近未来忍者的な世界で生き残るためには?   作:スラム街のオーク

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10話

東京キングダムに雨が降る。 ツクヨに割り振られた仕事をこなすために、彼女の部下であるリディーナ、キリンは彼の地に足を運んでいた。

 

分厚く、暗い雲がキングダムの空を覆う。 曇天は刹那の時も待たずに雨を落としだす。 シトシトと、仮拠点の廃墟の窓に水滴が張り付き、滴り落ちていくのを二人は眺めていた。

 

「雨ですわね」

「せやなぁ…雨は嫌いやけど、いい思い出もあるさかいにちょっち複雑な気分やでぇ…」

「あら、キリンさんもですか?」

「なんや、リディもかぁ? ウチはご主人(マスター)に拾われたあの日が雨やった訳やねんけど」

「まぁ、奇遇ですわね。 私も雨の日にあのお方と出会いましたわ」

 

二人は現地での待機時間に、お互いに知らなかった共通点を知ると、想い人である主人ツクヨとの出会いのエピソードに話の花を咲かせた。

 

 

リディーナは米連の特殊部隊、アンネイムドに所属していた兵士だ。 その日、魔族の要人暗殺の任務を遂行した彼女は自身の回収要請を出してから東京近郊に潜んでいた。

 

しかし、要請から2日経った日に自らの所在を血眼になって探し出した魔族側の刺客に襲われた。

負傷しながらも彼女は刺客を撃退したが、怪我をした場所が脚だったのが災いして満足に逃走できず魔族に、徐々に追い詰められて行った。

 

「く、回収班はまだ来ないの?」

『準備を進めてはいる。 大型の台風のせいでヘリを飛ばせないんだ』

「こんな時に…!」

 

その数日前から雨が降り出していたのは知っていたが、異常気象のためか、運悪く足の速い台風が発生して東京に直撃のルートを走っていた。 そのため、救援に向かうヘリの離陸が困難になっていたのである。

 

「(徹底的に陵辱されて魔獣の餌にされるか殺されるか…か)」

 

リディーナはある種の覚悟をしてもしもの時の備えにと用意していた劇薬の入った小瓶を懐から出して眺める。

 

「司令に伝言をお願い。 魔族の勢力との闘争で逃走できずリディーナという兵士はMIAとなったと…」

『おま、ちょっと待て! 死ぬ気か!?』

「尊厳失ってまで生きるのは、オークに媚び売って娼婦に堕ちてまで生きたくないわ。 じゃあね、チェリーボーイ」

『おい、待て! 冷静にh』

 

男性オペレーターとの通信を、一方的に切り、リディーナは最後の銃弾を確認。 弾倉には6発の9mm弾(パラベラム)が残っており、敵から奪った粗悪なショットガンと、中に入っていた12番ゲージが3発。

 

絶望的な状態でリディーナは近づいてくる複数の足音に気がつき、脚を引きずりながらもその場を離れる。

 

そして追いすがる魔族。 獣欲、欲望を隠せていない12匹の傭兵オークどもと命のやり取りを行った。

 

ショットガンで二体のオークの頭を挽肉に加工して、土手っ腹に穴を穿つ。 ハンドガンで眼を撃ち絶命させて、弾は底をついた。

 

残るオークは3匹…雨で濡れた淡いオレンジブロンドを揺らしながらもリディーナはオークを見据える。

 

「オマエ、ツレ帰レバボーナスデル。 ソノ前ニ…グヘヘ…」

「貴様らに犯されるくらいなら死んだほうがマシよ…」

 

リディーナは劇薬を手に取り煽ろうとしたが、その劇薬ごと手を撃ち抜かれる。

 

弾丸が貫通したため、手に力は入らず。 瓶は砕け散り…彼女はオークに組み伏せられる。

 

雨粒はリディーナの頬を撫でてせめてもの情けか彼女の目尻に溜まったその涙を洗い流す。

 

