オルスvision start
「……暇だ」
俺は今病院のベッドの上にいる、理由は簡単。
無理しすぎて動けません、正確には動けるんだけど医者がまだ動いちゃダメだって。
「はぁ……学校無遅刻無欠席だったのに……」
「まぁまぁ、そんな憂鬱なこと言わないでよ兄ちゃん」
「あぁ、一誠君おはよう」
一誠君が病院のベッドの上から挨拶をする、あのクソ堕天使共のせいで兄弟そろって病院送りだよ。一誠君の腹にも傷跡が残ってしまいまるで腹を貫かれた後のような傷跡だ。
まぁ……本当に貫かれているんだけどね……
「もう気にしないでよ兄ちゃん、あれは仕方ないって。それにリアス部長の結界があったから気の感知が遅れたんでしょ?それに兄ちゃんだって体中から血が噴き出して俺より酷かったじゃないか」
「いやいや、弟を守れないなんて兄失格だよ……おかげで新しい力手に入れちゃったけどさぁ……」
俺が手に入れた新しい力、それが『
「なんか弱い気がする……」
「ん?なにが?」
「いや、俺がコカビエルの時になった超サイヤ人のことだよ、俺の知っている力より随分と弱い気がしてね」
「え?でもあのコカビエルを圧倒していたじゃないか」
確かに圧倒はしていた、でも、それでもだ。原作の方だとあの宇宙の帝王を圧倒出来るほどの戦闘力の上昇量を持っているはず、けれど俺が思うに半分、いや、半分以下の力も引き出せていない。いいとこ40%ってところだろう。こちらの世界だとそもそもの性質が違うのか?それともサイヤ人だけに効く力が働いているとしか考えられない……ぶっちゃけこの世界も何でもありの世界だし。
「ん~……でもこれから力を付けていけばいいんじゃないかな?
「一誠君……」
はぁ……ダメだな、弟に励まされてんじゃだめだ。
よし……元気出すしかないな!
「そうだね……よし!フンッ!!!」
バキッ!と音がして腕のギブスが砕け散る、それを見ていて一誠君が目を見開いている。
「え?!ちょ、はぁ?!!なんでそんな硬いもん壊せるのさ!」
「だってもうほとんど治ったようなもんだしね、それにもう先に病院の先生には話を付けているからもう今日帰れるんだよね、俺は」
「えー!ずるい!」
残念だけど俺はサイヤ人だからね、ほかの人よりもずっと怪我の治りは早いからこの体の特性を存分に利用させてもらうとするよ。
~移動中~
俺はしばらく飛んでから山に着いた、ここは俺が新しい技を生み出すためにいつも使っている格好の修行場所だ。今やろうとしているのは数日前の戦いのときに目覚めた新しい力、超サイヤ人になれるかどうかの確認と新しい形態変化。これの確認と少しのトレーニングだ。
「取り合えずは超サイヤ人になった時のあの感覚、それを思い出しつつそれに慣れなきゃいけない。確かあの時は……背中がゾワゾワ……なのかな?」
そこに一度気を集めてみるか……
「はぁあああああ……!」
背中の腰と首の間の部位、そこに気を集めて一気に開放してみる。
それで超サイヤ人に成れるなら苦労はしないんだけど……
「はぁ……成れちまったんだよなぁ……」
まさか本当に成れるとは思わなかった。しかしこの姿になると暴れたくなるのはサイヤ人の特徴が色濃く出ているからだな、やはりなれるには常に超サイヤ人をキープするしかないが……
「このまま行っちまったら学校で何言われるか分かったもんじゃねぇ……」
そう、超サイヤ人の特徴の一つはこの姿、髪の毛が金色になり目が瑠璃色になってしまうのが難点。こんな状態で学校に行ったら不良と間違われちまうだろ。
「取り合えず解くか……ふう、次は新しい形態だな。今の俺のモードの最大は第二段階、つまり第二形態までなんだよな……」
今ある形態はスピードに特化した
「でも、ぶっちゃけサイヤ人の特性発揮しちゃったからコカビエルと戦った時よりも数倍強くなったからなぁ……いや、だったらこのまま第三段階に行けるんじゃないか?それにパワーに特化した形態があってもいいと思うし」
試してみる価値はありそうだ、前の体だと第二段階までが身体的に限界だった。
つまり今の数倍強くなった体なら第三段階まではいけそうだ。このまま習得までいっちょやってみっか!ってな。
「そうと決まれば早速やるしかない」
オルスvision fade-out
一誠vision start
「はぁ……本当に兄ちゃん行っちゃったよ、でも本当に戦闘民族サイヤ人って回復力凄いんだな。悪魔である部長達よりも元気なんじゃないか?」
そう思いながら少し時間がたったところで病室のドアが開く、そっちを見てみれば部長達が見舞いに来てくれたようだ。
「あの……イッセーだいじょう……ぶ……?」
「あぁ、平気っすよ部長。わざわざ見舞いありがとうございます。」
部長達はバツが悪そうにして室内に入ってくる。どうやら自分たちが余計なことをしたせいで俺の腹に大穴空いたと思っているらしい。まぁその通りなんだけど……
「イッセー……本当はあなたは部活にいたくないんじゃないの……?」
「へ?」
部長が苦虫を噛み潰したような顔をして言ってくる。正直に言えば俺は抜けなくてもいいとは思ってんだけど……
「まぁ……確かに今回は部長達がコカビエルに突っ込んできたから俺は腹を貫かれました」
「……ッ!」
「ですが……兄ちゃんが来てくれたのも部長達のおかげです、そこは感謝してます。それに兄ちゃんも超サイヤ人という新たな力に目覚めることが出来ました。本当にありがとうございました」
正直に言って皮肉にしか聞こえないと思う、けど本当のことだし確かに感謝はしていることなんだ、これは嘘なんかじゃないしね。
「えっと……その……」
「もう、いいですから、今日も部活ありますよね?さすがにこの怪我じゃ部活には出ることが出来ませんのでお休みをいただいてもいいですか?」
「え、えぇ……ゆっくり休んで頂戴ね」
そういって部長と朱乃さんは病室を出ていく、残ったのは木場、小猫ちゃん、アーシアがここに残った
「イッセー君本当に大丈夫かい?でもイッセーくんのおかげで僕も禁手化に目覚めることが出来たんだ。本当ならここでいうことじゃないんだけど……本当にありがとう」
「いやいや、木場も復讐が出来てよかったじゃないか。俺もあのカラス共は本当にムカついたからな、復讐の手伝いが出来てよかったぜ。本当なら復讐に加担することじゃないけどな」
「イッセー先輩オルス先輩はどこですか?姿が見当たらないのですが……」
「小猫ちゃんはいつも通りだね、兄ちゃんなら山に修行しに行ったよ、それにもう傷口はふさがったから寝てなくても大丈夫なんだと」
そしたら小猫ちゃんが目に見えて落ち込んでいる、まぁ、お見舞いに来たと思えば思いの人はもう退院しましたって何気にショックデカいよね。
「それでしたらイッセー先輩、オルス先輩にこれを渡してください。大量のお菓子と食料です」
「お、おう……こんな大量の食糧よくこんなに集めることが出来たね」汗
「お買い得の場所を調べまくりまして買い集めました。オルス先輩は食べることが大好きだと小耳にはさんだので」
それでもこの食料は凄すぎるだろ……普通の人だったら軽く10日分はあるんじゃないか?
「オッケー、任されたよ」
「絶対に渡してくださいね、あとイッセー先輩も
「ハハハ……遠慮しとくよ」汗
こりゃ少しでも食べることはできなさそうだな笑
イッセーvision fade-out