頻繁にPCメールの方にあのおっさんから仕事のスカウトがすっごい来てウザイこの頃、俺は今日もニート生活を満喫している。
そしてこの前ゴミ出ししようと部屋を出たら大家さんがゴミ出し場の曲がり角で他の住居者とお話している姿を発見した。
挨拶しようか過ぎ去るか、はたまたいなくなるまで部屋に戻って待つか迷ってたけど、もう一度戻るのも面倒だと思い通り過ぎることを選んでゴミ捨て場に向かった。
顔出しが恥ずかしい俺はいつも外に出る時はマスクかヘルメットを着用してる。
すると大家さんが俺の存在に気付き声を掛けてきた。
ぐぬぬ……無視して欲しかった。
「スカルさん、あんたちゃんと分別してるんだね」
「……」
「これから学校かい?」
ぐっふ、俺のガラスのハートに深々と突き刺してくるぜコイツ。
少しだけ首を横に振って、大家さんの横を通りゴミを捨てに行く。
家に帰ろうと大家さんに軽く会釈して横を通り過ぎる。
少し離れて、もう声掛けられないだろと息を吐いた時だった。
「マスクして目もあんまり合わせない…まるで不審者ね」
「これ、彼に聞こえるでしょ」
「確かスカル君だったかしら?あの子何をしているの?」
「さぁね…確か16歳だからまだ学生じゃないかね、得体のしれない子だよ」
「ふぅん、親は何してんのか」
あああいつらぁぁぁぁぁぁああ、俺の豆腐メンタルに容赦ねえ!
っていうかマスクしてんだから風邪って思えや。
ちくしょう、もう暫くは籠ってやる。
ニートはそこまで罪かよ、泣きたい。
あれから二日に一度の頻度で社長さんからメール来る。
俺就職する気ないですから全部蹴ってるけど。
でもあれから一か月経つからなぁ小遣い欲しい。
…………す、少しくらいならアルバイトしてやらないこともない。
また数日後に勧誘もとい依頼が来たので承諾の返信をすると、即行返事返って来た。
今度も前回と同様ただの配達。
いつも通りの場所に行ってみると、前回と同じ怖い男性が立っていた。
前も思ったけどもう少し従業員の人相には気を遣おうよ。
ん?ちょっと待て、何だその大きな箱は……。
なんか臭い…なんだろう…この、鼻にツンとくる匂いは。
「これを指定の場所に」
バイクに匂いが付かなきゃいいんだけどなぁ。
いつも通りびゅんびゅん飛ばしてたらまた道間違った。
ここ治安が悪いから怖い。
早めにこの地域を抜け出せるように速度あげて走っていると、曲がり角でドラム缶に足が当たってしまった。
あちゃー、ドラム缶倒しちゃったけど俺バイク乗ってるし追いかけてこないよね、うん。
少し走っていると後ろの方から小さく爆発音が届いた。
ひぇ、やっぱりこの地域治安悪すぎだろ、日常茶飯事で爆発沙汰とか…
内心ガクブルのまま地域を抜け出すことだけを考えていると、大通りに出れた。
確か、ここは………ああ、指定場所の隣町か。
無事届けた。
商品の確認してもらって、大丈夫だったので帰ることに。
家に帰るとPCメールで受け渡し確認メールと一緒に振り込んだとの通知が来てた。
仕事早いなぁ…
今回も5000ユーロ……やっぱりおかしいよなぁ。
こんな簡単な作業でこんなに貰えるとか、これ絶対にあっちが桁間違って入力したまま気付いてな…いや、忘れよう、これは全て俺の金だ。
あれから月1で配達アルバイトをしているが、正直このバイトだけで生計が成り立っているという。
基本働きたくない俺は家でぐーたらしてるか、PC弄ってるか、ドライブするかだ。
そろそろペットでも買おうかと思っているがこの賃貸はペット禁止であることを思い出して引っ越しを考えている。
あれから数か月後、俺はというと陸上バイクそっちのけで水上ジェットスキーに嵌まっていたりする。
勿論無免許。
正直免許いちいち取ってたらキリがないと思って、免許取得すっ飛ばして実践からした。
購入自体免許いらないし直ぐ買えたはいいけど、高性能な分俺の半年分のアルバイト代がパーになった。
ちくしょう。
誰もいないことを確認してジェットスキーで遊ぶ日々を送っているとあることに気付く。
か、金がない。
親の遺産がまだあったハズと通帳を見ると残り300ユーロしかなかった。
辛み。
何に使ったんだろうと思い出して見ると、そういえばこの前バイクの部品買って勝手にバイク改造したわと思い返した。
いくつか高性能エンジン購入したからかぁ…
悩みに悩んだ末、未だに続くアルバイト先の社長さんの勧誘に返事をして正規雇用にしてもらった。
とはいっても月一が週一になっただけだけど。
これで貯金が安定したらまた月一に変えてもらう。
ついに俺も脱ニートか。
さらばだ愛しのニート生活、再び戻ってくるまで暫しの別れだ。
一回につき5000ユーロって凄くね?
