①
メリット
ストーリーがサクサク進む
デメリット
作者がダレた時に他に気分転換できるものがない
②
メリット
Vividヒロインが参入
なのは達もヒロインなので年上ヒロインになる
原作があるので進め易い
デメリット
なのは達と歳が変わる(肉体の)
③
メリット
高校生なのは達が出る
すずか、アリサ、はやてとも関われる
学校行事を高校生の球磨川と過ごせる
デメリット
ネタが思い付かないと続けるのが難しい
(今だ構想だけでは三話くらいしかない)
④
メリット
どのヒロインでも攻略対象
めだ箱キャラが出る
デメリット
魔法、スキルがない
今からでも変更OKです
『③から②に変更』みたいにしてもらえば変更します
でも修正は一回までにして下さい
「それでミソギさんはママ達とどんな関係なんですか?」
いつもはあまり料理をしないフェイトがなのはと共にキッチンに行ったことで、二人っきりになったヴィヴィオが訊く。
宝石のように美しい瞳を目一杯輝かせている。
正に興味津々といった様子だ。
球磨川は疲れきってソファに勢いよく倒れ込みながらもそれに応える。
『それよりもママ達ってことはヴィヴィオちゃんは二人の娘なのかな?』『流石ミッドチルダ』『女の子同士でも子供が作れるなんて進んでるぜ』
「あはは、違いますよ。私は養子です。ちょっとした事件で助けてもらったんです」
『ふーん』
「気にならないんですか?」
『聞いて欲しいのかい?』
「いえ……」
『それじゃあ話を戻そうか』『僕となのはちゃん、フェイトちゃんの関係ねぇ』
「はい」
『う~ん』『あれは小学三年生の時だね』『僕がなのはちゃんに告白されてそれを僕が振っ――』
「アクセルシューター」
台所からなのはの声が響くと同時に、桜色の魔力弾が綺麗に球磨川の眉間に吸い込まれる。
その魔力弾は卓越した魔力制御と一流の空間把握能力がなし得る次元世界最高峰の一撃だった。
家具には掠りもせずに、最短距離を最高速で飛んできたといえばその凄さは伝わるだろう。
「ミ、ミソギさーん!!」
『ごぉうふ』『僕も惚れ惚れするくらい容赦のない見事な不意討ちだぜ』『一瞬安心院さんが見えるくらいには死を覚悟したぜ』『なのはちゃんもしかして凶化合宿とか体験してない?』
「球磨川くぅん?嘘を吐くのはやめようねぇ」
球磨川の呟きを無視してなのはの声が届く。
酷く平坦な底冷えするような威圧感が漂う。
『僕はこの長い人生で今まで嘘を吐いたことなんてない正直者なんだぜ』
「初めて会った私でもわかる明確な嘘!!」
『それで僕らの関係はねぇ』『大切に守ってたものを散々に壊して犯した加害者と壊された被害者ってところかな』『僕は』『なのはちゃんの』『理想を』『希望を』『願いを』『否定したのさ』『完膚なきまでに現実を叩き込んでやったんだよ』
「えっ?」
『あぁ、なのはちゃんに螺子をぶち込んだこともあったなぁ』
「それもまた冗だ――」
「いや、それは本当だよ」
フェイトがエプロン姿でリビングに戻ってくる。
少し落ち込んでいるようで、項垂れながらヴィヴィオを遮るように球磨川の隣に腰掛ける。
『おや?』『フェイトちゃん。もう終わったのかい?』
「えっ、それは……あんまり料理上手じゃないからミソギ見てた方がいいかなぁって」
『あれ?もしかしてフェイトちゃんって家事苦手?』
「できないわけじゃないよ!…その……あんまり得意じゃないだけで…」
『それを苦手って言うんじゃないのかい』
「そ、そもそもミソギだってできない癖にそうやって――」
『できるよ?』
「えっ?」
『家事くらい普通にできるぜ』
「嘘っ!」
『僕これでも四歳の時にはぬいぐるみを自分で直せるくらいには裁縫できたんだぜ』
「…そんな……ミソギのくせに………」
