残念な主と、楽観的な灰
ある日のこと、いつものように亡者の連中を大剣の錆びにしていると、突然目の前が真っ白になった。
そして光が収まったとき、目を開けた私の前には
──土下座をしている青年がいた。
私が混乱していると、彼は
「突然お呼びして申し訳ございません!ここはあなた方が住んでいたところじゃないです!どうか僕を助けてください!」
──ふむ、訳がわからない。
土下座を止めさせて落ち着かせて話を詳しく聞いたところ、どうやらここはロスリックではないらしい。
・彼は迷宮を作成して、管理する存在である。(以下ダンジョンマスターと呼ぶ)
・彼自身は死なないが、作るダンジョンがことごとく制覇されてしまうせいで、食事や睡眠どころか今日すむ部屋さえ設計ができていない。
・もうどうしようもないから異世界から凄腕の人を呼んでダンジョンアドバイザーをしてもらおうと考えた。
と言うことらしい。‥‥哀れというかなんというか。
大分可哀想だったし、私が元々すんでいた人外魔境を作れれば多分何とか成るかなーと思ったので引き受けた。
(侵入者がどの程度強いかを訪ねると平均的な侵入者のステータスを見せられた。ロスリックの羽騎士程度で熟練者といったところだ。)
彼に詳しい話を聞いてみると、この世界では亡者やらなにやらは一切いない(ってかスッゴいドン引きされた)がしかし、謎の力で侵入者達は死なずに町の教会で生き返るらしい。むしろロスリックより恐ろしいような気もするがこの世界では普通ということだ。
そして、この世界にはいくつもの種族がいて、それぞれの特徴をいかした職業についているということだ。
全くもってロスリックとは違うが、まぁ、こっちの世界の方が和気藹々としていて楽しそうだし、問題ない。
さて、彼の依頼を受けた以上完璧にこなしてこそ不死だろう。以前助けていただいた太陽戦士のかたも世界の主が一撃でも食らう前に主の敵を殲滅してこそ一流の白霊だといっていた。
という事で、ダンジョンについての詳細を聞いた。まとめるとこうだ。
・ダンジョンの壁や天井や床は基本的に壊れないが、わざと脆くしたり見た目を変えたりということはできる。
・罠や魔物はDP(ダンジョンポイント),LP(ライフポイント),MP(マジックパワー)で作成することができる。
・作成する魔物や罠によって消費量や比率は異なる。
・ダンジョンマスターが全力を振り絞れば異世界から召喚することができる。(基本的にランダムだが、所縁のある品があればある程度特定できる。)
というかんじらしい。大分やりやすそうだが、毎度毎度一月も持たずに攻略されてしまうようだ。
さぁ、では主と私の快適な生活のために早速この世界にロスリックを再現してやろうじゃないか。
灰の不死
右手 罪の大剣+5
暗月の長弓+5
左手 霊樹の盾+5
幽鬼のトーチ+5
裁きの大剣+5
頭 竜血の兜
胴 竜血の鎧
腕 竜血の籠手
足 竜血の具足
指輪 ハベルの指輪
賢者の指輪
カーサスの指輪
騎士の指輪