IS学園で非日常   作:和希

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二十話 平穏な日々

 「そっ、それで、今日の話って何かな?」

夜、既に日は落ちていて普通なら人も静まり返っている時、二人は学園の屋上にいた。シャルロットは希に呼び出され屋上に来ていた。

「えっと……改めて言うと恥ずかしいけど……その、まあ、俺たちずっと傍から見るとそういった関係だったと思うけど。ずっと、言えなかったから」

その言葉に顔が嬉しさで溢れ涙で溺れそうになるシャルロット。

「俺は、シャルロット・デュノアの事が好きです。結婚を前提に付き合って欲しい」

ずっと待っていた言葉。心の底から言ってほしかった言葉、あの時からずっと、それが今。

「絶対に、幸せにする」

絶対なんて言わない希が、絶対と言った。涙が溢れ出した。

「よっ、喜んで!」

満面の笑顔でシャルロットは答えた。涙が頬を伝わった。希が涙を拭ってから、ふたりの影が徐々に重なって__

「__あ、れ?」

 

 

 

 

 「一夏!お前のせいでひどい目にあったぞ!」

朝初っ端から罵声を浴びせるなんて俺にしては珍しい。……一夏に対しては結構あったかな。

「えっと、悲鳴が響き渡ったのは知ってるけど、どうして俺のせいなんだ?」

「ラウラをけしかけて俺に添い寝させようとしただろ!」

そう言うとラウラが辛そうな顔をした。

「なっ……そんなに私の事が嫌いなのか、兄は」

「違うよ大好きだよ!でもね!色々面倒事があるんだよ!というわけでだ、一夏」

「いやどういうわけだよ……それで、何だ?」

「ラウラのパジャマとかの買いだしに付き合ってやってくれ。俺も付いていきたいんだが、企業に出向かないといけないんだ。ラウラは馴染み始めて日が浅いし、よく懐いてるお前に任せたいんだ」

もちろん嘘だ。もし理由がなかったらラウラが一緒に行こうとか言いかねない。

「なんというか、ラウラに対してすごく世話焼いてるな」

「妹だからな。義妹だからな。大事だから二回言った。だから頑張るさ」

こんなにかわいいのをほっておけはしない。

「お前そんな奴だっけ……いや、そういう奴だな」

どういう奴だお前の認識。本当にどんな奴だよ。同級生を兄呼ばわりさせるシスコン野郎の認識って。こら、シスコンじゃなくて変態とか言わない。

「ともかくいいんだよな?」

「ラウラがいいんなら付き合うよ。そうだ、ラウラって水着選んだっけ?俺も水着を買い出そうと思うんだけど一緒に行かないか?」

ラッキー。さりげなく切り出そうと思ったけど、あの一夏が珍しく気を回した。正直かなり驚き。少しは俺から学んだのだろうか。

「い、いいのか!?パジャマも水着も選んでくれるのか!?」

「まあ、それくらいなら……今度の日曜日でいいか?」

「うむ……さすが兄だ!兄は何でも出来る!!」

「あははは、もちろんさ」

そうしていると、やけに慌てたシャルロットがやって来た。ラウラがビクッと震えた。ちょっと精神衛生教育上に悪影響か。今度からラウラのいない時にするようにしてもらわないと。

「おはよ、シャルロット。珍しく遅いね」

昨日怒らせてしまったので朝食は作ってくれていない。ま、向こうにも予定があるから毎日とは行かない。それでも昼食はほぼ一週間のうち六日は用意してくれるし、朝食も同様ぐらいだ。

「希のせいだからね。二度寝しちゃったのは」

「怒ったのはシャルロットさんでは……はい、すいません」

だが、それとは違うような。視線を合わすとなんと向こうが避けた。しつこく合わそうとすると頬を染められた。えっと、えっと?

