東京喰種:is   作:瀬本製作所 小説部

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慣れない空気


僕は何すればいいのかわからなかった


英国貴女

一夏Side

 

 

いろいろ騒がしかった一限終わり、

俺に休息の時間が来ると思われた。

しかし結局俺に休ませる時間はなかった。

それは"周りの視線"だ。

 

「ねぇ、あの子がISが使える男の子だって」

 

「話しかけなさいよ」

 

廊下から大勢の女子が覗いてきて、

俺を落ち着かせようとはさせないように見えてしまう。

 

 

 

 

 

でも俺はそれよりも"気になること"があった

 

 

 

 

 

 

それは突然クラスにやってきた人物

 

 

 

 

 

その名は"佐々木琲世"(ささきはいせ)

 

 

 

「........」

 

その人は俺と同じくISが使える男であり、

突然ここIS学園にやってきた。

しかもその同時に"ISが使える"と千冬姉の口から出たのだ。

 

(.......)

 

"琲世"は机に肘をつけてただ外を見ていた。この学校で貴重な男が隣にいるのに、

なぜか"琲世"は話しかけてこない。

 

(俺から話しかけようかな...?)

 

俺は声をかけようか迷ったが、 自然に湧いてきた謎の緊張が妨害してくる。

大勢が女子が見ているこの状況が、とてつもなく恐ろしく感じる。

 

 

 

 

 

そんな時だった。

 

 

 

 

「ちょっといいか」

 

すると会話に誰かが声をかけてきた。

 

「...?」

 

俺は顔を上げると、驚いてしまった。

 

 

 

 

 

なぜってそれは知らない人ではなかったからだ。

 

 

 

 

 

 

その人は昔出会った人物

 

 

 

 

 

"篠ノ之箒"(しのののほうき)だった。

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

琲世Side

 

 

(....慣れないな)

 

僕は教室の窓に映る青空を席に座りなから眺めた。

妙に落ち着かない。

しかも大人数の女子が廊下からのぞいているため、

僕は窓側に視線を向けていた。

何せ僕はこんな大人数な環境にな慣れてはいない。

数人程度の環境にしか慣れてない僕にとって、

何すればいいのかわからなかった。

 

(...一夏くんは行っちゃったし...)

 

一夏くんは確か、"篠ノ之箒さん"とどこか行ったみたいだ。

"篠ノ之箒さん"と言えば僕はある人物が頭に浮かんだ。

苗字の通り、あのISを製作した"篠ノ之博士"の妹さんである。

 

 

彼女がIS学園に来るなんて、とっても複雑な心境のはず....

 

 

「ちょっとよろしいですか?」

 

 

すると誰かが僕に声をかけてきた。

振り向くときらびやかな金髪のロングヘアーに、ロングスカートに似た制服を来た女子が立っていたのだ。

 

「は、はい?」

 

「な、なんですの?そのお返事?」

 

「え?」

 

「私に話しかけられることは光栄なんですわよっ!」

 

「そ、そうですか?.....っ!」

 

僕はこの人は一体誰なのか思い出した。

 

「えっと...あなたは"セシリア・オルコットさん"ですよね?」

 

「私を知ってなさるのですか!」

 

「はい、イギリスの代表候補生の子...だよね?」

 

どうして知っているか直接言えないけれど、

僕は入学前に専用機を所持している学生のデータを目を通していた。

今の所一年生で専用機を持っているのはセシリアさんのみだけだ。

 

「えっと....僕の名前は...知ってますよね?」

 

「ええ、先ほど自己紹介で耳にしましたわ。名前は"佐々木琲世さん"っでよろしいですね」

 

実にイギリス貴族らしい紳士....いや、淑女の雰囲気が感じられる。

 

「それで...失礼ですが、何かご用ですか?」

 

彼女から声をかけられるのなら、何かあるはずだ。

何せ今日、初めて表に出たものだから。

 

「あなたも本当にISを使えるのですか?」

 

「..え?」

 

僕はセシリアさんの言葉に驚いてしまった。

 

「織斑一夏はISを使えることは世間では知られておりますが、あなたがどうですか?」

 

「..は、はい。使えます...本当に...」

 

「本当ですか?」

 

セシリアさんは僕の言葉を待たずにして、疑いの目を向ける。

僕がどうして躊躇に返すと言えば、

今千冬さんから使用許可はおりてはない。

というか本来ISをむやみに使用してならないのが普通である。

 

(何せ....僕のISの"待機状態"がね....)

