ハイスクールD×D サイヤと奏でる悪魔の軌跡   作:厄丸

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第6話 サイヤと神父とシスターと

一誠vision start

 

 

「おや?おやおやおや?なんだか不味そうな臭いがするなぁ・・・だが美味そうな臭いもするなぁ・・・甘いのかなぁ・・・苦いのかな・・・?」

 

随分と耳障りな声がする、周りの鉄臭い匂いと合わさって吐きそうだ。

だけど雲が晴れてきてどんどん姿が見えててきたな・・・キモチワルイ・・・

 

女性の上半身に怪物のような下半身、俺の精神をガリガリ削るには十分すぎる醜悪な姿だだといえよう、部長や朱乃さん、小猫ちゃんや木場なんかはもう見慣れているのかその悪魔をずっと見つめている

 

「はぐれ悪魔バイザー、主のもとを逃げて、己の欲望だけを満たすあなたは万死に値します、グレモリーの名においてあなたを消し飛ばしてあげるわ!」

 

「小賢しい小娘が!まずはお前から血祭りにあげてやる!その紅い髪になぁ!!!」

 

うるさい雄叫びと共にバカのように笑うバイザー、さっさと倒さないとな・・・

 

「さあイッセー、あなたの実力見せて頂戴」

 

「分かりましたよ部長」

 

「一誠君、無理はしちゃダメだからね」

 

部長と兄ちゃんの応援を受けて俺は一歩前へ出る、それを見たバイザーは俺の姿をみて腹かも分からない場所を抱えて笑う

 

「おやおや?!随分と不味そうな食事じゃないか!こんなんじゃオードブルにもなりゃしないよ!」

 

「お前が自分が勝つと勝ち誇ってる時、それは既に決着はついているのさ」

 

 

バゴンッ!!!

 

 

この前兄ちゃんが木場にやったみたく瞬時に移動してバイザーの抱えていた腹を殴る、ただ手加減してやるとどこかへ飛んじゃうからな、俺の拳を受けたバイザーは―――

 

 

()()()()()()()()()

 

 

「んがッ・・・?!」

 

「一撃目は粉砕、二撃目で完砕」

 

俺の無慈悲な二撃目が叩き込まれる、俺から撃たれた二撃目は容赦なくバイザーを粉々にし、周りを血の雨で染め上げた

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

「終わりましたよ部長」

 

「え・・・えぇ・・・」

 

いや、お前誰だよ!え?!一誠君ってこんなに生き物に優しくなかったっけ?!なんで?!俺のせい?!俺のせいなの?!俺が【油断しちゃだめだよ】なんて言ったせい?!

 

「兄ちゃんどうだった?」

 

「う、うん、あえて言うなら後片付けが面倒臭くなるから血の雨降らせるのはやめてほしかったかな」汗

 

「あ」

 

俺の一言で苦笑いのオカルト研究部、そりゃそうだろうねぇ!あんなに優しい一誠君が殺すのにも迷わないし!しかも二撃で終わらせてるし!!!

 

俺の弟君が鬼畜になってしまった・・・父さんや母さんになんて言おうかなぁ・・・汗

 

そんな俺の心の声も空しく次の日になる、勿論学校ではいつものやさしくてエロい一誠君だ、やっぱり昨日のは見間違いだったのかな・・・?

 

「あれ?兄さんどうしたの?」

 

「なんでもないよ、てか覗きはやめなさい」コチンッ

 

「いて♪」

 

うーん・・・やっぱり気のせいだったのかな・・・

 

俺達兄弟は基本的には一緒に悪魔の仕事をしている、今夜も一緒に悪魔の仕事、つまり依頼人の所に行くところだ、しかし何かがおかしい、しいて言うなら・・・何か悪いことが起きそうな予感がする・・・

 

「あれ?兄ちゃん見てよ、扉があいている・・・」

 

