【ダクソダンジョン】─快適な生活のために─   作:古い底の王

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閑話 聖堂に現れるは黄金の獅子

「ここだな。」

 

新たなダンジョン、それもほかでは見られないような異質なものだと聞いて、我等【探求の道】はこのダンジョンの調査に来た。

我等の目的は【探求と発見】、今はこのダンジョンにギルドマスターの興味が向いているため、調査のためにギルドで一番強力なパーティーの我々が来た。

 

 

まぁなんとかなるだろうと軽い気持ちで進み、2体の赤騎士にボロボロにされたのは今となってはいい思い出だ。どうやら、先人の話を聞くとやつらの先へ進むにしろまずは右の【不死廟】へと行かなくてはいけないらしく、無限に現れる魔術師に辟易しつつ、先へ進むと【絶望】が待っていた。

 

──そして約3ヶ月、やっとあの巨大な怪物を討伐できた。落とした鍵は恐らくあの灰の騎士の先へと進むためのものだが、今回はこの先へといってみる。

 

慎重に階段を上っていくと、

 

 

──まさに絶景としか言えないものが広がっていた。

 

どこまでも広がる大海と星空に、光を放つ大灯台。しかし、動くものは何一ついない寂しい土地。

 

あぁ、素晴らしい。

 

 

我に帰った私は、呆けている他のメンバーを起こし、先へと進んでいく。ボロボロの騎士が出てくるが、対して強くはない。どうやら、ここは攻略用のエリアではなさそうだ。

 

ご褒美といったところか?

 

右の方へいくと、【灰の墓所】に現れる赤い騎士が佇んでいたため、皆でかかると、意外とあっさりと倒すことができた。やはり、あの怪物に比べれば大したことはなかったな。

 

上へといくと、巨大な石碑があり、そこには【不死廟】【ハイデ大火塔】の歴史、そこに現れる敵の背景が描かれており、非常に興味深いないようだったため、何日か行ってすべて模写してきた。

 

さらに、その先には宝箱があり、中には【エスパダ・ロぺラ】という剣と【寵愛の指輪】が入っていた。

どちらもかなり使えそうだ。その情報で褒賞金ももらえそうだし、今回はかなり素晴らしいな。

 

 

そんな感じで騎士と戦いながらさくさくと進む彼らはついに巨大な聖堂の前にたどり着いた。騎士を倒すとレバーが現れ、引くと跳ね橋が降り、進めるようになった。

 

──そして、聖堂のなかに【ソレ】はいた。

 

【よくぞ来た。挑戦者よ。】

 

壮麗な聖堂の内部、ステンドグラスに囲まれた祭壇。

 

【これより先は我等が王の住まう都なり。】

 

正面の大扉の前に槍を突き立ちふさがる獅子の鎧。

 

【進みたくば、我が試練を受けるがいい。さぁ武器を構えよ。】

 

黄金の騎士は槍を正面に構え、油断せず視線をこちらへ向ける。そして溢れだす黄金色の【神気】

 

【我こそは太陽の神グウィンが四騎士、その総長オーンスタイン。さぁ!貴様等の武勇を我に見せよ!】

 

 

そして、彼らは悟る。ここに敵が居ないのは、目の前の騎士こそが最高の防衛者だからであると。

 

このご僅か数秒、彼等は雷の槍に貫かれ、命を散らすことになった。

 

 

そして、彼等は黄金騎士に魅了され、何度も何度も彼に挑み、一年後ついに試練を突破することとなる。

 

──その先がとある城へと繋がっていて感動しつつ絶望したのはまた別の話。




次からは新章入ります。
皆さんお分かりかと思いますが次の主役は【彼等】です。

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