「~♪~♪~~~♪」
一誠君がやけに嬉しそうだ、話を聞いてみると俺が帰った後に女子に告白されたらしい
「一誠君そんなに嬉しいのかい?」
「そりゃ嬉しいに決まってるよ兄ちゃん!俺に彼女だぜ?!」
確かに嬉しそうなのは伝わるんだけど・・・
「ねぇねぇ、
「え?どういうこと?!」
「確か名前は・・・夕麻ちゃんだっけ?
俺が思っていることは可笑しくはない、グレモリーさんや姫島さんのように普通の人間とは違ったおかしい気、なんていえばいいんだろう・・・
「な、なんてこと言うんだよ!酷いよ兄ちゃん!もう知らない!」
「あ!待ってくれよ一誠君!」
ま、不味い………一誠君に嫌われてしまったな・・・汗
「まぁ・・・気は感じ取れるから大丈夫だと思うんだけど・・・」
俺と一誠君が喧嘩してから数日後、松田君達に聞いてみると今日は一誠君と夕麻ちゃんデートの日らしい、俺に言ってこないってことはやっぱり嫌われているみたいだな・・・汗
「一誠君大丈夫かな・・・夕麻ちゃんと一緒みたいだけど・・・」
嫌な予感がする・・・やっぱり行こう!
「ねぇイッセーくん!次は私あれに乗りたいな!」
「うんいいよ!もうじゃんじゃん甘えちゃって!!!」
一誠君だいぶデレデレしてるなぁ、表情筋が緩み切ってるよ・・・
一誠君と夕麻ちゃんのデートを見てると本当に幸せそうだ、やっぱり俺が口を挟むのは良くなかったんだな・・・あとで一誠君に謝ろう
一誠君達が夜になるまでデートを見守ってると夕麻ちゃんが一誠君に告白するところのようだ、邪魔者もお兄ちゃんは帰ろう、弟の恋路を邪魔する最低な人間?じゃないからな
「ねぇイッセーくん・・・死んで・・・?」
「え・・・?ッ!!!」
「え?!」
ゆ、夕麻ちゃんと一誠君の気が消えた?!で、でも目の前にはいるし・・・いや!こんなことしてる場合じゃない!
「大丈夫か一誠君!」
「に、兄ちゃん?!だ、大丈夫だけど・・・」
「あら?あなたは一誠君が話していたお兄さんかしら、一誠君がいつも大切そうに話していたわよ、まぁ―――」
もう死ぬから関係ないわよね?
「逃げろ一誠君ッ!!!」
「え・・・?兄ちゃんは?!」
「逃がすと思っているのかしら?!」
夕麻さん、いや、夕麻が黒い翼を生やして光り輝く槍をその手に作る
「私の神聖な槍に貫かれるのよ!ありがたく思いなさい!!!」
「あいにくここで死ぬ気はないんでね!俺は最後まで抵抗する!」
「に、兄ちゃん!!!」
一誠君を弾き飛ばして夕麻と向かい合い構えを取る、見たところ戦闘経験は低そうだ
「死になさい!!!」
夕麻が光の槍を投げてくる、大した速度じゃないから避けられる
「こっちからも行かせてもらうよ!大切な弟をここで殺させはしない!」
「兄ちゃん・・・!」
気を纏い一気に距離を詰める、あまり女性を殴るのは避けたいところだが今は仕方がない!
「ふ!は!くらえ!!!」
パンチ、キックと怒涛のラッシュをどんどん打っていく、相手は槍のリーチが長すぎて防ぎ切れていないようだ・・・イケる!
「吹っ飛べッハァッ!!!」
「キャアアアアアアアアア!!!!!」
気合砲を使って一気に吹っ飛ばす、今の目的はこいつを倒すことが目的じゃない!逃げる方が先だ!
「一誠君逃げるぞ!」
「に、兄ちゃん!」
「逃がすものか!」
チッ!やっぱり追ってきた!向こうの方が若干遅いから逃げ切れる!
「おやおや、何でこんな下等生物に戸惑ってるのだ?」
な・・・いたのは1人だけじゃなかったのか・・・!
