俺は、スーパーザンクティンゼル人だぜ?   作:Par

53 / 78
キャラ崩壊と二次創作独自の設定や解釈があります。ご注意ください。


飛び立てエンゼラ 編
ガロンゾ、苦労人が二人


 

 ■

 

 一 おひさしガロンゾ

 

 ■

 

「それで、もう一度聞くが……さらわれた先で魔晶で暴走した星晶獣と戦って、自分をさらった星晶獣と島で出会った幽霊娘を仲間にした後、よろず屋に頼まれた依頼を行いながら村娘を仲間にして、別の依頼で魔晶の事件が起きてまたもう一人仲間にして、やっとガロンゾに戻ってきた……と?」

 

 ガロンゾに戻ってきた俺達の前に現れた黒騎士さんとオルキスちゃん。その後港から落ち着いて話せる場所として、俺達の宿へと移動した。そこで俺は黒騎士さんと対面して今回の事を話す。

 

「その通りなんだよなぁ……」

「貴様冗談みたいな生き方しているな」

 

 冗談であればどれほど良かった事だろうか。もう俺は一生分星晶獣に出会って苦労してる。もうこんな事打ち止めだと信じたい。

 

「連絡もよこさず、何をしてるのかと思えば……」

「すみません、連絡をこいつに任せた私のミスです」

「だからそれは、あやま──いってえっ!? ごめんっさいっ!!」

 

 黒騎士さんの傍で立って控える漫才コンビ、ではなくスツルムさんとドランクさん。ドランクさんは、任された連絡を怠った罪で尻を刺され続けていた。

 

「まあスツドラさん達も俺に巻き込まれて忙しかったですので」

「お前その略し方二度とするなよっ!?」

 

 スツルムさんに凄い剣幕で怒られた。ドランクさんと一纏めは嫌だったらしい。

 

「まあいい。なんであれ戻って来たのならそれでいい」

「いやあ、ご心配おかけして申し訳ない」

「貴様自身の心配などしていない。貴様が居なければ我々はガロンゾから出れんのだ」

 

 わかっちゃいたが言い切られてしまった。絶対零度の視線が俺を突き刺す。

 

「当然ミスラの契約は生きている。お前と違い、人形は島から出る事は適わず足止めは続いている。早々に艇の修理を済ませろ」

「俺に言われましても……」

「わかってる。ただ文句の一つも言いたいだけだ」

 

 文句言っていいならこっちも色々言いたいのだが……。しかし切りがなさそうなので、ここはグッと言葉を飲み込んでおく。

 

「この後艇を確認はするのだろうな?」

「当然です。九日も不在だったんですからね。どうなってるか直に確認したい」

 

 なにやらカルテイラさんの言い方から妙な胸騒ぎを覚えないでもないが、とにかく今日のうちにエンゼラの現状と改修日程の確認を済ませたい。通常であればまだまだ時間のかかる工程のはずなのだが……。

 

「この際なんでもかまわん、早く終わるようお前も何とかすることだな」

「ずいぶんと無茶言うなぁ……」

「常日頃星晶獣相手にしている人間が何を言う。無茶でも可能にしてみろ」

 

 したくてしてるんじゃないんだよ俺ぁ。

 

「過大評価ってもんじゃないかなぁ。そりゃまあ……俺に出来る事がありゃやるだけやってみますがね。俺だって困ってるわけだから」

「そうしろ。それと、だ……」

「はい?」

「いい加減その手を止めろ」

 

 その手、とは俺の手である。俺の手は絶賛茶菓子に出したクッキーを手にとっては黒騎士さんの隣に座るオルキスちゃんの口へと運んでいた。

 

「はむはむはむ……」

「……駄目ですか? かわいいですよ」

「そういう問題じゃない、餌付けるな。人形が調子に乗る」

 

 胃に負担をかける内容の会話を癒し効果で緩和するため、オルキスちゃんにクッキーを食べさせていたが、やっぱり駄目だったようだ。

 

「あの小娘と出会ってから変な影響を受け、その上貴様に出会ってからもどんどん調子に乗っている。これ以上こいつに変な影響を与えるな」

「俺は近所に住む不良かなんかですか……」

 

 ジータはともかく、俺はオルキスちゃんに飯おごったぐらいしかしてないのですが。それだけで影響受けるってなにさ、多感な年頃にしても多感すぎやしないか。けど保護者が言うならしかたない。

 

「オルキスちゃん、あと包んで持って帰っていいよ」

「やった……」

 

 オルキスちゃんは、小さなガッツポーズを見せた。可愛いなぁ、このう。

 

「……貴様、そういう事をするからあんな噂が立つのではないか?」

「子供を愛でる事に貴賎は無いっ!」

「そう言うとこだぞ」

 

 すごい深いため息をはかれた。黒騎士さんと出会ってから一番距離を遠く感じる言葉だった。

 