「えっと……どうした?」

「の、希がいけないんだよ!」

「えっ?えっ?」

分からないでいるとラウラが

「ふむ……寝言でのぞ__」

「ラウラ、いい子だから静かにしようね」

スッとひんやりとした、有無を言わせない雰囲気が流れた。

「了解した」

さっと黙った。でも、いやまさかね。寝言とか。

「ともかく!そういうことだから!」

「うん。早く食べないと死ぬよ?」

そう言うとパクパク食べだした。早いけれども品がある。さすがである。

「シャルロットはごまかすのが苦手みたいだな」

「演技出来ない人間だろうね。人が良すぎるんだ。ウソをついてたら罪悪感を感じるし、申し訳なく思う」

男と隠してた時もそれっぽい話題を振ると明らかにぎこちなくなったし。

「ずっと思ってたけど、お前たち皆シャルロットが男だと思ってたの?」

あんなの私は女ですって看板を掲げて歩くようなもんだと思うけど。

「ずっと思ってた」

「私もだ」

「無論」

俺が異常なのか?確かに思考は他より軽く狂ってるけど、そこまで狂ってるわけじゃないだろう。一般人よりちょっと違うってだけで。一夏が俺を見ながら

「その点、希は真逆だな。俺なんて希が嘘ついても分からない。まあ長い付き合いだし、明らかにおかしいのとか、何となくで分かるけど外見は全く平常だし」

「嘘をつくときのコツは三つ。嘘に真実を混ぜる事。時系列を把握する事。嘘を嘘と思わないで本当と思う事。罪悪感が感じにくくなるから。罪悪感は顔に出る」

それに対して箒がため息をつきながら

「とてもためにならんな」

あまり否定できないな。将来的には役に立つだろうと思うけど。大和撫子を真っ直ぐ突き進んでいる箒はさすが……おい、ちょっと待て。ツンデレが何言ってるんだ?いつも下手な嘘ついてボロボロになってるのに。

「ラウラ、こうしたことは真似しちゃ駄目だぞ」

俺が言うのもあれだけど。

「分かった」

素直でよろしい可愛いらしい。そう思ったちょうどその時、キーンコーンカーンコーンと予鈴が鳴った。

「よし、間に合った。さてと」

席を立つが

「希!?僕をおいてくの!?」

逃げ出せなくなるから止めてほしい。その目。

「ラスボスの前に仲間を差し出すわけじゃあるまいし、大げさな」

歩き出そうとしたら皆が口々に

「……意外と間違いじゃないのがな」

「ラスボスより強そうだ」

「ラスボスなど教官なら一蹴りだろう」

あながち間違いじゃないなそう言えば。ちなみに言うだけ言って三人は遁走した。他人より自分である。

「ごちそうさま。って早く行かないと!」

「なら気をつけてしっかりつかまって」

ISを部分展開。脚部のみ。シャルロットをお姫様抱っこする。そのまま抱えると下から覗けちゃうしね?配慮しないと。見せたくないし。

「キャッ!希!?どうして?」

「どうやら遅れたのは俺が原因らしいしね。しっかりつかまって」

脚部補助ブースターを開放。ISの武器装甲などがない分PICを自由に使いやすいので補助ブースターだけでも軽く飛べる。目的の三階付近に到着した後、索敵開始。__千冬さんか。幻想機動をつけといてよかった。背中の部分に幻想機動を展開。発動をし、その瞬間にもぐりこむ。切れるまでに千冬さんの視界から消えた。

「ふぅ……危なかった」

「び、びっくりしちゃった。……お姫様抱っこなんて初めてで」

「えっ?そうだっけ?」

「そうだよ」

どうやら、機嫌は治ってくれたようで、スッキリした笑顔を見せてくれた。……それにしても、まず間違いなく気付いてるだろうな、あれぐらいは。千冬さんは全方位にレーダーを張ってる。

「さっ、さっさと行こう」

「うんっ!」

「ほお、ご苦労な事だ」

「なっ……」

見ると鬼がいた。いや、そんなまさか。叱りに来るとは予想外だ。……そうか、一夏と同居が出来なくなりそうで荒んでるのか。しかも俺のせい?で。隣を見るとシャルロットも青ざめている。