ふーむ・・・どうやら悪い予感が的中したみたいだ、中から感じ取れた気は1つ、だが依頼人の気ではない、この気はもっと邪悪で神聖・・・矛盾してるって?俺もそれは知っているんだけど・・・

 

「取りあえず入ってみようよ、それに嫌な予感がする」

 

ふむ、やっぱり一誠君も嫌な予感は感じてるみたいだね・・・でも入ってみないことには分からないか・・・

 

「お客さーん!今夜も来ましたよー!」

 

お相手さんからの返事はない、それにバイザーからも匂った血の臭いも嗅ぐこともできる・・・廊下の突き当たりか

 

「一誠君、気を引き締めて行くよ、この気配はバイザーより強い」

 

「マジかよ・・・でも兄ちゃんが言うなら間違いないな・・・」

 

俺達はゆっくりと一番奥の廊下の部屋に一歩一歩進んでいく、歩くごとに血の臭いも俺が感じた矛盾している気も強くなってきている・・・

 

そして一番奥の廊下、この奥の部屋から濃厚な殺気を感じる、どうやら向こうは俺たちの事を殺す気のようだ、ドアは半開き、そのドアをゆっくりとあけていく

 

「これは・・・」

 

「なんて酷いことをしやがるんだ・・・!」

 

この人はこの家の人なんだろう、リビングの壁に逆十字に貼り付けられている人の死体、無残にも切り裂かれている身体からは臓器と血が溢れて辺りは血生臭い、どうやら今さっき殺されたようだね・・・

 

「そこにいる君、君がやったんだろう?殺気が漏れてバレバレだよ」

 

「おんやぁ?よく分かったじゃないですかぁ、まぁ?殺気を隠す気もありませんでしたがねぇ~」

 

部屋の影から出てきたのは少年、神父のような服に身を包み髪の色は白髪で日本人じゃないようだ

 

「君って日本人?随分と悠長に日本語を喋るじゃないか」

 

「俺ちゃんってば天才だからさぁ、3日も勉強日本の本を読んでたら簡単に覚えたんでねぇ」

 

「おいテメェ・・・なんでそんなに笑いながら話していられるんだ!お前は人を殺したんだぞ!!!」

 

()()()()

 

一誠君が激怒したが少年から返ってきた言葉は『だから?』の一言、この一言から感じられるのは自分は正義と言う表し、この少年は人を殺したのは1度じゃ2度じゃないみたいだね・・・

 

「だってこいつ悪魔を呼び出す常習犯みたいだったしぃ?それに俺悪魔祓い(エクソシスト)だからさぁ、殺すしかなくね?」

 

「お前・・・人が黙って聞いてりゃベラベラと・・・!」

 

一誠君が怒りを露わにしながら少年を睨みつける、まぁ気持ちも分からない訳じゃないけどね・・・人を殺すのは良くないことだから・・・

 

「てかさぁ、今日はもう帰ったら?今は機嫌がいいから見逃してあげるよ~、ほら、さっさと帰んな」

 

「そうか、じゃあ俺達は帰らせてもらうよ、今日の事はキッカリサッパリ忘れるね」

 

「兄ちゃん?!なんでだよ!!!」

 

俺は一誠君を連れてこの家を出ることにする、一誠君は困惑した表情でこちらを見てくる、まぁ見てなって・・・

 

「なぁあああああああんて逃がすわけねぇだろぉおおおおおおお!!!」

 

「うん、分かってたよ♪」

 

「なッ??!!!」

 

やっぱりね、だって―――

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「ほらほらどうしたの?逃がすわけないなら本気で殺しにかかるよね?」

 

「兄ちゃんはこのことが分かっていて・・・!」

 

「へぇ・・・悪魔にしてはいい感してんじゃん」

 

少年は刀身のない剣と銃を構えなおす、俺が戦おうとするが一誠君が俺の前に出てくる

 

「一誠君?」

 

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

「兄ちゃん、俺にやらせてくれないか、このムカつく白髪野郎は1度ぶっ飛ばさないと気がすまねぇ・・・!」

 

「君が俺ちゃんとやるのぉ?いいぜぇ、んじゃ早速行かせてもらうよぉ!!!」

 

白髪野郎は刀身のない剣を強く振るった、そこから光の刃が現れて一気に俺にかかってくる、こいつ速さだけなら兄ちゃん以上じゃねぇか?!

