[DEAR]~貴女と居た季節~   作:金宮 来人

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どうも、おはこんばんちわ。作者です。
最近、オリジナル作品でも書いてみようかと色々と考えて設定作りこんでいるのですがこれってなかなかに難しいですね。
元の大筋がない作品ってこんなにも展開や設定考えるのが、面倒とは思いませんでしたよ。
いやはやなかなかに進まない事が分かったので、先に他の作品書きながら思いついたら書く事にしました。お蔵入りになる可能性大ですが。
それでは、本編へどうぞ。


10 再会と再発

今日はなんか教室に入ると空気が悪かった。まぁ、俺のせいだろうとは思っているけど。

聞いてみるとオルコットさんがあれだけ言って置いて素人の俺に負けた事が原因らしい。俺としても確かに頑張ったが、此処まで明らかに嫌わんでもとは思う。

中には俺を今からでもクラス代表にという声が有るらしいが、データ取りのために無理と答えておいた。事実そんなに酷使してたらすぐに発作が起きそうで嫌だし。

「まぁ、気にする様な事じゃないと言う事だ。」

そう言って席に着こうとしたらクラスの女子が声をかけてくる。

「お、織斑君、おはよう。」

「え?あぁ、おはよう。どうかした?」

「あの、えっと・・織斑君は転入生の話って聞いた?」

「転入生?このクラスに?」

「ううん、隣の二組。」

「いや、俺ってあまり好かれてないからね。友達少ないから話とかに疎いんだよ。それで、隣のクラスに転入生か・・時期的におかしくない?」

「確かにね。でも・・多分・・。」

そう言いながら俺を見る女子。なるほど、その原因は俺という事か。データを日本だけには独占させないと?そもそも日本とIS委員会の狗状態なんだがな。

「所でいきなりどうかと思うんだけどさ・・」

「え?あ、何?」

「失礼だけど・・お名前知らないんだ。聞いていいかな?」

「あ、ごめんなさい。私は鷹月靜寐。篠ノ之さんと同じ寮の部屋で、織斑君の事は聞いていたの。あぁ、勘違いしないでね?私が無理やり聞きだしたようなものだから。」

「別に良いさ。よろしく鷹月さん。それで・・その転校生って言うのは・・」

「ソレはアタシの事よ!!一夏!!」

そう言って教室の前から入ってきた生徒を見て俺は本気で息をのんだ。

『かつかつ』と音を立てて俺の目の会えに来たのは、かつてのツインテールを一つに束ね後ろに下ろして髪形を変えている、忘れようとも忘れれない女の子。

俺にとって、とてつもない重い存在の女の子。

「凰 鈴音・・この国に帰還!!ってね。」

「り・・鈴・・なのか?」

「そうよ一夏・・。アタシは諦めが悪いの。知らなかった?」

そう言いながらも俺に向かってウィンクをする。あぁ、・・確かにまた魅力的になってるよお前は。でも・・俺は‥

「知ってるさ、噛みつき亀の様に気性が荒くて、すっぽんのように噛みついたら離さないってな。」

「初めの時点で食いちぎってんじゃないのソレ?」

「くくっ、まぁな。」

そう言い合う程度なら軽く見えるだろう、懐かしの相手に会った感じで。

「アタシ、中国の代表候補生になったの。帰ってから頑張って・・頑張って・・アンタを見返してやろうという気持ちがほとんどだったわ。」

「ソレは分かる気がするな。負けず嫌いの鈴の事だ。無理をしたんだろう?」

肩をすくめるように言うと前よりも女性らしくなってきた体つきで胸を張って、

「しなきゃならない無理は無理とは言わないの。ソレは努力すると言うのよ。」

「そうか・・それで挨拶に来たのか?」

「いいえ、宣戦布告に来たのよ。」

「・・あぁ、クラス代表戦の事か?ソレはこのクラスの代表のオルコットさんにだな。あそこの席に・・」

「違うわ。一夏、アンタによ・・。」

「・・俺・・だと?」

猛烈に嫌な予感がした。コレは不味い事になる前触れだと確信できるほどに。

 

「アタシ、凰鈴音は一度振られたからと言って諦める女じゃない。アンタが言った通りよ。だからこそ女を磨いて小さかった体も大きくするように努力して、料理も、家事も、そして強さだって負けないようにしてきたわ。だからもう一度言うわ。返事はすぐじゃなくて良い。『一夏、一生をかけてアンタの隣に居させてもらえませんか?』」

衝撃的だった。言葉じゃない声が教室中に駆け抜けた。俺は失神しかけた。何と言う事を・・。

こんな目立つ所で告白をされるなんて思っていなかった。しかも、相手は一度ひどく振った相手だと言うのに・・あぁ、鈴。確かに君は強くなったよ。だが、君の恋は叶わない。

またもここまで思ってくれている子を酷く振らなければいけない事に、胸が痛くなる。そして、そこで気がつく、まずいと。

 

(コレは、軽い発作か?!)