これなら直ぐに貯金溜まりそうですな、うん。
それからまぁ数か月はアルバイトしてた。
中にはリアルを忠実に再現した武器類の玩具とかあった。
お金の匂いがするアタッシュケースとかあったけど、これは俺が正規雇用になったからか?
一応若干は信用されてんのか。
そういえば会社の方から拳銃を支給された。
最近の配達地域は治安悪いからって理由でだと思うけど、イタリアだもんな…多分普通のことなんだろう。
俺的に拳銃は怖いからスタンガン常備してる。
一応拳銃も持ってはいるけど使う機会は一生来ないだろう。
最近会社の同僚と仲良くなった。
飲み物とかお菓子を持って来たりしてくれてとっても気の利く子だ。
仕事帰りに飲み物をくれた彼にはすごく感動した。
いつも銃の練習してるけど一体何を目指しているのやら。
この前俺にも撃ってみるよう言って来たな、だけど俺は銃なんぞ撃ったことないぞ。
正直銃は人を殺す為の道具だから持ちたくもないんだが、治安悪いし会社の方針だから仕方なく持ってるだけだ。
従業員の安全を考慮してくれる会社で良かったけど。
撃ってみたはいいけど十発中一発しか当たらなかった。
ふ、見たか俺の射撃のセンスを。
ねぇ無言にならないでよ、俺が可哀そうになるじゃん。
別にいいじゃん!
俺にはライディングテクニックがあるんだから!
っていうか俺配達員だよ!?銃の狙撃技術なんかいらないじゃん!
始終無言だった同僚を置いて帰って家で泣いた。
そんな生活を数か月、明日で俺の17歳の誕生日だ。
別に誕生日なんか祝ってくれる人がいないからどうでもいいんだけどさ。
たまたまケーキ食べたかったんだよ、うん、きっとそうだ。
「ハッピー…バースデー……トゥー…ミー………」
ふと思い出したように呟いたら予想以上に心に刺さった。
泣いてねぇし、これ汗だから!
ちくしょう…ニートでもないのにこの世は俺に厳しい。
二度とケーキなんて買うかと思いながら全部平らげた。
17歳になった俺だが、貯金も結構溜まって来たので今日やる仕事終えたら辞職しようと思う。
ニートライフに戻りたい。
いつも通り待ち合わせ場所に行くと、USB渡された。
多分今日はこれ持ってくんだろうなと思ったらまた別のもの渡された。
「それと、これはボスからだ…今回の相手は一筋縄では行かないだろうと配慮して下さった」
…社長から?今回の相手って何ぞや。
取引先が一筋縄ではって…ああ、クレーマーってことね。
大方これはその時に一緒に渡して機嫌でも取っとけってことね、ハイハイ、分かりましたよ。
ってなわけで行ってきます。
今日の行先は…と、ちょっと遠いな。
近道…近道…ああ、あの山そのまま越えれば1時間は短縮出来そう。
どうせUSBだし結構険しい道行っても大丈夫だよな。
と思った俺は険しい山道を上がっては下りての繰り返しで走る。
何だかたまに通った直ぐ後で土砂崩れ起きるとこあったけど、ここ地盤緩いのかな。
山道を抜けて、公道を走ってるけど田舎だからか全く人も車もいない。
右見ても左見ても牛と牛とたまに羊しかいない。
ふと速度見てみると余裕で時速200㎞超えてた、わぁすげー。
田舎を抜けてまた人通りのある場所通って、漸く目的地まで1時間ってとこで俺はやっちまった。
社長から渡された奴を落としてしまったのだ。
さっき落としたことに気付いたけど、どこで落としたかサッパリ分からない。
小さい箱だからってポッケに入れたのは間違いだったか。
給料から引かれるなこりゃ、ちくしょう。
気を落としていると反対車線に救急車が何台も見えた。
何か事故でもあったのかな、それよりもあんなに救急車が並んでるの初めて見た。
その後無事本来の商品を渡す。
相手全然クレーム付けてこなかった。
多分ルート短縮して配達時間をおもっくそ削ったからかな…よかった。
さっき救急車が沢山走ってたから多分どっかで大事故あったんだろうなぁ。
渋滞していそうだったので別の道から帰った。
ふわぁ…つっかれたぁ…
あ、ヘルメット外すの忘れた……
「やはり君が適任だな、運び屋スカル」
!?
