オルスvision start
「すいません部長……僕はやっぱり諦めきれません……ッ!!!」
「祐斗?!待ちなさい!祐斗ッ!!!」
んー・・・やっぱりこうなったかぁ、まぁウスウス気づいてはいたけどね、仕方ない、俺も行くか
「おーい木場くーん!どこー?!って、俺気を感じとれるじゃん」
マジですっかり忘れてた・・・
俺が気を探ってみると2つの気がぶつかりあっているのが分かる、しかし割と接戦しているようでほとんど気は減っている様子はない
「この気は・・・フリード君か!てかマジで木場君強くなっているじゃん、この前の鬼ごっこで強くなったのかな?」
そんなことを思いながら俺はそこに向かう、着いて見ればこの前の
「んぎッ・・・!」
「んー・・・もうやめようぜ?悪魔クン、今のお前と
「おーフリード君どこ行くの?」
フリード君が逃げそうだったので俺が止めに入る、自慢のスピードに追い付かれてビックリしたのかギョッとした表情でこちらを見てくる
「は、え?ちょ、はああああああああああああ??!!!」
「まