Fate/Imaginary Boundary【日本史fateホロウ】   作:たたこ

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後日談
幻も見た、夢の続き


「ふぅ、準備はこんなものかぁ」

 

 キャスター付のトランク目一杯に荷物を詰め込み、やっとのことで閉じた明は、大きく息をついた。

 夏に時計塔から春日に戻ってきてから早半年、大聖杯(魔法陣)の残滓にも片を付けた。そして何より、一番の変化は――「明、準備は終わったのか?」

 

 二階からゆったりと降りてきたのは、碓氷影景。夏だろうが冬だろうが全身黒のスーツで固めている為、その姿に変化はない。

 出かける用事があろうがなかろうがスーツだ。

 

「はい。……出発は明日なのに、今日準備終わらせなくても……」

「ハハッ、明日とはいっても朝早いだろう。どうせお前はギリギリに起きるのだから今のうちにやっておくべきだ」

 

 明は半年ぶりに、時計塔に向かうことになる。聖杯戦争終了後に時計塔に向かったのは、春日聖杯戦争顛末の説明のためだったが、今回は違う。

 一魔術師として修行の為、長く時計塔にいることになる。そして、前回は父影景と共に向かったが、今回は影景は同行しない。

 

「全くしっかりし……お前にしっかりしろなんて言っても仕方がないな。七代目」

「……」

 

 からかうような声音の影景に、明はむっすりと黙り込んだ。

 

 ――そう、碓氷明は次期当主ではなく、もう現当主となっているのだ。

 そもそも、魔術刻印自体は明が高校生になるころには完了しており、その時点で影景は当主を譲っても良かったのだ。

 

 だがそれでも対外的には影景が当主でありつづけたのは、ひとえに彼が「明は当主とするには未熟」と断じていたからである。

 

 この度、影景は正式に当主の座を退き、名実ともに碓氷明が碓氷家七代目当主となった。既に近隣の管理者の家と、時計塔にはその旨を伝えている。

 

 明が時計塔に行っている間、影景が春日の面倒を見るが、この腰の落ち着かない父がどれだけ春日にいるかははなはだ怪しい。

 

「順当なところは降霊科だが、元々お前の魔術は特殊だからこだわりすぎる必要はない。いっそ一流の神秘の解体者であるびっぐべん☆ロンドンスターの元も悪くない」

 

 本気で言っているのか疑わしさが残るが、ひとまず明は心に留めておくことにした。

 特にびっぐべん☆ロンドンスター、もといロード・エルメロイⅡ世は一年前の時計塔でも……。

 

 と、その時来訪を知らせるベルが鳴り響いた。予定されていた時間であり、誰かはわかっている。

 明はトランクから手を放し、ソファにかけていたストールを羽織ってぱたぱたと玄関へと急いだ。門自体は魔術で動作するので、既に開かせている。

 

 桜が咲き誇るには少し早く、梅花の頃は過ぎている。日差しは温もっているが、吹く風はまだ肌寒い。

 玄関の扉を開いた先に見えたのは、蒼いカソックのような上下に金髪、細身の男。彼もまた大きなトランクを横に引きずっていた。

 

 そしてその隣に、豊かな金髪をなびかせた碧眼の美女が立っていた。薄グリーンのロングスカートに、白いスプリングセーターを纏っている。

 

「アキラ、エイケイ!」

「は~い、あきらちゃ~~ん」

 

 男の方はハルカ・エーデルフェルト。まだ左足を引きずっているようだが、自分の足で歩き、晴れやかな顔つきだった。

 女の方はシグマ・アスガード。かつてハルカを襲い、明と戦った神の器。

 

 

 

 聖杯戦争終了後、半死半生の体で土御門神社に打ち捨てられていたところを碓氷明に保護されたハルカは、彼女の手配により土御門神社で養生していた。

 

 その時には魔術回路は酷使によりボロボロになっていた――神経と一体化している回路がその様ということは、満足に歩けさえしなかった。それ以前に彼の意識は戻っておらず、植物人間にも近い状態だった。

