Σ(゜Д゜)!?
正直、2話でここまで評価がつくとは思いませんでした。
ゆっくりと投稿していきますのでこれからもよろしくお願いします。m(__)m
「えっと、ハンカチとティッシュ。あと筆箱と体操服。これだけで大丈夫かな?」
今日は待ちに待った雄英高校の入学試験。
母さんと共に修行して数年。
体には筋肉が付き、身長も親よりも伸びて185cmぐらいに伸びた。
顔もDIOに似てきて容姿もかなり整っている顔だった。
そのお陰か学生生活では女子にキャーと言われる毎日だった。
正直にいうとかなり恥ずかしい。
前世ではそんな経験どころか女性と話す機会もなかったのに出会う度にキャーと言われたら、その場から離れざるを得ない。
たまに男子からは憎しみを込められた視線があったが。
「停翔~。そろそろ時間よ!」
おっと、もうそんな時間なのか。
準備はできたからそろそろ行くか。
俺は部屋を出て玄関へと向かい、玄関においてある靴を履く。
「いよいよ、今日ね。頑張るのよ。」
靴を履いている俺の後ろから母さんが応援をしてくれる。
「母さんが鍛えてくれたんだから無駄にはしないよ。」
「あらそう? そう言ってもらえると嬉しいわね。」
「さてと、それじゃあ行ってきます。」
「行ってらっしゃい。気を付けるのよ。」
「うん、行ってきます。」
俺は家を出て、雄英高校へと向かった。
国立雄英高等学校。
ヒーローを養成する学校でヒーローを育てる学校は他にもあるがヒーローのほとんどはここを卒業しているといっていいほどの超名門学校だ。
倍率がとてつもなく高く毎年何百人という人が入試試験へと挑む。
そして、俺もその一人でここ雄英高校でヒーローとして学び資格を取って本当のヒーローへの道に歩めるのだ。
だが、その為にもまずは今日の入学試験に合格しなければならない。
最初に午前は筆記試験で各科目ごとの試験をして、昼休みを挟んだあとは午後から実技の試験は始めるようだ。
試験は母さんが聞いてどんな感じなのかは聞いており、それを聞いて予習はしている。
えっ、そんなのずるいって?
勝てばよかろうなのだぁぁぁ!
まぁ、予習してきちんと勉強したお陰か、予習しといた問題が出てきたのでスラスラと解けた。
だが、勉強しているときに思ったがこの体になってから勉強もキチンと頭に入るし、運動でもハイスペックな体だと実感するようになった。
これも転生した影響かな?
だが正直、こうやってヒーローへの試験をしているだなんて前世の俺が聞いたらどう思うだろうな。
勉強がめんどくさいのは相変わらずだが、でもこの試験を受けている俺は物凄くワクワクしている。
前世の世界だったら子供か!って言われるかもしれないが(実際に子供だけど)、俺はヒーローになれる為の一歩を踏み出そうとしているのだ。
「まもなく試験終了時間です。」
試験管の人が試験終了時間を試験を受けている人に伝える。
(間違いはないかな?さっき見直ししたが念のためもう一度しておこう。)
ケアレスミスなんてしたらヒーローになれるチャンスを潰す可能性があるからね。
それからは午前の試験をすべて終了してとりあえず昼休憩で母さんが作ってくれた弁当を食べる。
ただ、弁当に『ファイト!』っと、大きく書かれていたので恥ずかしかったのでさっさと食べた。
それから昼休憩は終わり午後の実技試験へと挑むが、その前に実技試験の説明があるらしく、それぞれ別れて移動し大きな教室へと入ったあと椅子へと座った。
母さんが言うには本番は午後の実技試験のようだ。
学生なのだから筆記も必要だがヒーローになる為にはヒーロー活動できる体力が必要なのだ。
その為、実技試験に落ちていてはヒーローにはなれないらしい。
それと母さんが「実技に気を付けなさいよ。」っと言っていたがそれほど難しいのだろうか?
