ちなみに今回はほぼ原作な上、主人公の登場は少ないです。
昨日担任の相澤先生による入学試験を終えて、無事雄英の生徒となることができた。
そして翌日、朝早めなので出時間も余裕があり1-Aの教室に入るとすでに何人かの生徒がいた。
「おっ!
お前たしか昨日の試験に一緒にいたやつじゃねぇか!」
教室に入ったあとに、こちらに気がついたのか逆立っている赤い髪の生徒が元気よく話しかけてきた。
「俺は切島 鋭児郎。これからよろしくな!」
見るからに熱血そうに見える切島はフレンドリーな雰囲気で接してくれた。
「こちらこそよろしく、俺の名前は時崎停翔。」
「おう!お前スゲェよな!
昨日の体力測定新記録ばかりだったな!
漢らしいじゃねぇか!」
「切島どうしたの?」
切島と話しているとき彼の後ろから紫色の色の肌の少女が加わってきた。
「おう、いまこいつとの友情を深めていたところだ。」
「へぇ~。あ、私は芦戸 三奈!よろしく!」
自己紹介をしている2人の会話が聞こえていたのか他の生徒達も会話に混ざってきてそれぞれ自己紹介を始めてきた。
「自己紹介してるのなら俺も混ぜてくれよ。
おっす!俺は上鳴 電気だ。同じクラスだからよろしくな!」
「私は葉隠 透。服が浮かんでいるように見えるかもしれないけど透明で顔が見えないだけだよ。よろしくね!」
「おっと、僕の名前は青山優雅。僕のこのキラキラどうだいうつ「蛙吹 梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んでね。ケロケロ」・・・。」
「俺は瀬呂 範太!よろしく!」
それぞれクラスメイトの皆が独特な紹介をしてくる。
それより、さっき誰かの会話途切れてなかったか?
まあいいけど。
そしてそれぞれ個性的な自己紹介が終わったと同時に、学校のチャイムがなり全員が席につく。
ここ雄英高校はヒーローを育成するといっても俺達は高校生。
様々な科目の英語、数学、国語、理科などの普通の勉強がある。
ここはヒーロー科だが、学生の本文は勉強なのはあっちでもこちらの世界でも変わらないようだ。
各教科の教師はなんと有名なプロヒーローなのだが、
普通の学校と同じで・・・。
「んじゃ、次の英文の内、間違っているのは?」
「おらエブィバディヘブンズアッフ!盛り上がれ!!!」
(((((普通だ)))))
(関係詞の場所が違うから・・・4番!)
(前の世界より個性的だな・・・。)
プレゼント・マイクの授業は盛り上げようとしても誰も反応してくれなかった。
まあ、こんな感じで授業を受け、昼御飯を済ませたあと午後から始まるヒーロー基礎学の授業が始まる。
ちなみにこの授業の担任はあの・・・。
「わーたーしーがー!!
普通にドアから来たぁぁぁ!!!」
チャイムが鳴ったあと勢いよくドアが開き、HAHAHA!と画風(?)の違うヒーローが登場してきた。
もうわかると思うが誰もが知っているNO.1ヒーロー『オールマイト』
銀時代シルバーエイジのコスチュームを身に纏うオールマイトの姿を見て教室内にいる誰もがオールマイトの登場にざわめき、教室は活気に包まれ、俺も心の中でオールマイトの登場に興奮した。
(これがNo.1ヒーローか。)
前の世界では漫画や有名人はお目にかかることなんてないだろうと思っていたがいまではこうしてNo.1ヒーローを目の前で見れるのだ。
そして平和の象徴であるオールマイトは今年から雄英の教師をやることになったらしい。
「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地を作る為の様々な訓練を行う課目だ!!単位数も最も多いぞ。」
「早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!!」
オールマイトはBATTLEと書かれたカードを手に取り、生徒たちに突き出す。
「戦闘訓練・・・。」
昨日の個性把握テストとは違う本格的なヒーローの訓練。
合格不合格はないが気を引き締めていかないといけないな。
「そいつに伴って・・・こちら!!」
オールマイトがリモコンのボタンを押すと壁が動きだし中には数字の書かれたケースが多数入っていた。
「入学前に送ってもらった「個性届」と「要望」に沿ってあつらえた戦闘服だ!!!」
入学前に学校から送られてきた書類の中の戦闘服の要望を書き学校へと送ったのが出来たのだろう。
もちろん要望通りならあの絵の通りになっているだろう。
「格好から入るのも大切な事だぜ少年少女。
着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ!!」
「「「はい!」」」
いよいよ始まるヒーローになるための訓練。
だから自覚するんだ。
今日から自分は……
―――ヒーローなんだと!
