Skull   作:つな*

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俺は苛立った。


skullの怒気

さて、現在代理戦争真っ只中なんだが、俺は辞退したい。

ということをポルポに告げてみた。

 

「何故だ、主」

 

まぁそうなるよね。

この代理戦争危険すぎるんだよ。

ポルポが相手を殺す前に俺が殺されそうな件について。

危ないから、と言ってもポルポがなら我が守るとか言いそうだし、流石の俺も少しは学んだ。

 

「今回の代理戦争……裏がある」

 

ぶっちゃけこれ本音でもある。

まずなんで代理戦争するんだっけ?

呪いが解きたいからであって、呪いを解くにあたって何で代理戦争?

一番強い奴を呪いから解放する意味が分からない上に、一番強い奴を選定する為に代理を使うとかもっとわけわからん。

普通本人同士をぶつけるだろ。

そうなったら俺即死だから直ぐに辞退するけどさ。

理由があやふやな上に俺だけ別条件出す程参加させようとするのは何で?

色々突っ込みたいことはあるんだけど、あの変態仮面は特定厨だし信じていい奴ではないよな、ってのが一番なんだけど。

確約されたニートライフにちょっと舞い上がり過ぎて条件飲んじゃったけど、あの変態仮面ほど信じちゃダメな奴いなくね?ってわけなんですよ。

因みにギルマスに、マスク付けてるおっさんがお金くれるって言ってくるんだけどこれ大丈夫かな?って聞いたら、アホかんなの猿でも引っ掛かんねーぞ。と一蹴された。

確かに。

俺以外のアルコバレーノはアホだから引っ掛かったのかな、いや…単に呪い解きたいだけか。

その点で俺は呪いを解きたいわけじゃないから、一抹の希望的な理由で参加する意味はない。

あれ?じゃあやっぱり参加しない方がいいのかな?

ニートライフが確約された怪しい取引と自分の命を天秤に掛けたら後者が大事なわけで、代理戦争にこれ以上頭突っ込む理由はない。

裏があるか分からんけど、あの特定厨は信用ならんのは確かだ。

 

「……俺達は誘導されてる」

 

気がする、と言えば憶測になってポルポの説得に少し欠けるから、いっそのこと明言しちゃった。

ポルポは俺の言葉に少し無言になったが、暫くしてボスウォッチを外してくれた。

 

「主に従おう」

 

ボスウォッチとアルコバレーノウォッチを持った俺は、ホテルから出て近場の川を探し始める。

これ壊そうとしたけど、壊したら尾道さん現れそうだし、川にでも流そうかな。

川を見つけた俺は、ポルポと共に川辺に近寄る。

 

「主、(まこと)にそれでいいのか?」

「……ああ、これがいい……」

 

どもみちあの社長がポックリ死ねば俺は自由だしな。

多分あと3~40年かかるだろうけど、不老のこの身体じゃ時間の流れはあまり苦にならないだろう。

俺はボスウォッチとアルコバレーノウォッチを握った腕を大きく構え、放り投げようとした。

その時だった。

 

 

「少し、待ってくれないか」

 

 

背後から聞こえた制止の声に、俺が振り返ればそこには背後に黒い(もや)(たずさ)えた顔面を包帯で覆いまくった赤ちゃんが浮いていた。

もう一度言う、浮いていた。

くぁwせdrftgyふじこlp…

 

「やはり君は他のアルコバレーノとは大きく異なっているとは思っていたが…疑い深いのは何よりだ」

「何奴、主…我の後ろへ」

「待ってくれ、君らと事を構えることは僕にとっても不本意だ」

何故(なにゆえ)我らの前に現れた…貴様、煩わしい視線を我らに向けていたコバエか」

 

ポルポが変わりに喋ってくれてるけど、俺ったらビックリして鼻水出ちゃった。

多分これヘルメットの内側に張り付いてますわ。

つーかコイツ誰だ。

透明のおしゃぶりが見えるけど、コイツもアルコバレーノ?

でも一度も見たことないなぁ。

新人さんか?それともハブられ系アルコバレーノかな?

 

「僕らのことを話す前に、そのウォッチを少し遠ざけてくれないか?盗聴されている可能性があるのだ」

 

待って、え?このウォッチ盗聴器ついてんの?

うっそーん。

流石特定厨!やっぱ辞退して正解だった!

てか盗聴したところで誰得?

