俺は、スーパーザンクティンゼル人だぜ?   作:Par

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正月ネタ、二月投稿お許しください

ヨダルラーハ等の合流後時間軸のアナザーストーリーです。本編に繋がらない部分もあります。


アナザーストーリー ゆく年くる年

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 一 ゆく年くる年

 

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 数多の島があろうと、空域が瘴流域で遮られようと、人々はどこででも生きている。世界は確実に時を刻み人々も歳を取る。そして世界はまた一年と言う区切りを終えるのだ。

 そして新しい年を迎えるために人々が目指すのは、この島にある今年の歳神を祭る神宮。そこへと向かう行列の中に俺達も混じっている。目的は当然初詣、そしてその後初日の出を見るためだ。

 理由として俺達が初日の出を見たいこともあるが、今年もまた去年同様ジータから手紙が届いたのもある。

 

『今年はこの島で初日の出を見ようよ。もちろんそのまま初詣だよ!』

 

 去年のこともあるため、今年も手紙が来る事は予想していたが、案の定手紙からは「来てね!」と言う微笑ましい文面以上に“いいから来い”と言う念を感じた。こえーなぁ。

 ともあれ新年明けて最初のお出かけである。みなで神宮を目指し日の出が見える場所を探すが、なんとも人の多いこと。

 

「去年と違う場所なのに混み様は同じだなあ」

「十二年に一度の開帳だからね。その年の神宮には、皆駆けつけるのさ」

 

 干支を司り祭る神宮があるのは、一か所ではない。神主を務める“十二神将”達の名が示す通り、各地十二か所の神社がある。

 その地に関しては色々と謂れがあるが、今はそこまで気にしなくていいだろう。重要なのは、どこにあろうと年が変わる前後には、その場所に人々が押し寄せるということだ。

 去年参拝した神宮とは別の場所というのに変わらぬ混雑具合に魂消る俺であるが、コーデリアさんは落ち着いた様子だった。

 

「ケヒヒッ! 夜でも賑やかだなぁ~!」

 

 興奮した様子のハレゼナが、ピョンコピョンコと跳ねながら辺りを見渡している。人の多さもあるが日が昇るまで境内では、思い思いに時間をつぶす人達が多く思いのほか賑やかに感じる。

 そしてなによりも参道にズラリと屋台が並んでいる。目的の社のある場所まで続いているらしいこの屋台の数に魂消るばかりだ。

 

「しっかしまあ、すげぇ屋台の数」

 

 なんとも平凡なコメントを呟くと、カルテイラさんが“うんうん”と唸った。

 

「新年最初の稼ぎ時やもん。しかも霊験あらたかな十二神将の島、商人も空域中から来るのは当たり前や」

「そりゃそっか」

「うちも出店考えたけど、やっぱ新年はのんびりすることにしたわ。なんせ疲れる騎空団やからなぁ」

「自分で仲間になったくせに~」

「にししししぃ~~!」

 

 そんな会話をしていると、ハレゼナがそわそわと俺の袖を引く。

 

「なぁなぁ、団長~! せっかくだしよぉ~! ボク達も屋台見ようぜぇ~~!!」

「ん? んむぅ……」

 

 ジータ達との待ち合わせもあるのだが、少し早く着いたのでまだ時間には余裕があった。屋台を楽しみながら歩くのも悪くないだろう。

 

「じゃあそうするか。別行動するのもいいけど、ちゃんと神社の方には来ること」

「酒ノ屋台トカ無イノカ?」

「御神酒はともかく、流石にもろ境内じゃ酒売らねえだろ」

「残念ダ」

「甘酒で我慢せい。アルコールは、エンゼラ帰ってからだ」

「シカタナイナ……」

 

 そんな成り行きで道を進みながら屋台を楽しむ事となった。酒が無いとわかりティアマトは残念そうだが、楽しむと決めれば途端に俺はワクワクとしてきた。

 皆で色んな屋台に目移りしそうになりながら、チョコバナナやりんご飴なんかを買って食べ歩きを楽しんでいた。

 

「俺普通のチョコバナナ」

「オイラはりんご飴」

「だと思ったよ」

 

 凄い美味い、と言う事は無いのだがこの場の雰囲気で妙に美味しく感じるチョコバナナ。幾らでも食べれてしまいそうだ。

 

「どれもこれも美味しそうだなあ」

「……おい、あまり気を緩めるんじゃない」

「うっ!?」

 

 どうも気を緩めすぎたのか、エゼクレインさんに少し注意されてしまう。

 

「年始とはいえお前は騎空団の団長だ。場の空気で現を抜かすような真似はするな」

「お、おっしゃる通りです……」

「まあまあ、良いではないか。せっかくの正月なんじゃ」

 

 思わず縮こまってしまっていると、何時の間にかったのか、イカ焼き(ゲソ)を食べながらヨダルラーハさんが助け舟を出してくれた。

 