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・・・というわけで教室からロッカー室へと移動して先ほど支給されたこのコスチュームへと着替えている。
最初はデザインはどんな服にしようかと悩んだ。
いくつか候補があったが、いまの俺にはやはりこれしかないと思いこのデザインにした。
ーこの『第3部のDIOの服』を!
特に機能等を付けていない服なのだが希望で動きやすく破れにくい服にしてくれとだけ希望した。
実際に戦うのはザ・ワールドであって自分はあくまでも体を鍛えただけで一応スタンドがなくとも戦えるようにお母さんから生身でも戦える訓練をしている。
さらにはザ・ワールドの力を憑依させるとなると体を思いっきり動かすのでこの要望にしたのだ。
まあ、もう1つ理由はただDIOの服を着たいだけであるが・・・。
たがちゃんといい素材を使っており体にピッタリのサイズでしかも動きやすいのでちゃんと希望通りの服を作ってくれたようだ。
そして俺はコスチュームを着て最後に赤色のマントを付けて着替えが終わったので、更衣室からグラウンドβに向かった。
グラウンドβにはすでに他の人も着替えており授業が始まるのを待っていた。
グラウンドβは入試で使った演習場のと同じくビルが建ち並び、かなり本物の町に近い作りとなっている。
今回はここで戦闘訓練は行われるのだ。
「おっす、時崎。」
グラウンドβで声を掛けてきたのは上半身にはなにも着ていないワイルドな格好をしている切島だった。
「切島か。君の服装なかなか・・・ワイルドじゃないか。」
「お、分かるか!俺の個性は『硬化』だから防御に関しては硬化で防げるからこのコスチュームでいいんだ。
しかも切れ味も抜群だから対人じゃ強ぇけど、いかんせん地味なんだよな。」
「硬化か。防御も攻撃も兼ね備えた個性か。近接では強力な個性になるな。」
「そうか?それにしても時崎のコスチュームはおしゃれな感じがするな。」
「ん?そんな感じがするか?」
「あら、その格好でもいいじゃありませんか。」
俺と切島が喋っているとき、後ろから女性から声を掛けられたので振り返る。そこには髪が黒色のスタイルのよい少女がいた。
(彼女は確か八百万百だったか・・・なにぃ!?)
八百万の着ているコスチュームを見て時崎は思わず素っ頓狂な声を出してしまいそうだった。
それもそのはずだ。
彼女の着ているコスチュームは胸元からへそ辺りまで開いた赤いスーツを纏って、レオタード風の衣装から何ら恥じる様子もなく肌を露出させていた。
男なら誰でもその格好のことを突っ込むだろう。
「そ、そういう君もなかなか・・・独特な格好をしているじゃないか。」
「ありがとうございます。」
彼女は俺が誉めているととったのかお礼を言ってきた。
その時、背後から裾を引っ張られるのを感じて下を見ると、黄色いマントと紫のマスクを被った峰田という少年が、
「ヒーロー科最高。」
と親指でグッドをしながら俺に言った。
取り合えず気を取り直して戦闘訓練が始まるのを待っていると誰かが出入口から走ってきた。
「皆早い・・・!!」
戦闘服を着るのに手惑っていたのか、皆より遅れて通路を一人で走っている緑谷くんだった。
グラウンドに急いで来たためか息を荒げていたので時崎は緑谷に近寄り声を掛ける。
「大丈夫か?」
「あ、時崎君。だ、大丈夫だよ。」
「そうか、それならいいが・・・。
ところで緑谷君、もしかして君のそのコスチュームは・・・。」
(どうみてもオールマイトを模しているのかそっくりだな。)
緑谷くんが着ているコスチュームの外見がオールマイトの髪の触手(?)部分に似ているのですぐにわかった。
「あ、この服僕のお母さんが作ってくれたんだだからこの服で参加しようと思って。」
「ふむ、なるほど。」
(危うく笑いそうになった。せっかく作ってくれたものを笑っては悪いな。)
「では始めようか有精卵共!!!