 

専用機持ちなら待機状態はアクセサリーみたいな小さな感じになっているが、

僕はその小さなアクセサリーみたいなのもではない。

 

「本当ですよ...」

 

「........」

 

数十秒、静かな間が生まれた。

僕的にはこれ以上突き止められても困る。

 

「....ならいいですわ」

 

「は、はい...?」

 

セシリアさんはそう言うと、にこやかに言葉を返した。

どうやら認めた...かも?

 

「...いずれ、私は"あなたの実力"を見ますからね」

 

「...え?」

 

僕はそのセシリアさんの言葉に、

妙に嫌な予感を示しているように見えてしまう....

 

「何せ私は入試中に教官を倒しましたわよ」

 

「え?教官を倒した?」

 

「ええ、代表候補生であるならば当たり前なことです」

 

ひどく言ってしまうと、僕を見下す貴族に見える。

確かに彼女が教官を倒すのはすごいことなのだが....

 

「教官...」

 

専用機持ちの代表候補生なら、実力はいいはず。

 

 

 

 

 

 

だが僕は一言も"経験がない"とは言ってはない

 

 

 

 

 

 

 

「...僕も教官を倒しました」

 

 

 

 

 

「..はっ!?」

 

セシリアさんは偉そうな雰囲気から一変、驚いた顔つきになった。

 

「確か...山田先生と戦って、勝ちました」

 

セシリアさんは確か練習機で戦ったと聞いたが、僕は違う。

僕が行った入試は極秘で行われており、

山田先生は練習機ではなく専用機の『ラファール・リヴァイヴ・スペシャル』を使用していた。

もちろん入試での対戦で専用機を使ったのは僕以外誰もいない。

 

(....と言っても、なぜか山田先生はすぐに負けを言ったんだよね)

 

先生は元日本代表候補生なのだが、

なぜかすぐに負けを申し出てしまった。

先生が『遠慮なく戦ってください』と言ったら......

 

「ど、どうやって..?」

 

「はい、"普通"に戦ってやりました」

 

「普通...!?」

 

詳しく言えば、僕は"量産型IS"を使用してない。

というか僕は、

 

 

 

 

 

"他のISを使用することができない"

 

 

 

 

 

「わ、私だけと聞きましたが...」

 

「それは...僕が非公開とされていたからだと思います...」

 

「そ、そうですか....」

 

セシリアさんの肩が下がったように見えた。

本当に残念に感じたようだ。

 

「あ...落ち込まないでください。セシリアさんもすごいと思いますよ?」

 

僕はそんな残念に感じた彼女に少し励ました。

でも僕の少し話が下手だと実感してしまう。

やはり、あの"隔離された生活"が原因だとふと感じてしまった。

そのあとセシリアさんは「ありがとうございます...」と言ったのだが、

どうも全てを満たした気がしなかった。

 

 

 

 

 

僕はまだこの世界に生まれたばかりだと胸に感じた。

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

(やっと終わった...)

 

僕はいつもより長く感じた1日を終え、

今日から住む寮へと向かっていた。

荷物は既に部屋に置いてあると事前に山田先生に耳していた。

 

(......そう言えば一夏くんとは一度も話していないな)

 

もし他の人が聞けば疑うかもしれないが、本当だ。

何せ僕もそうだが一夏くんの周りに多くの女子がいたせいか、

中々話す機会がない。

もちろんそう言えば今も後ろに何人かの女子が僕について来ている。

 

(まぁ...部屋に入ったら、一夏くんはいるかも)

 

きっと一夏くんは先に部屋に帰っているに違いない。

その時に声をかければいいと思う。

 

 

 

(...."僕のIS")

 

 

 

今日セシリアさんと会話で感じたこと

 

それは僕の"専用機"

 

あのセシリアさんの言葉はある意味、"対決"の意味をしていると思う。

なぜか戦いたくない気持ちが変に生まれてしまった。

 

 

 

 

自らの意思を破る"恐ろしいもの"が"再び"起きるではないかの恐怖があった。

 

 

  

 

(あ、ここだね)

 

ふと気がつけば僕が入る寮の部屋のドアについた。

あまりにも考えていたせいか、校舎と寮の間が距離が短く感じた。

僕は気持ちをスッキリさせるため大きく息を吸った。

入学当初からこんなことで悩むのはだめだ。

 

(多分ここかな....?)

 

僕が入る部屋は、確かこの部屋だ。

おそらく二人部屋かな...?

 

 

 

 

そう思い僕はドアの開けた。

 

 

 

 

 

その先にいたのは......

 

 

 

 

 

「あ、君が噂の"琲世くん"ね」

 

 

 

 

そこにいたのは一夏くんではなく、

 

 

 

 

 

かつて出会った人であり、

 

 

 

 

水色の髪色をした女子高生

 

 

 

 

 

"更織刀奈"だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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