「ヨダルラーハ……」

「団長も年を越せてホッとしとるんじゃよ。多少の緩みは、大目に見てやろうではないか?」

「それはわかっている。小姑であるまいし、俺とて正月まで神経質になる積もりはない。ただ自分の立場を忘れるなと言いたいだけだ」

「あ、はい。もちろん重々承知です……」

「わかってるなら構わん」

「きっちっちっち……! お前さんは、真面目じゃのう。ほれ、イカ焼き一本食うか?」

「……貰っておこう」

 

 エゼクレインさんは、少し迷ったようだったがヨダルラーハさんからイカ焼きを貰うと黙々とそれを食べていた。

 俺としては、エゼクレインさんの言葉はありがたいものだった。なんやかんだで今のようにきつく指摘してくれる大人の男性と言うのが団には居なかった。同時にヨダルラーハさんのように、場を収めるのが旨い余裕を感じる大人も嬉しい存在だ。

 ある目的のために旅に同行しているエゼクレインさんは、まだ“仲間”と言うには違うのだが、それでもコーデリアさん達を始め頼もしい年上が増えてくれた事は、非常に良かったと思える。

 

「ドコカデ酒売ッテナイカ……」

「寒い日は、おしゃけ飲みたくなるにゃぁ~」

 

 一方でこの飲兵衛達。星晶獣とか年上とは思えない、そして思いたくない姿だ。

 人生いろいろ、大人も色々。少なくとも将来飲兵衛にだけはなるまい、彼女達を反面教師とし、そう俺は強く誓った。

 

 ■

 

 二 運試“C”

 

 ■

 

 神社の拝殿へと到着すると既に参拝の列も出来ており、鈴緒が揺れて鈴の音は止むことなく鳴り響いていた。

 辺りを見渡すがジータ達の姿は見えず、まだ来ていないようだった。

 どうしようか少し悩むが、まだ日の出にまで十分時間があった。

 

「どうすんだ相棒?」

「そうさな、時間もあるし……さて」

「なあ団長」

 

 ジータ達が来るまでどうするか考えていたら、ゾーイが俺の袖を引いて来た。

 

「うん、どうした?」

「あっちにも人がいるようだが、あれは何をしているんだ?」

 

 ゾーイの指さす先、その拝殿とは別の建物では、運勢を占うおみくじがおかれていた。おそらくこの時期のみの手伝い巫女さん達が参拝客の相手をしている。

 

「あー……あれは、おみくじだな」

「おみくじ?」

「主に今年一年の運勢を占うのさ」

「ほほう、ヒトは面白い事をするんだなあ」

 

 なにか気になるのか、ゾーイは興味深げにおみくじの方を見ていた。

 

「せっかくだしやるか?」

「いいのかい?」

「ジータ達まだだしな。このぐらいいいよ」

「そうか……ありがとう団長。それならやってみよう」

 

 ゾーイは嬉しそうにおみくじに向かう。ついでに俺含めて何人かもおみくじに挑戦する事となった。

 

「ここで一つ、今年一年の運勢を確かめさせてもらいたいね」

「ダメなんじゃないの?」

「そうハッキリ言う?」

 

 心底興味なさそうにメドゥ子に言われてしまう。実に不本意である。

 

「年も明けてる時点で占ったって何も変わらないわよ。どうせ悪い結果なら態々見る事ないでしょ」

「おま、お前……お前見とけよ!? なんだその、あれだ……悪い結果とは、決して限らないし……だから、あれだぞ……限らないからな!?」

「その台詞からしてダメそうだぞ主殿」

「じ、自信のなさが出ちゃってるよぉ……」

「大吉引いたるわいコンチキショーゥッ!!」

 

 シュヴァリエとセレストにまで哀れみの目を向けられてしまった。何たることか。

 だが俺は認めんぞ。おみくじは引くまで結果はわからないのだから。

 

「巫女さん、人数分! おみくじ一回づつッ!!」

 

 ザンクティンゼルを旅立ち騎空士として、騎空団団長として、盗賊魔物に星晶獣、そして時にジータ……あらゆる脅威と戦いなんとか生き残ってきた。その旅で培った集中力、そして”念“。すべてを込めて幾数ものおみくじが入った箱へ手を入れる。そして “これだっ! ”と言う直感を頼りにして一枚のおみくじを引き抜いた。

 

「これだぁ──っ!!」

「うるさいわよ」

「ぅげっ!」

 

 引いたおみくじを天に掲げていたら、メドゥ子に小突かれた。

 

「次引くんだから早くどきなさいよ」

「……お前おみくじ否定的だったのに引くのな」

「う、うるさいっ! いいでしょ別に、人間の習慣に合わせてやってんのよっ!」

「メドゥ子も早く引かぬか。妾達も引くんじゃから」

「わかってるわよ! ……これよっ!」

 