「まっ、待って!何でなのはママはその……」
『僕と友達なのかって?』
「はい、どうしてですか?そんなことしてどうして………」
『さぁ?』『僕が聞きたいくらいだぜ』『何をトチ狂って僕と友達になんてなろうと思ったんだろうね』『フェイトちゃんは知ってるかい?』
やれやれといった風にあきれた顔をしてオーバーなリアクションをとる。
「私がわかるわけないよ。それはなのはにしかわからないんじゃないかな」
フェイトは昔を思い出したのか少し苦笑しながら続ける。
「ただ当時のなのはを知ってるものとしては、ミソギのそれに救われたんじゃないかなぁ。今でもなのはは人に優しい人だけど、当時はそれこそ常軌を逸しているくらいに人を選べない人だったから。 当時のなのはは人を助けることだけを自分の価値にしていた気がするよ。それが悪いとは言わないし、誉められ、称えられるべき高潔な行いだとは思うんだよ。でも私達からしたらそんな辛い道には進んで欲しくなかったし、自分の為にも生きて欲しかったんだ。だからミソギに螺子曲げられてなのはは救われたんだと思うよ。事実なのはは私達にも頼ってくれるようになったし、我が儘も言ってくれるようになったから」
「…………」
『まっ』『そんなに気になるなら本人に聞けばいいさ』
「…じゃ、じゃあフェイトママとはどういう関係なの?」
「ヴィヴィオっ!」
『アルフさんと二人で脅されて、それを返り討ちにして、それを謝られたから味方になって、敵だったなのはちゃんに螺子をぶち込んで、フェイトちゃんを助けて、管理局に連行されて、なんやかんやあって友達』
「雑っ!?」
『嘘じゃないぜ』『ねぇフェイトちゃん』
「うん、まぁ嘘じゃないけど…」
「待って!なんやかんやの部分を教えて!!」
『フェイトちゃんがお母さんに愛されていないことを証明したり、そのお母さんを脅したりと色々さ』
「ええっ!?」
「止め、止め。この話は終わりっ!!ゲームでもしよう」
『じゃあ僕の知ってる面白いゲームでもやろうか』『
「うわぁミソギのゲームとか絶対イカサマとかありそう………」
『たとえ相手が大嫌いなエリートであろうとも、僕の名前は球磨川禊』『僕の前では主人公だって全席指定、正々堂々手段を選ばず真っ向から不意討ってあげよう』
ゲームが盛り上がり過ぎてなのはには怒られた。
勿論球磨川は負けた。
『それで何の用だい?』
フェイトとソファに座りながら球磨川が話を切り出す。
なのはは今はヴィヴィオと共に風呂に入っている。
「うん、あのね。母さんにミソギのことを話したらもう一度話したいって」
『ふぅん』
「えっと、明日会ってもらえないかな」
『良いよ』
「本当?」
『嘘』
「……バルディッシュ・セットアップ」
金色の魔力光が煌めき大鎌が出現する。
『まっそれも嘘だ』『良いよ』『十四年振りにプレシアさんのお宅訪問だ』
「………素直に『はい』って言えないの?」
『はい』
「そのどや顔やめて。フォトンランサー撃ち込みたくなる」
『まっ』『親御さんへの挨拶くらいどうってことないさ』
「えっ?」
『おやすみー』
球磨川はフェイトの驚きも無視してそのまま客室に消えていく。
後には頬を紅潮させてあたふたするフェイトだけが残る。
『こんにちはー』『時空管理局の者です。プレシア・テスタロッサさんに娘さんの虐待の件でお話があって来ましたー』
「………来たわね」
ふざけた挨拶と共に扉を開くと、苦痛を堪える顔のプレシアと複雑な顔をするアリシアがいた。
そこには沈痛な空気と余りにも重すぎる空気が漂う。
『いいとこ住んでますね』『娘も生き返って、病気も完治して本当に幸せみたいじゃないですか』『皆幸せでほんとーによかったですねー』
