転生したらエリックだった件   作:逸般ピーポー

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しもんきん

驚いた。

何が驚いたって、ユウ君だ。何あれ。

今は確か、サクヤさんの部屋に向かったはず。…サクヤさんの部屋に行くイベントなんてあったっけ?もう覚えてない部分とかあるなぁ…。

まあそれはともかくユウ君だ。

空中で捕食するわ、ステップしながら捕食で吹っ飛んでいくわ。たまげたなぁ…。

そういえば、ソーマもなんだかやたら空中で滞空時間が長い時があるし…。なに?どうなってんのこの世界。

俺の知ってる極東と違う…。

 

更に言うなら、ヒバリちゃんがユウ君にアンケート調査をしていたり、あの人を遠ざけまくるソーマがユウ君と一緒に休憩していたりと、俺の知識にない事はよく起きている。まあ、ただ単にゲームでは描写されなかった部分なのかもしれないけどね。しかしヒバリちゃんと至近距離でお話とか。ちょっと羨ましい。

ただ、その瞬間を見つけたタツミの反応は見物だった。いつも通りヒバリちゃんに話しかけようとした瞬間、固まったからね。つい顔に落書きをしてしまった。

タツミが再起動した後に正座させられた上にこっぴどく叱られたが、僕は満足だ。大☆満☆足!チーム満足。こんなんじゃ…満足出来ねえぜ…。満足街編は笑わせてもらいました。満足先生の満足はこれからだ!

満足という文字がゲシュタルト崩壊してるぅ…。

 

しっかし、こう自分の記憶と違う部分が出てくるとなると、マル犬やキュウビといった、2以降のアラガミの目撃例がないか確認しておいた方がいいかも知れない。まあ、順番的にはツクヨミやアマテラス、スサノオやらヘラやらポセイドンやらゼウスやらの方が先だと思うけど…。ポセイドンてどんな奴だったか、あんまり覚えてないんだけどね。ダウンロードコンテンツかなにかだったはずだし。ヘラとゼウスはまだ覚えてるんだけどなぁ。

 

さて、今回は実はですね。久しぶりに博士にお呼ばれしています。何が出るかな、何が出るかなっとぉ。

 

「邪魔するよ」

 

おっ邪魔ぁーっ!って言って入るつもりだったのが、エリック的な感じに直されてしまった。くそう、なんでや。夜食を食べる時に『うおぉん』は大丈夫だったのに…。煮込み雑炊一つください!この世紀末でも雑炊はありました。煮込み雑炊はなかったけど。

 

「やあエリック君。待ってたよ」

 

相変わらずの胡散臭い張り付けたような笑み。いまいちセンスのよく分からないズボン。あとメガネ。

皆の便利屋、ペイラーこと榊博士その人です。でたぁ(大山のぶ代声)。皆のドラえもん。今声優さん違うけども。僕はのぶ代さん世代ですが何か?

 

「さて、君にはいくつか聞きたいことがあってね?」

 

ふむ。僕の華麗な戦うテクニックについてかな?いいだろう。無印のストーリーを最後まで進めた人間がガチれば、大体の修羅場は乗り越えられるということを教えて差し上げよう!

 

「まず一つは、最近のミッションで気付いたことはないかい?例えば、戦っている最中にどこかから視線を感じる、とかね」

 

…。シオのことかな?(直球)

でも視線とか、ソーマレベルの勘の良さでもないと気付けんて。ふむ。あっ。

 

「そう言ったことはあまりないが…、以前のミッションで、突然通信機器が繋がらなくなることがあった。

博士も、この部屋なり、後ろのよく分からないスペースなり、突然電源が落ちても問題ないようにしておくといい」

 

確かそれでシオの存在がバレたことあったよね。無かったっけ?

 

「それについては心配いらないよ。この部屋の機器には特別に、非常用の電源があるからね」

 

「…何を考えているにせよ、電源が落ちた時の対策はしっかりしておくことをおすすめするよ」

 

さすがにこれ以上言うと怪しまれそうだし、こんなとこか。まあ、博士だから多分途中で気付いてくれるはず。…気付いてくれるよね?ね?