 そしてメドゥ子は、のじゃ子に小突かれくじを引き、そしてのじゃ子達もおみくじを引いていった。

 しかしどちらかと言えば崇められる側の星晶獣が列になっておみくじを引こうとしているのは、冷静に考えると奇妙な光景である。

 

「ゾーイも引いたな」

「ああ、運に任せて引いてみたよ。ところで団長、これはどう言う結果が出るんだい?」

「えっと……吉凶が書かれてて、後は細かい運勢かな」

「ほほう……」

「それじゃ結果見てみるか」

「アンタはどうせ一番悪いやつよ」

 

 メドゥ子の奴がニヤニヤしながらからかいやがる。

 

「言っとけ、お前こそ凶でも落ち込むなよ」

「偉大なる星晶獣のアタシが、凶なんてありえないから」

「へいへい……では、いざっ!!」

 

 俺の合図で皆折りたたまれていた紙のおみくじを一斉に開く。

 そこに書かれているのは、吉凶の結果と細かい運勢の羅列。

 

「だい……吉?」

「お、ゾーイそれ一番いい奴だぞ?」

「そうなのか?」

「ああ、大吉な。良かったじゃん、新年最初から幸先いいな」

「そうか、一番良いのか……ふふ、そうか」

 

 ゾーイは大吉と書かれた小さな紙を嬉しそうに眺めている。とても微笑ましい、新年最初の癒しパワー頂きました。

 

「お、アタシ中吉っ! え~っと? 【失物】が“根気よく探すべし”……だって。これトレジャーハントも期待していいのかしら?」

「私は【旅行】が“けが注意”だねえ。あはっ! これはあぶ~い遺跡期待していいかな~?」

「……アタシ【旅行】に“同行人に注意”ってあるけど、これカルバの事かしらね」

「まーまー、何時ものことじゃない」

「次別行動にしようかしら……」

「自分の【願い事】は……“身の丈に合った願いは叶うでしょう”っ!? な、なんでありますかこれはっ!?」

『随分と見透かしたような結果が出たな』

「うぐぐぅ~……っ! 叶うのか叶わないのかどっちでありますかぁ~~っ!?」

『身の丈に合ってれば叶うんだろうな』

「リヴァイアサン殿、少しはフォローして欲しいであります……」

『カカカ……ッ!』

 

 皆それぞれ自分の結果に一喜一憂している。これもまた微笑ましいじゃないか、ちょっと一部落ち込んでるが。

 

「さて、俺の方はどんな結果か」

「おや……団長、君にも“大”とあるよ?」

「お、マジ?」

 

 俺の親指で隠れるおみくじの吉凶であるが、その一部が“大”とあり、それが見えたゾーイに言われ期待が高まる。これはもう大吉確定である。

 

「俺も今年は、幸先良い──」

「どうした相棒?」

「……だい、き? えっ?」

「大吉か?」

「ううん……大凶」

「大凶ッ!?」

「うん……大凶」

 

 大凶、大きい凶。凶のSSR。リミテッド・凶。

 

「まっ!? ャバ、だんちょ大凶引ぃたん!? ヽ(゚Д゚;)ノ!!」

「お遊びならともかく、こう言う場では初めて見たわ……」

 

 クロエちゃんやコルワさんが、とても珍しそうに俺の引いた大凶のくじをみる。俺も何度も見たが、やはりそこには大凶とある。何度見ても大凶とある。

 

「ふへ……俺だけ出現率二倍だったのかな?」

「放心するな相棒。それで……内容はなんてあるんだよ?」

「ん……」

 

 B・ビィにおみくじを渡す。大凶の後には短く俺の運勢が書かれているが──。

【願い事】“暫く叶わない”

【待ち人】“直ぐ来る、危険、背後注意”

【失物】“希望は失わないように”

【旅行】“主に道中落下注意”

【商い】“利益を得ても油断せず、借金は注意”

【学問】“根は詰めぬこと”

【争い事】“引けぬ、逃げれぬ、避けれぬ”

【求人】“如何なる者が来ても心を強くして迎える”

【縁談】“縁は多し、だが居を構えるまで止めた方がよい”

【転居】“すべき事を終えてから”

 ──である。

 

「すげぇな。今までの相棒の行い見て来たような結果だ……」

「諸々酷いわね……」

「えらくピンポイントなのもあるな。【待ち人】の背後注意ってなんだよ、刺されでもするのかよ」

「うう、なんたること……こ、こう言うのってどうすればいいんだっけ」

「えーとね……確か神社の木の枝とかに結び付ければ良いって聞いたことあるわ」

「そ、そうなんですか?」

 

 思わぬ結果に狼狽えてしまうが、コルワさんからとても良い情報が出てきた。

 