仕事から帰ってきたら仮面付けてコート着た不審者が不法侵入していたなう。
一瞬俺の脳裏には【不法侵入者 撃退 警察】検索、の文字が浮かび上がった。
あわばばばば、不審者だ…。
それも何気に俺の使ってる若干高かった椅子に足組んで堂々と座ってやがる。
「私は今、世界最高の❝選ばれし7人❞を集めている」
カルカッサファミリーモブside
「最近ボスが目を付けてる運び屋知ってるか?」
「ああ、あの運び屋ね」
「俺この前見たんだけど、ずっとヘルメット被って無言だったぜ」
「特定されると困る人物…か」
そんな会話をしている仲間の隣で俺はただボスが使うであろう銃を磨いていた。
俺はカルカッサファミリーの下っ端だ。
ハッキリ言って雑魚だ。
高校時代に少しやんちゃしてて、そのままマフィアに片足突っ込んでしまっただけの雑魚。
今思えばあの時の自分は馬鹿だった。
マフィアがカッコいいとか思ってた当時は、ただ上に上がりたくて命令されるがまま一般市民を恐喝して金を徴収していたけど、今になってこのままでいいのかと思い始めた。
収入と言っていいのか分からない程の微々たる月給。
下っ端は全員生きていくだけで精いっぱいな生活を送っていた。
それでも逃げたら殺されるだろうし、足抜けに必要な金すらない。
泥沼にどっぷりと嵌まる人生に溜め息しか出ない毎日だった。
そんな毎日を過ごしていると、ある日、ボスが偉く気に入った人物がいるという噂を聞いた。
ライディングテクニックや人の気配を読む鋭敏さ、そして度胸、それら全てにボスが魅せられたのだと。
その男の名はスカル。
ついにはスカルを専属の運び屋として、いや、カルカッサファミリーの一員として欲しいと言い出したボスの命令で俺達はスカルを捜索し出した。
だがスカルの足取りは全く掴めない。
約一か月に一回の頻度でボスの依頼を受けるスカルを何度尾行しようとしても直ぐに振り切られる。
あんな速度出しておいて、あいつ絶対人間じゃねぇって思った。
追跡中にスカルが山道を走っている最中、
こいつは狂人だ、と。
一歩間違えれば死、それを楽しんでやがる狂人だと。
そりゃボスも気に入るはずだ。
俺にはそんな度胸も技量もないし、いつまで経っても下っ端な理由がなんとなく分かった。
そして少しだけ、スカルという男に憧れと嫉妬を持つようになった。
あれから半年が経過し、漸くボスがスカルと専属契約を結ぶことが出来たと聞いた。
その時のボスの喜びようは尋常じゃなかった。
だが分かる、その喜びを。
この半年で彼がボスの依頼を受け取った回数は6回のみ、だがそれだけでも彼の実力を思い知らされたのだ。
邪魔する者には死を。
それを見せつけられたのは3度目の依頼の時だった。
名を広めていた中堅どころの敵ファミリーのボスを暗殺した際に、そのボスの遺体を俺のボスは持ち帰った。
そしてボスを殺されたファミリーと敵対関係にあるファミリーに殺した証拠として死体を送り付け、同盟を組んだ後ボスのいないそのファミリーを潰そうと考えたのだ。
影武者で何とか部下と敵対ファミリーを騙し切っているそのファミリーは勿論自分たちのボスの遺体を血眼になって捜索していた。
そんな遺体を運ぶという大役をスカルに任せたのだ。
スカルは何の不満も見せずにバイクの後ろに死体の入っている箱を括りつけてバイクを走らせた。
そこからが目まぐるしかった。
まず死体の移送を聞きつけた敵ファミリーが妨害しようと画策していると、スカルが走行ルートを急に変更し、街中へと入っていったのだ。