 

 その彼が、およそ半年前に覚醒した。彼が呼んでいる、と土御門神社から連絡を受けて急ぎそこへ向かったが、その時の彼は至って普通だった。

 

 ただ、「大橘媛というキャスターを憶えているか」との問いかけをされた。

 

 ――明にそのキャスターの記憶はない。

 

 ただ、ハルカが目覚める一週間前に、自身で作り出した想像明が奇妙な事を言っていた。

 

「セイバーがいた。皆がいた。ハルカ・エーデルフェルトが生きようとし、夢を叶えようとした者がいた」と。

 

 半年前の当時、確かに春日聖杯戦争は再開されていた。

 だが、それは結局漏れ出て残った魔力のなしたもので、何事もなく魔力は自然消滅したはずだった。

 

 しかし想像明曰く、実はサーヴァントがいて、それが固有結界を構築したとの話だった。

 俄かには信じがたかったが、想像明の言うことは魔術的にありえないとはいいきれなかった。

 想像明は事細やかにその固有結界とその日常の話を伝え、ノートに書き記して、三日後に死んだ。

 

 元々その想像明は、オリジナル明が春日に戻ってきたとき、明の実力を見たいと言いだした影景の求めに応じて作り出したものであった。

 正直そのときはあまりうまくいかず、生まれた想像明はオリジナルの明とほぼ同じ力量――だが、その中身は聖杯戦争前の己に近かった。

 

 

 想像明は短命である。オリジナル明の魂の模造品(コピー)は、あっという間に腐ってしまう。影景の調べを受けて解放された想像明に対し、明はこれからどうしたいか訊ねた。

 

 早々に死んでしまうが、短くてもしばらくの生を楽しむか。それとも今すぐ消えるか。

 

 想像明が現実世界にて命を保っていられるのは、オリジナル明の魔力あってこそ。虚数物質で構成されたその体は、虚数使いの魔力なしには存在できない。

 

 想像明は「生きたい」と答え、しばらくは表面上平和に暮らしてきた。だが、春日聖杯戦争が再開したころから、想像明の様子はおかしくなってきた。

 おそらく、それは死期が近いことを悟っていたからだと、今ならわかる。

 

 明はこれまで数回想像明を創造してきたが、どの想像明も死を恐れはしなかった。そもそも魔術師は死を恐れるようには育てられないものであり、オリジナル明もその例に漏れない。

 

 だが、今回の想像明は、死を恐れていた。

 

 だからこそ明の元から逃げ出し、行くあてもなく土御門神社へやってきた。そこにいたサーヴァントと戦い、虚数空間内で固有結界を形成させるという事態になった。

 

 後に明は影景と共に、春日の記録を確認したところ、確かに想像明が土御門神社に向かった日付にサーヴァント反応が残っていた。

 虚数空間は現実の時間とは異なる流れにあり、虚数空間で何十日を過ごしても現実では刹那にも満たない。仮に想像明の言う固有結界(世界)が本当にあったとしても、もうそれを覚えている者はどこにもいないはずだった。

 

 ――その例外の一つが、今、目の前にいる男だ。

 

 想像明が世を去った後、意識を取り戻したハルカはリハビリに取り組み、およそ半年で自力で歩けるまでに回復した。

 魔術はまだまだ勘を取り戻している最中ではあるが。

 

 目覚ましいと言って差し支えない回復は、ハルカ一人の努力に帰せられるものではない。碓氷影景、「解析」をもっぱらとする魔術師がハルカの身体を解析して最適なリハビリを提案してサポートしたのである。

 

 勿論影景とて、相手が旧知のハルカであっても、ただでするほどお人よしではない。彼とは何らかの遣り取りをかわし――おそらくは北欧の魔術の名家であるエーデルフェルトに関する何か――復帰を手伝っていたのだ。

 