俺は持ってるウォッチという名の盗聴器が気味悪くて、川の反対側の遠くに放り投げる。

草の上に落ちた音と共に、透明の赤ちゃんがウォッチへと視線を移し、また俺達に戻した。

まずこの赤ちゃんに目があるのか分からないけれど。

 

「前置きは無しに単刀直入に云おう、我が名はバミューダ・フォン・ヴェッケンシュタイン……チェッカーフェイスに復讐する者…此度の代理戦争でチェッカーフェイスを引き摺り出す為参戦したい……それ故にそのウォッチを譲渡して欲しい」

「復讐とな?その短小な(なり)でか?」

「……僕の手足は有り余るほどいる、あとは参加権のみ…君らが参加権を破棄するのならばこちらへ譲って欲しいのだ」

 

な、なるほど?

あの変態仮面…チェッカーフェイスとやらに何か恨みがあって、呪いを解く目的以外で代理戦争参加したい、と。

 

「勿論ただでとは言わない…アルコバレーノの真実と、ウォッチの対価を君たちに与えよう」

 

お?…お?真実の方は正直どうでもいいけど、対価とな。

 

「主次第だな、云え」

「ふむ…まず少し場所を移そう、見せたいものがある」

 

そう言ってバミューダはくるりと振り向き、背後にあった黒い(もや)の中に入っていく。

え、これに入れと?

大丈夫?ブラックホールとかそんなんじゃない?

恐る恐る腕を中に突っ込んだら何も感触がなく、ただ空いている空間がそこにあるような感覚だ。

取り合えずポルポに近寄りながら靄の中に入れば、そこは洞窟だった。

うっわ、すっげぇ…

転移する能力持ちとかやべえわこの赤ちゃん。

今世はファンタジーな世界だな。

洞窟の中を歩けば、壁画が彫られていてそれを眺めていた時だった。

 

 

「見ろ、アルコバレーノの歴史だ…」

 

いつの間にか目の前にいたバミューダは壁画に視線を固定したまま、語り始める。

俺には難しい話だったので、正直半分しか理解出来なかった、許せ。

元々アルコバレーノは今の7人だけではなくて、大昔から存在してたらしい。

んでもってアルコバレーノはずっと務められなくて、どのみち体が限界を迎えちゃうと。

今回の代理戦争は次期アルコバレーノ候補を選ぶためのものであって、今のアルコバレーノはお役目御免ってことか。

あの特定厨、中々ゲスかったでござる。

俺も皆も騙されてるのか。

ちくしょう、俺を甘い誘惑で誘いやがって!

特定厨許すまじ。

なによりも俺が頭にきてるのは、

 

「おしゃぶりを外された元アルコバレーノのほとんどは死ぬ」

 

これだ。

このままアルコバレーノしててもどのみち体調不良で死んで、外したらその場でTHE・ENDとかなにそれ詰んだ。

この頃お腹の調子悪いのそのせいじゃねぇよな。

きっと消費期限過ぎたヨーグルトばっか食べてたせいだよね…?

死にたくねーよ俺。

まだこの世界で50年も生きてないし、念願のニートライフなんて初っ端の1年ちょっとしか過ごせてない。

来世に期待?来世もニート志望ってか。

 

「仮に運良く生き残れたとしても、復讐という執念でしか生きられない」

 

とか言ってるんですが、それってバミューダの後ろにいる包帯で顔をぐるぐる巻いてる長身の男のこと?

やだよー、ニートしたいよー。

復讐とかふざけんな、そんなもんに費やす時間があったらレア装備狙うわ。

っていうかこいつらの話が本当なら、俺もう詰んでる。

どう頑張っても最長10年くらいしか生きられない感じ?

今回の代理戦争から逃げて、特定厨から逃げきってもどのみち呪いで死んじゃうわけだし。

あー、なんつーか……絶望すぎて何も言えない。

今世の俺の人生詰みすぎワロタwwwワロタ…

 

「これ以上悲劇を繰り返さないためにもウォッチを渡してくれ…頼むよ、スカル」

 

ん?ウォッチならお前にあげるよ、俺いらないし。

 

「対価として、君の望むものを出来るだけ叶えよう」

 

あれ?何かデジャヴ…

これまた騙されるパターンじゃん。

もう絶対嘘じゃん。

俺のこと猿以下だと馬鹿にしてんのか?コイツら。

あーもー、特定厨といいコイツらといいムカつく野郎どもだ。

一度お風呂入って、直ぐに日本を離れよう。

コイツらとこれ以上関わってたまるか。

 

