さて、話を聞き終えた。まぁなんとも形容しがたいがこの時私とファーナムの心は恐らくひとつだろう。
((イザリスここに居ないし出たら倒そう。))
そう、こいつらは火継ぎをしようとしていた連中であり、障害物は切り捨てる以外の選択肢を持たない連中である。普段の態度はともかくこういう面倒は取り敢えず一回倒してから考えるのだ。
「‥‥お前達なにやら物騒な目をしているな。何を言いたいかは分かるがそれはおいておけ。」
おや、いつの間にか剣を装備していた。不思議なものだ。隣を見るとファーナムも首をかしげて剣を見つめている。同士だ。
そんな風に通じあっていたところ、
「まぁいい。それでだな。これをばらまいておけ。」
と、シース公から一冊のファイルをもらった。見ると中には
【ソウルの矢】【強いソウルの矢】【ソウルの太矢】【ソウルの槍】【魔法の剣】
などなど見覚えのある魔法がスクロールで入っている。
「我の魔法を記した書だ。それを一ページずつばらまいておけ。全部に我の力の欠片が入っているからこれがあれば周囲の監視ができる。」
あのスクロールってそんな仕組みだったのか?確かに至るところに散らばっていたが、まさかそんな理由だったとは。
取り敢えず言われた通りに巻いていく。強い魔術や知らない魔術はあとで読むからまだ持っておこう。
そして新しい宝箱の設置を終えた。さて、これが広まればシース公の監視網が出来上がるのか。便利だな。
‥‥あ、そうだ主人の不思議なアイテムを使っておこうか。
「シース公、主人の持っている印刷機で印刷しても使えるだろうか。」
「‥‥なんだそれは。」
この後シース公に印刷機の説明をするとまた研究者の眼になってなにやら研究を始めてしまった。さてどうしようか。
印刷しても大丈夫なようだ。打ったら出た。運悪くでできたオーンスタインに直撃したが無傷でよかった。烈火のごとく怒っていたが。
さて、シース公のやることは一区切りついたのであとはまた魔力をためて今度は四騎士を呼ぼうと思うのだが、その前に戦力を増強しておく。
最近また冒険者の質が上がったらしくそれなりの数の冒険者が高壁の先へと進んでいる。いい加減どうにかしないといけない。
‥‥‥三日後
ふはははは。やってしまった。私は天才だ!
寝ないで作った設計図を見直す。ヒントになっのは【アリアンデル】へ行くときに使った絵画の破片だ。一日徹夜した後に袋の中身を見ていると欠片が出てきてひらめいた。
そうか。ここでハードモードに落とせばいいのか!
*この時点で既に徹夜明けハイテンション
思い付いた私は実行に写した。主に聞いたら全く同じ景色の異空間に落とすループ罠があるとのことで、それを作る。
そしてその先により強化した亡者どもを配置する。この辺りで徹夜二日めだ。
そして今は四日目。作り終えて一晩ゆっくり寝た彼が目を覚まして最初にしたのは後悔だった。
私はなんてことを‥‥‥
シース公の所でこの四日間月光蝶と遊んでいたファーナムは隣で呆然としている。
「‥‥‥アッシュ。俺は全盛期の張り積めていた俺であってもこの道を進める自信がないぞ。」
「‥‥私もだ。」
何をしたのか。答えようか。
ではまず一階層【灰の墓所】
ロスリックでは亡者どもがへたりこんでおり、広場には串刺しにされたグンダがいた。あそこを抜けねば奥へとは進めない。試験場であった。
‥‥‥へたりこんでいるのは同じだ。ただへたりこんでいる奴が問題だ。
【ダークレイス】。闇に落ちた狂気の不死者。始まりの深淵に呑まれたそいつらをなぜか私はたくさん配置している。
ちなみに再現度は120%だ。全員の剣が【亡者】補正されている。これを私はテンションだけでつくりだしてしまった。
そしてグンダだが‥‥‥二人いる。大事なことだからもう一度しっかりと言おう。
【魔改造してしまった強化グンダと全く同じ強さのグンダが二人いる。】
と言うことだ。
次だ。第二階層【不死廟】
‥‥‥正しい意味での不死廟になった。今までであった人物を、模した格好、技を使える奴がいる。
分かりやすく言えば【ホークウッド】と【忌み探し】を同時に相手しながら【オーベック】と【コルニクス】の魔法を避ける必要がある。
私は何を考えていたんだ。本物より弱い模造品とはいえこれはひどい。
さらにヴァンクラッドは【サリヴァーン】の魔術を使えるようになった。つまり分身を出せる。そして空を飛べる。
私はバカではないのだろうか。
最近の冒険者
「あ、初心者来たな。いつグンダ倒せるかな。」
「いやあんなの雑魚だろww初見にきまってんだろww」
このレベルに達しました。なお、デーモン2体、オーンスタインに阻まれてそれ以上は進めておりません。