「本学園はISの操縦者育成のために設立された教育機関だ。そのためどこの国にも属さず、故にあらゆる学的権力の影響を受けない」

それお題目だけどね。実際には受けるけど。そりゃ当然だ。金の出資者は日本だし。やって来てる生徒たちは国のバックアップを受けてるし。受けないほうがおかしい。しかも三年過ぎればどうしても学園から離れざるを得ないのだからどうやっても国の影響は受ける。

「はい、ですが、シャルロットを勝手にお姫様抱っこしたのは俺です。シャルロットは何もせず、俺から被害を受けただけです」

「なっ、希っ!?」

「連帯責任と言うかも知れませんが、さすがIS。たったの数秒の事です。彼女でも反応は出来ませんでした。なれないお姫様抱っこにとまどっていたのでしょう」

おどけて手を広げて。大丈夫、この人には貸しがある。それに俺は正しい、俺は正しい……。心から信じて顔に出せ。俺は間違っていない、そう心から。

「ほお、つまりどういうことだ?」

「俺が全部悪いでしょう」

断言するように言い切る。

「いえ!私も振りほどこうと思えば出来たので私も悪いです!」

「ならんな。となると、清水」

ダンッ、ダンッと二発叩かれた。痛みは強烈だが、引きはそこまでしない、良い加減のアタック。相変わらず絶好調か。

「清水は放課後教室を掃除しておけ。二回目は反省文提出と特別教育室で生活をさせるのでそのつもりでな」

「はい、これから気をつけます」

痛いが見栄を張って平静を装った。痛みには、柔道で慣れてる。頭をよく打ってたという意味じゃない。決して。

 

 

 

 SHRが終わった直後、シャルロットはすぐに近づいてきた。

「希、さっきはありがとう」

「事実だろ?使わないでも間にあったかもしれないのに使ったのは俺だ」

「……食後、急激に走るのは健康に悪いよね。前、僕がそう言ったけど、配慮してくれたの?」

「さあ。でもま、いつも食事を作ってくれてるんだ。たまには恩返しぐらいしないと男が廃るさ」

恩にはきっちり返すのが俺の主義だ。向こうがしたいからそうしてくれたとしても。

「……僕も、放課後掃除を手伝うよ。絶対だからね」

決意を固めた瞳で言ってきた。

「分かった分かった」

絶対に譲らない、そんな気配がにじんでいた。それからは今日も一日普通に授業を受け放課後。ISでバトルできないな~とか思いながら掃除に突入である。ちなみに、普通の学校と違いIS教育に少しでも時間を回す為専属業者に頼んでいる。よく自分の学び舎は自分で掃除するべきだとか教師とかが言うけど、教師専用のトイレ(洋式便座)とかは自分で掃除しろって話だよね。教師は生徒たちよりやることあるんだろうけどさ。上に立つ人が態度を示すべきだ。っと、話が逸れた。

「うーん、教室の掃除なんて久しぶりだな」

「そっか、いつも部屋で全力で規則破ってたけど、見つかったのは初めてなんだよね」

全部カウントしてたらヤバイことになるってレベルじゃないぐらいには。

「意外とね。まあ、そこまで悪くは無いな」

「どうして?」

「なんだかんだで自分の使ってる場所は自分で掃除すべき、って感覚もあるし。そりゃ時間が切羽詰ってるなら馬鹿ーめんどくせー、なんて思うけど、余裕はあるから。余裕はあるときはこうしたこともいいなって」

ただし、周りが掃除してないのに自分だけやてると虚しくなるけどね。それぐらいなら一人でやった方がマシだ。

「希って、真面目だよね」

だらしない姿見せれないからね。打算で動くのも多いし、心の底から相手のことを想って動けるわけじゃない。悪い人間じゃないけれど善い人間でもなくて、良い人間だ。真面目だとも思う。自分で言うのもあれだけどさ。