「ない」

 

イライラしながらそう答えた俺は、先ほど通ったブラックホールがあった場所に戻り、そのままその黒い靄へと飛び込む。

すると、目の前には先ほどの川沿いがあり、後ろをついてくるポルポを確認したらホテルへと帰る。

何だか色んな事に怯えるよりもまず、間接的に殺されるという事実を突きつけられて苛立ちしか湧いてこない。

狂人スカルと間違われて?変な集団に属されて?挙句の果てには殺される、と。

マジで外道な奴だなあの特定厨。

俺って今世ハードモードだったな……

ホテルに戻れば、持っていた残りのウォッチをアタッシュケースごとホテルの窓から放り捨てる。

ちゃんと真下に人がいないか確認したから問題ない。

少し落ち着いた頃にポルポが漸く話しかけてきた。

 

「主………そなたは、これで真に良かったと……そう思っておられるのか?」

「………ああ…」

 

あいつらと関わると碌なことがない。

早くイタリアに帰って、またのんびりと暮らそう。

社長には一週間くらい有休貰ってるから、イタリアに帰ってもすぐに会社行かなくていいし、久々にどこか行こうかな。

僅かに開いた窓の隙間から夜風が入り、前髪を流す。

 

「なぁポルポ」

 

すっかり暗くなった夜景からポルポへと視線を移した。

 

「イタリアに帰ろう」

 

寿命のことも聞いてしまったし、傷心旅行でも行こうかな。

少し日本を観光するつもりもあったけど、長くここにいられないことに苦笑いしながら俺はポルポにそう告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バミューダside

 

 

 

漸くチェッカーフェイスが代理戦争を始めることを知り、僕は彼を今度こそ殺そうとずっとアルコバレーノ達を注視していた。

現代の技術に沿った今回の代理戦争では、各ウォッチを嵌めたバトルロワイヤルであり、いつものような代理戦争と共に、僕らも途中で介入すればいいと思い各チームにそれぞれ監視を付けていた。

そして僕自身、気になるアルコバレーノを監視していた。

どのアルコバレーノよりも異色を放っていて、僕が気になるアルコバレーノでもあるスカルは、付き従えた生物と共にただひたすらこの戦いに興味はないと言わんばかりに並盛を歩き回っていた。

ただ、何度か僕の気配に気付いた生物の方に威嚇で殺気を放たれたので、監視した時間はあまりなかったけれど。

 

代理戦争初日が終え、まだウォッチを一つも壊されていないマーモンチームを標的に、ウォッチを奪い取ろうとした時、離れた場所からスカルの監視を頼んでいた復讐者から連絡が入った。

スカルがウォッチを捨てて代理戦争の参加権を破棄しようとしている、と。

僕は驚愕したが、別の復讐者が幻術で盗聴していたスカルの言葉に、納得した。

俺達は誘導されてる、と。

チェッカーフェイスの言葉を鵜呑みにしなかった上に、これからどうなるかを理解しているような素振りさえ伺えた。

流石カルカッサの軍師といったところか。

本当に彼を復讐者として迎え入れたいところだが、狂った思考は全てを狂わせる。

ある意味狂気を含んだ僕らでさえ、彼の狂気は脅威だ。

彼の狂気に触れ、幾人の理性が毒されたことだろうか。

あれはきっと、僕たち死人をも侵食していく毒だ。

惜しい人材だ、と内心独り言ちた僕は、ワープホールから出てウォッチを放り投げようとするスカルへと声を掛けた。

 

 

「少し、待ってくれないか」

 

 

 

結果から言えば、成功なのだろう。

既にウォッチへの興味は皆無なのか見向きもせず去っていった彼は、その後道端に残りのウォッチを捨てていった。

僕はと言えば手のひらの上にあるアルコバレーノウォッチを眺めながら、先ほどの彼の去り際呟いた言葉を思い返した。

 

アルコバレーノの歴史やチェッカーフェイスの所業を語ったものの、彼の反応に全く変化はなく、ただの過去の出来事として聞いていた。

チェッカーフェイスへの憎悪を表してくれれば儲けものと思っていた僕は、彼の思考が読めず味方につけることを断念し、本題へと移った。

ウォッチの譲渡を求めれば、肯定とも拒否とも取れぬ沈黙だけが返ってくる。

その沈黙に、背後に立っていたイェーガー君が痺れを切らせそうにしている様子を感じ取り、僕は取引内容を提示した。

 

