一誠vision start
「ようイッセー!あれ、今日もオルス先輩はいないのか?」
「よう元浜、兄ちゃんは今日も休みだ、やることがあるんだとよ」
いや・・・正確にはそのやることが何なのか俺は知っている、兄ちゃんから出された気のトレーニングは毎日続けているから気が読めるようになった、兄ちゃんの気を探ってみると荒ぶったり落ち着いたり、いきなり爆発するように気が著しく変化している……どうやらトレーニングをしているようだが・・・いつもの兄ちゃんじゃないようにも思える
「今日イッセーの家に行ってもいいか?オルス先輩が心配だからな、見舞いに行こうかと思うんだけど・・・」
「いや、大丈夫だ松田、兄ちゃんには俺から伝えておくよ」
(全く・・・本当に世話の焼ける兄ちゃんだぜ・・・)
時は過ぎて放課後
「……オルス先輩はまた来ないんですか」
「あ、あはは・・・ごめんな小猫ちゃん・・・」
「リアス部長、僕は町の見回りに行ってきます」
木場が見回りに行くようだ、んじゃ俺もついていきますかね、兄ちゃんの気も相変わらず荒ぶったままだ、いや本当にあれ体ぶっ壊すんじゃないか・・・?
「俺も付いていくぜ木場」
「私も行きます木場先輩」
どうやら小猫ちゃんも付いてくるようだ、正直リアス先輩と朱乃先輩に見つからなければ大丈夫だと勝手に思っている、小猫ちゃんはそれを話すような子じゃないと思っているし大丈夫だろう
更に時がたち町の中
小猫ちゃんには今俺と兄ちゃん、木場がやっていることを話した、木場や兄ちゃんには悪いと思っているが協力者は1人でも多くいたほうがいいだろう
「今日もそれらしいものはないか・・・」
「仕方ないよ、僕からしたらこうして手伝ってくれるだけでもありがたからさ」
木場がIKEMENスマイルでこっちを見てくる、本来ならムカつくところだがあの話を聞いてしまった以上怒ることは出来ない
「ん?なんか変な気配がこっちに近づいてきてるな・・・」
「・・・上です!」
小猫ちゃんの言う通り上を見ると白髪の男が切りかかってきた、このシルエットはたしか・・・
「フリード・・・セルゼン・・・!」
「おっと~?!その声は赤龍帝のイッセー君じゃないですかぁ~!君はやっぱり悪魔に関わっているんだ・・・ッネ!!!」
「おっと、君の相手は僕だよ、エクスカリバー使い・・・!」
木場が前に出てきて剣を構える、あの剣は・・・見たことがないな
「この剣は闇を喰らう
「いいねいいねぇ!!!今の君は殺す価値ありそうだよ騎士クンよぉおおおおおおおおお!!!」
フリードがいきなり突進してくる、おいおい、あいつまた早くなっているな・・・この前兄ちゃんが捕まえたって言ってたからそのせいで鍛えたのか?