 

「ほらほらほらぁ!もっと俺を楽しませてくれよぉ!!!」

 

「調子に・・・のんなッ!!!」

 

こんなやつに赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を使うまでもねぇ!!!

 

「仕方ねぇな・・・んじゃこいつを全て防ぎ切ってみやがれ!!!」

 

「一誠君、全て防ぎ切ったら俺の戦い方の1つを教えてあげる」

 

「え?!いいのか兄ちゃん!!!」

 

マジかよ!兄ちゃんの戦い方の1つを??!!!絶対に防いでやる!!!

 

「上ェ!下ァ!下ァ!上ェ!右ィ!左ィ!右ィ!右ィイイイ!!!」

 

「んな?!さっきまでとは全然早さがちげぇじゃねぇか!」

 

「俺の修行に今の今までついて来てるんだ、これぐらいやってもらわないと俺が困っちゃうよ」

 

そうだ!兄ちゃんの気弾を何度もかわしているんだ!絶対に負けられねぇ!!!

 

「んじゃもっと速く行くぜ!これ全部防いでみろぉ!!!」

 

「へぇ、さっきよりも早いんだね・・・いけるか・・・?」

 

まだだ!俺はまだいける!

 

「上上下下左右左右上右下左左右上下右左上下右上ェエエエ!!!」

 

「うっそだろ?!」

 

「こいつは俺も予想外だな・・・」汗

 

良し!全部防いだぞ!!!

 

「隙あり!ぶっ飛びやがれぇえええええ!!!」

 

「ガハァッ…………?!」

 

ズガンッといい音がしてあいつは壁にめり込む、壁はボロボロと崩れ落ちるが関係ねぇ!

 

「いいねぇ………いいよぉ………最高じゃないのぉおおお!!!」

 

チッ・・・こいつ本当に人間かよ・・・!

 

俺が心で舌打ちをする、あいつもファイティングポーズを取るがある人の登場でその空気は崩れる

 

「イッセーさん・・・?」

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

「おんやぁ?助手のアーシアちゃんじゃないのぉ、どう?結界は張り終わったかな?

 

「は、はい、結界は終わりまし―――え・・・?」

 

「アーシア!ここから離れるんだ!!!」

 

「この子は一体・・・」

 

この子は誰だろうか?俺の知らない子だけど・・・一誠君の知り合いかな?

 

「おぉっと、アーシアちゃんには刺激が強すぎましたかねぇ………それなら悪いことしちゃったかな?でもこれからもこんな死体沢山見ることになるからねぇ、悪いけど慣れてね♪」

 

少年はアーシアと呼ばれている少女の頭を優しくなでる、アーシアは一誠君の方を見つめ、青ざめている顔からの口からは一言一言言葉が漏れる

 

「ど、どうしてイッセーさんが此処に・・・いるんですか・・・?」

 

「あれ?まさかアーシアちゃんとそこにいるイッセーとか呼ばれてるやつは恋人同士だったりすんのかなぁ♪」

 

「黙りやがれ白髪野郎、俺とアーシアは知り合いなだけだ」

 

一誠君がそれを伝えると少年は面白くなさそうな顔をして言葉を話す

 

「そうでござんすかぁ、まぁ興味ございませんがね~」

 

われ関せずと言うかのように笑う少年、その手には光の剣と銃が握られているためまだ油断はできない

 

その時、床が青白く光りだし、ドンドン魔法陣を形成していく

 

「おーっと?何事ですかい?」

 