「……我々はもう帰る。艇の件は早めに何とかしろ、次に会うのはそれからだ」

「あい、まあ自分もがんばります」

「戻るぞお前達」

 

 黒騎士さんが立ち上がり部屋から出て行く。スツルムさん達も続き、帝国の戦艦へと戻る。

 

「んじゃまたね団長君、なんも手伝えないけど艇の修理が速く終わるよう応援はしとくからねぇ~」

「……まあ、なんだ。あまり気負うなよ。お前の場合余計面倒になる」

「お兄さん……またね」

 

 スツルムさん達もそれぞれ言葉を残しさって行く。小さな手を振るオルキスちゃんの姿は、即心のアルバムにしまう。

 一先ず帝国との面倒は、一時的であるが落ち着いたと言う事にしておこう。次はエンゼラの事なのだ。

 

 ■

 

 二 エンゼラ、Lv9にワープ進化するってよ

 

 ■

 

 カルテイラさんから聞いたエンゼラの現状については「改修作業は順調だし、問題は無いがちょっと面倒にはなってる」と話す。これ俺が一番嫌いなパターンじゃないだろうか。

 具体的な状況を聞いたが見た方が早いと言われ、カルテイラさん達と早速親方さん達とエンゼラのある中央船渠へと向かう。

 

「それで、修理中って言う艇はどんな騎空艇なのかしら?」

「エンゼラっだっけ? なんか名前がカワィィ感じするぅ(´∀`艸)♡」

 

 そして着いてくるのは新メンバー達。

 

「もうバラ組み直しだしたって話だからな、骨組みだけで外観はわかんないかもよ」

「それなりに大きい艇なんだろう?」

「普通にどっかの騎空団が使ってた中古だからね。うちは星晶獣いるからそうでもないけど、普通なら数十人の騎空団には広すぎるぐらいだよ」

「だとしても広いのはうれしいのう」

 

 今後乗る事になる艇を見ようと和気藹々と移動するフェリちゃん達。

 そんな彼女達を見ながらも、俺は俺で妙な不安があった。

 

「見た方が早い、って言う状態ってなんなんですか」

「作業を止めず、同時に計画が二転三転してるっちゅー感じやな。別に借金増えるとかそういう事は無いから安心しぃ」

「あってたまるか」

 

 300万を超える借金なのだ。日に日にシェロさんの笑みが増してる気がするこの頃、これ以上増えてたまるものか。

 

「強いて大きな問題っちゅうなら、巨大ドリルが取り付けられそうになったのが一番のハイライトやな」

「何でっ!?」

「知らんわ。おっちゃんに聞き」

 

 ドリル? 何故にエンゼラにドリルを? ドリルは良いとしても、何故騎空艇にドリル?

 

「いいじゃねえか相棒。いっそドリルでもありゃうちの騎空団らしいぜ」

「いいわけあるかっ!? なんだドリル搭載型騎空艇って!? 予算オーバーだよっ!」

「そこか相棒」

 

 一番はそこだよ馬鹿野郎。

 

「お腹痛い……引き返したくなってきた……」

「まあそれ以外はそんな心配せんでええって。それよりあんた、誰よりもユグドラシルが一生懸命がんばっとる。その仕事ぶりはしっかり誉めたり」

 

 俺達がガロンゾに到着した時、俺を迎えたユグドラシルは早々に作業へと戻った。何か使命感溢れる顔の癒し系頑張り星晶獣は、今も俺達のために頑張っているのだ。

 

「なんかご褒美考えないとな」

「それがええわ」

 

 ユグドラシルは食べるのは勿論だが、特に飲み物が好きだからな。なんか甘いノンアルコールのカクテルでも作ってあげるかな。

 ユグドラシルへのご褒美をあれこれ考えながらエンゼラがある中央船渠内へ入った時、幾つも並ぶ修理や完成を待つ騎空艇の中最初に視界に入ってきたのは巨大な艇の骨組みだった。肋骨のように並ぶ騎空艇の骨組み。まだフレームだけの艇であるがその巨大さに圧倒される。

 

「大きい艇だなぁ。完成すればさぞでかい艇になるだろうねえ」

「何他人事みたいにゆーとんねん」

「え?」

「これや、これ」

「ん?……これ?」

「そう、これや」

「…………え、これ!?」

 

 カルテイラさんが目の前の骨組みを指差した。最初何を言っているのかわからなかったが、場所と状況からこの目の前の骨組みこそがエンゼラであると察する。

 

「団長さん若いのに随分大きな騎空艇手に入れたのねぇ」

 

 そうコルワさんは感心しているが、しかしこれフレームからして俺の知ってるエンゼラじゃない気がするのですが……。

 

「いやいや、これ……え? カルテイラさん?」

「安心し、値段は変わらんから」

 

 いやそれも重要だけど。重要だけどもね?