 そしてシグマ・アスガード。明や影景が虚数空間の中の世界を信じざるを得なかったのは、彼女の存在が決定打になったからだった。

 虚数送りにしたはずの彼女が、自力で帰ってこられるはずがない。そして突き出された、セルフギアススクロール。それによりアースガルド家に出入りできなくなったシグマは、ひとまず碓氷の援助を受けることになった。

 

 虚数結界内に展開された固有結界の話は、ハルカから詳細を聞くことになった。シグマはもう興味がない、というか細かい人々の動きなど忘れ去っている様子で、あてにならなかったのだ。

 

 そして、明が再び時計塔に戻るこの時、ハルカも同行することになった。出発は明日だが、前日は碓氷邸に一泊することにし、ここにいる。

 ちなみにシグマは影景となかよく留守番である。

 

 ハルカは懐かしそうに屋敷を見上げながら、トランクを引きずって玄関へと歩いてくる。シグマはまだ屋敷の中に入る気はなさそうで、庭をあちらこちらとみて回っている。

 

「エイケイの屋敷は久々です。アキラ、あなたが幼かった頃以来ですが、覚えていますか」

「全然」

 

 明も初対面相手には遠慮がちになる質であり、ハルカも初対面には慇懃無礼になる癖があるのだが、半年を経た二人によそよそしさはない。

 

「ハッハッハッ、そうでしょうね。しかし明日で春日を去るとは、私にとっても感慨深いです。色々ありましたから」

 

 それは明の知らぬ春日の話か、それとも目覚めてからの話か。それとも両方か。

 今はもう彼の記憶の中にしか残らない、幻の春日の日々。

 

 もし想像明ではなく自分が土御門神社に行っていたら、またセイバーと出会うこともあったのだろうか。一言、とりあえず自分は元気だと伝えたいが――それはきっと、己の生が終わった時にさえ、あるかないかの奇跡だろう。

 

 明の内心を知ってか知らずか、ハルカは呑気に訪ねてきた。

 

「そういえば、彼はまだこないのですか?」

「彼……ああ、うん、今日の夜遅くに来ると思うよ。だって今日は卒業式だからね」

 

 

 

 *

 

 

 

 桜散る、卒業。

 

 には少々足らず、校庭に植えられた桜の花はまだつぼみを膨らませている最中で、まだまだ春爛漫には遠い気候であった。しかし空は青く澄み渡り、千切れたくもが途切れ途切れに浮かぶ晴天だった。

 

 長い式典、クラスごとの最後のホームルームを終わっている。先程まで廊下や教室で卒業生たちは部活動で集まったり友達同士で集まったりして、別れを惜しんでいた。

 

 進学校である埋火高校の卒業生はほとんどが四年制大学へ進学するが、国立で北海道へ行くなり、関西に行くなり、これまで通りあえなくなることは確実であり名残は尽きなかったが、今は流石にほとんどの生徒が校舎を出ていた。

 

 そんな中一成は色々なクラスに顔を出した後に、遅れて階段を降りて校庭へと向かった。桜田や氷空は部活動の後輩に会いに行っており、校門前で合流しようと約束している。それにたぶん、キリエが迎えに来ている。

 

 また氷空が騒ぐだろうなと思いつつ、一成は肩に卒業証書の入った筒をかけて、三年間過ごした学び舎を眺めた。あまり真面目に学んでないだろう、と言ってはいけない。

 

 のんびり階段を降りていると、突如三階から二階にある踊り場に差し掛かった時、後ろから背を掴まれた。

 

「……っ、土御門、一成ッ!!」

「どぅあ!?」

 

 それは同級生の榊原理子――見事に校則にのっとった耳の下での二つ結び、膝上のスカート、学校指定のカバンに卒業証書の入った筒。

 何故か息を切らしており、いったい何を慌てているのだろうか。

 

「な、なんだよ」

「……ッ、三年間、お世話に、なったわ……!」

 

