俺の苗字に兵藤が付いてから10日がたった、俺がこの世界?に来た日はちょうど入学式の10日前だったようだ
「似合ってるよ一誠君」
「兄さんたらまったく・・・一誠でいいんだよ」
「アハハ・・・ごめんな、どうしても癖が抜けなくてね・・・」
どうしても一誠君と言うのが抜けない、まぁ、10日前は他人だったんだ、逆にここまで順応に対応出来る兵藤家の適応力が凄いのだが・・・
「兄さんも着ない?似合ってると思うんだけど・・・」
「俺も学校に行くのが少し違和感があってね、勉強についていけるかどうか分からないからね、ちょっと心配なんだよ・・・」
嘘は言ってない、本当についていけるかが心配なんだよな・・・
「それに兄さん凄い筋肉だよね、普通に鍛えてるんじゃそんな肉体にならないよ?それに戦闘民族サイヤ人ってなんなのさ」
「戦闘狂とでも思っておいてくれよ、俺も体を鍛えないとなんか落ち着かなくてさ、そんなこといっても一誠君も一緒に鍛えていたじゃないか」
「兄さんトレーニング内容がハードなんだよ・・・今でも筋肉痛で体痛いんだからさぁ・・・」
「あなたたちー!学校に遅刻するわよー!!!」
ヤバい、もうそんな時間か、正直武空術で飛んでもいいんだが問題になってしまうからな
「あ!母さん待ってよ!兄さん!あれ見せてよドラゴン波!こっそり上に撃ってさ♪」
「えぇ~?あれ疲れるんだけどなぁ・・・まぁ仕方ない、目を見開いてみてろよ?はぁああああ・・・・・・・・・・・・・・」
俺が目が覚めたときに気づいたのはいくつかある、それは自分がサイヤ人ということ、そしてもう1つーーー
「行くぜ一誠君!ドォ・・・ラァ・・・ゴォ・・・ンン・・・波ァ!!!」
俺が放ったのはドラゴン波、ドラグソボールのキャラクター、
「兄さんすげぇよなぁ、気が使えるなんてさ」
「実は俺自身もどうやって使ってるか分からないんだ、ごめんな」
「ほらー!遅刻するわよー!」
「やばい!急ぐぞ一誠君ッ!!!」
「兄さん待ってよぉ!!!」
これの生活が俺が兵藤になってからずっと続いている、とても楽しい時間だ、
「おーいイッセーおはよう!オルスの兄さんもおはようございます!」
「おー!松田君に元浜君じゃないか!」
「急ぐぞ松田ァ!元浜ァ!このままだと遅刻待った無しだ!!!」
ム、初日から遅刻はマズイな・・・仕方ない
「3人共俺に掴まりな、飛ばすよ?」
「お!こりゃ速く着きそうだ!兄ちゃんお願い!」
「いっくぞぉ!」
俺は自分の全速力で駒王学園へとダッシュする、思った以上にキツイがこれも修行の一環だ
「ほれ、ついたぞ」
「よっしゃー!兄さんありがとうございます!」
「兄ちゃん速いなー、俺もそれぐらいの力が欲しいよ・・・」
一誠君や元浜君達が何か言っているが早く入らないといけないんじゃないか・・・?
「そうだ!こんなところでウジウジしている暇なんてないじゃないか!速く行かないと!
『『女子更衣室に!!!』』
「・・・え?」
そこからは酷かった、1年間で俺が一誠君を見ていた限りやったことは
「一誠君!そんなことしちゃダメだって!」
「何言ってんだよ兄ちゃん!覗きこそ正義!男のロマンなんだ!!!」
「行くぞイッセー!今剣道部が女子更衣室へと入っていったらしい!」
「なんだって?!早く行くぞ!」
あぁ・・・話が通じないって思うことがこんなに疲れるなんて・・・泣
「大丈夫ですか…オルス先輩」
「あぁ、小猫ちゃんか・・・うん、大丈夫だよ、ちょっと疲れただけさ」
「私のおまんじゅうあげるので元気出してくださいよ」
疲れたときには甘いものとはよく言ったものだ、小猫ちゃんから貰ったおまんじゅうが五臓六腑に染み渡る
「小猫ちゃんはどうして俺なんかに構ってくれるんだい?俺は一誠君のお兄ちゃんなんだよ?もう少し警戒してもいいと思うんだけど・・・」
「オルス先輩には警戒しなくても大丈夫です、私は優しいの知っていますから」
うーん、真顔でそういわれると少し照れるなぁ・・・
「本当、オルス先輩は可愛いです・・・///」ボソッ
「え?なんか言ったかい?」
俺がこういうと「な、なんでもないです!」と言って走り去っていく、俺なんか気に障るようなこと言ったのかな・・・だとしたらあとで謝らないと
「にいちゃあああああああああん!ちょっと助けてぇええええええええええ!!!」
「え?ちょ!一誠君達?!何やってんの!」
『コラァ!変態3人組待ちなさぁい!!!』
一誠君達の声がした方を見ると3人が女子たちに追いかけられているのが見える、いや!マジで何やってんの?!
「あ!オルスさん!お願いします!なんとか言ってください!」
「アハハ・・・ごめんねみんな、俺が土下座何でもするから3人を許してあげてくれないかな?」
「え・・・?でもオルスさんは関係ないし・・・」
ここら辺は女子のみんなは優しいと思う、女子のみんながウンウン唸っていると入口の方から黄色い声援が聞こえてくる
『リアスお嬢様―!朱乃お嬢様―!』
『今日もお綺麗ですー!』
『ウオー!俺を彼氏にしてくださーい!!!』
『何言ってんだ!俺が彼氏にしてもらうに決まってるじゃないか!』
『なんだとこの野郎!!!』
ワーワーキャキャー!!!
この声援の原因はあそこにいる2人、グレモリーさんと姫島さんが登校してきたからだ、俺から見ても可愛いと思うが・・・何故だろう・・・気がおかしい・・・?
「・・・!」フリフリ
『キャー!お嬢様―!!!』
・・・今こっちを見て手を振ったように見えたが・・・気のせいか?
「あー!兄ちゃんズルい!あの二大お嬢様のリアス様に手を振ってもらえるなんて!」
「そ、そんなにいい事なのかい・・・?ごめんね一誠君、俺みんなの流行ってのが分からなくてさ・・・」汗
「あ!なら私がお教えします!いえむしろ教えさせてください!」
「あ!ずるいわよ!オルスさん!私がお教えいたします!」
あ、これ面倒くさくなる奴だ、逃げよ
「あ!もうこんな時間じゃないか!じゃあねみんな!俺家に帰って勉強しなきゃ!」
『あーん待ってー!!!』
本当は勉強しなくても分かるんだけど・・・やっぱり女子は苦手だ・・・汗
「君がオルス君ね?」
「え?あ、はい、なんですか?
なんでこのタイミングで話しかけてくるんだよぉ・・・完全に帰るタイミング見失っちゃったじゃないか・・・
「ふむふむ・・・うん、ありがとうね、それじゃあ」
「え、えー・・・?あ、ありがとう・・・ございます・・・?」
グレモリーさんは何がしたかったのだろうか・・・しかし、この時の俺は気づいていなかった、いや、気づけなかったんだ、まさか・・・あんなことが起きるんなんて・・・!