 

「俺が思ってたのより大きくなってる気がするんですが……」

「まあ船大工と星晶獣が無駄に本気出した結果やな。詳しくはあっちに聞き」

 

 カルテイラさんが指差す方向。そこには数段積まれた運搬用パレットの上にねっころがりながら休憩する親方さんの姿があった。

 あちらも俺達に気がついたようで、ひょいと身軽に飛び起きると俺達の方へと駆け寄ってきた。

 

「無事だったか坊主! よく戻ってきたなぁ!」

 

 ドラフらしい力強さで、バンバンと俺の肩を叩き親方さんは豪快に笑った。

 

 ■

 

 三 艇を編むドラシル

 

 ■

 

「坊主がさらわれてから本格的になった改修作業を繰り返すうちに、もう色々と楽しくなっちまってな」

「船体自体の拡張性高めて、好みでアタッチメント追加できるようにとか考えちゃったよ」

「まあ実際にそうしたんだけどな!」

「しちゃったねぇ」

 

 あっはっは──と、笑う親方さんと久しぶりに出会う星晶獣ノア。

 

「いやいや、そんな暢気な。これもう改修じゃないでしょう。実質新造じゃないっすか」

 

 職人の腕が疼いたのか、それとも艇造りの星晶獣の本能か知らないが、聞けば予定通りの作業を進め、そしてユグドラシルが本格的に作業へ参加してから色々予定を変えたり、手を加えだしたらしい。

 ガタイの良い星晶獣が居るから通路とか部屋を大きくしようか──と言うのは、当初の要望にも確かにあったが、そこから「じゃあ船体もっとでかくするか」となり「いやまだデカくできるな」となって「いやいや、これまだデカくできるな?」といって「うーん、もう一声!」と言う流れがあったそうな。

 エンゼラは中型騎空艇の中では、比較的小型の騎空艇になる。ジータ達の乗る騎空艇グランサイファーが凡そ200mで、エンゼラはその半分ぐらいだが目の前のエンゼラは、おそらく可住スペースとなる骨組みだけでも150mはあるように見える。これに気嚢やプロペラが追加されると、ほぼグランサイファーと同等の大きさの騎空艇になるのではないだろうか。

 改修ってレベルじゃねえぞ!

 

「気嚢は何も問題は無いからそのまま使う。そんで以前に話した通りプロペラは追加する。3基付けて計6基になる」

「重量は増すけどプロペラを増やして推進力増せばとんとんってところだね。主翼や他のマストも大きくするし」

「さいですか……」

 

 やたらと輝く笑みの二人。楽しくて仕方が無い、と言った風である。

 

「なんせ星晶獣の作り出した材木で作れるんだ。こんな面白いこたぁねえ」

「ユグドラシルが大活躍だよ。彼女が居なきゃここまで早く進んでない」

「────!」

 

 と、べた褒めされるわが騎空団きっての癒し筆頭。頬を染め照れている、かわいい。

 

「木材の確保がこの敷地内で出来る上に質も最高級だ。この後の作業で床や壁なんかも取り付けるが、俺達の意図通りの木材作ってくれるんで、組み立ての時もむらの無いように接合できる。すげえもんだよ、まったく」

「この規模の改修になると、普通なら倍以上に値段が上がるよね」

「ヒエッ!?」

 

 ノアが心底恐ろしい事を言った。途端に心臓が飛び跳ねる。

 

「安心して、君達の改修計画の契約は生きてる。値段が変わることは無い、これもユグドラシルのおかげだよ」

「っまえ、お前……ほん、ほんとそう言う洒落にならない冗談でもなぁーっ! お前ーっ!」

「はいはい、落ち着き団長」

「ノア、相棒は余計な出費には敏感だから勘弁してやってくれ」

「あはは……ごめんよ。脅かすつもりは無かったんだけど」

 

 飛び出してないよね俺の心臓? 床とか落ちてない? マジで勘弁だぞ、俺の心臓は金銭関連の事となると簡単に止まりかねないからな。

 

「とは言え、この方法もユグドラシルが仲間に居る君達だからこそ……ある意味反則だね。これが当たり前になると面倒になるし」

「面倒?」

「団長、団長」

 

 ノアの言う事に首を傾げると、ちょいちょいとカルテイラさんが俺の肩を突いた。

 

「よー考えてみ? 木材に限らず“商品”ちゅーのは専門の問屋や小売業者が卸すもんや。それも木材なら木を植えた土地の所有者、その木を刈るとこ、加工するとこ、卸すとこ……色んな人間が関わるわけや。けどユグドラシルは別や、その作業殆どを一人で完結しとる。しかも最高級の材木を理想的な形でほぼ無尽蔵に生み出す。こんなんが当たり前になってみ、他の商人にしたらたまったもんやないで」