「シャルロットほどじゃないけどね。毎日部屋をこまめに掃除してたし」

俺はある程度まとまったらするタイプだ。

「昔からの習慣だよ。ん、んん~!」

「こらこら、筋力はこっちの方が圧倒的に上なんだから。机運びは任せろって」

シャルロットは筋力関係は少し低めだ。

「大丈夫。私だって専用機持ちだから。ほら……きゃっ」

一瞬ぐらついたシャルロットの後ろに手を回してをカバーする。やはり軽いので当たってきても問題は無い。が、シャルロットの反応の方が困る。顔を赤くしながら

「あ、ありがとう。でも、一人で全部は大変でしょ?」

「そこまでじゃないって。よいしょっと……フルアーマー机とか言ってたけど、フルアーマーするのはアニメの終盤だけでいいよ」

岸里さんが教科書類を全部机にしまってるが、それを命名フルアーマー机と言ってた。(アーマー)とは外にするものなのに鎧が内側にあるとはいかに。

「ちょっと上手いね。でもまだまだかな」

相変わらず辛口と言うか、シャルロットこのごろ的中率上げてきてるな。一夏や鈴ぐらいしか読んで来ないのに。千冬さんは別として考える。

「だよね。このごろラウラもアニメとか見だしてるんだよ。面白いのも理由らしいけど、戦闘の参考になるって。とくに希に対しての」

「まあね、からめ手とかはアニメ小説を参考にしたのも多いし」

「ラウラは特に騙されやすいしね」

うんうん、純粋なのはいいが将来変な男に……一夏は変な男といえるだろうか否かが問題だ。人によっちゃ駄目人間と言うかもしれないが、否定できないかもしれない。でも聖人だと思うよ俺は。考えないで動くことも多いけど、打算で動かない奴は。何よりも、憧れる。

 

 

 

 

 「終わった。クーラーをきかせてくれてたのは幸いだ。無かったらきつかった」

「だね」

そこから沈黙が続いた。温かいような、寂しいような。

(な、何か話題は……とにかく話題を見つけなきゃ)

「……突然なんだけどさ、シャルロット」

「ひゃいっ!?」

考え事の最中に声をかけられると驚いたりする事はあるものだ。

「うおっ!?こっちが驚いた……でさ、シャルロット」

「な、なあに?」

真剣な目で見つめられ、思わずたじろいだ。

(じゅ、重要な話だよね……どうなのかな。まさか、今朝のは場面が違う正夢!?)

「シャルロットが男から女になったのは、やっぱり嘘をつきたくなかったから?居場所を作るのに」

真剣だけども、ベクトルが違って少し残念だった。

「……うん。自分の居場所になってくれるかもしれない場所で、嘘の自分ではいられないから。だから私は、僕じゃなくて私になったの」

「でも、今でも先生の前以外僕だよな」

「他に、希と二人きりの時は私だよ」

すっ、とシャルロットは攻撃に移る。しかし、希は表情は全く変わってないように見えた。

「……やっぱり?」

「うん」

(希はどう思ってるのかな。見かけは全く動じてないし、脈はないのかな……)

ずっと気になっていた事だ。確かに風呂で抱きついた時は顔を赤くしていたようだが、さすがにあそこまでやれば自分以外でも顔を赤くするはずだ。そうでないのなら攻略絶望(ホモやロリコンなどetc)と言う事になる。もしそうだとしたら他の女子たちも悲惨である可能性がある。ホモ場合の相手は高確率で一夏になるのだから。

「だって、前と変わらず男としか見てないみたいだし……」

「そんなわけないだろ。女としてみてるって」

「えっ?本当!?」

そう言うと、希は一瞬口を開き、眉を一瞬動かした。さりげないが、これはしまった、の表情だと気がついた。何がしまったのかは分からなかったが。

「ああ、シャルロットが男に見える奴は脳外科に行った方がいいな。男装してるならまだしもだけどさ」

カラスが微妙に鳴いた気がした。

(な、なんか違う……)