戦闘訓練のお時間だ!!!」
全員が集まったところでオールマイトが訓練の開始を知らせる。
オールマイトからの説明によると今回の戦闘訓練は屋内の戦闘を想定して建物の中で『ヒーロー』と『ヴィラン』共に二人一組になり、制限時間15分以内に『ヴィラン』側が持つ核を『ヒーロー』がタッチするか、『ヴィラン』を『確保テープ』というテープでヴィラン側に巻き付けて全員捕まえればヒーローの勝ち。
逆に制限時間が過ぎるか、『ヴィラン』がヒーローを捕まえれば『ヴィラン』の勝ちというものだ。
「では、コンビ及び対戦相手は・・・『クジ』だ!」
((((適当だな・・・))))
「このマントヤバくない?」
「・・・と言いたいところだがこのクラスの人数が奇数のため一人組だけ人数が一人となる。」
「先生!それだとかなり不利な状況ではないですか?」
本来は二人一組の状態で対等なのだが偶然にもクラスが奇数のため一人だげチームがない状態となる。
「確かにかなり苦戦を強いられると思うが常に誰かがついているとは限らない。時と場合に依っては一人で戦うこともありうる。それを乗り越えてこそ"
それにこの一人は実は前から考えていたのさ。
以前の入学試験のトップでもあった時崎君、
君にしようと思う。」
オールマイトが指名したのはまさかの自分だった。
別に嘘をいっているわけでもなく真っ直ぐに俺に視線を向けている。
「俺?」
「そう。君でなら問題ないとすでに学校からの許可は取ってある。強制はしないが君がよければだ。」
正直この事態はめんどうである。
俺の世界の普通の社会ではわざわざ指名されると周りの視線がきついことがある。
変に期待されたりとか冷ややかな視線を浴びてしまうのだ。向こうが悪気があるのかは知らないがこっちからしたらたまったものではない。
だがここまで期待されているのだから答えてやらないと後味が悪い気がする。
「わかりました。」
断ることもできないので俺はオールマイトに頭を縦に振り承諾する。
「では、決まったことだし早速戦闘訓練を始めるとしようか!」
オールマイトは先ほど用意していたくじを全員に引いてもらいパートナーを決める。
その光景を俺は離れてみていたら1つあることに気がついた。
(あれ?よく考えたらクラスメイトと仲良くなるチャンスを逃した?)
俺は途中でそのことに気がつき内心焦り始めていた。
しかし、そんなことを知らない1-Aのクラスは全員がパートナーが決まったのでこれで戦闘訓練の準備が整った。
「では続いて対戦相手は・・・こいつらだ!!」
「Aコンビがヒーロー!!Dコンビがヴィランだ!!」
Aチーム緑谷&麗日チーム
×
Dチーム爆豪&飯田チーム
最初の対戦相手は昨日喋っていた緑谷君と麗日さんだった。
対するヴィランチームは一人は委員長みたいな眼鏡の飯田君は知っているがもう一人のいかにもヤンキーみたいなのは昨日の体力測定の時に見たが話したことはないな。
それから2チームは戦闘訓練となるビルへと向かい準備を整えている間、俺たちはモニタールームへと移動した。
「さぁ、君たちも考えて見るんだぞ。」
モニターには各場所にカメラが設置されておりヒーローチームやヴィランチームの行動がバッチリ映っていた。
ヒーローチームの緑谷君たちはビルの窓から潜入し、ヴィランチームの核の元へと向かう。
しかし、ヒーローチームはヴィランチームの核が何処に置かれているのかは知らされていないのでかなり不利と言えるだろう。
まあ、現実では核の場所がわかっていたら苦労はしないのだから不利なのも仕方がないのだろう。
そして、緑谷君たちが道を進んでいると突然通路の曲がり角から爆豪が飛び出してきて奇襲を仕掛けてきた。
しかし、緑谷君は予測していたのか爆豪の右手大振りの攻撃をギリギリのところです避ける。
爆豪の攻撃は壁に当たり同時に壁が爆発する。
もしあれが当たっていたら大ケガをしていただろう。
『デクこら、避けてんじゃねぇよ!!』
「爆豪ズッケェ!!奇襲なんて男らしくねぇ!」
「奇襲も戦略!彼らはいま実戦の最中なんだぜ!」
切島は爆豪の奇襲が男らしくないと批判するがオールマイトの言うとおり奇襲も戦いの手の1つだ。
正々堂々とした戦いではないが戦いがすべて正面からしかこないとは限らないのだから。
『ああ、クソ!中断されねぇ程度にぶっ飛ばしてやらぁ!!』
爆豪は再び緑谷君に向かって攻撃を仕掛け、緑谷君に右手大振りの攻撃をするが今度は緑谷君は巧みに避けて右手を掴み取り、一本背負いで爆豪を地面へと叩きつける。
『かっちゃんは・・・大抵、最初に右の大振りなんだ。
どれだけ見てきたと思ってる!