「神様のいる神社に縁が出来るとか、利き手と逆で結べば吉凶が転じて良い結果になるとか……まあ、色々言われてるわね。はっきりしないけど」

「それじゃあ大吉とかは結ばないほうがいいのかい?」

 

 ゾーイが少し残念そうに聞くが、コルワさんは「大丈夫よ」と言う。

 

「昔におみくじ引いた誰かが始めた勝手な風習だろうし、好きに解釈すればいいと思うわ。良い結果ならお守りの代わりに持ってて良いし、結ぶなら神様との“縁結び”と思えばいいのよ。星晶獣に言うのも変な気もするけどね」

「ほほう」

「団長さんの方は、厄除け的に結べばいいわけ」

「な、なるほど」

「ま、効果の方はわからないけどね。ようは気持ちの問題なのよ」

 

 コルワさんの話を聞いて直ぐ辺りを見渡す。すると確かに周辺の木々の枝には、無数のおみくじが結び付けられていた。なるほど、あれに結べばいいわけだ。

 

「多少で良いから運勢良くしてくれ……」

 

 コルワさんに聞いた通り利き手とは逆の手で結びつける。気持ちの問題と言うが、まさにそれなのだ。少しでも気持ちを良い方に向けたい。おみくじの内容は、教訓として心に刻んでおくんで変な事が起きない事を切に願う。

 結ばれたおみくじを見て念を送っていると、こそこそと枝におみくじを結ぶ姿が見えた。

 

「……メドゥ子?」

「うっ!?」

 

 隠れたつもりで結んでいたのだろうが、普通に見えていた。キッチリ利き手と逆で結んでいる。

 

「な、なにかしら?」

「お前……」

「言っとくけどっ!? 言っとくけどね、人間の風習に合わせてやってるだけだからっ!! それだけだからっ!」

「お前、おみくじキョ──」

「“大吉”だったけどなにかっ!?」

「メドゥ子“凶”じゃったろ?」

「言わないでよっ!?」

 

 狼狽え具合でバレバレであったが、メドゥ子の誤魔化しも空しくアッサリのじゃ子にバラされていた。

 

「……星晶獣も、引くもんだな……凶……」

「うっさい! アタシは別に気にしてないし、こんな紙切れの結果なんて知らないっ!」

 

 その割にコルワさんの話も聞いて枝に巻いている。まあ言わないでおいてやるとする。

 なお団員で大凶と凶を引いたのは、俺とメドゥ子だけだったもよう。

 

「……大凶よりはいいじゃん」

「気休めにもならないわ……」

 

 大凶人間と凶星晶獣。今ここに“最凶のコンビ”が誕生してしまったが、まったく嬉しくない出来事であった……。

 

 ■

 

 三 初日の出ッ! お前ら、拝めッ!! 

 

 ■

 

 一切良い意味の無い“最凶コンビ”となってしまった俺とメドゥ子であるが、そんな事は関係なく時は進み日の出も間近となってくる。

 他の参拝客も日の出が見える所へと集まり出していた。

 

「相変わらずね~人間達って。ただの日の出観るために、よくこんな集まるわね」

 

 集まる人々の姿を見てメドゥ子が呆れた様子でいる。

 

「去年日の出奇麗だって言ってたくせに」

「うっさい。別にそこは否定してないわよ」

「わかってるよ」

 

 人間の習慣風習に疑問を持つのは、彼女に限らず星晶獣にはよくある事だ。

 覇空戦争と言う戦乱の中、人も星晶獣も自然の美しさを楽しむ暇も無かっただろう。もとよりそんな習慣も風習も無い星晶獣にすればなおさらの事である。

 戦争が終わりティアマト達のようにこの世界の島に根付き、あるいはガロンゾで出会ったノアのように各地を転々とする星晶獣であれば、人間の生活に馴染む事もあっただろう。だが人間との交流を避ける星晶獣の場合そうとはならない。何であれば敵対すらする事もある。

 メドゥ子の場合は後者だ。人間との交流をせず時にちょっかいを出していた。星晶獣である事を誇りとしており、人間と言う種族を下に見ている。その考えが変わったとは思わない、だが同時に変化していると俺は信じている。

 友であり家族、そして半身たるメドゥシアナとだけの生活では見えなかったモノが、今俺達との生活で見え始めているのではないだろうか。文句を言いながらも“騎空団”と言う人間の生活に馴染み生きているのだから。

 彼女以外の星晶獣もまたそうなのだろう。先程人間の風習に興味を持っていたゾーイが良い例だ。

 

「オイ、アッチデ甘酒配ッテタゾ。ホレ」

「お、サンキュ」

 

 手に二つのコップを持ったティアマトが現れ一つを手渡してきた。境内では温かい甘酒が参拝客のため配られている。

 

