【ダクソダンジョン】─快適な生活のために─   作:古い底の王

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閑話 最初の挑戦者

 

「リーダー、狼の剥ぎ取り終わりましたよ!」

 

「ああ?遅すぎるだろ。」

 

「いやいや、この数は大変ですよ。丁寧にやったんで良いじゃないですか。」

 

「‥‥まぁ、いいだろ。良し、じゃ帰るぞ。」

 

「「オッス。」」

 

さて、Dランクの依頼は久しぶりだったが、無事に終わってよかったぜ。帰ったらそれなりの報酬に成るしな。いい加減酒場のツケ払っとかないとな。

 

そして、十分ほど森の中を歩いた頃、突然それは現れた。

 

「‥‥リーダー、あれって扉ですよね?この辺りにダンジョンありましたっけ?」

 

部下の声に首を横に振る。この辺りにダンジョンなんてなかったはずだ。この間この辺に来た連中もそんなことは言ってねぇ。ってことは

 

「新発見だな。よし、潜るぞ。」

 

「「了解です。」」

 

そして、俺たちは扉の中へ入っていった。

 

 

─────────────────────────

 

気が付くと暗いところにいる。箱みたいだが‥‥棺桶か?洒落にならん。

 

力を入れると蓋がずれたから思いっきり蓋をあげる。

蓋がずり落ち、外に出る。

 

‥‥立派な棺桶のなかにいたらしいな。帰りはこの中に寝転がれば良いのか?

 

出れねぇで騒いでた二人もふたを開けてやって辺りを調べる。見た目は墓場のようだが、いくつか蓋が空いてるな。先にはいった奴がいるのか、死霊系の魔物がいるのか。

 

取り敢えず先に進むと、なにやら死体が転がってやがる。‥‥怪しいな。

 

携帯している投げナイフをいくつか投げつけると、何体か起き上がってこちらへ走ってくる。手には折れた剣を持ってるな。

 

‥‥ちっ、後ろでクロスボウ打ってる野郎邪魔だな。

 

目の前に来た死体に蹴りを入れ倒し、斧で首を落とす。一通り終わったか‥「ぐぁっ!」

 

くそっ、しくじりやがったな。すぐさまクロスボウ野郎を殺して斥候の腕を見ると、傷口が焼けてやがる。火矢使うゾンビだと?なかなかめんどくせぇダンジョンだな。

 

傷口を治療薬で治療して奥へ進む。丁字路があったから右に曲がると、‥‥‥駄目だな。あの光ってるやつはかなり強そうだ。それに行き止まりだ。左にいくか。

 

 

そして左に進んだ一行の目にはいったものは‥‥

 

「‥‥なんだこりゃ」

 

広大な自然と、いったいどれ程の高さがあるかもわからねぇ道だった。

かなり綺麗だ。だが、この先はヤバイな。崖下を除きこむと雲海が見える。

 

──おいおい、流石に高すぎるだろ。

 

何回か戦闘もあったが、落ちないように山側で戦闘する。一匹足を滑らせて落ちた奴がいたが、落ちる音が聞こえなかった。

 

それのせいで、二人とも完全にびびってやがる。

 

その後、その先は広場となっていた。‥‥いや、違うな、この雰囲気は‥‥!

 

ガガァン!

 

見ると入ってきたところに妙な壁ができて、広場の中心には人間とは思えねぇ大きさの鎧が斧槍を構えてやがる。

 

──ここは【広場】じゃなくて【闘技場】か。

 

 

かなり強そうだが仕方がねぇ。斥候に投げナイフを投げさせようとしたところで──身の危険を感じて屈む。

 

ゴゥン!

 

‥‥風切り音がして、二人のからだが消える。一撃で‥‥いや、あの距離を一瞬で縮めやがった!

 

驚愕した俺がそいつに斧を構えようとしたとき、

 

ゴゥン、ダンッ!

 

俺のからだが二つに割れて、俺は町へ戻っていた。

 

‥‥なんだあの化け物は。こうしちゃいられねぇ。ギルドに報告しねぇとダメだ。あれはヤバイ。

 

そうして、俺は二人を取っ捕まえて、ギルドへの道をかけていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「楽勝だったな。」

 

「凄いです!一撃でしたね!」

 

こうして、【強化された英雄グンダ】の初戦は完全勝利で幕を閉じた。

 




亡者

正しくは【グール】という魔物だが、灰の召喚された影響で、白く、素早くなっている。しかし、攻撃力や知能は低いためそれほど脅威でもない。

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