こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 優也が、露木に告白されていたのがバレた。



 それではどうぞ!


第102話 距離感

side優也

 

「んー。おいひっ」

 俺達はあの夜の事を聞いた後、更に歩いて観光を進めていた。

 と言っても殆どは食べてばっかりなのだが、結羽はずっと食べている為、そんなに食って腹壊さないか心配で堪らない。

 現在進行形で結羽が食べているのはかき氷。

 今の季節は秋。昼間とはいえ、少し風がスースーする季節なのでそんな物を食ってて寒くないのかなと少し心配になる。

 

「しかし、結羽ちゃんはよく食べるねぇ。どうしたの?」

「何がですか?」

「だって結羽ちゃんやけ食いじゃないの?」

 

 ビクッ。一瞬だけピタっと食べるのが止まり、その後一気にバクバクとかき氷を食べてしまった。

 かき氷をかき込んだ事がある人は分かるだろうけど、かき氷をそんなに一気に食べたら当然頭が痛くなる。実際にかき込んだ後、頭を抑えてる人が目の前に居る。

 

 仕方ねぇなと、俺は手に持ったキンキンに冷えた缶ジュースを結羽の額に軽く当てた。

 すると、結羽は直ぐに頭の痛みが治った様でこっちを見てきた。一瞬で治った事が不思議だったんだろう。まぁ、これは豆知識なんだが、

 

「かき氷等の冷たい物を食べて頭痛がしてくるのは脳が冷たさを痛みと誤認しているからなんだよ。そこで額に冷たい物を当てることでその誤認を正しく認識させる事が出来る。だから治るんだ」

 

 これは本当に一気に楽になるから頭が冷たさで痛くなった時はやってみる事をオススメする。

 

 それから俺は手に持った缶ジュースを結羽に手渡した。

 少し喉乾いからジュースでも買ってこようかなと一時離れ、最寄りの自販機から帰ってきたら結羽は既にかき氷を食べていた。

 シロップが赤色なのを見るとあれはストロベリーと言った所だろう。近くにかき氷屋があったのが見えた。多分あそこで買ったんだな。

 

「優也君ってそう言う豆知識多いよね」

「あ、私も思ってました」

 

 以前、テレビで見ただけなんだが役に立って良かった。

 ちなみに俺の知識は昔見たテレビから来てる事が多い。最近はニュースばかり見てるからそう言うのは入って来ないが、バライティー番組なんかでよくそう言うのをやってるから、そう言う知識を得たいならバライティーを見ることをオススメする。

 本とか読んでもそう言うのは得られる。だから雑学本とか普段はあんまり好まない人でも読んでみると意外と面白かったりするかもしれない。

 

「でもありがとう。お陰で痛みが一瞬で無くなったよ!」

「ん? ああ」

「まぁ、優也君の豆知識はそこまでで、結羽ちゃん。何か悩みがあるの? 優也君が求めてくれないとか?」

 

 その瞬間、辺りが凍りついたような気がした。心做しか寒さまで感じる。

 

「ありゃ、図星?」

「ち、ちちち、違うんです! 優也はいつも私に良くしてくれますし、この前は優也がテレビを見てる時にさり気なく優也の膝に座ったら、何も言わずに優しく撫でてくれました!」

「それだけ?」

「あぅぅ〜」

 

 どうやら結羽は弁明をしようとしているらしいが、すればするほどドツボにはまって行く。

 と言うか求めるってなんだ? 俺自身そう言うのに疎いから俺なりに結羽を愛でてみたんだが、ダメだったかな?

 

「えっとですね? 優也にそういう事をして貰えるのは嬉しいです。嬉しいんですがもう物足りないって言うか……」

「もしかして……キス?」

「……〜〜っ!」

 

 顔を真っ赤にして俯く結羽。白波さんはそれを皇帝と受け取ったのか俺の方に向き直ってビシッと指を指してきた。

 

「キスくらいちゃんとしてあげないとダメでしょ!」

「え、でも俺一人の意見だけだと……無理矢理するのは違うと思うし」

「なぁに女々しいこと言ってるのよ。女の子って無理矢理される事に興奮したりするのよ」

 

 え? そうなの!?

 でも初めての恋人だし、傷つけたくないと思って撫でるくらいしかしてこなかったんだが……もうちょっと攻めた方がいいのか?

 でもなぁ……。

 そんな感じで悩んでいると白波さんはしびれを切らした見たいで、耳もとでこんなことを言ってきた。

 

「今日の夜、押し倒して強引に奪っちゃいましょう?」

 

 ドキッとした。

 結羽を押し倒してキス? それを考えると顔が上気していくのが分かった。顔が熱い。

 そんな俺の姿を見てか、白波さんはニヤニヤし始めた。なので顔を見られるのが恥ずかしくなった俺は缶ジュースを開けて飲むふりをして顔を隠す。

 

「優也君が恥ずかしがるのって珍しいよねぇ〜」

 

 俺とした事が少し取り乱してしまった。だけど俺達は俺達のペースでいいんだよ。

 結羽がまだ心の準備が出来てないって言うなら何もしないし、したいなら俺もしたいけどさ。

 

 あと、付き合い始める前からあーんとか普通にやっていたから距離感を掴むのが難しいってのもあるな。

 俺と結羽は昔一度あっただけで昔からの幼馴染って訳じゃないけど幼馴染同士で付き合った人達の気持ちが少し分かったような気がする。

 

 って言うか付き合うって言ったってどうイチャイチャするのが正解なのかが分からない。

 だからとりあえず事ある事に撫でてみたんだが、ダメだったか。

 

「私は優也に撫でられると幸せな気分になれるので今ので満足……して、ます」

 

 どんどん声が小さくなっていく結羽。

 

「優也君!!」

「どうしたらいいんだ!?」




 はい!第102話終了

 優也の苦悩。

 男子側って怖いんですよね。強引に迫ると傷つけてしまわないかと。

 それでは!

 さようなら

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