「対価として、君の望むものを出来るだけ叶えよう」

 

 

その時だった。

凄まじい密度の殺気をこの身に受けた。

長い年月の中、味わったことのない鋭く、濃密な殺気。

ヘルメットの奥から瞳を覗き込まれているような気味悪さに、僕は心臓が握られるような心地だった。

 

 

「ない」

 

 

ハッキリと、そして殺意の籠った短い言葉と共に彼は来た道を引き返し、ワープホールを抜け出た。

背後にあるイェーガー君の荒い息に我に返った僕は、スカルがいないことに気付くと真っ先に息を吐いてしまった。

何だ、あれは。

恐怖など、当の昔に失ったとばかり思っていたが……いや、あれは恐怖とはまた別の何かだ。

一体何が彼の怒りに触れたのかは理解出来ないが、きっと、彼の纏うあれは僕らすらも飲み込んでしまうだろう。

まだ数十年しか生きていないだけの人間が、何故ああも歪んでしまったのか…

ああ、やはり彼を復讐者に取り入れなくてよかった。

 

彼はきっと…僕たちを狂わせる毒だ。

 

 

 

僕はアルコバレーノウォッチを握りながら、彼の去っていった方角を眺めては身震いした。

 

 

 

 

 

 

沢田綱吉side

 

 

「我々は第8のチームとして代理戦争に参加する」

 

今、俺らの前で一つの脅威が消え、新たな脅威が姿を現した。

 

 

代理戦争二日目、まだ戦闘が開始されていない頃、俺らはユニのいる別荘へと足を運んだ。

笑顔を浮かべて迎え入れてくれたユニに顔を(ほころ)ばせながら、昨日の一戦についてお互い情報を共有し始めた。

俺達のチームでは、笹川先輩が雲雀さんにウォッチを壊されてしまったけれど、ユニのチームは俺らより深刻だった。

まず、トリカブトと太猿さんがウォッチを壊された上に、ブルーベルが戦闘不能に陥ってしまっている。

どことぶつかったのかと言えば、少し白蘭は笑みを強張らせ、目を細めた。

 

「ヴェルデチームとコロネロチーム………そしてスカルチームだよ」

「「「「‼」」」」

 

その場にいた俺とリボーン、獄寺君、山本は目を見開いた。

 

「初っ端からスカルと当たってね…ブルーベルがやられて戦況が乱れたから一旦撤退を余儀なくされた時に運悪くヴェルデとコロネロチームに当たっちゃったって感じかな」

「そ、そんな……ブルーベルは…」

「命に別状はないよ」

「よ、よかった…」

 

白蘭の言葉で、まだ死者が出ていないことが分かり安堵の息を漏らす。

よりによってスカルと当たるなんて…

 

「おい白蘭、勿体ぶってねーで言いやがれ」

「え?ど、どういうこと?」

 

俺はリボーンの言葉が理解出来ず困惑していると、白蘭は目の色を変えた。

 

「ブルーベルは命に別状はないよ…命には、ね」

「え!?そ、それって」

「少し精神面やられちゃった、ってこと」

「そんなっ……!」

「今は大分落ち着いてるけど、代理戦争中に回復する見込みはゼロだ」

 

白蘭の言葉に顔を強張らせた俺らと、舌打ちするリボーンにスカルの脅威を改めて見せつけられた。

 

「でも彼の戦力はハッキリわかったよ」

「え!?」

「彼の戦力は一匹…あの化け物だけだ」

「やっぱりな、あの化け物を代理にしやがったか」

 

リボーンの忌々し気な言葉に、白蘭が反応する。

君はあの化け物を知っているのかい?という白蘭の問いに、リボーンはあの化け物の持つ能力までは分からねー、と返す。

白蘭は腕をテーブルに伸ばし、マシュマロを一つ摘まむと口の中に放り入れた。

 

「あの化け物、精神攻撃か…はたまた毒か……不可視系の攻撃を持っていることは確かだ」

「不可視?」

「僕らの目には何も見えなかった…いきなりブルーベルが倒れて発狂したって感じだし」

「そうか…」

 

その後、スカルへの警戒をぐんと高めた俺達は他のチームに対しても話し合った。

途中でスパナと正一君と会って、白蘭に連れて来られた!っていう正一君の言葉で、白蘭の身勝手ってこの時代でも健在なんだなと思った。

既に外は日が傾き始めていて、まだ戦闘時間にならないのかと内心焦る気持ちに押し潰されそうになっていたけど、山本と獄寺君と一緒にいたお陰でなんとか平静を取り戻すことが出来た。