「な、なるほど……」

「まあ精々君達自身のためだけに使える手段だね。一つの騎空団が使う分には問題ないだろうし」

 

 言われてみれば確かにその通りだ。実は内心ここまで褒められるユグドラシル産材木ならば、今後商売として売っても良いかなと密かな野望を抱いていたのだがそうもいかないな。最悪客を取られた他の業者から恨まれる。

 そして冷静に考えれば別に俺は木材・材木専門の業者になりたいわけではない。俺は至って普通の騎空団の団長なのである。この考えはもう捨てておこう。

 

「じゃあ……コルワさん達は何かご要望あります?」

「私達?」

 

 要望を聞かれるとは思わなかったのか、エンゼラの完成予定図を見ていたコルワさん達がキョトンとした。

 

「今なら多少の要望は通るらしいんで」

 

 ちらりと親方さんを見ると、肯定するように親方さんは頷いた。

 

「普通なら勘弁してほしいが、散々話が出た通り星晶獣の嬢ちゃんの力を借りた今回は特別だ。元から人数のわりに部屋余ってるしな。限度はあるが部屋の位置だとか、間取りの変更なら今でも変えれるぜ」

「それなら……一つ被服室とかに出来ると嬉しいのよ。仲間になる時には、部屋さえあれば、なんて言っておいて申し訳ないのだけれど、やっぱり専門の部屋があれば助かるから。もちろん道具とか必要な設備の費用は私が出すわ」

「ぁっ! んじゃぁさ~クロエ日の入る化粧部屋欲しぃヽ(^∀^ )ノ! やっぱメイクとかってぇ、暗ぃ部屋じゃ無理、サゲ。クロエぉ日様リスペクトだから、わら」

「わ、私は特にないから。部屋をくれるだけでもありがたいし」

「わらわは美味しい物沢山食べたいのぉ~」

「そういう事聞いてんじゃないんだよ」

「のじゃっ!?」

 

 食欲から来るただの願望を言った一名にはでこピンを食らわせておく。

 

「そのぐらいなら大丈夫だろう。たいした変更もしなくていい」

「拡張性高めておいた甲斐があったね。やろうと思えば完成後も一部部屋の移動とか出来るし」

「あとドリルも付けれるぞ」

「ドリルはもうええっちゅうねんっ!?」

 

 また、あははと笑う二人にツッコミを入れるカルテイラさん。きっと九日の不在の間、続いたやり取りなのだろうなぁと俺は思った。

 

「……なんであれ、順調であるなら助かります。ドリルは別にいらないですけど」

「いらねえのか……良いんだがなぁ、ドリル」

 

 この人のドリル愛はなんなんだろうか。不恰好だろうに、どう考えてもエンゼラにドリルは。

 

「それじゃあ確認も出来たし俺達戻ります。残りの作業もどうかお願いします」

「いや、ちょっと待った」

 

 これ以上俺達が居ても意味は無いだろうと思い、船渠を後にしようとしたが何故か親方さんに引き止められる。

 

「何か?」

「一つ、気になることがある。お前らの騎空団で艇の修理が出来る奴はいるか?」

「艇の修理?」

 

 突然の質問であった。どう言う意図かわからないまま、俺は頭の中で騎空艇の修理が出来る人間を自然と検索するが特に思いつかない。強いて言うならばザンクティンゼルでは結構日曜大工をしてた俺と今造船に関りだしたユグドラシルだろうか。

 

「特に居ませんね。小さい家建てるぐらいなら俺出来ますけど」

「ほう? じゃあやっぱりお前さん木を扱う心得が多少はあるってわけだな?」

「……ん、ん? まあ、はい……え? やっぱり、って……ぅえ?」

 

 何故だろうか。親方さんの視線が爛々と輝き俺を見る。

 

「星晶獣の嬢ちゃんから聞いてな。一度お前さんと星晶獣の嬢ちゃんだけで艇の修理しようとしたんだって? そいで、ちょっとばかり思いついたんだが……」

「あ、あの、あの……なにを、何故肩に手を……」

「まあまあ、もうちょっと聞いてけや、な?」

 

 助けを求めるようにカルテイラさんとB・ビィに視線を向けると、どこか哀れむようで「予想してたよ……」と言わんばかりの視線。慌ててユグドラシルを見ると、笑みを浮かべて小さく手招きをしていた。

 

 ■

 

 四 ジョブチェンジ(ガテン系)

 

 ■

 

「え? 団長残ってきたの?」

 

 中央船渠から戻って来たB・ビィ達。だがその中に団長の姿は無かった。

 宿でカルテイラ達を出迎えたメンバーは、団長の姿が見えない事からまたぞろさらわれでもしたのかと身構えたが、直ぐにカルテイラが「心配せんでええ」と落ち着かせる。

 宿の部屋に集まり話を聞けば、団長はユグドラシルと共に中央船渠のエンゼラ改修ドッグへと残ってきたとの事。

 なんでまた、とマリーは思った。

 