「いいねぇ騎士クンッ!この前よりもよっぽどハキハキしてるじゃないかぁ!!!」
「……その割には余裕そうに見えるけどね」
「あ、やっぱりそう思う?あったりぃいいいいいいいいいいいい!!!」
俺たちの後ろでガキンッ!と音が聞こえる、勘弁してくれよ・・・
「おやぁ?どうやらさっきの一撃防いだみたいだね、そのライトプレデターってやつのおかげかなぁ?」
「ッ・・・よくわかったじゃないか、君の聖剣からあふれる速さの光をこの剣は喰ったのさ・・・まぁ、それでも威力は殺しきれなかったみたいだけどね・・・ッ!」
「わ、私の目には何が何だか分かりません・・・」
「大丈夫だ小猫ちゃん、俺もよく見えていない」
2人は更に自分の力を込めて自分たちが構えている剣を構えなす・・・次の一手で決まりそうだな
「「行くぞッ!!!」」
これで決まる・・・と思っていたが2人の動きが止まる、なにか・・・神聖な気か?フリードと似て非なる気を感じる
「そこまでだフリード、帰るぞ」
「チッ・・・バルパーの爺さんか」
「バルパー・・・ガリレイッ!!!」
「あなたがバルパー・ガリレイですね・・・聖剣適合者の」
木場の顔が今まで以上に歪む、自分たちの同胞が殺されたきっかけを作ったやつがいるんだ、それも仕方がないだろう
「さっさと切り上げていくぞフリード、コカビエルに報告をせねばな」
「あのダンナは怒らせると怖いからな・・・まぁいいや、じゃあな騎士クン!また殺りあおうぜ!」
「逃がさんぞバルパーッ!!!」
後ろからゼノヴィアが飛び出してくる、いや後ろからってことはまさかずっとつけられていた・・・?こいら・・・俺の赤龍帝の小手のことに関してもそうだけど侮れないな・・・
《相棒、後ろからさらに来るぞ》
「どうもイッセー君!でも今忙しいからごめんね!」
「お前もいたんかーい!」
「・・・」
木場がすっごい追いたそうにしてる・・・はぁ、なんで俺の周りには世話の焼ける人たちしかいないんだか・・・
「行って来いよ木場、後から俺も行くからあとで状況を教えてくれよ」
「ッ・・・イッセー君ありがとう、行ってくるよ」
「木場先輩、私も行きますので無理はしちゃダメですからね」
木場は笑って追いかけていく、しかし後ろから力の流れを感じる、これは確か・・・リアス部長のだったかな?
「聖と魔の流れがおかしいと思って来てみれば・・・一体何をやっているのかしら?あなた達・・・」
「おっとやべ、部長のお出ましだ・・・」
後ろを見ればリアス部長と朱乃さんが顔を暗くにっこりと笑ってこっちを見てくる、うーん・・・こりゃ大目玉確定だな
一誠vision fade-out
オルスvision
力の高まりを感じる……
「はぁあああああああああああ……ッ!!!」
力……
「あぁああああああああああ……ッ!!!!!
ダメだ……意識が……と……ぶ……
オルスvision fade-out
少し時が戻り一誠vision start
「エクスカリバーの破壊って……あなた達ねぇ・・・」
「あのですねぇ部長、俺はこの部活に入ったつもりはないですよ、それに俺がこれをしているのは木場のためであり兄ちゃんのためです」
「オルス君の・・・?」
「今の兄ちゃんは自分の体に相当な負担をかけています、それこそ何日も寝ないで意識が失うほどに、それがなんでだか分かりますか?」
「……分かりませんね」
「木場の為でありこの部活の為ですよ、兄ちゃんは普段あんなこと言ってますけど結構この部活の人たちを心配しているんですよ?特に木場の暗い気持ちをよく分かっていると思います、だからこそ今もトレーニング、いや、これはトレーニングとは言えないでしょう、これじゃあ自分の体を壊してるのと同じです……」
自然と目に涙が浮かんでくる・・・あぁ・・・俺はだめだな・・・
「俺だって……俺だって……俺だって仲間を守りたいんですよ!それができない自分が情けない!今もこうして苦しんでいる木場に何も出来てない!俺は本当にあいつの友達なんですか?!友達だったら助けてあげるのが当然なんだ!あんたたちみたいに……悪魔と堕天使の戦争に発展するからとなって何もやらずに椅子でふんぞり返っているやつらよりよっぽど立派だ!」
「イッセー・・・」
「ッ・・・俺はもう行きます、しばらく部活には絶対に顔は出しませんので放っておいてください!」
そういって俺は部室からでる、あれ・・・兄ちゃんの気が・・・また気絶かな?
「ここらへんかな・・・あーあ、やっぱり気絶してる、全く、本当に世話の焼ける兄ちゃんだ・・・」
一誠vision fade-out