その時は迫っていた。 昂ぶったオークどもの鼻息や、バチャバチャと落ちる雨の音。 結束バンドで手を括られてリディーナは舌を噛んで死なないようにと猿轡を噛まされた。

 

うな垂れるように彼女は歩き出そうとした時に…ふと、声が聞こえた。 自身よりも若い少女の声が。

 

「オークの死体があったから何事かと思ってきたら…何してんの、アンタラ」

「ン? オマエニ関係アルノカ?」

「あるも何も…ここ、五車学園の近く…あー、頭の悪いオークに分かるはずないか。 とりあえず、その人置いて失せなさい野良オークども」

「ア?」

「うんうん、頭悪いアンタラにわかりやすく言おうか? ――死ね」

 

その言葉の直後に、凄惨な光景が裏路地に広がった。

 

足元のコンクリートに舗装された道が砕け散り、突如と伸びた鈍色の銀閃がオークの心臓を貫く。 粗悪でも防刃防弾ベストを着ていたオークの体を…だ。

 

仲間の死を見たオークが急いで銃を向けようとするも、間に合うわけがなく、再び一閃。 ビルの壁に叩きつけられ、壁が窪む。 そこへ殺到する鈍色の蔓。 リディーナの視界の端でそれらはぐったりとするオークを縛り上げて持ち上げる。

 

「弱…まぁオークなんかそんなもんか」

 

持ち上げたオークを地に叩きつけて絶命させると、残った1匹。 リディーナを拘束しているオークに向かって鋼鉄の、荊の蔓が伸びる。

 

リディーナを放り出して逃げ出したオークだったが、逃げ切れるわけもなく…荊に拘束されて、こちらに運ばれて来た。

 

「あ、こいつらに酷いことされかけたんでしょ? ニ匹殺しちゃったけど、貴女…引導渡したいでしょ?」

 

放り出されたリディーナをその細い腕で受け止めて、猿轡を蔓を器用に使って外す。 結束バンドを蔓が切り裂く。 リディーナは、恐る恐ると、少女の顔をみる。 その顔は嗤っていた。 微笑っていた。

 

飛び切りに無邪気、しかし、その中に確かにある狂気にリディーナは戦慄した、震えた…。

 

「いや――…いやっ…!」

 

思わずリディーナは少女を突き飛ばして拒絶する。 相手は、飛び切りの美少女。 朗らかな笑顔の中にあるドス黒い狂気は…それを台無しにするどころか初対面の自分にすら恐怖を感じさせるものだった。

 

「っと、拒絶すんのは無理ないね。 私が怖い? 私が狂おしい?」

「し、知らない! そんなの私は知らない!」

 

知らぬ存ぜぬ。 リディーナはそう切り返す。 しかし…それに少女はますます笑顔に、嗤う。

 

「あっははは! いいねぇ、その泣きそうな、綺麗な顔! きーめた――私の部下にしてあげる! ああ、拒否権はないよ?」

 

少女は嗤いながらオークを蔦で引きずり、こちらににじりよる。

 

「な、に言って…」

「契約、汝に我が罪を与える。 七罪が1つ。 我が《嫉妬》を与える。 名誉に思っていいよ? 私が罪をあげるのは、貴女が2人目だから」

 

言霊を紡ぎ、少女は呪文を織る。 リディーナは勘付いた。 相手は魔術師だと…逃げられない、と。

 

「つ、つみって…むぐ!?」

 

刹那に唇が触れ合う。 軽く、すぐに離れたが、リディーナの芯が、心が熱く、熱く疼いた。 ツクヨは彼女にナニカを行使した。 リディーナの、その心を奪った。

 

目の前の少女が愛しい、目の前の少女が守ってくれる…ああ、狂おしい…! とリディーナの中のナニカが書き換えられて行く。

 

「名前、教えてくれない?」

「私はリディーナですわ…ご主人様(マスター)

「リディーナ、ね。 私はツクヨだよ。 じゃあリディーナ。 君の傷も治してあげるね。 あぁ、彼女に酷いことした人たちを教えてくれるかな、オークくん?」

 

