【ダクソダンジョン】─快適な生活のために─   作:古い底の王

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第三階層 ダンジョンの存在意義

「主殿、一つ聞きたいことがあるのだが。」

 

「はい?どうしました?」

 

「侵入を防ぎたいのならば入り口に崖を作るなどすれば良いのではないか?なぜわざわざ招き入れる?」

 

なるほど、たしかにそれはそうだ。全くそんなことを考えていなかったな。

 

「たしかにな。どういうことだ?」

 

「あー、私たちってばほとんど不死じゃないですか。それで、実は私の食事?というかちからのもとなんですがが、【他者の感情】をエネルギーにしてるんですよ。」

 

「‥‥人の感情を食らうのか?」

 

「いや、あなた方で言うソウルに近いです。なくても死ぬことは無いんですが、力が減るし減りすぎるとその辺の幽霊みたいなことしか出来なくなるんですよ。

なので、ダンジョンの目的は【侵入を防ぐ】ことと【効率的に相手を煽る】ということなんですよ。

なので、ダンジョンはある程度攻略できて、宝箱なんかも設置するわけですよ。」

 

「あ、お二人の活躍のお陰でここはたぶん広げるだけで大丈夫ですよ。」

 

「え?なぜだ?宝箱とかいるんじゃないのか?」

 

「ぶっちゃけこのダンジョンの景観が素晴らしくてですね、【感動】【やる気】と、ここの難易度で【絶望】、さらに敵を倒せたときの【歓喜】が凄いんですよ。こんなダンジョン他にないので侵入者も増える一方ですし。」

 

「あ、力が増えたら出来ることとかも広がりますので、何か出来るようになったらお伝えしますね。」

 

 

ふむ、中々興味深い話だったな。では景観がいいところを再現した方が良さそうだな。

そう考えれば【灰の墓所】【不死廟】【ロスリックの高壁】はいい選択だったな。

‥‥ふむ、ならば次のところは景観重視でいってみようか。そんなことを考えつつ、またファーナムと次の階層の構造を考えていく。

 

「次はここはどうだろうか。」

 

「いや、そこはインパクトが弱い。それにそこはあまり敵が強くなかった直ぐに突破されてしまう。」

 

「じゃあここをこう繋ぐのはどうだ?」

 

「‥‥ふむ、ならばこうした方がより良いんではないか。」

 

「む‥‥じゃあこうするか。」

 

「よし、それでいこう。」

 

「主人!」

 

「はい?」

 

「巨大な燭台を用意してくれないか!」

 

そして第三階層を作り出す。あの闇に覆われた灰の世界、絶望に満ちた人間の国、どちらにも存在しなかった【平穏】が存在する。

それは彼らにとって何者にも変えがたい素晴らしいものだった。

 

「いやいやいや!なんですかその大きさ、なに作る気ですか!」

 

「これをこうして、こうしようと思うのだが。」

 

「‥‥‥えぇー流石に無茶ですよ。」

 

「ループ罠があるだろう。」

 

そんなことをしている彼らのもとに視察の連絡が届くのが三日後のことである。




第三階層はまた後のお楽しみと言うことで。



【制約:暗月の剣】

太陽の光の王グウィンが眠る【暗月の霊廟】
そこを守護する騎士たちであり、またダークレイス等の闇の住人を密かに狩ることを使命とする集団である。
騎士団長はかつては陰の太陽グウィンドリンが努めていたが、現在は最後の騎士ヨルシカがその地位に就いた。

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