そして狭い道路を障害を避け続けながら通り過ぎていく。
だがそれでも離せなかった尾行にスカルは漸く非道な行動へ移したのだ。
曲がり角で灯油の入ったドラム缶を足で蹴り倒した。
そしてドラム缶から漏れた灯油で尾行車の一台がスリップを起こした。
スリップした車は民家へ激突の際、ガソリンと地面に広がる灯油に引火し大規模な爆発を起こした。
市民の死者は出なかったが数百人におよぶ重軽傷者が出た上、尾行していたファミリーの一員は全員死亡した。
その後スカルは何事もなかったかのように死体を運び終えた。
あれほどの大惨事を起こした本人は無言で闇に消えていった。
この事件を機に、イタリアンマフィアの大頭であるボンゴレが、スカルを危険視し始めたのだ。
元々ボンゴレとは敵対関係だったカルカッサファミリーは、スカルを喉から手が出るほど欲しがった。
全てのファミリーに対して抑止となる存在が直ぐ近くにいるのだから、その渇望は何ら不思議ではなかった。
この時点で俺の中では、スカルさんへの恐怖と憧れと崇拝が綯い交ぜになっていた。
だから、7回目の依頼の際スカルさんがボスの勧誘を受け入れたという事実を聞いた時の喜びは計り知れなかった。
それからは週一で本部にスカルさんが訪れ、俺は彼の姿をこの目に収めることが出来た。
顔も声も何も明かさない彼を憧れる者は少なくなかった。
専属契約した後も彼は忠実に依頼を遂行していた。
そして彼の影響力は大きかった。
邪魔をする者には死を、彼の座右の銘とすら思えるこの言葉は一時期マフィア界を恐怖に陥れた程だ。
そんな中で自然とついていった彼の二つ名…それは、狂人の運び屋。
まさに彼を表しているではないかと俺はその二つ名を気に入っていた。
彼は狂人であるが故に畏敬され恐怖され、そして人を魅了する。
ああ、一度でもいいから彼の声を聞いてみたい、と誰もが思うようになっていた。
ある日雑用をしていた俺は、休憩がてら飲み物を数本買って先輩たちに渡そうとしていた。
そんな時、廊下を歩いていると向こう側からヘルメット被ったライダースーツの男が現れたのだ。
そう、スカルさんだ。
俺はいきなりのことで体が固まるも、彼を間近で見た事実に歓喜した。
そして俺は勇気を出して声を掛けたのだ。
「あ、あの……お仕事、お疲れ様です」
「…」
「こ、これ!良ければ!」
そう言って持っていた数本の飲み物を彼に差し出した。
本当は先輩にあげようと思っていたけれど、だなんて全く気にしなかった。
ただ今は目の前の彼の姿を脳裏に焼き付けていたかったのだ。
彼は無言のままじっと俺の持っていた飲み物を見つめていた。
やはり他人からのものは警戒しているのだろうか、と諦めようとした時だった。
「……ありがとう」
ポツリと呟いたソレを幻聴かとすら思った。
声が、あの、スカルさんの、声が…
目を見開いて固まっている俺を他所に、彼は差し出した飲み物の中から一本だけ取ってそのまま出口に向かって行った。
彼の背中が見えなくなった後、俺はその場で座り込んだ。
頭から離れない彼の声に漸く我に返ったのは、いつになっても帰ってこない俺を探した先輩に声を掛けられた時だった。
俺はその時渇望した。
あの人の為に生きたい、と。
ボスの為でもなく、ファミリーの為でもない……スカルさんの為に死にたいのだ。
齢21歳にして俺は漸く自身の生きる意味を見つけた気がしたのだ。
それからスカルさんには積極的に声を掛けていくようにした。
