Brave Seele ~ブレイブ・ゼーレ~   作:ヤギリ

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今回から本編です。


本編 第1章
友のピンチ


Brave Seeleブレイブ・ゼーレ

 

それは今、世界に波乱を巻き起こしている究極のカードゲーム…

Braveは<勇気>をSeeleは<魂>を意味している。

人々は魂をカードに込めて、デュエルで己の勇気を示す。

今叫べ!己の魂と勇気を示して、<ゼーレ・リリース>!

 

 

勇気咲 高校

 

2年の教室で1人の男子生徒が他のクラスメイトから注目を浴びていた。

 

 

[じゃあこのゼーレでトドメ!]

 

[うわー、負けちゃった…]

 

[さすがユウト君、勇気咲ショップのチャンピオンだ]

 

ユウト[やめてよ、そんな凄いモノじゃないよ…]

 

 

ガラララ

 

教室に教室に学ランの正装を崩したいかにも不良の男子が入って来る

 

[おい、ユウト]

 

ユウト[幹也君…]

 

幹也[ちょっと裏まで来いよ]

 

ユウト[う、うん]

 

ーーー

 

校舎裏

 

 

幹也[お前、高校生にもなってまだカードゲームしてんのか?紙並べて遊んで何が楽しいんだ?]

 

ユウト[でもブレイブゼーレは大人もお年寄りもやってるし…、今1番流行ってるし…]

 

幹也[あーそうかよ…、それより、金貸してくんね?欲しいゲームあってよ、今月の小遣いもまだなんだよ、な?]

 

ユウト[え?でも、先月も貸しただろ?]

 

幹也[でも返しただろ…]

 

ユウト[半分だけだけどね…]

 

幹也[いいだろう?てかお前俺に金返せなんて言える立場かよ!]

 

ユウト[充分言える立場だよ…、金貸してる側だよ⁉︎僕!]

 

[……]

 

ーーー

 

放課後 商店街

 

[しかし、ユウトだっけ?あいつも分かんねー奴だよな?]

 

幹也[何が分かんねーんだ?東原?]

 

東原[あいつ、ビクビクする訳でもなくて、だからって突っかかって来る訳でもなくよ…、周りから見れば不良にカツアゲされてる気弱な生徒に見えるだろうがよ…]

 

幹也[だなぁ…、けど、あいつが強気なのは、俺が幼馴染だからだ、幼稚園の頃からの腐れ縁でよ、あいつには、自然とイライラしないんだよ…]

 

東原[ふーん、だから素直に金も返すのか…、ところで欲しいゲームってなんだよ?俺にもやらせろよ]

 

幹也[ああ、いいぜ!お、着いた着いた。]

 

東原[ここって、カードショップじゃねぇか]

 

幹也[俺もやってみようと思ってよ、ブレゼレ]

 

 

幹也と東原はカードショップに入る…

 

 

ーーーしばらくして…

 

[ありがとうございましたー]

 

幹也[なかなか色んなカードがあって良かったぜー!]

 

東原[見境い無く買ってよ〜、ルールとか分かんのか?]

 

幹也[デッキも買ったから大丈夫よ!意味分からん所はユウトに聞くしな!]

 

東原[ユウトも大変だな…]

 

 

[ねえ君達、少しいいかな?]

 

 

幹也と東原が声に振り向いた時、明らかにガリ勉そうな男子が立っていた…、そして彼の横にはガタイのいい厳つい学生達が立っていた。

 

 

東原[あん?なんだよ、このメガネは]

 

幹也[なんか用か?]

 

[頭悪いね、用があるから呼び止めたんだよ?とにかく来てよ…]

 

 

厳つい学生達が幹也と東原を無理やり裏へ連れて行く。

 

ナンダヨ!コラ!

 

ハナセッテヨ!

 

ハナセッテイッテンダロ!

 

[幹也と東原…?着いて行ってみよ…]

 

ーーー

 

カードショップ 裏

 

[へ〜、君達もブレゼレやるんだ…、デッキを買ったってことは、初心者かな?]

 

幹也[だったら、なんなんだよ…]

 

[ねえ、僕とデュエルしようよ、大丈夫、ちゃんとルールは教えるからさ!君達が買ったら、僕のレアカードをあげるよ、でも僕が勝ったら…]

 

幹也/東原[くっ!]

 

 

 

(大変!トウヤ君に知らせなきゃ!)スマホ ポチッ

 

ーーー

 

幻界 家

 

トウヤのスマホ ライン!

 

トウヤ[ん?アスカから?……⁉︎幹也君と東原君が⁉︎]

 

ーーー

 

カードショップ裏

 

 

幹也[ぐはっ…]

 

東原[がはっ]

 

[あーあ弱い弱い、スジは良いんだけどな、やっぱ、カツアゲした金で買ったカードは弱いね…]

 

幹也[くっ、くそ…]

 

東原[金井…、てめぇ…]

 

金井[気安く呼ぶんじゃねーよ…、もっと絞めろ]

 

[はい!] ドガッ バギッ

 

東原[ぐふっ]

 

幹也[がはっ]

 

 

[待て!]

 

金井[ん?]

 

東原[お前…]

 

幹也[トウヤ!]

 

トウヤ[何…やってるの…?]

 

金井[何って…、君からカツアゲした2人を懲らしめていたんだよ…感謝してほしいね?]

 

トウヤ[感謝?友達を傷つけた君に…?]

 

金井[友達…?ああ、そう脅されているんだな?いざという時に友達ってさ…、そうだろ?]

 

トウヤ[確かに僕は彼らにお金を貸してるよ、でも2人とも、半分だけど、ちゃんと返してくれてるよ!]

 

金井[君とも話しは合わなそうだ…、じゃあさ、ブレイブゼーレやろうよ、君が勝ったら君達を見逃してあげるよ、でも負けたら…どうしようかな…、まぁ君が負けたら考えるよ…]

 

トウヤ[分かったよ…、やろう!]

 

金井[僕は金井テル、さあ、デュエルだ!]

 

 

2人はデッキケースを腕に押し当てる、そうするとデッキケースがブレスレットのように腕に固定される。そして互いのデッキケースから円形に光が広がりバリア状の空間になる。この空間ではカードが実際に実体化できるのだ。2人の目の前にプレイフィールドが現れる。デッキは腕に固定されているのでデッキ置き場が無くなっている。

 

 

トウヤ[さあ行くよ!]

 

金井[来いよ!]

 

 

ゼーレ・リリース!

 

 




次回に続く…

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