時間になり教室に一人の人物が入ってきて教壇に立ち挨拶を始めようとする。
『今日は俺のライヴにようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!』
――シーン
誰一人しゃべらず静かに沈黙が流れる。
入ってきたのはボイスヒーローの『プレゼント・マイク』と呼ばれる大音量で喋り、ラジオでの出演がある有名なヒーローだ。
その有名なヒーローがこの雄英高校の講師として教えてくれるようだ。
『こいつはシヴィーー!!!受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!?』
午後の実技についてプレゼント・マイクが説明してくれる。
要約すると実技試験の内容は10分間の『模擬市街地演習』を行い、持ち込みは自由。各自指定A、B、C、D、E、F、Gの演出会場に移動。
演習場には『仮想敵』と呼ばれる機械が三種・多数配置されている。
それぞれの機体にはポイントを設けてあり、自分の〝個性〝を使い仮想敵を倒すことで、ポイントを稼ぐのが目的のようだ。
「質問よろしいでしょうか!!」
俺がプリントを見ながら試験の内容をしっかりと覚えておこうとしているとき受験者の一人が手を挙げて立ち上がり、質問をする。
質問内容はプリントには四種の敵が記載されている。
四種目の敵について説明がまだないから聞いたのか。
「我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです!!」
たぶん後で言ってくれると思うのだけど・・・。
「ついでにそこの縮れ毛の君!」
メガネの委員長みたいなのは縮れ毛の男に指を指した。
「先程からボソボソと・・・気が散る!物見遊山のつもりなら即刻
どうやら、一人キョロキョロしてボソボソ喋っている人がいたらしくそれがあの委員長みたいなのは気に喰わなかったらしい。
誰が怒られたのかと俺はこっそりと覗く。
そばかすに髪の毛が少しモジャモジャ頭の男だった。
緊張していたのかついキョロキョロしていたのだろう。
その気持ち、俺にはわかるよ。
正直俺も緊張しているが、前世で社会人として経験したお陰か周りを見ずに説明を一生懸命聞いていた。
そして先ほど話していた四種目の敵についてだが分かりやすく言えばお邪魔虫。いわゆるポイントのない0Pの敵らしい。
プレゼント・マイクの説明だと某配管工のドッスンみたいなもの。
・・・この世界にもあのゲームがあるんだね。さすが、○天堂。世界を飛び越えて販売なんて。
そして、最後にプレゼントマイクから雄英の〝校訓〝をプレゼントされる。
『かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った。
「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と。』
―――"
『それでは皆、良い受難を!!』
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教師の人から動きやすい服に着替えて実技試験の会場へと向かうように指示されたのでそれぞれ更衣室で体操服へと着替えたあと移動を開始した。
そして、移動して着いた場所を見ると・・・。
「広っ!?」
しかもグラウンドではなく、建物や瓦礫などがあるジオラマのような場所だった。
その大きさは母さんが前に用意してくれたドームより大きかった。
「さすが雄英。規模も半端ないな。」
『ハイッ、スタートォ!』
俺が周りを見ていた時、どこからかプレゼント・マイクの声が聞こえた。
『どうしたぁ?
実践じゃカウントなんてねぇんだぞ!走れ走れぇ!!