「冷える身体にしみるねぇ……」

「アルコールがあればもぉ~っと温まるにゃぁ~」

「マッタクダ」

「エンゼラ帰るまで我慢な」

 

 二人揃って“ブーブー”と不満げなティアマトとラムレッダ。これは変わり過ぎの例なんだろう。星晶獣(笑)は伊達じゃない──褒めてはないが。

 

「ぷは……っ! はぁ~……異国の甘酒も美味しいですねえ」

 

 他の団員も甘酒で冷えた体を温めていた。

 ミリンちゃんは、頬を寒さで赤くしながら、熱い甘酒を飲み吐息をより白く染めた。

 

「ミリンちゃんのとこは、甘酒の味が違うのかい?」

「そんなに違いはありませんが、拙者は夏に生姜を加えて飲むのが好きでした!」

「生姜を?」

「はい! 生姜を入れてサッパリとした味にするんです。暑い日でも美味しく飲めるんですよ!」

「へえ、良いね。今度真似しようかな」

「ござるっ! 是非とも!」

 

 ミリンちゃんもまた何か変わろうとしてるのだろうか。

 遠い故郷の島から一人見分を広めるため旅に出た侍少女。奇妙な縁で出会い噂で“奇天烈な”とまで言われる我が騎空団に入った彼女だが、果たしてちゃんと見分を広めれてるのか不明である。色んな島に行く度に楽しそうなので大丈夫と思いたい。

 

「団長っ! 日が昇って来たぜっ!」

「おっと」

 

 フェザー君の元気な声につられ地平線を見る。境内に灯された松明程度しか明かりの無い空間が、徐々に淡く照らされていく。

 大きく明るい初日の出が姿を現し更に世界を照らす。暗闇が無くなり、冷えた空気も温められる。この場に集まった人々も、思い思いの反応をみせていた。

 

「あぁ~~……この眩しさ、気持ちが洗われるようだ」

「初日の出ならではだね。新年の始まりに相応しい光だ」

 

 全身で浴びる日の光にありがたみを感じる。コーデリアさんの言うように、初日の出の光は新年に相応しい光だ。

 さっきのおみくじの結果さえ些細な事に思えて来た。

 

「……よしっ! 気分切り替わった!」

 

 おみくじは枝にも結んで来たしこれ以上気にしても仕方ない。

 

「心機一転! 運勢に惑わされず今年を良い年にしてやるぞ!」

「さっきまでへこんでた癖に言うわね~」

 

 初日の出に向かいながら、自身に気合を入れていたらメドゥ子がからかって来た。

 

「そう言うなよ、俺達揃って最凶コンビじゃん」

「そんなコンビ解散よっ!? 結成したつもりもないしっ!」

 

 まあ、俺も結成したつもりはない。

 

「で、どうする相棒? 先に参拝しちゃうか?」

 

 プリプリ起こるメドゥ子の拳を受け止めていると、B・ビィにこれからの事を言われ少し考える。ジータ達はまだ居ないようなので先に参拝を済ましてもいいが、俺はもう少しジータを待ってからでもいいだろう。

 

「みんなは先済ませていいよ。俺はもう少しジータ達を待っ──」

「おにぃ──ちゃんっ!! 明けましておめでっとぉ────うっ!!」

「うぶぇっ!?」

「ふげっ!?」

「団長殿ぉ──っ!?」

「うわぁ、メドゥ子ちゃ──んっ!?」

 

 聞きなれた声がしたかと思ったら、戦艦の砲撃かと思うような衝撃を背中に受ける。そしてそのまま俺は、前に立つメドゥ子に衝突、吹き飛ぶようにメドゥ子と共に地面へ倒れた。かなり強く倒れたので、ユーリ君とマリーちゃんが驚き叫んでいた。

 

「あ、兄貴無事かぁーっ!?」

「馬鹿野郎ジータ!? 新年早々また兄貴再起不能にする気か!?」

「そんな事しないよっ!? ……いや、“また”でもないしっ!?」

 

 そして少し遅れて駆け寄るのは、やはりビィやラカムさん等ジータ率いる騎空団の仲間達。去年の年始も彼女のタックルで始まったのを思い出させる。

 

「やはり最凶コンビ」

「気の毒コンビじゃのう」

 

 地面に倒れる俺達を見てB・ビィとのじゃ子は、納得したように頷いている。

 そう言えば結んだおみくじの【待ち人】には、“直ぐ来る、危険、背後注意”とあったのを思い出す。

 

「……おみくじって凄いんだな、メドゥ子」

「いいからっ! 退きなさいよ……! 重い……っ!」

 

 メドゥ子が腹の下あたりでウゴウゴもがいている。おみくじの凄さを感じつつ、ジータの変わらぬ元気な様子に呆れつつ少しホッとする俺だった。

 

 ■

 