俺は歯をギリギリと擦り合わせるしかできない、1対1なら何とかなるけど1対2じゃ一誠君を守りきれない・・・!
「仕方ない、これ疲れるからあんまり使いたくないんだけど・・・!」
「に、兄ちゃん?!あれをやるの?!でも人に向けたら死んじゃうよ!」
「人間ごときの攻撃で私が死ぬとでも?いいだろう、1発だけなら避けないでいてやる」
これは予想外だ!見てろよ・・・俺がこの世界に来てからの最高の1撃を与えてやる!
「言ったな・・・避けるなよ・・・ッ?!」
「ッ!」ゾクッ
あの男は顔を強張らせるが関係ない!
「くらえ!フルパワードラゴン波だぁあああ!!!」
「ど、どうするのよドーナシーク!」
「チッ!今は引くしかない!!!」
2人の・・・堕天使かな?例えるとしたらそれがあっているだろう、何とか追い払えたな・・・
「兄ちゃん!ねぇ!大丈夫なの?!!!」
「だ、大丈夫だよ・・・本気を出して疲れただけさ・・・」ニコッ
その瞬間後ろに赤い光が漏れる、気は1つか・・・だけどこの気は・・・
「貴方達私の領土で何してるの―――え」
「
「やっぱりグレモリーさんだったか・・・すまないけど今は勘弁してくれないかな・・・今疲労がやばいんだ・・・頼む・・・」
無理やり体を動かして頭を下げる、しかし一誠君が目の前に飛び出してくる
「やめてくださいリアス様・・・兄ちゃんに手を出すならリアス様でも容赦はしません!」
「バカなことはやめるんだ・・・一誠君は取りあえず家に帰ってくれ・・・俺はグレモリーさんと話がある・・・」
俺が頼んだら一誠君はしぶしぶ帰ってくれる、その際にエナジードリンクを投げて渡してくれた、やっぱり優しいな一誠君は
「さっきの女と男と戦って確信しました、
「・・・何故そう言えるのかしら?」
やっぱり聞いてくるよね、予想通りだ
「俺には相手のオーラの質を確認する力があります、そしてグレモリーさんのオーラの質は普通の人間じゃありません、もっと禍々しいものでした、しかしそれだけでは分かりませんでしたが・・・さっきの女と男のオーラはグレモリーさんに極めて近いオーラの質でした・・・一体この町で何をするつもりですか?」
俺は嘘は言っていない、だが本当のことも言っていない、当然だ、人間じゃない者に、しかも信用できないホイホイ話すほど俺はお人よしじゃないからね
「私は相当信用出来ないみたいね・・・私悲しいわぁ」
「それも嘘ですね?数日前、グレモリーさんは俺と1度接触している、しかもその時に俺の事を待っていました、その時は何してるか分かりませんでしたが・・・
俺の言葉でグレモリーさんは口ごもる、そして逃げるようにこう言った
「よく分かったわね・・・オルス君、明日の放課後旧校舎で待つわ、授業の終わりに私の使いを向かわせるわ、あなたの弟君も一緒にお願いね?」
そう言って魔法陣に入って行ってしまった、気は完全に感じ取れなくなったためにもう大丈夫だろう
「………はぁ・・・疲れた」汗
グレモリーさんの気配が消えたために体から力がスッと消える・・・さ、力が入らない体で家に帰りますか・・・
「オルス!大丈夫なの?!」
「あぁ母さん・・・大丈夫だよ・・・もう疲れたか寝かせてもらうね」
母さんの心配を押しぬけて部屋へと入る、部屋には一誠君がいて目に涙を浮かべている
「兄さん!ねぇ大丈夫??!!!」
「ごめんね一誠君、頭に響く・・・」
一誠君は本当に俺の事を心配してくれているようだ、取りあえず明日にやらないといけないことだけは伝えた
「俺はもう寝るよ・・・おや・・・す・・・み・・・」
そうして俺は死んだように眠った、夢は見ないで深い眠りが取れた証拠だろう、俺は朝早くに一誠君と起きていつも通りにトレーニングを開始した