いつまでも"雑魚で出来損ないのデク"じゃないぞ!
"頑張れって感じのデク"だ!』
『・・・ムカツクなぁ。』
『クッソ!ムカツクなぁぁぁ!!』
緑谷君の言葉が爆豪の逆鱗に触れたのか爆豪は声を荒げて再び緑谷君に向かって攻撃をする。
爆豪は緑谷君に攻撃を向けており、緑谷君は爆豪と相手している隙に麗日さんは本来の目的である核の元へと単独で向かう。
恐らく2手に別れる為に緑谷君は爆豪を引き付けているのだろう。
だが、爆豪は麗日さんにら見向きもしていないので彼の目的は確実に緑谷君だろう。
しかし、緑谷君は爆豪の攻撃を巧みに交わして、次の攻撃に備えていた。
「すげぇなあいつ!個性を使わないで渡り合ってるぞ!」
しかし、緑谷君は態勢を整えるためか爆豪から離れるために直ぐ様曲がり角に向かって走り出す。
『待てコラ!デク!!』
『なぁオイ!俺を騙していたんだろォ!楽しかったかずっとぉ!!
あ!?ずいぶんと派手な個性じゃねぇか!?』
『使ってこいや!俺の方が上だからよぉ!!』
「なんかすげぇイラついているな。コワッ」
爆豪のイラついている姿に上鳴は思わず呟く。
自尊心の塊なのか又は緑谷君に対して何か思いがあるのか、明らかに感情的になっているところが見られる。
正直、このまま進めていたら歯止めが利くのかどうかが分からないな。
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そして一方緑谷君と別れた麗日さんは緑谷君のいる直上階におり、そこには核とそれを守る飯田君がいた。
爆豪とは違い飯田君は冷静にこの訓練をこなすだろう。
さて、彼はどんな感じで核を守のかな。
『爆豪くんはナチュラルに悪いが今回の訓練には的を射ているわけだ。ならば僕も敵に徹すべきなのだ・・・そうだ。これも飯田家の名に恥じぬ立派な人間となる為の試練!なりきれ!!』ブツブツ
『俺は至極悪いぞおぉ!!』
・・・彼はどうやら形から入る人のようだ。
飯田君の姿を見てか麗日さんは思わず吹き出してしまい、飯田君にバレてしまった。
『来たか麗日君、君が一人で来ることは爆豪くんが飛び出した時点で判っていた。』
『触れた対象を浮かしてしまう"個性"・・・。』
『だから先程君対策でこのフロアの物を全て片付けておいたぞ。ぬかったなヒーロー!フハハハハハ!』
形から入っている飯田君だったが、ちゃんと麗日さん対策を施しており、核を守れるようにしていた。
そして二人は互いに攻撃の隙をうかがうかのように互いに一触即発の状態となっていた。
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そして再び緑谷君の戦闘を見て見ると緑谷君は離れた場所で作戦を練っておりそして爆豪は彼の元へと徐々に近づいていた。
そして遂に爆豪は緑谷君の元へとたどり着いてしまう。
『何で使わねぇ、舐めてんのか?デク・・・。』
『かっちゃん!』
互いの距離は空いており、二人とも個性を見る限り近距離特化の個性だろう。
リーチは恐らく爆発を使う爆豪に分があるだろうが、以前の入学試験の際に見た緑谷君は距離を積めれば彼に分がある。
しかし、あれは威力が高い上に制御ができていないように見える。
『・・・てめぇのストーキングなら知ってんだろうがよぉ。
俺の爆破は掌の汗腺からニトロみてぇなもん出して爆発している。』
『・・・?』
突然爆豪は一人で自分の個性について語り出した。
その語りに緑谷君は疑問を抱いているのか理解できていない様子。
『"要望"通りの設計ならそいつを内部に溜めて・・・。』
「爆豪少年、ストップだ!殺す気か!!」
オールマイトは爆豪の言っていることをいち早く理解してか、直ぐ様止めるようにマイクを握ってしゃべる。
"要望"通りの設計。
爆豪の個性である爆発の元であるニトロを装備品の内部に溜めてる設計。
それってつまり・・・。
『当たんなきゃ死なねぇよ!』
爆豪は腕を緑谷君に向け、腕に付いているピンを引き抜いたと同時にモニターは画面一杯白くなり大きな爆発音が響き渡る。
ドオオオオォォォン!!
