」

「ひゃあっ!」

 

 そう言えばさっきコーヒーを持ってきてそのままぼーっと考え事を始めちゃってたんだった。長居するのは良くないってわかってるのに!

 

「ご、ごめんね」

「いや、良いさ。ちょうど勉強も詰まってきた所だし……おいで」

 

 優也はそう言うと膝をポンポンと叩いて私を誘ってきた。

 す、座れって事かな? キスもした関係なのに座るのは少し照れくさくなってしまう。

 

 でも、勇気をだして……えい!

 

「おっと、」

 

 勢いよく座ると優也は後ろから抱きしめてきた。もう……優也は私を萌えさせる天才だよね。

 顔がかぁっと熱くなってくるのが分かった。

 すると優也は私の耳元に近づいて囁いてきた。

 

「いつもありがとな」

 

 ズッキューン。そんな囁き声でお礼なんて言われたら……私、私っ!

 多分私今、だらしない顔をしてると思う。だけど嬉しすぎて嬉しすぎてもう何も考えられないよぉ。

 

「コーヒー、いつもありがとう。すげぇ美味いよ。料理も出来て気遣いも出来る。こんな彼女が居て俺は幸せ者だ」

 

 もう、今日が私の命日なのかな? 幸せすぎて死んじゃうよぉ。このまま優也の膝の上で死ねるなら本望だね。

 でもそしたらもう優也に会えなくなるからやっぱりいや! ずっとこのまま居たい。

 私は優也に体を預ける。するとまるで小さい子をあやす様に私の頭を撫でて来た。今までは子供扱いはされたく無かったのでこういう風に撫でられると……ちょっと嬉しかったけど少し嫌だったの。だって女の子として見られたいから。だけど今は恋人として撫でられているから嬉しさが爆発しそうだよ。

 

「優也。今、私幸せ」

「ああ。俺もだ」

 

 そして私達の顔は徐々に近づいて行き――

 

 ピンポーン

 

「「……」」

 

 いい所でインターホンが誰かが来た事を告げた。

 私達はあと数センチの所でお互いの顔を見て固まった。優也の顔が珍しく赤くなっている。多分私も同じ。優也よりも真っ赤になっている可能性もある。

 

 ピンポーン

 

 再度インターホンが鳴った。催促だろう。

 しょうが無いよね。……はぁ。

 


 

 遂に露木ちゃんとの約束の日。私が待ち合わせ場所に着くと既に露木ちゃんがそこに居た。

 

「ごめんね。待たせちゃったかな?」

「いえ、私は今来たばかりなので」

 

(ここで完全にあっち側に落とせば先輩と上手くいかなくなり、私とゴールインする可能性が高くなります。しかしその上で一番の懸念点は私の貞操のピンチです。もしかしたら柴野先輩に襲われる可能性が……っ! 自分の貞操は自分で守るものです! 守ってみせます!)

 

 何やら露木ちゃんが私を決意に満ちた目で見てくる。何を考えてるんだろう。

 何か嫌な予感がするけどまぁいいや。今日付き合ってくれただけでも感謝しよう。だって自分の好きな人とのデートの事を相談されたら私だったら三日三晩枕を濡らしながら寝込むレベル。だけど露木ちゃんはとっても強い目をしている。私と違って大人だなぁ。

 

(先輩略奪大作戦です)

 

 私達は少し歩き、この街で一番大きなスーパーに来た。

 ここなら色々とあるし、デートの視察にピッタリだろう。と言う事でまずはファッションコーナーに来た。

 デートはやはりオシャレが大切。特に自分の好きな人には気に入られたいから好きそうな服装でデートに臨みたい!

 

「露木ちゃん。この中で私に似合いそうな清楚系の服ってあるかな?」

「え? なんで私に?」

「露木ちゃんってオシャレじゃん。だから参考にしたいなって」

 

(なるほど、つまり柴野先輩はカップルが良くやる服を選ぶをやりたいという事ですね。これは別にやっても私には害はないでしょう)

 

「分かりました……ではこれとこれ、どっちが好きですか?」

 

 露木ちゃんが手に取ったのは水色と薄桃色のワンピースだった。

 

「はやっ! もう候補あげたの?」

 

 やっぱり露木ちゃんはファッションの天才かもしれない。私が選んだらこんなに可愛い服はなかなか見つけられないもんね。

 優也には結構「オシャレだね」って言われるんだけど、私って実は疎い方なんだよね。だから優也が家に居る今、オシャレを少しでも頑張ろうって事で。

 

「じゃあ、着てみようかな」

 

(こ、これは伝説の、カップルに良く起こるイベント。『この服似合ってる?』ですね。ここはきっちり良いのを選んで百合に落とします)

 

 まずは一着目、水色のワンピース。このワンピースは私が着て見た感想だと、可愛くてとても清楚。だけど私が着ると何かが違う。

 そして試着室のカーテンを開けて露木ちゃんにも見てもらうと――

 

「まぁ、結構良いですが随分マニアックになってますね」

「と言うと?」

「子供なのに大人ぶってる感が満載で逆にエロいです」

「何その感想!?」

 

 エロいって! 私達女の子同士なんだからそういう目で見てはいけません!

 

(百合な柴野先輩なら女の子にエロいと言われて嫌な気はしなかったでしょう。この調子で行きます)

 

 次は薄桃色のワンピース。こちらは結構デザインも可愛くてそして清楚感はあるけど大人ぶってる感は出ない。私は結構好きかな?

 そして試着室のカーテンを開けて露木ちゃんにも見てもらうと――

 

「面白くないです」

「何が!?」

「いや、普通に似合ってて可愛いので」

「そ、そうなんだ……ハハ」

 

 露木ちゃんにまともな感想を期待した私が馬鹿だったよ!




 はい!第106話終了

 次回はこの続きからです。

 それでは!

 さようなら

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