「あっちでなんかあったの?」

「別になんも。団長にすれば面倒かもしれへんけど、まあたいした事無いわ」

「その“たいした事無い事”ってのはなんだよ?」

 

 カリオストロが先を急かす。するとカルテイラは思わず失笑した。

 

「今の団長は“船大工見習い”や」

「は?」

 

 予想した答えではなかったのだろう。カリオストロだけでなく、他の団員も似たような反応を見せた。

 

「まあそう言う反応になるわな。おっちゃん急に言い出すもんで、うちも魂消(たまげ)たわ」

「しかし何がどうしてそうなったでありますか……」

「理由としちゃオイラ達の中に“艇の修理できる奴がいないから”だな。応急処置は出来ても、長い移動に耐えれる様な修理技術を誰も持ってねえ」

「それで彼にその技術を?」

「ま、そーゆーこっちゃ」

 

 実に急に決まった事だ。と、誰もが思う。しかし団長に関して言うならば、あらゆる事が何時も急に決まってるので珍しい事ではない。

 

「だとしても大丈夫でしょうか。改修の工期がどれ程かまだわかりませんが、船大工のような専門職の技術を短い期間で覚えれるのか……」

 

 騎空艇は空の世界に無くてはならない移動手段であり、あるいは騎空団にとっての家、そして家族である。その騎空艇を作るこの世界の船大工とは、実に重要な仕事だ。そう簡単になれるものでもない。ユーリはそのような仕事を急に覚える事になった団長を心配した。

 

「大丈夫だろうな」

「一週間モアレバ腕ノ良イ船大工ニナッテルンジャナイカ?」

 

 だがマグナシックス達ザンクティンゼルからのメンバーは特に心配していなかった。

 

「主殿は短期間での詰め込み式修行に関して天才的だ。主殿の師匠である人物が言っていたが、絶えず水を吸い続ける布と言っていい。”技”と”知識”と言う名の水に漬ければその水を吸い上げる布、そう言う才能なんだ、あれは」

「使い続ける限り腕は衰えない所か上達する一方ってわけか……坊主も何だかんだで大概だな」

「本人は無茶ぶりばかりされると不満げだがな」

 

 教えれば教えるほど面白いように技術を会得していくため、教えるのが好きな人間にとって団長は非常に魅力的だ。更にどんな無茶苦茶な注文も文句を言いながら、最終的に応えてしまうと言う団長の性分もあってか余計にそんな人間が寄ってくるのもあるだろう。

 

「エンゼラに錬金術の研究室ができたら教えてみるか……。面白い仕上がりになるかもしれねえなぁ」

「あ、あんまり無茶させないようにね……?」

「錬金術特化じゃないとは言え、あれだけの才能だ。ポーション作れる程度じゃ勿体ねぇだろ?」

 

 カリオストロもそんな人間の一人なのかもしれない。以前仲間になった時に聞いた「ポーションしか作れんし、錬金術師になる気は無い」と言う団長の発言、しかし磨けば団長は優秀(または愉快)な錬金術師になるだろうと彼女は考えている。

 

「なぁに心配すんな……世界で一番可愛いカリオストロが、手取り足取り教えるんだから団長さんだってうれしいはずだもんっ☆」

 

 他にも何か思いついたのかカリオストロは、可愛いくしかし邪悪とも取れる笑みを浮かべ、今後訪れる団長への更なる無茶ぶりに涙するセレストであった。

 

 ■

 

 五 一方その頃、団長は

 

 ■

 

「無茶振りの予感っ!?」

「急にどうしたのさ」

 

 背筋に走った悪寒とも取れる何かに怯える。そんな挙動不審な俺を見てノアはちょっと引いていた。

 

「いや、何か追々面倒な事やらされそうな気がして……」

「君そんな事ばかりだねぇ」

「言うな……」

 

 こんな時の予感、特に悪い予感は大抵当たる。畜生め。

 

「それより、ほら。手が止まってるよ」

「わかっとるわい」

 

 ノアに急かされ手を動かす。手に持つのは両刃鋸。それを使って木材を切っていく。

 なんだって俺がこんな事せにゃならんのか。

 

「おかしいっ! これは団長の仕事じゃないのではないかっ!?」

「当然のように仕事出来ちゃうからからじゃないかなぁ」

 

 木材加工を行いながら嘆いていると、その様子を見ていたノアが若干困った笑みを浮かべて言った。

 

「だって……やってみろって言うから」

「そこでやっちゃうし、出来ちゃうからなぁ君は」

 