 四 二大ビックリどっきり騎空団

 

 ■

 

「だ、大丈夫かよ兄貴?」

「すまねえ、お前さんの姿見た途端走り出して止められなかった」

「オ、オイゲンさん……いえ、お気になさら、ず……ぐぐぅ……」

 

 遅れて駆け付けたビィやオイゲンさんに助け起こされながら腰をさする。一瞬曲がっちゃ駄目な方向に曲がった気がしたが、多分大丈夫だったろう。

 

「あんたねぇ!? こんな人混みで、あんな速度で突っ込んでくるんじゃないわよ! 危ないでしょうが!?」

「はい、ごめんなさい……」

「ぶつかったのがアイツとアタシだったからよかったけど、普通の人間だったら無事じゃすまないからね!?」

「すみませんでした……」

 

 そしてジータは、衝突に巻き込まれたメドゥ子にお説教を受けていた。あと自然に俺を普通の人間扱いしてない、極めて遺憾である。

 

「そ、それより、皆さん……あ、あけまして、おめでとうございます……あいたた……」

「あ、ああ……明けましておめでとう……」

「えっと……ほ、本当に大丈夫なんですかっ?」

「こんな苦しそうな新年の挨拶初めてだわ……」

 

 困惑するカタリナさん、狼狽えるルリアちゃん、呆れるイオちゃん。すまねえ、こんな新年の挨拶をしてしまい。

 

「まあこんな調子ですが、なんとか夫々無事新年を迎えられて良かったです。そちらもお変わりなく?」

「ああ、ジータは始終あんな調子だが……つまり何時も通りだよ」

「元気に面倒事に首突っ込んで解決してるぜ。相手が帝国だろうと星晶獣だろうとな」

「うわぁい、ほんと何時も通りだ」

 

 苦笑するカタリナさんとラカムさん。あらゆる問題を勢いと物理で解決“出来てしまう”からなこの娘は。振り回されるカタリナさん達は、さぞ大変だったろう。とても申し訳ない。

 

「面倒かけて申し訳ありません……」

「気にしなくていい。結果的に彼女には、色々助けられているからね」

 

 誤魔化す様な様子も無く語るカタリナさん、きっと本心だろうと思う。ジータは本当に良い仲間に出会えた。ジータに振り回せれる団員には、申し訳ないと思いつつも仲間になってくれてありがたいと思う。

 

「そっちも変わりないようだな」

「ええ、まあ……変わりなくと言うか、何と言うか……は、ははは……」

 

 あまり変わらないのも困りものだ。

 

「とりあえず皆集まりましたし、参拝しますか」

「ああ、他の参拝客も更に大勢来るだろうからな」

 

 初めから参拝客は多かったが、日の出と共に更に増えていくのがわかる。カタリナさんの言うように、あまり混雑してくると移動も大変になってしまう。

 

「メドゥ子、その辺で良いよ。一応反省したろうから」

「一応じゃないよ、ちゃんと反省したよう……」

 

 しょぼんとしてるジータ、去年も俺にぶつかってるので流石に反省はしてるだろう。だがその上でこの娘は「こんどは大丈夫!」と謎の自信を持って行動する。あるいは単純に忘れてるのか。

 何であれ、来年は俺も忘れず用心しよう。

 

「そいで初詣終わったらエンゼラでいいよな? 去年と同じで」

「あ、そうだね。そう思って私達も持ってける料理作っておいたの」

「そりゃ助かる。なにせ人数多いからな」

「あと今年はね、シェロさんに頼んで臼と杵借りて来たよ! 皆でお餅つきしよう!」

 

 餅つきか、なんとも正月らしい響きがする。

 

「お餅つきでしたら拙者も! 故郷でもお正月には、よくお餅をついておりました!」

「臼を突くなら俺もやらせてもらうぜ! 拳でもいいぞ!」

 

 それなりに力仕事となる餅つきだが、だからこそやりたいと言う者もいる。気合十分のミリンちゃん、そしてフェザー君。特にフェザー君は疲れ知らずだ。つかせる場合突き過ぎないように注意した方が良いだろう、最悪餅を通り越し“糊”になってしまう。

 しかしジータとの会話をきっかけにこの後の予定で浮かれた調子になってくる。正月に二つの騎空団が揃っての宴会となると、それはもう盛り上がるので当然である。去年も実に愉快な宴会だったのを思い出す。

 

「ラムレッダ、今年も良い酒見つけて来たぜ。後で飲もうや」

「オイゲンさんのオススメ! それは期待大にゃ!」

「ラムレッダ殿、去年もそのような調子で飲み過ぎて、最後ジミー殿に怒られていたではありませんか」

「にゃっ!? それは……ほ、ほら? やっぱり、年に一度のお正月だし、にゃ? にゃは、にゃはは……」

「……」

「にゃあっ!? だ、団長きゅんが去年以上にゴミを見るような目で……っ!?」

「……ラムレッダ、去年もそうだが確かに正月なんだ。俺も飲むなとは、飲むなとは言わん」

「にゃ……はは? じゃ、じゃあ」

「言わん、がっ!!」

「にゃひっ!?」

「程々、程々にしなさい。ね? 頼むから」

「は、はひ! 気を付けます!!」

 