リディーナの傷ついた、満身創痍の体を再構成して傷を癒す。 さらに彼女の衣服も作り替える。 メイド服が似合いそうという理由で。

 

ぐったりとしたオークの頭部にツクヨは細かな鋼鉄の蔓を殺到させる。 頭を穿ち、脳に入り込んだそれらはオークの神経と強制的に繋がる。 激痛、オークの断末魔。

 

記憶を奪い、殺す。

 

情報を吸い上げて不要物となったオークの体を持て余したツクヨ。 それを解放してドサリと、地に落とす。 そして指をパチリとならす。

 

オークの死体は黄金色の光となり、ツクヨの手元に集まった。 簡易的な錬成で体積を小さく加工したのだ。

 

「うん、上出来かな。 オークどもは後で蘇生して賢者の石の材料にするとして。 人材確保っとね…おお、なかなかの経歴の持ち主だね。 さぁ、リディ。 行こうか…お礼参りにね!」

 

リディーナの記憶、経歴を一瞬にして詠み取るツクヨ。

 

そしてツクヨはリディーナを傷つけた者たちを鏖殺して告げる。 ツクヨの持つ七罪の1つ(嫉妬)を預ける代わりに君を護ろう、と。

 

共に雨に濡れてツクヨはリディーナに手を差し伸べた。

 

「私は君を護ろう。 どんな悪逆な手からでもね」

 

米連の手でのちにリディーナの捜索が行われたが遺体も回収できず、行方すらつかめなかったと言う。

 

彼女は、今。 米連にいた頃よりも充実した残りの人生を楽しんでいた。

 

 

東京近郊には西の無法地帯、アミダハラから逃げ出してくる者たちが潜む町がある。

 

キリンは《鋼鉄の魔女》との諍い。 その斬り合いで敗北して情けなく生き残ったが、名誉も地位も失った剣客だった。

 

また、人狼騒ぎで死ぬのは御免被ると東京に来ていた。

 

「飯ダネ…ないわなぁ。 東京のどこかしこも不景気って…はぁ」

 

東京で、知らぬシマを歩き回ってキリンは仕事…用心棒の仕事を探していた。

 

ひょんな事から魔界に渡り、そこで出会った隻眼のハゲ坊主に剣の筋を見出されて共に旅をしたキリンの剣の腕は確かなものだ。

 

しかし、業物の魔刀、《金剛夜叉》の使い手であるアンネローゼ・ヴァジュラには圧倒的な得物の差と。 彼女の、まだまだ未熟な剣術の差があり敗北したのである。

 

ハゲ坊主と別れた彼女は剣客として色々な組織で修羅場を潜った。 そして生き残り研鑽を重ねたが、その努力ですらあざ笑うほどの強さをアンネローゼは見せつけた。

 

悔しかった。 だから強くなろうと剣に死ぬのではなく生き残った。

 

「ん、雨か…最悪やなぁ…」

 

傘も兵糧もなく、濡れて腹を空かせながらも彼女は道を歩いた。 そして、酒場のバイトを見つけて働いていた彼女は気になる噂を聞く。

 

町に解き放たれた殺人鬼の噂を。 ある雨の日のこと、住処にしている廃墟に帰る途中でキリンは何者かに襲われた。

 

それは赤い肌の魔獣だった。 噂の殺人鬼とはこの魔獣のことだったのだろうか。

 

「ちぃっ! なんでこんな日に限って!」

 

俊敏な動きで詰め寄る魔獣の爪を、紙一重で避けてキリンは逃走を図る。

 

横薙ぎに払われる爪に赤い髪が二、三本触れて切られて、触れるだけでもダメだと…腹を括って全力の逃走。 ひらり、ひらりと爪を躱して傘を犠牲にして魔獣の視界を塞いで雨に濡れるのも厭わず走り抜く。

 

仕留めれないイラつきか、魔獣は咆哮を上げてさらに加速した。 いつしか、人の反応できる速度を超えて動く。

 