それでもそんな空気を螺子曲げて、更に混沌としたマイナスな空気を振り撒いていく。
「ッ……えぇ、今は幸せよ…」
『そうですか』『そうですか』『みーんな幸せでよかったですね』『貴方が娘の死を受け入れられずに作ったフェイトちゃんも』『それが失敗して人形として切り捨てられた後には幸せみたいですし』『いやぁ』『本当に感動的です』
「そう……ね…私が自分の弱さからフェイトを作ったのは事実よ…」
『それでプレシアさんは何で僕を呼んだんですか?』
「……私は貴方に感謝しているのよ。アリシアを救って、生き返らせてくれてありがとう。私は貴方には何も返せなかった。だから――」
『ふーん』『そんなものは必要ないよ』『僕は貴方を助けてなんていないし、アリシアちゃんなんてどうでもいい』『それともここでもう一度「アリシアちゃんの絶命をなかったことにした」ことをなかったことにでもしようか?』
ガタリと音を鳴らして椅子から立ち上がる。
手に持つは先の平べったい巨大な螺子。
『
螺子をプレシアに向けながら球磨川は嗤う。
『プレシアさんの為だ』『こだわりは捨てようか』
一気に場が混迷する。
マイナスがこの場を蹂躙し、プレシアのトラウマがフラッシュバックする。
それを――
「てい」
『うわっ』
フェイトがパーカーのフードを思いっきり引っ張り、邪魔をする。
倒れ掛けた球磨川を両手で抱き止めながら、フェイトは拘束するように腕を胴に絡み付かせる。
「ミソギ。こういうのは駄目だよ。私が止めるって分かってたとは言え、そんなこと言ったらまた殺されてもおかしくないんだよ」
強く腕を絡め、穏やかな口調で言い聞かせる。
「ミソギがどんなことを言っても私達が救われた事実は変わらないんだから」
『…………まったく』『フェイトちゃんには敵わないぜ』『僕は本当に君らを助けるつもりなんてなかったんだぜ』
「それでもいいんだって」
「……なに…が」
「母さんごめんね。ミソギってこういうところあるからさ。今のもいつもの戯言だからあんまり真に受けないでね」
「ざ、戯言?ほん…と……に?」
「うん。ごめんね姉さん、母さん。もう帰るね」
『うん?』『もう帰るのかい?』
「ミソギが暴れたからでしょ」
「……あの…」
『アリシアちゃんだっけ?』
「はい。あの……えっと…生き返らせてくれてありがとうございます」
『言ったろ――』
「あぁミソギにはお礼は言わなくていいよ。自分の為にやったんだって悪ぶるから」
『やれやれ』『フェイトちゃんは九歳の時より馬鹿になってないかい』『僕をツンデレみたいな安易なキャラ扱いなんて正気とは思えないぜ』
「でも私が思うだけなら自由でしょ。思想は自由だし、馬鹿であるのも正気じゃないのも自由だもんね」
『あぁ本気で今の君はいい性格してるよ』
「ミソギのせいだよ」
球磨川は扉を押して先に出る。
そしてそれに続こうとしたフェイトをプレシアが呼び止める。
「フェイト。……貴方は彼が怖くないの?」
「んーん、今でも怖いよ。ただ理解したいと思ったんだ」
「そう。………私の都合で産み出してしまってごめんなさい。あまつさえそれであんなことを――」
「別にいいんだ。そりゃあ気にしてないって言ったら嘘になるけど今はこれでいいんだ。大切なものがいっぱい増えたから。だから産んでくれてありがとう」
それだけを言うと楽しそうに駆けていく。
「母さん……結局言い出せなかったね…」
「えぇ。でもそれでいいのよ。あの子が幸せなら」
プレシアさんは環境が整い、自分の行いを客観的に見れるような正気になってしまうと罪悪感が湧くタイプ。
でも今現在幸せなフェイトに遠慮したり、自分の行いを恥じて好意を向けていいのか戸惑っています。
家族皆で幸せってタイプじゃないけど一応家族間の繋がりは多い。