「この魔方陣は・・・グレモリーさんか」

 

光が止まるのと同時に魔法陣からは見慣れた顔つきが揃っている

 

「助けに来たよイッセーくんって、オルス先輩もいたんですね、これなら助けに来なくてもよかったかな?」汗

 

「あらあら、これはいいタイミングでしたわね」

 

「オルス先輩助けに来ました・・・!」

 

「ごめんなさいイッセー、オルス君・・・まさか【はぐれ悪霊祓い】が現れるなんて予想外だったの……」

 

木場君は汗をかきながら、姫島さんはいつも通りニコニコしながら、小猫ちゃんは俺の顔をみて顔を赤らめている、グレモリーさんは申し訳なさそうにこちらを見ている、てか小猫ちゃん顔が赤いけど風邪ひいてるのかな・・・だとしたら今度お見舞いに行ってあげよう

 

「悪魔・・・悪魔の団体かぁ・・・!」

 

「どうした少年、顔がさっきより怖いよ?」

 

俺が茶化しながら聞くと顔を崩さずにこちらを見てくる

 

「いんやぁ・・・俺の獲物が沢山現れちゃったからさぁ・・・興奮しちゃったんだぁ・・・でも今は武器がないからなぁ・・・じゃあね!!!」

 

そう言って少年は床に煙玉を叩きつける、モクモクと立ちこんだ煙は部屋一面を真っ白に染め上げて少年は逃げる

 

「俺の名前は【フリード・セルゼン】、じゃあね悪魔のみなさん♪次に会ったときは俺が全員殺してやるよ♪」

 

「チッ逃がしたか!」

 

一誠君が顔をしかめて言葉を吐く、みんなも同じく顔をしかめているが俺があることに気づく

 

「ん?なんか近づいて来ている・・・1度感じたことある気配は・・・堕天使かな?」

 

「それは本当かしらオルス君、だとしたら不味いわね・・・仕方ないわ、1度本拠地に帰還しましょう、ジャンプの用意をお願い」

 

「分かりましたわ」

 

グレモリーさんに言われた姫島さんは呪文の準備をする、どうやら転移魔法をして逃げるようだ

 

「部長!アーシアの一緒に!」

 

「・・・無理よ、この魔方陣を通れるのは基本的には悪魔だけ、あとは魔方陣に特別に組み込まれたイッセーやオルス君だけなの」

 

一誠君は歯をギリリと音を立てて顔をしかめる、全く、俺の弟君は本当に仕方ないね

 

「一誠君俺に任せてよ、俺がアーシアちゃんを部活まで守るさ」

 

「で、でも兄ちゃん・・・!」

 

 

 

 

 

ドヒュウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!!

 

 

 

 

 

【本気の気の鎧】(オーラメイルverフルパワー)、任せておきな、今の兄ちゃんはちょっと強いぞ?」

 

「さあイッセー!早く!」

 

「兄ちゃん・・・頼んだよ!!!」

 

「イッセーさんのお兄さん?!な、なんで私なんかの為に・・・」

 

アーシアちゃんが困惑したような顔でこちらを見つめてくる、まぁ当然と言っちゃ当然の反応だろう

 

「だってアーシアちゃん、一誠君のこと好きでしょ?」

 

「////////////////??!!?!!」

 

「反応見てバレバレだよ♪だからこそ俺が残ったんだ、ほら、俺の背中に捕まって、いきなり飛ばすよ!」

 

俺は久しぶりに舞空術を使う、アーシアちゃんは俺の気で守ってあるから大丈夫だ

 

「わ、私空を飛ぶなんて初めてです!」

 

「そうなの?じゃあ今度からは一誠君に頼んでよ、それに舌噛んじゃうから喋んない方がいいよ」

 

俺達はそんなことを話しながら部室へと飛んでいく、堕天使共も途中で気づいたようで追いかけてきたが俺の本気の武空術には追い付けてはこれなかったようだ

 


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