 

 

『バトル開始、今回の制限時間は30分です』

 

 

その機械的な声と共に、俺は死ぬ気モードになり空へと飛び立つ。

それから怒涛の展開だった、としか言えない。

ヴェルデチームからの襲撃、コロネロチームからのユニチームへの奇襲、最終的にコロネロチームとの同盟を破棄した俺は父さんと戦うことになったり、途中で知らない人が助けてくれたり、色々あった。

30分が経ち、戦闘終了の合図が鳴ったと同時に緊張が解け、俺はその場にへたり込む。

父さんのことは許せないけど、今は白蘭達のことが気掛かりだ。

白蘭は俺を庇ったせいでボスウォッチを壊されてしまったけれど、俺は誰も倒せず終わったことに負い目を感じた。

ウォッチから響く、チェッカーフェイスの声に俺達の表情に緊張が走る。

 

『まずは2日目の戦績発表からだ』

 

そう言って出された二日目の戦績表に、誰もが目を見開いた。

そう、誰もが目を見張ったに違いない。

ユニチームの敗退でも、風チームの敗退でもない。

 

スカルチームの破棄があったのだから。

 

 

「破棄だと!?」

「どういうことだ!」

 

俺と同様に誰もが驚いていて、特にリボーンはあからさまに動揺していた。

正一君の治療を受けている白蘭も戦績表を見て目を見開いている。

何で破棄を…?そう思っていたのもつかの間、新たな脅威が俺達の前に現れた。

 

 

「彼の名はバミューダ・フォン・ヴェッケンシュタイン…かつて最も優秀な虹の赤ん坊だった男だ」

 

チェッカーフェイスの言葉に俺の思考が追いつかず、一体どうなっているのか分からなったけれど、このバミューダとかいう奴がⅠ世の過去の記憶に出てきたアルコバレーノであることを思い出す。

チェッカーフェイスは彼らの途中参加を快く受け入れ、参加させる。

それ以外のチームでは困惑が勝り、一体あれは誰なのか…それだけが思考を占めていた。

 

「なるほど、スカルはバミューダにウォッチを譲渡したのか…」

 

リボーンの言葉に皆が反応して、俺がリボーンに声を掛けた。

 

「どういうことだよリボーン!」

「あいつは元々呪いに関して我関せずみたいなスタンスだったからな、この代理戦争自体興味本位で参加したんだろ……そこにバミューダ率いる復讐者が加わるという状況に興味を持ち、傍観に移ったってとこだな」

「呪いに興味がない!?」

「俺から見たら、だ……あいつのことはそれほど詳しいわけじゃねーんだ」

 

スカルという大きな脅威は、復讐者という別の脅威へとすり替わっただけで、俺達の緊張が解けることはなかった。

そしてその夜、事態は大きく動いたのだ。

 

 

復讐者の奇襲によって。

 

 

 

 

 

 




スカル:代理戦争辞退します!アルコバレーノの呪いを貰った身体がどのみち長くないと知り傷心旅行を計画中、因みにスカルの体調不良の原因は消費期限が一ヶ月過ぎたヨーグルトのせい。

ポルポ:一生ついて行きます我が主、あとチェッカーフェイスおめーは絶対に許さない、スカルの希望を打ち砕いたチェッカーフェイスに対して憎悪をこの上なく滾らせている。

バミューダ:やったね!ウォッチゲットだぜ、スカルのムカつき()に当てられた。

ツナ:スカルがいなくなったのに復讐者出てきて安心出来ない人。

チェッカーフェイス:うっひょ、目的バレてーら…と盗聴越しに焦った人。

と、いうわけでスカルさん戦線を一時離脱。
イタリアでバカンスしておいで、それがおめーの最期の晩餐(ばんさん)だ。


多分あと数話で超愉悦展開になります。

コメント欄にあった、復讐者がスカル陣営につくことも考えてみたんですけど、どう見ても戦力過多すぎて主人公勢の難易度がルナティックすぎた。
ていうかポルポ要る時点でほぼ負け要素ないのに、そこに復讐者いれたらこれもう負ける可能性が全くなくなって1㎜も勝つ未来が見えないし、書けないということで却下ぁぁあ!
ってなりました。

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