 あはは、とノアは暢気に笑った。

 カルテイラさん達を交えエンゼラの今後の話も終わって帰ろうかと思った時、親方さんに引き止められた俺は「船大工の技覚えろ」と半ば強制的に残らされた。

 訳が分からぬままに作業着に着替えさせられると、改めて親方さんに説明される。何かと思えば今後の旅で必要となる知識と技術を持つ人材がいないと言う点を指摘された。

 即ち艇の専門家。造船に携わる者が持つような専門知識と技である。

 ただ木を打ちつけつなぎ合せるような応急処置しか出来ないのでは、今後更に過激なメンバーが増える事が予想される旅にエンゼラがまた持たなくなるだろう──と言う、俺が居ない間改修作業に関わっていたユグドラシルの不安があっての提案であった。

 過激なメンバーが増える事は勘弁願いたいが、今後の旅に多くの困難がある事はほぼ間違いない。空の旅、騎空団の活動とはそう言うものである。

 そこで誰にその知識と技術を覚えてもらうか。と言う話が、親方さんとノアとユグドラシルの三人の中で持ち上がったらしい。

 一人目は本人の立候補もあり、まずはユグドラシルだった。今回の改修で最初から関わり、木材の提供から加工にまで携わる人物改め星晶獣。必要な知識と技術を覚えれば、今度こそ生み出した木々を利用した船体の修理も可能になるだろう。そして後もう一人はそんな人材が欲しいとなった時、ユグドラシルは真っ先に俺の名を上げたそうだ。なんでじゃい。

 曰く、短期で何でも覚えれる万能タイプなら団長がベストと言う厚い信頼によるものとかなんとか。

 実際問題、騎空艇の修理がキッチリ出来る人間は必要だろう。そしてここでこのユグドラシルの提案である。それを聞いたB・ビィとカルテイラさんも「確かに」と頷いて俺に向かって「ファイト!」とどこか軽~い激励を送って帰ってしまった。ちくしょうめ。

 そんな訳で俺は親方さん達の下で急遽船大工の修行である。無茶苦茶である。

 行き成り本格的な作業に混ざるのではなく、簡単な木材の加工等をやらせてどの程度道具が扱えるかまず様子を見ると言う事で俺は鉋やら鋸やらをさっきから使い続けている。

 鉋をかけたら、思いのほか上手くできてしまい、「お、団長さん上手いもんだね」と言われる。

 次に釘打ち作業なんかに混ぜてもらったが、またも思いのほか上手く出来てしまい「上手くやるねぇ……たまげたなぁ……」と言われる。

 何あっさり出来てるんだ俺は……。

 

「己の器用さが恨めしい……」

「君の場合、文字通り器用“貧乏”になるのかな」

「貧乏はいらねぇいっ!」

「おっ! 坊主もうノルマ終わったのか?」

 

 叫びと共に木を切り終わると、通りかかった親方さんが話しかけてきた。言われて気がつくが、今出来上がったものでノルマは達成している。諸々の感情をエネルギーにして作業してたら自分でも気がつかない内に終わってしまったらしい。

 親方さんは俺が切り終えた木の山から一本材木を手に持って切り目を観察した。

 

「ほうほう……切り目がこれでもかってぐらい滑らかだ。マジで鋸でやったのか疑うレベルだ。いやぁ星晶獣の嬢ちゃんもだったが、坊主も想像以上だな。どの程度の腕か見ようと色々作業させたが、どれもこれもこなしやがる」

「あっはっは……何でですかね。自分でもびっくりだな……」

「だがおもしれえな。短い間でもどんなもんになるか」

 

 親方さんからザンクティンゼルのばあさんと似た何かを感じる。これは恐らく俺のような若造に技を仕込むのを楽しみにしてるタイプのあれだ。

 

「なんならお前さんだけで、小型の騎空艇ぐらい作れるようになってもいいかも知れねえなぁ」

 

 この親方さんは、俺に何を期待していると言うのか。俺はただの騎空団の団長である。メカニックでもアーキテクトでもない。

 

「だが覚えて損は無い知識だぜ?」

「そりゃ、まあそうですけども……」

「それに小型の騎空艇は中々面白いぞ。あれも立派な騎空艇だ。“走艇”なんか観るのも楽しいからな」

「走艇?」

「知らねえのか? スカイレース用の小型騎空艇の事だ」

「スカイレース……」

 

 エンゼラ以外の騎空艇にまともに乗ったことも無い俺なので、そんなレースがこの空にあるとは当然知らなかった。走艇と言うのも説明を受けるがあまり想像できない。

 

「ノアは知ってんの?」

「まあ一応。開催される公式レース全部見る程度には」

「普通にファンじゃねーか」

「そこはほら、僕艇造りの星晶獣だし」

 

 それ関係ある? と思わず言ってしまう。絶対個人的に好きなだけだろう。

 