少しでも俺の顔を、声を覚えてもらうために。
いつの日だったか、俺は彼に射的を教わろうと思った。
射的場へと連れてきた時にふと思った。
彼の射的レベルを俺は知らない…否、誰も知らない…と。
スカルさんは無言のまま懐から銃を取り出しては、構えずにじっと的を見つめていた。
一瞬だった。
彼が構え無しで的に向かって10発撃ち込んだのだ。
隣にいた俺も、周りいた仲間も全員がスカルさんの動作に固まっていた。
何故なら、スカルさんが撃った10発の弾丸は全て1㎜も違わずに同じ場所を貫いていたからだ。
あの位置にある的を数㎜も違わず同じ場所へ打ち込んだスカルさんに誰もが絶句した。
そして
この話は逸話としてマフィア界に瞬く間に広がったのは言うまでもない。
着実に、そして恐ろしい程マフィア界に恐怖を植え付けていく彼が、俺にとって全てだった。
「ふん、あのボンゴレが手を出しかねている様は滑稽だな」
肩を震わせて笑っていたボスの姿を見て、俺はそれもそうだと思った。
カルカッサファミリーはここ一年で凄まじく巨大になった。
九代目ボスが温厚であるボンゴレを思えば、非道で恐怖の対象と言うのならカルカッサファミリーの名が先立つのではないだろうか。
カルカッサファミリーの規模拡大もあるが、何よりもスカルさんの実力と思想と所業が最もたる理由だろう。
虎の威を借りる狐とカルカッサファミリーを嘲笑えるほど誰も自身の命が惜しくない者はいなかった。
そんな巨大化した組織の中で劇的に変化したのは金回りだろう。
俺の給料も多少増え、生活に困ることはなくなったが、それでも余裕があるわけでもなかった。
だがそれでもいいと思った。
彼を敬愛するだけのこの毎日が酷く幸せなのだ。
そんな中、ボンゴレが遂にスカルさんに手を出した。
いや正確にはボンゴレの傘下であるファミリーが、である。
極秘情報を運んでいたスカルさんを捕縛または殺害しようと企てたのだ。
結果、何十年先も語り継がれる程の大惨事となった。
ボスが密かに渡したとされる爆弾を爆破させたとのことだった。
重軽傷者は市民を合わせて数百人、死者を百人近く出した。
今回はボンゴレ関連の機密とあってボスも十分警戒していたようで、スカルさんには十分殺傷能力のある爆弾を渡していた。
だがそれだけだったならここまで大惨事になることはなかっただろう。
問題はスカルさんが爆破させた場所だ。
エネルギー開発局の支部である水素保管庫の直ぐ近くで爆発を起こしたのだ。
爆発の衝撃で保管庫は破損、そして空気中に散乱した水素が爆発し、最悪の事態を引き起こした。
そして今回の被害を主に被ったファミリーは全滅。
この所業に漸く重い腰をあげたボンゴレだが、未だボンゴレには敵が多い。
現在、四方へと戦力を分散出来ないボンゴレとカルカッサファミリーは睨み合いのまま膠着状態となっている。
ああ、やはりスカルさんは凄い。
なんたって弱小だったカルカッサファミリーをボンゴレさえもが手をこまねくほどの大組織にしてくれたのだから。
そして、やはりあなたは狂人だ。
幾人もの命を何のためらいもなく葬るのだから。
だけど 狂っている あなたに
俺は 狂おしいほど
心酔しているんだ。
スカル:無自覚に罪状を重くしていく、狂人()。
モブ:スカル信者1号
カルカッサファミリー:虎()の威を借りる狐、彼らはハリボテの城を前にして威張り散らしていることに気付いていない。
現在エタ率40%…
一番書きたい所までが頑張ります。