「授業だぞこれ!」
「緑谷少年!」
爆発が大きいのかモニタールームも揺れ、どれだけの爆発かがうかがえる。
爆発によりビルの一部が吹き飛び壁には大きな穴が開いていた。空いた壁により発生した煙は外へと出て煙が晴れるとモニターには仮面がなくなった状態の緑谷君がいた。どうやら大きな怪我はないようだ。
「爆豪少年。次それ撃ったら強制終了で君らの負けとする。」
「屋内戦において大規模な攻撃は守るべき牙城の損壊を招く!
ヒーローとしてはもちろん敵としても愚策だ大幅減点だからな!」
さすがに危険と感じたのかオールマイトはさっきの攻撃の使用を禁止させる。
あれは人に向けていいような攻撃ではない。
ましてや同じヒーローであるものに対しては特に。
『ああ~~!!じゃあもう、殴り合いだ!』
さっきの技が使えなくなり爆豪は緑谷君に向かって爆発を使って急接近をする。
緑谷君は避けることができないため反撃をしようとするが爆豪は緑谷君の目の前で爆発を起こして軌道を変えて緑谷君の後ろへと回り込む。
しかもさっきの爆発の光で緑谷君への目眩ましにもなっており、緑谷君は後ろに爆豪がいることに気が付いていないようだ。
そして爆豪はその隙に緑谷君の背中を攻撃してすかさず右手の大振りで脇腹を攻撃する。
攻撃により緑谷君が怯んだところをすかさず爆豪は腕を掴み緑谷君を一本投げで地面へと叩き付ける。
「緑谷もすげぇと思ったけどよ、戦闘能力に於いて爆豪は間違いなくセンスの塊だぜ。」
そう・・・。
一見ただ痛め付けているかのように見えるが、技としてみてみればモニターで見る限り彼の力は天才の部類になるだろう。
彼の性格がよければもう少し評価は良かったのかもしれないが。
『ぐぅっ!』
緑谷君はすぐ起き上がり爆豪から距離をとる。
『何で個性を使わねぇんだよ!俺を舐めてんのか!?
ガキの頃からずっと!そうやって!!