「世界各地でレースはあって、年中どこかで盛り上がってるからね。島々を放浪してると、何かと観戦機会は多いのさ」

「あっそう」

「おっと興味無さげだな。一度観てみろ、面白いから。特に年に一度のPSC! あんな熱いレースは他にねえぜ!」

「あれは凄いね。走艇と人が正に一体となった何でもありのレース。僕も思わず熱くなるよ」

「噂じゃあ今年マッディーが戻るとか聞くな」

「元チャンピオンがかい? それはまた、荒れるレースになるね」

 

 知ってるもの同士熱く語り合う二人。そして置いてかれる俺。まあ楽しそうで何よりである。

 

「まあレースって言うなら熱狂する人も居るでしょうがね。興味も無いわけじゃないけど、俺ぁ今んとこ艇やら借金の事で頭一杯なもんで」

「そりゃあ残念だ」

「もしその内観る機会があれば観ますよ。それより、やるなら次の作業教え──」

「そう言えば今年のPSCの賞金かなり凄いらしいね」

「それよそれっ! 驚きの7億ルピッ!」

「なのんおっくッピ!?」

 

 耳を貫く突然のお金の話、驚愕の億単位。自分の脳内が一気に“ルピ”で埋まるのがわかる。

 

「どうしたの団長さん。なんか凄い声出してたけど」

「……その賞金は、優勝賞金なのですか?」

「ああ、そうだぜ?」

「優勝……7億……ッ!」

 

 借金返済余裕どころでは無い……そんな額があったらもう……もうっ!

 

「走艇ってお幾ら万ルピなのでしょうかね!?」

「坊主が急に食い付いたぞ、しかも出場する気だ」

「──」

「ああ、お金が関わるから……」

 

 ユグドラシルが控えめにノア達に耳打ちしている。内容は大体想像がつく。

 

「だが、質問に答えるなら……ピンキリだな。ただ記念にレースに出ますなんて言うなら数十万で済むが、上位入賞どころか、まともな勝負だって出来ねえだろうよ」

「だね。勝負したいなら最低でも数百万の走艇買わないと」

「うぐ……っ。ハードル低い所で数百万……」

 

 予想以上のお値段に驚く。普通の騎空艇買うより高くならないかもしかして。

 

「文字通り“走る”事を意識した騎空艇だからな。むしろ下手な騎空艇より値段かかるぜアレは」

「極力軽い特殊素材、空気抵抗を考慮したウィング、人によっては妨害用の攻撃のギミックも入れるし……何よりエンジンだよ」

「機体に幾ら金つぎ込んでも悪いなんて事無い世界だからな。更にメカニックとか人件費もかかる。それこそ本当のプロになってくると……エンジンだけで数千万、いや数億」

「この話無しで」

「食い付きも急なら諦めも急だな」

 

 俺には縁のない話だったぜ。出場のための走艇買うだけでそんな金額かかるんじゃやってられん。優勝の保証も無く、俺の場合最悪借金が膨れる結果になるだけだ。じゃあな、スカイレース。

 

「今は真面目に船大工の技を学ぶ事にします」

「言葉が出て来る経緯があれだが、その言葉自体は嬉しいぜ。さあ次の作業を覚えてもらうぞ!」

「────!」

 

 ユグドラシルが「おーっ!」と両腕を上げて気合を入れていた。

 スカイレースには縁が無さそうだが、俺には彼女の笑顔が見れるだけ幸運と言う事だろう。それに宿戻ったらフェリちゃん達がいる。また頼んでジジやニコラ達モフらせてもらおう。そう思えばやる気が出てくると言うものだ。

 頑張れ、俺。

 

 ■

 

 六 更に、一方その頃、苦労(くろ)騎士は

 

 ■

 

 団長達の帰還によって、多少なりとも不安と苛立ちが和らいだのを黒騎士は感じてた。根本的な解決には至っていないが、少なくとも来るはずの連絡が来ない苛立ちを感じなくて済む。

 スツルムとドランクは既に好きに休むように言ってあるが、恐らく連絡を怠ったドランクへの説教は続いているだろう。どこからか尻を刺されたドランクの悲鳴も聞こえてくる。悲鳴を聞いた帝国兵は「おっ! やってるね!」などと笑い、今ではその日に何度悲鳴が聞こえるかの賭けが行われるほどになっていた。

 そのような帝国兵の風紀の乱れを知る事無く、黒騎士は執務室の椅子に座ると深く深くため息を吐いた。

 悩みは残っているのだ。団長の事はもちろんだが、人形──オルキスの事。脱走癖がついたオルキスだが、黒騎士も常に傍に居る事は出来ない。そのため先日の脱走後部屋の警備を強化し常に扉の前に兵を置くようにした。

 日に日にやんちゃ具合が加速するオルキスに黒騎士は頭を悩ました。

 前までこんな風じゃなかったのに……と、最近同じような事ばかり黒騎士は考えている。見張りを強化した時など思わず「逃げれるなら逃げてみるがいい」と柄に無い挑発をしてしまった。しかも子供相手にである。そのため後で自己嫌悪に陥ったりもしていた。

