~作家 アベル・ボナール~
早速主人公じゃない母親視点のお話です。
前半は本編との関わりはほとんどありません。
~停翔の母~
私はヒーローとして悪を倒す仕事を続けてきた。
私の個性は『高速化』
走るスピードや、手を動かす速さが速くなるという能力。
ある日、街にヴィランが現れたとの連絡があったので、すぐ現場に向った。
現場に行くとそこにはヴィランと人質にされた男性がいた。
人質を救出するために他のヒーローと協力して倒した。
彼と再び出会ったのは偶然だった。
あの事件から数日たった後、プライベートで買い物に出かけているとき道端で彼と私は互いに気づき、彼がお礼をしたいということで彼と共に喫茶に入った。
最初に彼を見たとき気の弱い上に喋るときも中々言えず口のなかでゴニョゴニョと言っている人だなと思った。けど、彼と一日過ごしているとき彼は私の為に色々と気を使ってくれたりしたことがあった。
その時からなのか彼に興味を持ち始めた。
このとき私はただの興味だったが、もしかしたらこのときにすで惚れてしまったのは私なのかもしれない。
それから、私は彼のアドレスを貰ってから何回か彼と会いデートをした。
彼は鈍感なのか私がデートに誘っていることに気が付いたのはだいぶ後のことだったわ。
けれど、それも彼の魅力のひとつかもしれない。
・・・これは内緒だけど。
ちなみにプロポーズは彼がしてくれたのでもちろん私はOKだったわ。事務所から止められたけどそんなことは無視して彼とは結婚した。
けれど、頼りない彼にひとつだけ私が驚いた事がある。
料理や家事は彼のほうが上だった事だった。
もちろん、私も家事は一通りできるわ。
でも、彼の手料理を食べると正直に言って女として負けたような気がするわ。
その後、私は不貞腐れた私は彼に抱きついて頭を撫でてもらったり、膝枕をしてもらった。
・・・いま思えば恥ずかしいわね。
まっ、まあ、とにかくそれから色々あって今に至るようになったわ。
そして、私たちの息子である停翔を生み、赤ん坊のときはおとなしい子だったが私の愛する息子なのだ。
この子を立派に育ててみせるわ。
けどこの子も個性を持ったらヒーローになりたいというのかしら。
できればあんな危ないことをこの子にも味あわせたくないわ。
この子にもしもの事があったら私は・・・。
いいえダメだわ。
母親がこんな弱気になっては。
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停翔が生まれて5年が経った時遂に恐れていたことが・・・。
停翔がヒーローになりたいだなんて。
あの危険なところに息子がいくとことになるなんて
私の頭がフラッとなり思わず倒れそうだった。
自分が戦うのはまだいい。
けれど、息子が戦って傷だらけになるだなんて考えただけでゾッとするわ。
けれど息子の決意は固く、体を鍛えてヒーローになりたいみたいだ。
本当なら反対したいところなのだがこの子がこんなにもやる気になっているのに反対したら反抗期になりやすいって本に書いてあったからこの子の夢を応援しないと行けないのかしら。
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「ちょ、ちょっと困りますよ!ミス・スピーディー!」
「あら?いいじゃない。たまにはこういう福利厚生も。」
「そ、そりゃあ、ミス・スピーディーには昔お世話になったうえにこの事務所も大きくなりました。」
「そうでしょ?だったら」
「で、ですが・・・。」
「なら、この事務所を辞めて他に行くわ。」
「わ、分かりました!」
「ふふふ、それじゃあよろしくね。また仕事があったら連絡してね。」
そういってミス・スピーディーは部屋の外に出るのであった。
ミス・スピーディーが出て行った後、事務所の社長はため息をつく。
「まったく彼女には困ったものだよ。」
子供が生まれてから子供の話をよくしていたが、まさかここまで親バカとは思わなかった。
「彼女がうちの事務所の貢献がトップなのも事実なのだから彼女がいなくなったらうちの事務所はあっという間に破産まっしぐらだよ。」
ミス・スピーディー。
才色兼備を持ち合わせて、女性ヒーローの中で上位にいくほどの人気っぷり。
実際彼女目当てで来るヒーローは数多く、「綺麗だから」「女の憧れだから」などとこの事務所には男女様々なヒーローがいて彼女がこの事務所に来てからうちの売り上げは5倍に膨れ上がり、未だにその成長は止まない。
彼女が結婚したことで人気が落ちるかと思ったが、むしろ美しさに磨きがかかったのか売り上げはさらに伸びていった。
ヒーローというものは一種のアイドル業界みたいなもので人気が出れば出るほど売り上げが伸びる。
だが、彼女がもしこの事務所をやめてしまえば彼女目当てのヒーローはほぼ全員辞めてしまいこの事務所は終わってしまうほどなのだ。
だから彼女を辞めさせるなんて金のなる木を逃すものだ。
そんなことはできないのだ。
だから彼女のお願いを聞くしかないのだ。
「だからといって、ヒーロー専用トレーニングスタジアムを長期間貸切って・・・一体幾ら掛かることやら。」
ただのスタジアムと違ってヒーロー用に作った施設。
一日だけで小さい事務所は借金を背負って生きていけないほどの多額なのだ、
まあ、彼女の売り上げで借りれないことはないが・・・。
「はぁ~。雄英高校に連絡して何とかできるか聞いてみるか。」
社長は何とかしようと電話を取って雄英高校へと連絡するのであった。
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社長のおかげでここ、ヒーロー専用のスタジアムを借りることが出来た。
とは言ったもののさすがに貸し切りにはできなかった。
ヒーロー用の施設は今は増え続けているけど、いまだ数が足りない状態が続いている。
その為、時間制限付きの貸し出しとなっている。
そして、いま息子を連れてきて、このスタジアムで訓練させる準備をしている。
「ここは、ヒーローが個性を訓練するための訓練場よ。」
「へぇー。よくこんな所貸してくれたね。」
停翔は驚いておりスタジアムの中を見渡す。
この子が成長してくれるのならこの程度なんでもないわ。
「ええ、愛する息子の為よ。少しばかり向こうに
・・・あ、何でもないわ。」
社長に
まあ、あまり息子には言わないほうがいいかもしれないわね。
そういうのは教育には良くないと本に書いてあったから。
「まあ、それはいいとして、まず停翔、あなたの個性はどんなのかしら?」
私はこの話を長引かせるわけにはいかないので、話をそらせる。
でも、この子は・・・何というのかしら。
顔の容姿はとても良い。体格も訓練次第では強くなる。けどこの子から来るこの感じは・・・。
圧倒的何かを感じるのだけれどいったい・・・。
そうだわ、オールマイトの・・・。
あの圧倒的な存在感。
でもこの子のはまるで身が凍るような感じがするわ。
まるで・・・。
・・・いえ、やめましょう。
この子がヒーローにする為にこの子を鍛えてあげないと。
この子が立派になるようにと誓ったのだから。
ミス・スピーディー
とある速いアメコミヒーローをモデルにしたヒーロー。
誰とは言わない。
一体いくつなのだろうかって?それは・・・。
おや?誰か玄関に来たようだ・・・ウワッヤメロ!
あと、活動報告にアンケートを追加しました。宜しければ見ていってください。
※11/1にてアンケートは終了しました・・・ヤメテヒドイコトスルンデショウスイホンミタイニ(ry