賽は投げられてんぞ!!』
プレゼント・マイクの声が聞こえ、全員が一斉に走りだし、それぞれ仮想敵へと向かう。
「みんな早いな。なら俺もっ!『ザ・ワールド!』」
俺はスタンドのザ・ワールドを呼び出していつでも行けるようにする。
「よし、行くぞ!」
取り合えずポイントを得る為に広場へと駆ける。
残念ながらまだ空を飛ぶことができない。
体に憑依させて力が増したのは感じたのだが空を飛ぶ制御がまだできないので今は飛ばすに広場へと向かう。
そして広場に着くとそこには様々な仮想敵がいた。
「今こそ俺の修行の成果を見せるとき!」
ザ・ワールドのパンチは目に見えないほど速く一瞬で仮想敵を数体も撃破する。
しかも、ザ・ワールドのパンチはただ殴っているのではなくて母さんの個性を加算して殴っている。
母さんの個性である『高速化』がどうやら俺にも遺伝しているらしく『高速化』が使えるようだ。
ただこの『高速化』は俺が使えるのではなくザ・ワールドにしか使えないようだ。
だがそのお陰か、パンチやキックの攻撃は大幅に上がり、速さに乗せて繰り出すパンチを仮想敵に当てると仮想敵の身体は大きくへこみ撃破する。
「さすがザ・ワールド。パンチの威力も抜群だな。」
俺が次々と倒していると後ろから仮想敵が近づいてくるのを感じて直ぐ様ザ・ワールドで攻撃をする。
「およそ5m。なら、ザ・ワールドの有効範囲だ!」
ザ・ワールドの素早いパンチを仮想敵のど真ん中に風穴を空ける。
そして、仮想敵は力尽きて倒れこむ。
「よし、それじゃあ…次…っておいおい、マジかよ。」
いつの間にか俺は周りに仮想敵が一体、また一体と、仮想敵に囲まれてピンチになっていた。
けど、ここで慌てず落ち着いて…。
「まずは、地面をぶっ叩く!」
ザ・ワールドのパンチを地面に向けて放ち、俺の周辺は衝撃により地面から瓦礫が現れて仮想敵はバランスを崩しを瓦礫に挟まれたり貫かれたりしてまとめて撃破する。
「よし、次!」
俺は直ぐ様ポイントを稼ぐために次の仮想敵の元に向かう。
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~???~
「ほぉ~。地面を使って敵を撹乱。そして同時に瓦礫を使って一気に撃破とは考えたね。」
「しかも、かなり冷静だ。新人であの状況だったら戸惑ってしまい、状況の把握が遅れてその間にやられるのが多いけど。」
「しかも、今回の試験はかなり優秀なのが多いね。」
「でも、ここから何人生き残るのかな?」
「限られた時間と広大な敷地。そこからあぶりだされるのさ。」
「状況をいち早く把握する為の『情報力』
遅れて登場じゃ話にならない『機動力』
どんな状況でも冷静でいられる『判断力』
そして純然たる『戦闘力』」
「市井の平和を守る為の基礎能力が
「今年はなかなか豊作じゃない?」
「いやー、まだわからんよ。真価が問われるのは…。」
試験を見守っている一人が設置されているボタンを押す。
「これからさ。」
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よしこれで60Pか…。
俺が次の所へと行こうとしたとき、突然ゆれ始め建物が崩れ始める。
そして巨大な何かがこちらへと向ってきて俺は視線をそっちへと向ける。
「あれは…。」
プレゼント・マイクの言っていた0Pの仮想敵か。
あんなに大きいのに0Pとは。
ゲームとかだったらああいう大きいのはボスとかにされるのにここでは雑魚とは。
「いったぁ…」
ん?、どこからか女の子の声がした?
俺は周りを見渡すと大型仮想敵の足元にはこけたのか倒れていた女の子がいた。
「まずい!?」
体が動き女の子の元へと駆け出す。
しかし、その時大型仮想敵に向って何かが飛んでいった。
そこには教室で注意されていた縮れ毛の彼がいた。
縮れ毛の彼は大型仮想敵に向って拳を握り締め大型仮想敵の顔に向って飛ぶ。
「SMAASH!」
縮れ毛の彼は強力なパンチで大型仮想敵の顔を潰し崩れ落ちる。
「す、すごい…。」
俺は思わず彼のパンチ力に驚愕し思わず賞賛する。
しかし、彼は途中で力尽きたのか縮れ毛の彼は落下して落ちる。
「落ちる!?」
駆け出そうとするが先ほどの女の子が、仮想敵の瓦礫を使ってふわりと浮く。
そして、縮れ毛の彼の頬を叩いた。
一瞬何をと思ったが、そのあと彼の体はゆっくりと地面へと落ちる。
「なるほど、浮遊系の個性か。」
(ほ、なんとかなったようだな。)
俺はほっとして安堵のため息をつく。
残り時間は数秒で試験は終了のとき、
先程大ダメージを受けたはずの大型仮想敵は再び動き出し、大型仮想敵は縮れ毛の彼に照準を合わせたのか、彼に向かって攻撃を始めようとする。