 最近ではどこかパートナー不在気味の家庭で、子育てに悩む親の様な雰囲気さえ出している。それを本人も自覚しており、そんな家庭環境に覚えがあるのか余計に苛立っている。

 それが原因でこの所帝国兵からは妙な印象を抱かれており、「最近、黒騎士様何て言うか、人間味出てきたよな」とか「ほっとけない感じしてきたよな」とか、更には「なんか実家のお袋思い出すんだよ……」「俺は姉貴かな」とか言われている。幸いにもまだ本人の耳には届いていない。

 今にも「こっちにおいで」とまた団長の幻が苦労人ポジションへ誘いに現れそうだったが、幻影が現れるよりも先に執務室の扉をノックする音がした。

 

「入れ」

「はっ! 失礼いたします!」

 

 黒騎士の許可を得て部屋に入ったのは一人の帝国兵であった。鎧は他の帝国兵と同じであるが、彼は主に偵察で得た情報を黒騎士に報告する任を受けている。

 

「何があった?」

「あの団長がまた妙な事を始めたため、一応ご報告に」

「……戻ってきて早々にっ」

 

 もう暫く阿呆な報告は無いと思っていた矢先であった。

 

「今度は何だ? また星晶獣か? 次はどこに連れ去られた、アウギュステか? バルツか? それとも瘴流域でも越えたか?」

「あ、いえ。今回はそう言うものでは……」

「ではなんだ?」

「それが、どうも職人に誘われ自ら騎空艇の改修作業に加わるらしく……」

「……あいつが自分でか?」

「そのようです。率先して、と言うわけではなかったようですが」

 

 背もたれに背を当てて呆れ返る。確かに半ば冗談で「何とかしてみろ」とは言ったが黒騎士もまさか本当に団長自ら改修作業に参加するとは考えていなかった。

 

「なんなんだか、あの男は……」

「いや、まったく」

 

 ともあれ自分には関係の無い話である、と黒騎士は呆れはしたが特に気にはしなかった。何があったかは知らないが、それで改修が早く終わるのであれば悪い事ではないだろう──そう思う事とした。

 

「ご苦労だった。戻っていい」

 

 これで少なくとも今日は気を休める事が出来るだろう。黒騎士は改めて椅子に腰を落ち着かせた。

 

「ご報告します! “人形”殿が脱走いたしました!」

「────っ!?」

「ああ、危ない!?」

 

 そして部屋に慌てて駆け込んできた二人目の兵の報告を聞き、そのまま後ろに倒れそうになる。だがそこは腐っても七曜の騎士、見事バランスを取って転倒を回避した。

 

「っう──っ!! 見張りは何をやっていた!?」

「そ、それが……家具を倒し大きな物音を立てた後、不審に思った見張りが鍵を開け中に入った瞬間死角から飛び出て鍵を奪い、見張りを部屋に閉じ込め自分はそのまま……!」

「脱獄王にでもなる気かあいつはっ!?」

「見張りの者には、ピースしながら「今日は前より頑張る」とだけ言い残しそのまま」

「何を頑張るだ、なにをっ!!」

「何をと、言うなら……」

「わ、我々との逃走劇でしょうか……」

「ふ、ふ……ふざけろっ!!」

「ですよねっ! 申し訳ございませんっ!!」

 

 恐らく黒騎士の挑発を受けての脱走だろう。馬鹿な挑発をしたのは自分であるため、黒騎士としては殆ど自身とオルキスに向けての怒号であったが、目の前の兵にしたらたまったものではない。

 

「艦の全出入口を封鎖しろ! 窓も全てだ! 奴が入り込めるような穴や隙間は全て見張れっ!」

「か、かしこまりました!」

「直ちに捜索してまいりますぅ────っ!」

 

 怒り心頭の七曜の騎士に怯えた二人の兵は、身を寄せながら大慌てで部屋から飛び出していった。

 そして艦内に発令される「第4次人形捕縛作戦」開始の合図。今日も帝国戦艦は平和であった。

 




日本の夏、グラブルの夏。サメが飛び、カツオが燃え、カッパが寿司を握る!

もう一度団長達を海につれてきたくなるようなイベントストーリーでした。けど天司関係はあのイベント三部終わらせないと無理ですね。もっと言うなら『蒼の少女編』終わらせないと。

流石にこのまま騎空艇作るだけじゃあれなんで、ある程度は時間のスキップをしないとダメですね。次当たりは時間スキップするかもしれません。

走艇の値段設定はこの物語独自のものです。参考にした資料はF1のマシン関係ですが、実際の所どうなのでしょうかね。ブルーオービットとか絶対数百万じゃすまない値段がかかってカスタマイズされてると思うけれど。

サテュロス(水着)の後ろの二人!

フライデー来ないなぁ……。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。