 俺は新年早々、またラムレッダの世話と“口からレインボー”の始末をするのは御免蒙る。

 だが、きっと……ダメなんだろうなあ、と俺は諦めていた。

 

「そう言えば、アンタ。ちゃんと今年の用意してるんでしょうね?」

 

 ラムレッダに呆れていると、今度はメドゥ子がよくわからない事を聞いてきた。まるで去年俺が何かを渡し忘れたような物言いだがまるで覚えがない。

 

「……なにを?」

「なにがじゃないわよ。アタシ知ってるのよ、“お年玉”の事」

 

 お年玉、その単語を聞いた瞬間俺に衝撃が走る。

 

「お、お前……どこでそれを」

「アタシだって人間の風習を調べる事だってあるのよ」

 

 “ふふ~ん! ”と胸を張るメドゥ子。一方俺は穏やかではない。

 俺とてお年玉の事は当然知っている。だが俺はうちの騎空団でその存在を無い事にしてきた。だってお金貰えるって知ると面倒臭そうな奴ら多いんだもん。そもそも俺はまだお年玉を上げる側の年齢ではないはずだ。流石に貰う側とは言わないけどもさ。

 

「お、お前別に金そんな必要無いじゃん……!」

「確かに人間のお金になんて大して興味ないわ。けど貰える物が貰えないってのもなんか嫌」

「……ダメです」

「なんでよぉ!?」

「お年玉は子供が貰う物です。偉大なる星晶獣が貰う物ではありません」

「あ、うぅ……」

 

 ヨシ、これでよい。子供が貰う事強調してやらぁプライドの高いメドゥ子のことだ、諦めてくれるだろう。

 

「ぉっとだんちょ!? ∑( ゚∀゚) それだとクロエ達ってぇ~ぉ年玉貰ぇちゃぅかんじぃ?」

「だったら~? アタシとカルバも団長より年下、よね~?」

「藪蛇ぃッ!?」

 

 うちの俺の年齢以下のメンバーが獲物を見つけた目をして俺を取り囲みだした。

 

「ええい、散れぇ!? 普段ちゃんと団員としてお金あげてるでしょーがっ!?」

「だとしてもお年玉は、正月最大の子供の楽しみよ! 団の長なら日頃頑張る団員に労いとして、配ってくれても良いと思うわ!」

「元々トレジャーハンターで自立しとる娘が何を言うか!?」

「団長はん! お年玉は、年齢立場関係無しで欲しいし貰えば嬉しいんやでっ!」

「……やっぱりアタシにも寄こしなさい!」

「大人あぁ──っ!?」

 

 ついにカルテイラさんまで混ざり出した。しかも彼女の言葉のせいで、思い悩んでいたメドゥ子が再びお年玉を寄越せと言いだす始末。畜生、さては楽しんでやがるな、畜生。

 

「うちの騎空団には、お年玉システムはありません! 以上ッ!! いいから参拝の時間だオラァ!」

「逃がすかっ!」

「確約させるまで参拝させないわよ!」

「囲め囲めー!」

「よくわからぬが、妾もお年玉とやらが欲しいぞ!」

「よくわからんなら欲しがんな!?」

「お兄ちゃん、私も欲しい!」

「混ざんなっ!?」

「ザンクティンゼルじゃ毎年くれてたもん!」

「今の立場ってもんを考えろ別騎空団団長ぉ!?」

「物でも可っ!!」

「喧しいわっ!」

 

 俺を取り囲むお年玉包囲網、それにもみくちゃににされながらも、正月全世界の父親達の苦悩が多いに分かった気がしたのだった。

 

 ■

 

 五 団の長二人

 

 ■

 

 お年玉包囲網から逃れなんとか参拝を済ませた俺達は、エンゼラで再度集まり新年の宴会となった。

 お互いに用意した料理に舌鼓を打ち、新年の御馳走を皆で楽しむ。酒を飲む者も多いため、直ぐにどんちゃん騒ぎとなって行く。

 俺は宴会中でも料理の追加や酔ったラムレッダの相手やらなにかと忙しいのだが、そうした中やっと一息付ける時間をみつけ、一人甲板で風に当たりに行った。

 気温は低く相変わらず肌寒いが、動き回り熱くなった身体にその寒さが心地よくも感じる。

 遠くを眺めていると、幾つもの騎空艇が島に近づいてくるのが見えた。日が高くなっても参拝客の足は止む事は無いようだ。きっと暫くこの調子で騎空艇が島を目指すのだろう。

 島の陸の方を見てみるとエンゼラからも見える場所で幾つか凧が上がっているのも見えた。大きく派手なデザインの凧もあるので遠くで見ていても中々面白い。

 