「油断も隙もあらへんでぇ!? なんやねん、アンタは!?」

「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎ッ!!」

「せめて日本語話しぃや!?」

 

魔獣の返事、吠えるだけ。 いよいよ追い詰められて後がなくなったキリンは住処の廃墟、壁を蹴破ってダイレクトイン。

 

そして、部屋の奥。 突っ立てていた刀を手にして鞘から抜刀。 居合の要領で飛びかかってきた魔獣を斬りつける。

 

「――ッ!」

 

しかし、直前で危機を察知したのか。 飛びかかりながらも身を捩り、剣閃から逃れる魔獣。 屋内での戦闘は刀では不利と、キリンは壁を斬り裂いて外に飛び出した。

 

雨は未だ止まず、地を打ち続ける。 と、住処の外に誰かがいた。 それは青い髪を雨に濡らした、少女だった。

 

「おっと…お姉さんそんなに慌ててどうしたのさ?」

「慌ててやないわ! 今すぐどっか行き!」

「あー、無理よ。 それだけは」

「な、何をい…ッ!」

「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎ッ!!」

 

隙を突き、爪をその胸に突きたてようと魔獣はキリンに肉薄した。 が…

 

「やっぱりここにいたのね。 《荊姫》ッ!」

 

少女は、指を鳴らす。 すると、アスファルトを砕き、鋼鉄の蔦が彼女の足元より伸びて魔獣に襲いかかった。 その位置的にも、キリンを守るような位置から伸びたのである。

 

――なんやこれはッ!?――

 

キリンは突如として伸びた鋼鉄の蔦に目を疑う。 しかし、それらは蠢動して魔獣に襲いかかっていた。

 

「あれは米連の生物兵器の劣化コピー品。 所謂、成り損ないよ…常にバーサクしてるから目に映る生物は全部敵と認識して殺して食うわけよ」

「は?」

「裏取引の現場を押さえたまでは良かったんだけど…取引しようとしてた側のミスでその場にいた構成員全員を血祭りにあげた上で逃走したのよ、アレが」

「んな、間抜けな話あってたまるかいな!」

 

キリンは驚いて声を荒げた。 魔獣は相変わらず蔦の猛攻に攻めあぐねているのか、囲われたためか逃げ出さずにいた。

 

「…残念だけど事実よ。 まぁ、被害者が10人いってなくてよかったわ…で、お姉さんはアレに追っかけられたの?」

「え、ああ。 せやで…」

「被害者か…ごめんなさいね? キチンと捕縛はするから」

「って前、前ぇ!?」

 

少女は魔獣の奇襲を受けた。 器用に蔦を避け切って吶喊してきたのである。

 

「ん? そんなに死にたいの?」

 

少女は障壁を張り、攻撃を受け止める。 そして攻撃を受け止めた障壁は瞬時に変化した。

 

魔力の塊と言えるそれ。 キューブ状の結界が即座に展開されて、魔獣を閉じ込めたのである。

 

「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎ッ!!」

「無駄無駄。 ソレ、炭化チタンより強度あるからアンタ程度でどーにかできる代物じゃないから」

 

狂乱。 魔獣は結界を破ろうと暴れるが、少女の言葉通りビクともしなかった。

 

「大した知能もないからそうなるのよ。 所詮、成り損ないだろうから仕方ないと思うけど」

「ウチが逃げ回るしかできひんかったアレをこうまでも簡単に…アンタ一体何モンや」

「あ、私はツクヨだよ。 加持谷月夜。 錬金術師、鍛治師、魔術師で科学者な女の子です」

「これは丁寧に、おおきに。 ウチはキリン。 ここら一体に住みついてる流れの剣客や」

 

少女はさらっと自身の名前を名乗る。 そして魔獣に向き直り、虚空に黄金の波紋を描く。

 

「有意義なデータも取れそうにないし、殺処分が妥当かな?」

 

波紋からのびるは槍、斧、剣、矛…数多の、100は下らない数多の武具。

 

