さて、そろそろヴァンクラッド王の所を抜けて鍵を手に入れるものも増えてきたし、グンダも結構攻略法が研究されてきているので、ボルドの次、【第4階層】を、作ろうと思う。
今回再現するのは、【生け贄の道】だ。だがしかし、あそこはぶっちゃけ改造し難いのだ。
森を歩くと丸太亡者、水辺を歩くと大蟹が来るあの場所だが、再現自体は簡単だった。
蟹ももともとこの世界に居る【キングクラブ】という魔物に【深みの加護】を自動で掛ける設定にしたのでかなり強い。が、多分私ならば何回か死ねば進める。
ので、一通り意見を聞いたところ、ルカティエルが非常にいい案を出してくれた。
「こんなに広いのならば強力なソウルの持ち主達を再現して自由に徘徊させればいいのではないか?私ならばそれはかなり嫌だが。」
「‥あぁ、【呪縛者】のあれか。」
ふむ、【呪縛者】というのは分からんが【墓守の大狼】がそう言えばそんなことをしてきたな。なるほど、素晴らしい。
さて、では次はいったい何を配置するかだ。
「その【呪縛者】っていうのはどんな者だ?」
「グンダに近いな。ただし呪縛者の方が堅実な攻撃をして来るな。」
なるほどな、と言うことは騎士タイプか。‥‥あの森に騎士は弱いな。できれば獣がいいな。
そんなこんなで悩むこと一時間。
「よし、【竜狩りの鎧】を配置するか。」
ということで、何時ものように錬成(今回は【深みの加護】、【暗月の光の剣】を付与)して真ん中の辺りに配置した。それだけではまだ少し弱いから、【竜血の鎧一式】に【光る竜体石】【光る竜頭石】、さらに【護り竜】のソウルを使用して新たな魔物を創作し、【竜の騎士】と名付けて何体か配置した。
ボスをどうしようか迷ったが、不死隊は特殊な敵だったから再現できなかったため【呪縛者】《大剣に【カーサスの弧炎】、装備に【大魔法防護】をかけた上で大盾に【結晶魔法の盾】をかけたフルカスタム。》を三体配置した。
そして、不死隊なんだが、実は召喚を試みたとき、なぜか失敗した。主に聞くと
「‥‥‥このスキルが失敗するのは二つの原因があります。一つは触媒が不完全、新品や模造品だったとき。‥‥もう一つは対象がこの世界の住人である場合です。」
私が触媒として差し出したのは【ファランの大剣】だ。これが模造品であるはずがない。ということはだ。この世界のどこかに【ファランの不死隊】が存在すると言うことだ。
‥‥まぁ彼等は深淵を滅ぼす存在だ。深淵がないこの世界では危険度は低いだろうが、問題は【他の連中】がいるのかどうかだ。
不死隊だけなんていう希望は捨てる。彼等がもし居るのならば、最悪他の薪の王達が来ている可能性がある。我々は召喚していない。しかし不死隊は恐らくこの世界に居る。
‥‥【深みの聖者】が来ている場合が最悪の展開だ。取り敢えず久しぶりに町へ行って情報を集めてこようか。
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場所は変わってとある大森林。【迷いの大森林】と呼ばれる常に闇と霧に包まれた迷宮。
そこにはこの世界にはいるはずのないものがいた。
「‥‥おかしい。我等は薪になったはずだ。」
そう呟くのは腕を組み、弓を背負った特徴的な兜の男。
「まぁ、確かに妙なところにいつのまにか来てはいるが、問題あるまい。我等の剣に追い付く敵は今のところいないようだしな。」
「それより早く町にでもいこうぜ。久しぶりに人を
みたい。」
その周囲には三人の男。二人は右手に巨大な剣、左手に歪な短剣を持ち、一言も発していない者は、松明と小振りな槍を持っている。
時は数ヵ月ほど遡る。いつの間にかこの迷宮にいた彼等は森の獣を狩りながら少しずつそとへと近づいていった。
「‥‥そうだな、一度町へいこうか。ロスリックへの道を尋ねたいしな。」
そしてまた彼等はあるきだす。彼等が森を抜け、【辺境都市レモージョン】へとつくのは約一週間後のことである。
という訳で彼等の扱いはこんな感じです。閑話でぼちぼちそっちの話も書くと思います。
【ファランの不死隊・深淵の監視者】
彼等は今は無き【深淵歩き】の意思を継ぎ深淵を狩るために旅をする不死の一団である。狼の血で交わった彼等の力は凄まじく、時には一国を落とすこともあった。
その独特な剣技は狼に例えられることが多く、その始祖は【灰色の大狼】であるといわれている。
また、深淵に呑まれた彼等を狩る組織も存在し、似て非なる装備に身を纏い、闇を払う炎を持ち、闇に隠れる冷酷なその集団を【幽鬼】と呼んだ。