「この学園の女子はかわいいのばっかだしな。最初から男じゃないって思ったよ。男装しても分かるかわいさってね」

あははと笑いながら言う希が、本当のことを言っているのかわからなかった。

(希はかわいいかわいいってよく言うけど、本当にそう思ってるのかな)

「希、白猫ってどう思う?」

「かわいいな」

「ウサギは?」

「かわいいな」

「ラウラは?」

「とってもかわいいな」

「私は?」

「かわいいな」

「……全部同じ表情だよ」

専用機持ちの一般人とは隔絶した世界を生きているシャルロットとは言え、思春期の女の子だ。自分だけにかわいいといって欲しい、そういった思いも確かにあるのだ。

それが、このごろ特に強まっていた。彼の友達である鈴やセシリアや箒、のほほんさんや如月などに結構かわいいとかいうが、それすらにも一瞬嫉妬をしている。そんな自身が嫌だとも感じるようになっていた。

希は誰に対しても優しい、それに惹かれる面もあるが、それを自分だけに向けて欲しいといった矛盾する気持ちがあった。

「意識的に動かさないようにしてるからね。それにしても、前に二人きりの時はシャルロットって呼んでとか言ったけど、皆シャルロットになったな」

「ばらしちゃったから仕方ないよね。……そ、そうだ!なら愛称をつけてよ!のほほんさんみたいに」

「分かった。シャルルー」

彼女はいつもおりむーやしみずーと言ってる。

「怒るよ?」

こうやってさっと返してくる頭の回転力はどうなっているのだろうかと考えてしまう。緊張すれば回転率は落ちるはずだがすぐに返してくる。

(緊張してないのかな……二人きりでも)

「ごめんなさい笑いを全力で取りたかっただけです」

「怒るよ?」

(も、もう!いつもこうやってからかって!)

頬を軽く膨らませて怒らすシャルロットに希はかなり緊張してるがおくびにも出さない。昨日一昨日と壮絶体験(彼からして)が彼をまた一歩先の地点へ進ませていた。

「で、そうだな……シンプルにシャル、でどう?」

「シャル……うん!いいよ!やったよ勝ったよ!」

「何に対して?……じゃあ、俺にもつけてくれ」

「のぞみー」

「分かってるー」

あはははと二人は笑いあって

「希は希でいいよ。希は、私の希望になってくれた。希望の()、シャルとのぞみ、三文字だね。これ以上短く出来ないから」

「ああ、その通り」

「もしくは、のぞみんとかのぞみくんとか、のっちゃん?」

「のぞみで頼む」

それが落ち着くと付け加えた。シャルロットは少しの沈黙の後、

「ねえ、シャルって言って」

「シャル」

「もっと心を込めて」

「__シャル」

眼をやさしそうに緩め、語りかけるように言った。

(何でそんなに簡単に変えれるの!?)

「……ありがとうね」

「別にいいさ。……さて、アリーナ行こうか。まだ開いてるかな」

「ちょっとだけだと思う、動かせるのは」

「その分エネルギー配分考えないでいいから派手に動かせるな。……あ、そうだ。忘れてた。頼みがあったんだ。付き合ってくれ」

「えっ!?」

そう言うと希は久しぶりに表情を大きく動かした。口をぱくぱくさせて

「あっ!いやちがっ!ラウラにだ!!」

「馬に蹴られて死んじゃえ!」

「……ごめんなさい」

本当に彼は余裕がなかったのだ。言葉を忘れるぐらいには。

 

 

 

 「とっ、ともかく!今度一緒にお出かけね。指切りしようよ」

「はいはい」

小指を出して、触れ合った場所が赤みを帯びたような気がした。そして彼女がこう言った。

「指きりげんまん嘘ついたらクラスター爆弾のーますっ♪指切った♪」

心底怖いと彼は思った。




一応、原作で一夏に対する想いより更により多くの想いが現時点で希に向いてます。よって原作より沸点が低めになってます、ご了承ください
シャルロットって想いが大きいほど怖くなると思うんだ

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