 謎の気迫で三年間の礼を言われて、一成は目を丸くした。しかし律儀だと感心する。完全問題児扱いされている自分にもそうするとは。

 

 一、二年のころは口うるさく注意されてばかりで喧嘩が多かったが、聖杯戦争を終えた頃からはそれも減り、同じクラスになった三年次で喧嘩は減り、普通に会話することも増えた。お節介で口うるさいのには変わらなかったが。

 

「お、おう。こちらこそ、世話になったな。お前、確か神道系の大学に行くんだっけか」

「そうよ。今は一人暮らしだけど、実家に戻って通うわ」

 

 彼女の実家は歴史ある神社であり、後を継ぐ予定らしい。歴史ある神社の跡取り、というところでもしかして魔術の家系かという疑惑も浮かんだが、一成はそれに触れたことはない。

 神社の数はコンビニよりも多く、その中で魔術世界に浸かっているのはごく一部。それにそれぞれの家の秘儀は易々と喋っていいものでもないため、仮に本当に魔術師であっても正直にはいそうですと言わないだろう。

 

「あんたは……留学だっけ」

「おう。イギリスだな」

 

 表向きは留学、その実は碓氷明の助手である。その目的は明とキリエの下で修行し、その後何らかの魔術団体に所属するか、明の元で修行して一人で魔術使いとして自立する。

 

 碓氷影景には彼の特性故、とっくに千里天眼通のことを知られており、やたらと気に入られている。

 魔術師になるつもりはないが、魔術自体は好きなのだ。色々考えたが、決定打はそれだった。

 

 明日にはイギリスに向かう予定である。一人暮らしの家はもうからっぽで、イギリス行きの道具一式と日用品しかない。今着ている制服も、家に帰ってから着替えて実家へ送りつけ、そのあと賃貸の引き渡しをするハードスケジュールなのだ。

 

「じゃあな、元気でやれ「……ッ、ちょっと、まだ用は済んでないわよ!」

 

 軽く彼女の横を通り過ぎようとしたら、恐ろしい勢いで腕を掴まれた。

 一体何事か。怪訝な顔を彼女に向けたが、理子の様子がおかしい。

 

「お、おい榊原? どうした?」

「……さいよ」

「は?」

「……第二ボタン、寄越しなさいよ! って言ってるの!」

「…………は?」

 

 全く予想できなかった発言に、一成は思わずたっぷり間を置いてから返事をしてしまった。すると理子は失言をとりなすように、大慌ててでさらにまくしたてた。

「か、勘違いしないでよね! あんたのことだから、誰からもボタンくれとか言われないと思うし、私としても、喧嘩も多かったけど、あんたがいたから学校楽しかったってのもあるし、礼と言うか、情けと言うか、そういうわけでもらってあげるって言ってるの!」

「よ、よくわかんねーけど落ち着けよ。だが一つ訂正させろ、俺にもボタンの上げ先くらいある!」

 

 

 まあ、その相手はキリエなのだが。

 

 変な日本の知識を着々と身に着けているキリエは、先んじて第二ボタンを寄越せと無邪気に言っていたのである。ただそれを言ってしまうと半笑いされそうなので、あくまで相手は隠す方針であったが「そ、それ、どうせキリエさんでしょ」一瞬でバレた。

 

「……そうだよキリエだよ。……だけどボタンは学ランのとワイシャツのと二つあるからな、欲しけりゃやるよ。どっちがいい?」

 

 半ばヤケクソな答えだったが、むしろこれには理子が動揺した。軽くほてった頬を隠すように一度そっぽを向いて、右手を突き出した。

 

「え!? ……いい……!? じゃ、じゃあワイシャツの方をもらってあげるわ」

「? わけわかんねーやつだな……ほら」

 

 一成はワイシャツの第二ボタンをちぎると、無造作に理子の手に置いた。それからやれやれ、と伸びをすると、彼女の脇を横切って階段を降りはじめた。

 その背中に向かって、理子は大きな声で呼びかけた。

 

