書いたら出るらしいので

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ある日のカルデア

何処かのカルデア。

いつもの様に、レイシフトの合間の休憩時間を過ごしていたマシュの元に、彼女のお楽しみがやって来た。

それは、先輩こと藤丸立香…マスターとのお茶会の時間だ。

うきうきとその方にフォウ君を乗せ、立香の自室へ向かう。時刻は既に午後11時を回っているが、この後すぐに、具体的には二時間後に次の特異点攻略の為のブリーフィングがあるので、その前に小腹を満たしにいくのだ。実際の所、彼女のお目当はお菓子では無いのだが、それは余談である。

 

「先輩、マシュ・キリエライトです。お邪魔してよろしいでしょうか」

「あぁ、マシュ、どうぞ。待ってたよ」

「そ、それはお待たせしました!少し身嗜みを整えるのに手間取っていて…」

「そんなのいいのに。さ、食べようか」

「はい!」

 

立香の目に映るのは、愛しい後輩であり、頼もしい仲間だ。彼にとってマシュは己の任務の、その意義だと思っているが故に、彼が自覚している以上に彼女の事を気にかけている。

彼女が勇気を出しておめかししているのだって、当然の様に気がついている。実に微笑ましい。

 

「フォウ、フォーウ!」

「ちゃんとフォウ君の為のケーキもあるよー。エミヤに頼んで作ってもらったんだ」

「フォウ!?」

 

はいこれ、とテーブルの上の一皿をフォウ君の目の前に置く。イチゴのタルトだ。

待ってましたとばかりに食べ始めるフォウ君を笑って見つめる二人に、ふわりと香るイチゴの匂いが鼻を擽る。

 

「僕らも食べよっか。今回のはちょっと時期が外れてるけど、クリスマスプディングをもちろんエミヤに作ってもらいました」

「えと、そんなに時間をかけたんですか?」

「いや、そこはほら、魔術って便利だねって事で。時間加速でこう、一時間で30日近くの時間を進めたんだって」

「それは…」

 

なおギャグではない。

 

「茨城童子とかバニヤンも、今はみんなで食堂で食べてるんじゃないかな」

「…私たちもそちらに行った方が良かったんでしょうか」

「いやいや、そんな事。でも僕はマシュと食べたかったんだよ?」

 

もちろん二人で。フォウ君居るけど。

ストレートな物言いに思わず赤面する。マシュはやはり可愛いなとニコニコと見つめる立香だったが、彼女のお腹から可愛らしい願望がさらにマシュの顔を赤くさせる。

立香もなんだか恥ずかしくなり、ぎこちなくケーキをカットし、取り分けた。

 

「じゃあ、頂きます」

「頂きます」

 

甘い時間はもうしばらく続いた。

 

 

 

 

 

 

 

1つ前の特異点攻略後。

ブリーフィングの際に、ランサークラスのサーヴァントの不足が議題に上がった。

ついこの間、第四特異点で縁を結んだばかりのランサー、乳上ことアルトリア・ペンドラゴン・オルタが召喚に応じてくれた。

しかしそれでも彼女とランサークーフーリン達☆3サーヴァントでは役不足とは言わないが、やはり負担も大きい。何しろ金枠のランサーは乳上しか居ないのだ。

その為、次のレイシフト前にランサー召喚を試みることにした。

その願い掛けとは言わないが、ランサークラスの多いブリテンやケルトのお菓子を皆で食べることにしたのだった。

 

「それじゃ、召喚を始めよっか」

「いやはや、この天才ダヴィンチちゃんが一回きりしか召喚を行使できない状況を作ってしまったのは何より悔しい!けどまあ君ならやれるサ!」

 

マシュのラウンドシールドに触媒の聖晶石を並べ、召喚準備完了。

彼の側にはマシュとドクターロマン、気まぐれで乳上が見守ってくれている。

失敗は許されない。というわけでもないが、来てくれれば本当に嬉しい。

さあ来いっ!

 

光る。三本の光の円。

サーヴァントだ。

光が収束して…

 

 

「応えよう。私は貴方のサーヴァント、ランサー。

 最果ての槍を以て、貴方の力となる者です」

 

 

光が、揺れた。

 




来てくれるといいですね
(なおこのカルデアは家のカルデアが元になっております)


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