「あ、お兄ちゃんいた!」

「ん……ジータか」

 

 正月の風物詩と言える光景を眺めているとジータが現れた。

 

「何見てたの?」

「遠くでな、凧上がってんだ」

「あ、ほんとだ! 面白いね色んな絵の奴もあって」

 

 ジータは俺の横に立つと直ぐに凧の場所を見つけた。俺も見つけていたし確かに見えなくもない位置ではあるのだが、一瞬で凧の個々の違いまで“見えた”らしい。やはりただ者ではない。

 

「いいなあ、後で私達もやらない?」

「凧がねえよ」

「……お兄ちゃんが布で風受けて」

「絶対せんからな」

 

 なに自然と俺で凧上げしようとしとるんだこの娘。高いとこ最近苦手なんだよ、落ちるから。

 

「冗談だよう」

「本当だろうな……」

 

 割と本気だったきもする。

 

「しかし正月って大変だ……新年迎える前も後もやること沢山だよ」

「けどその分楽しいよ」

「楽しい、ねえ……」

「……楽しくないの?」

「……」

 

 “楽しくない”、そう否定できるわけがない。だって楽しいのだから。

 今日に限らず忙しいし大変な日々だ。きっと今年も大変な目に遭うだろう。借金も返済は先になるに違いない。そんなのおみくじを引かなくても分かっていた。

 だがそれでも、自分で選んで決めたこの空の旅、その中での出来事は、何時だって楽しかったと最後に思える。

 

「まあまあ楽しいさ」

「む、なんか素直じゃない」

 

 とは言え、素直にそう言う事言っちゃうつもりもない。迂闊にそう言う事言うとジータも他の星晶獣(笑)共が調子に乗る。

 

「さて、戻るかな。餅つきの準備もせんといかん」

「そうだ、お米の準備!」

「今から蒸せば丁度いいだろ」

「うん、早くしよ!」

 

 駆け足で船内に戻るジータ。もう頭は餅の事でいっぱいのようだ。

 きっと彼女こそ世界が楽しい事で溢れてるんだろう。誰よりも、俺よりも、人一倍外の世界への憧れを持っていたのだから。

 

「……なあ、ジータ」

「なぁに?」

「んっとな……確か街の市場にシェロさんいたよな」

「うん、まだお店いると思う」

「じゃあさ、餅食ってからでいいけど……凧売ってないか見に行かないか?」

「え!?」

「驚くこたぁないだろ……俺も興味はあるんだよ。嫌ならいいけど」

「嫌じゃない! 行く、絶対行く! 皆も誘おう、ルリア達も絶対やりたいって言うよ!」

「そうだな……うん、皆で買おう」

 

 楽しみは、多い方がいい。皆で楽しんだ方が良い。せっかくの正月なのだから。

 新春の一日、新しい年もこうやって楽しく過ごせる事を切に願う。

 俺も、ジータも、団員の皆全員で。

 

「楽しみだなぁ。一番おっきいの買おうね! お兄ちゃんごと飛べるようなの!」

「それだけは、マジで止めろ……止めろよ?」

 

 ──なお、新春の空はクソ寒かった。

 

 




今年初投稿となりました。
遅れましたが、あけましておめでとうございます。
なんにしても正月ネタをと思い書いておりましたら、正月どころか一月も過ぎ二月になってしまいました。
今年も投稿ペースはゆっくりになると思いますが、楽しく書いていきたいと思います。

もってくれオラの宝晶石……! ガチャ……10連だぁ!!
と言う具合に、溜めた石を使いつづけSSRラムレッダ。やっと素のラムレッダが見れましたね。その内素ラムレッダは、出してみたいものです。てか、強いねラムちゃん。
そしていつか、ルドミリアの新エピソードも来てくれるはず……! 彼女の素面も楽しみです。

ティラノサウルス……。団長君! 入団希望の闇属性ティラノサウルス君だよ!! ナイアルラトホテップ君と違ってSAN値は下がらないけど、空腹時の捕食行動には気をつけ――「お引き取り下さい!!」

団長を待ち受ける新たな星晶戦隊……!
刻印戦隊コセンジャーVS討滅戦隊ゼノレンジャーVS英雄戦隊エピックシックス
その正体とは……!? 立ち向かえ星晶戦隊マグナシックス!!
とかは、何時かやりたいものですね。

あと、また小ネタ入れようと思いましたが、後書きにいれる量じゃなくなったので、あとで別作品として投稿します。グラブル×ヨシヒコネタです。

それでは、今年もよろしくお願いします。

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