そのどれもが魔法の付与された業物、魔剣。 キリンは悟る。 虚空に浮かぶ数多の武具は。 この少女が、この鍛治師が全て打ちだした武具である、と。

 

「座標固定。 武具射出!」

 

刹那に、結界は解かれた。 直後、一方的な蹂躙が魔獣を襲う。 弾こうとも剣が腕に突き刺さる。 蹴り砕こうとも、槍が脚を貫く。 避け躱そうとも、斧が肩を穿つ。

 

殺到する武器。 その数に飲まれて呆気なく、本当に呆気なく魔獣は屠られた。

 

「数の暴力、これぞ至高!」

「な、なんやこれは…」

「ほえ?」

「うちの住処が全壊した言うとんねん! どないしてくれるんや!?」

 

ツクヨがその場を見ると槍が、剣、斧、槌、矛などが基礎を破壊して廃墟1つを更地にしていた…いや、更地よりひどい、穴ぼこだらけの荒地になっていた。

 

「あ、あそこ住処だったんだ…ごめんね、おねーさん」

「また別の住処探さなあかんやんか…めんどくさいなぁ…はぁ」

「そういえば、流浪人なの? おねーさんは」

「んー。 アミダハラから流れてきたし、流浪人に違いはないかぁ…?」

 

ツクヨは思案。 そして、キリンに切り出した。

 

「なら、私の眷属になってよ! 《強欲》はレベッカにあげたし、《嫉妬》はリディにあげたでしょ…」

「アンタ、眷属て…吸血鬼か!?」

「んー、吸血鬼じゃないよ。 私は《完全な体》を錬成したいから、そのためにも、原罪を体から追い出さないといけないのさ。 棄てることができないものだから、私の気に入った人に押し付けることにしてるのさ」

 

ツクヨは語る。 この世は楽しいと、この世は不思議で満ちていると。 その総てを解き明かしたいと。 しかし、人の寿命は決まっている。 だから、完全な肉体と劣化しない魂を手にして《不老超克》を目指している…と。

 

「あ、ちなみに私が生きている限り、眷属となった人も生きれるよ? だから、剣客として永遠の研鑽を積めると思うけど…どうかな? もちろん仕事をしてくれたら給料も出すし」

「胡散臭!?(まてよ、この子鍛治師やな…)」

「ひどい! 胡散臭いだなんて!」

「あー、ごめんごめん。 わかった、眷属になったる。 そのかわり、《金剛夜叉》くらいの業物見繕ってや?」

「? アンネローゼ・ヴァジュラに喧嘩売るの?」

「喧嘩に負けて無様にこっちに流れてきたんや。 笑えるやろ? せめて金剛夜叉と打ち合える武器が欲しいんや」

「そんなことならお任せ! そんじゃ…契約、汝に我が罪を与える。 七罪が1つ。 我が《怠惰》を与える。 その罪に負けず、研鑽を積む期待を込めて!」

 

呪文を紡ぎ、ツクヨはキリンと唇を重ねた。

 

途端にキリンは万事総てがだるくなる。 怠けたくなる。

 

「へぇ、これが怠惰…か。 まあええ、よろしくやで。 ご主人(マスター)はん」

 

怠惰の感覚に反骨する自身の漲るやる気。 矛盾を孕む1人の剣客、ともに滅びるその日まで…ともに過ごして絆されて。 その心に忠義が生まれるのは無理もない話であろうか?




今回は幕間。

ツクヨはこの時点で原罪を3つ譲渡しています。

「強欲」はツクヨのためになるように、やがて愛を独占できるようにする布陣を。
「嫉妬」はツクヨに尽くして尽くす。 ヤンデレ一歩手前の重い女になりかねないですがw
「怠惰」は自己研磨を怠らない勤勉な性格が仇になって…頑張り屋さんに。

ちなみに、この話は出会いの回想。 つまりは3名の実力が未発達の頃なのでツクヨに助けられた訳ですね。

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