俺を舐めてたんかてめぇはぁ!!』
『違うよ。』
『君がすごい人だから勝ちたいんじゃないか!勝って越えたいんじゃないかバカヤロー!!』
『その面やめろクソナード!!』
爆豪は余裕がないのか緑谷君のことに強く反応しており逆に緑谷君は爆豪に対して言いたいことをいっているが冷静を保っているかのようにも見えた。
そして二人は同時に駆け出して互いに右手を引いて相手に自分の一撃を食らわせようとする。
「先生!ヤバそうだってこれ!」
事態がまずいと思ったのか切島はオールマイトに止めるように促す。
オールマイトは止めようとマイクを握るが、なぜか俺からしたらオールマイトはこの戦いを止めたくはないかのようにも見えた。
「双方・・・中止『麗日さん行くぞ!!』」
『はい!』
オールマイトが止めようとしたとき、緑谷君と爆豪とのパンチが当たるというところで緑谷君は麗日さんに指示を出してパンチを爆豪・・・ではなく上に向けて放った。
そして攻撃は直上階にいる麗日さんのいる床が緑谷君の放った攻撃により地面は砕けて破片が散らばる。
『ごめんね飯田君!即興必殺"彗星ホームラン"!』
そして麗日さんは緑谷君の放った攻撃で折れた柱を個性で軽くしたのか持ち上げて、空中に浮かんでいる破片を野球のバットで当てるかのようにいくつもの破片を飯田君に飛ばす。
飛んできた破片に思わず飯田君は防御して顔を隠してしまい。
その隙にと麗日さんは飯田君の横を通りすぎて核へと一直線に飛び付く。
今回の戦闘訓練の目的はヒーローが核へとタッチしたらヒーローチームの勝利という条件。
つまり・・・。
「ヒ、ヒーローチームWIーーN!!」
緑谷君たちは時間ギリギリの所での逆転勝ちとなった。
「負けた方がほぼ無傷で、勝った方が倒れている。勝負に負けて試合に勝ったというところか。」
黒いマントを身に付けている常闇が言っている通り、緑谷君たちはボロボロなのに爆豪たちは怪我を負っていないという状態だった。
それからして緑谷君は怪我がひどいのでリカバリーガールのいる保健室に連れていかれ、残りの3人はモニタールームへと戻ってきた。
「勝利したのはヒーローチーム・・・とはいっても今戦のベストは飯田少年だけどな!!」
「なな!!」
オールマイトの評価で良かったのは勝ったヒーローチームではなく、飯田君であった。
「勝ったお茶子ちゃんや緑谷ちゃんじゃないの?」
疑問に思ったのか梅雨ちゃんはオールマイトに質問する。
「なぜだろうな~~。分かる人!!?」
「はい、オールマイト先生。」
オールマイトの問いに対して八百万一人だけ手を挙げた
。
「それは飯田さんが一番状況設定に順応していたから、爆豪さんの行動は戦闘を見た限り私怨丸出しの独断、そして先程先生が仰っていた通り、屋内での大規模攻撃は愚策。
緑谷さんも同様の理由ですね。
麗日さんは中盤の気の緩み。そして攻撃が乱暴すぎたことと、ハリボテを核として扱っていたら最後のあんな技を使った危険な行為できませんわ。
けれど飯田さんは相手の対策をこなし且つ、"核の争奪"をきちんと想定していたからこそ飯田さんは最後対応が遅れた。
ヒーローチームは訓練という甘えから生じた反則のようなものですわ。」
「「「「「・・・・・・・・・・。」」」」」
八百万の的確すぎる解説と評価に誰もが沈黙する。
というか、的確すぎて他の人はなにも言えない。
「・・・・ま、まあ、飯田少年もまだ固すぎる節はあったりするわけだが・・・。
まあ、正解だよ。」
八百万に全部言われたからかオールマイトも特に言えることがなかった。
「常に下学上達!
一意専心に励まなければトップヒーローになれませんわ。」
一意専心・・・、他のことを考えずその事だけ集中することか。
確かに訓練とはいってももし本当の核などがあれば爆豪の大規模攻撃や、緑谷君の直上階への攻撃に、麗日さんの攻撃で核が爆発していた可能性も否定はできない。
だが正直に言うと、俺は興奮していた。
さすがに表に出してはいないが、緑谷君の戦闘を見ているとまるで緑谷君が漫画の主人公になっているかのようなのを見ているかのような感じになり、かっこいいなと思った。
もちろんこれは漫画でもアニメでもない現実であり、彼らは一生懸命に戦っているのだ。
だから自分も頑張らなければならないのだ!
そして、緑谷君達の対戦が終わったので次の訓練を始めることとなる。
「では次に行ってみよう!
次の対戦相手はこいつらだ!!」
「Iチームがヒーロー!Kチームはヴィランだ!!」
Iチーム葉隠&尾白チーム
×
Kチーム時崎チーム
さてそれじゃあ次は俺の番か。
順番の来た俺は訓練となる場所へと移動して訓練の準備をするのであった。
次回、ようやく主人公の戦闘シーンです。