「……ありがとう! ……病気したり、怪我したりするんじゃないわよ!」

「おう。お前も元気でやれよ」

 

 一成が下りて行った階段を見下ろして、理子は大きく息を吐きだした。心の内を伝えなかったことに後悔はない――きちんと、ありがとうと言えたから。

 

 自分はこれから魔術師として神社を継ぐ役目につく。

 後悔はない、悔しくもない――少しだけ、惜しいけれど。

 

「一年のころにあんたなんて好きじゃない、って言った時のままなわけないじゃない。人の気持ちは、変わるんだから」

 

 踊り場に取り付けられた窓からは、抜けるような青の空。

 新たな年を迎え、別れた道を歩くけれども――ここでの三年は、忘れがたき良きものだったと思うのだ。

 

 

 

 *

 

 

 

「おーい一成、おせーぞ!」

「レディを待たせるなんて、カズナリも偉くなったものね!」

 

 校門前にて、既にキリエと桜田、氷空が待っていた。帰宅部の一成が一番遅くなるとは、彼自身も想定外である。小走りで彼らに駆け寄ると、軽く謝った。

 

「ワリー……!? おい氷空!? お前どうした!? 山姥の群れにでも遭遇したのか!?」

 

 一成の驚きもさもあらん、スマホでキリエの動画を撮り続けている氷空の学ランとワイシャツのボタンはひとつ残らず消失していた。

 そのため、インナーのシャツが丸出しになっている。氷空はやっと一成の存在に気づいたようで、面倒くさそうに顔を上げた。

 

「……ああ、これは部活の後輩たちが欲しいっていうからやった」

 

 コンピューター部は八割男子だった気がする。ボタンには恋以外にもご利益があったのだろうか。その話を聞いて、キリエはボタンのことを思い出したようだ。

 

「カズナリ! 私にもボタンをちょうだい!」

「忘れてただろ。……ほら」

「キリエタン、僕のボタンも「お前はないだろ」そうだったァァ!!」

 

 勝手に氷空はこの世の終わりのように落ち込んでいる。その傍らで笑う桜田も、なんちゃって第二ボタンが消失している。こっちは氷空と違って、真面目に女子の後輩にあげてそうな空気が漂っているので、野暮なことは突っ込まない。

 

「しかし一成が留学でイギリスか。どっちかといえばお前、アジアをバックパック一つで旅してそうだけどな。イギリスって顔じゃねえだろ」

「それもう留学じゃねえ……ってイギリスっぽい顔って何だよ!?」

 

 具体的にイギリスで何をするかは説明できないため、桜田たちには語学勉強だと伝えている。当面あちらでは翻訳魔術に頼ることになるが、一応自力でも話せるようにはなりたいとは思っている。

 

「安心なさい、マサヨシ・サクラダ! 幾らカズナリがイギリスっぽくなくても、この私がついているのだからね」

「ううんキリエたんと水入らずで海外で過ごせるなんて羨ましすぎる」

「何回も言ってるけどキリエと二人きりじゃねえからな!」

 

 おっぱいの大きいお姉さんと一緒であるとは言わない。あとイケメンの金髪北欧人もついてくるのも、負けた気がするので言わない。

 桜田が卒業証書の筒を振り上げ、先だって歩き始めた。

 

「よし、全員揃ったことだし春日駅で飯でも食うかぁ!」

 

 一成はもう明日には春日にいない。桜田の大学は国立だが地方のため、彼もいそいで引越し準備を始める。

 氷空は都内の国立大学の為、今と変わらず実家から通う。これから顔を合わせる回数も少なくなる。

 

 それでも、この別れは悲しい別れではない。これから始まる、何もない世界へ歩き出すための第一歩である。

 

「行くか! 俺は肉がある店ならなんでもいいや」

 

 空は青く、未来は白く。

 記憶にしか残らぬ幻の世界。その幻が抱いた希望(明日)は、今、新たに歩きはじめる。

 

 

 


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