俺はヒーローの試験を受けているんだ。助けないでどうする。
「さっきは何も出来なかったが今度こそ俺の番!」
『ザ・ワールド!時よ止まれ!』」
そして時崎はザ・ワールドの力を使い時崎以外の時間は全て止まる。
時間。
それは、すべての生物において絶対に避けられないもの。
この世界に宇宙が誕生した時から時間という概念が生まれ、それから何億年という時間と共に流れていった。
だが時崎はその時間を止めることができる。
まさに支配した世界。
そして、時崎はその支配した世界を自由にできる圧倒的な力を持っている。
ザ・ワールドの能力で時は止まり試験を受けている人も大型仮想敵もすべて止まってしまっている。
この空間は誰にも見ることも感じることも出来ない俺だけの世界。
時崎はこの隙に大型仮想敵に向って走り、瓦礫を使って大型仮想敵に向って勢いよくジャンプする。
「身体が大きいから殴りがいがあるな!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァアアァ!!」
時崎はザ・ワールドのパンチのラッシュで大型仮想敵に何十発とくらわせる。
そしてザ・ワールドで大型仮想敵を殴り終わり、大型仮想敵から数歩だけ歩きポーズを決めてザ・ワールドの時止めを解く。
「そして時は動き出す。」
そして時間はゆっくりと動きだし、大型仮想敵の装甲は少しずつめり込み、そしてめり込み始めた場所はザ・ワールドの強力なパンチにより貫通し、ボロボロに砕け散る。
身体のほとんど壊れ、先程の巨体な身体は見る影もなくなってしまった大型仮想敵は地面へと倒れこみ今度こそ完全に機能停止する。
『終~~了~~!!!』
大型仮想敵が倒れたあと、プレゼント・マイクの終了の合図が響き渡り、試験が終了した。
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「いまのは一体…。」
とある部屋では時崎が突然現れた途端に大型仮想敵がいきなり壊れたので室内にいる人たちは騒然としていた。
「えっと、彼の名前は確か時崎停翔君だったかな?
個性は『超能力』のようだね。」
「それにしては中々の能力のようですね。」
「そうだね。彼の能力は様々な用途で使える幅広い個性のようだ。彼が成長した姿が楽しみだよ。」
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~1週間後~
あのあと試験が終わりそれから1週間が経過した。
いまのところまだ合格通知が来ていない。
「停翔。」
「ん?母さんか、どうしたの?」
「はい、これ届いていたわよ。」
「手紙?どこからだろう?」
俺は手紙を受け取り宛先を見るとそこには雄英高校と書かれていた。
「雄英高校からの合格通知みたいね。」
「合格しているといいけど…。」
「あら?ポイントは合格点をとったのでしょう?それにあなたは私の息子なのよ。合格なんて当たり前じゃない。」
「は、はは。そ、そうだね。」
俺は少し母さんの相変わらずの自尊心の高さに少しばかり苦笑いする。
「それじゃあ、開けるか。」
「自分の部屋じゃなくていいの?」
「別に見られても問題ないよ。」
俺は封筒を開けると中には円盤のような薄い機械が入っていた。
どうやって操作するのかと思ったが突然電源が入り、映像を映す。
『私が~投影された!!』
「オ、オールマイト!?」
ヒーロー業界で絶大な人気を誇るNo.1ヒーローであり、"平和の象徴"と呼ばれている人物だ。
でもなぜオールマイトが映像に!?
『驚くのも無理はない、私がこれに映っているのは他でもない。雄英に勤めることになったからなんだ。それにしても君は素晴らしい!!敵撃破ポイントが60P!これだけでも十分合格だ。しかし、それだけではない!』
「それだけではない?」
『実は敵撃破のみではなく、さらに我々が見ていたのは救助活動P!しかも審査制だ。』
なるほど、いわゆる隠しポイントか。
確かに事前に伝えていたらポイントを稼ごうと救助しようとするのがいるから、あえて隠しといてヒーローの素質のあるものにポイントをあげるのか。
『そして君のポイントだが、君が助けた緑谷出人と麗日お茶子を0Pの敵から守ってあげたので60P。合計120P!得点はトップで文句なしの合格だ。ようこそ雄英へ!』
「えっ?」
まさかの120P。
予想より多くて思わず驚いたが、合格できたのは幸い。
これで俺もヒーローへの一歩へと歩めた。
ここからだ。
ここから俺のヒーローの物語が始まるんだ!
ヒーローと出番は遅れてやってくる。