 

気がついた俺は、胸を押さえてしまう。が、

「過去の事は水に流しましょう?お互いに、また日々を過ごしてからでいいわ。」

そう言って帰ってくれた鈴。多分俺が過去の事を思い出して押さえたのだと思ったのだろう。原因は確かにソレだが、それからの発作はちょっとまずい。軽くてもここでは目立つ事になりかねないから・・。いや、今クラス中からの目が有る。俺はすぐさまに教室からなるべくよろめかないようにして廊下に出る。そのまま、保健室に向かい歩きだして、緊急用の宏樹先生の連絡先に連絡した。

廊下を曲がり階段の手前で背中を壁につけて地面に座り込む。

『もしもし、一夏君!?どうした!?発作か?!』

「けほっ・・はい・・。今三階の廊下の西階段です。ここまでで力尽きちゃって・・。」

『今すぐ行くから動くなよ!口元をハンカチで隠して戦闘の所為か体調不良と言って他の教師はやり過ごすんだ、いいね?!』

「分かってますよ。心配性だな、宏樹先生は・・。」

俺は焦って走りながらも電話をしている宏樹先生に笑ってしまう。力無い笑みだけど。

『あたりまえだろう!!君はもう僕にとっても弟なんだ!家族なんだから!!』

「!!・・・ありがとう。」

家族と言ってくれて、言い切ってくれてうれしかった。息を切らした先生が千冬姉と共に目の前に。途中で合流したらしい。その場で軽い処置をして、休む方がいいとの事。そのまま宏樹先生に支えられるように保健室へ行く事に。千冬姉はソレを聞いて安心して教室に向かう事に。一応原因は分かっているのでソレを話すと二人ともすごく悲しい顔をした。

どっちに対してかな?また振らなくてはいけない俺にか・・振られることが決定している鈴に対してか。

どちらにしろ・・この思いは前にも思った通りに絶対に実らない、実らせてはいけない物なのに・・。

「あーあ、また鈴を傷つけなくちゃいけないのか・・。俺ってばサイテー・・。」

「一夏君・・。」

診察された後、そう言って保健室の布団を頭までかぶる。紅く染まったハンカチは宏樹先生が捨ててくれた。診断結果は昨日の勝負が体に響いている所に心因的な事が重なったのが原因だと言う事だった。まったく、嫌な世界だ。いや、また彼女に会えたのは嬉しくなかったと言うと嘘になる。確かに、鈴に会えた時は嬉しかった。諦めないと言われた時は悲しかったし、苦しくなった。

神さま、俺は彼女を悲しませたくない。苦しませたくないと思った選択だったのに・・また再会させると言うのはあの選択は間違いだったと?

 

いや、絶対に間違っちゃいない。そうじゃないと彼女が恋をできなくなるから。

だからこそ俺はあの時の選択をしたのは正解だったはずだ。

そうじゃないと俺は苦しんで、彼女を苦しめてさらに彼女の時間を奪っただけになってしまうから。そうだ・・間違ってなかった。

そう自分に言い聞かせながらもなかなか取れない胸の痛みと、苦しさをどうにか押さえつつ布団をかぶって目を瞑る。

 

どうにか彼女が幸せになる為の方法がないかと考えながら・・。

 




先日広島の事をテレビでやっていた中で、レモンが有名と言う事をやっていたのですが、私的にはしまなみ海道などで売っているはっさく大福などを押したいと思っています。自転車で潮風を感じながら疲れ果てた体にはっさく大福の甘さが凄くしみわたって感動したと某自転車マンガの作者がいっていました。他の番組でも取り上げられた事が有りますし、自身でもあんの甘さと柑橘独特の酸味とはっさくの苦みが素晴らしいと思っています。
もしもくる事が有れば楽しんで頂けると幸いです。

感想・評価、訂正・疑問など受け付けていますので。
それでは次回。またお会いしましょう。

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