この人の場合、『あ!しまったあああ!』とかありそうで怖い。まあそうなればなったで原作通りだから、ある意味問題ないっちゃない。

 

「…ふむ。それにしても、通信機器の不調か。…おかしいな、あれは私とリッカ君で開発したものだから、そうそう通信が出来なくなることなんて、『有り得ない』はずなんだ。

また後で、リッカ君から詳しい話を聞いておくことにするよ」

 

「よろしく頼みます」

 

あれはさすがにちょっとビビった。

ゲームならともかく、現実だと当然帰投する準備やヘリの用意なんかもある訳だ。これが出来ないと、いつアラガミに襲われるか分からない状態で待つことになる。時間いっぱい無限湧きの敵を倒すミッションみたくなってしまう。

あれはそういうミッションとしてじゃないと、回復が足りなくなってキツいのです。ああ、プラーナ欲しい…。それもバーストしなくても体力回復できる感じで…。

 

「さて、二つ目だけど…。

まず君は、エイジス計画は知っているね?」

 

「島作ってますね」

 

後半のミッションではよくお世話になるエイジス島である。何もアイテムが落ちてないので、敵をボコるのに集中出来る反面、あまり広い場所ではないので乱戦だとけっこうツラい場所だ。無印ならかなり死にやすい場所である。まあこれは、無印の後半かつエイジス島に出るアラガミが強い奴多すぎ問題なだけだが。

そういえばふと思い出したけど、グボロって超遠距離からぶっぱとか2からじゃなかった?前に緊急依頼やったらなんか飛んで来たんですけど…。

 

「そう。エイジス計画の肝となるエイジス島だね。今現在、供給される資材の一部を回して建設されている最中な訳だけど…。」

 

ここまで言って、博士はずいっとこちらに顔をつきだして来た。チェンジ!チェンジで!ジーナたんを代わりに希望する!断じてこんないい歳したおっさんはノー!

 

「…君は、怪しいとは思わないかな?」

 

「いいからまずは顔を離して頂きたい」

 

マジで。

 

「ああっと、ゴメンゴメン…。少し、興奮してしまってね…」

 

おっさんが興奮とか誰得…?

 

「供給される資材の量。フェンリル本部からも輸送されていることを考えると、私達が貯蓄に回したくなるくらいの莫大な量だ。当然、それに見合うくらいの予算もつぎ込まれている…。

だけど、それに反してなかなかエイジス島の敷設は終わらない。

…おかしいと、思わないかな?」

 

…なるほど。つまり博士は、こう言いたいのだろう。

 

「…資材の一部が、何処かに消えている?」

 

そう言うと、博士は出来の良い生徒を見るような顔で微笑んだ。

 

「ご名答。もしかしたら、ヨハンは…。

いや、まだ情報が足りていないから、余計な事は言わないでおこうか。変に先入観を持ってしまうといけないからね」

 

そこで止めるのかよ…。

まあ、支部長がやろうとしている事。つまりアーク計画を既に自分は知っているから別にいいけど。これ、何も知識ない状態でやるとくっそ胡散臭く見えるよね…。

実はこいつが黒幕じゃね?的な。もしくは支部長の敵かコイツ?みたいな。

 

「さて、長くなってしまったがこれで最後だ。

捜索を依頼していた、人型のアラガミ…。見かけたりしていないかな?」

 

「だからシユウならそこいらにたくさん居ます」

 

「キミは本当にそのネタが好きだね…」

 

もうすっかりいつも通りの博士に戻っている。

うーん、しっかし人型のアラガミねえ。

ま、とりあえず言えることは。

 

「贖罪の街、鎮魂の廃寺」

 

「うん?」

 

「人型のアラガミ、でしょう?それなら、人と同じように移動すると考えて、隠れる場所のあるこの辺りが怪しいんじゃないですか」

 

知らんけど。

まあ、知識と記憶を頼りにした場所に、適当な理由を着けただけだが、案外的を射た意見ではなかろうか。

 

「…なるほど。確かに、そう言った考えは重要かもしれないね。

ありがとう、今回の用件はこれで全部だ。

引き続き、人型のアラガミを見掛けたら、報告を頼むよ」

 

「ふっ、全てはこの、華麗に戦う僕に任せておきたまえ…!」

 

そう言って突如立ち上がり、ファサッ…。と髪をかきあげるエリック。本当にこれがなければ良い奴なのになぁ…。でもエリックだからこれで良いっちゃいい。

少なくとも、2で助走をつけて殴られる、我が盟友(ポラーシュターンの主人)よりはマシだと思う。いいやつだったよ…。

 

 

さて、ところでアリサの復活まだかなー。


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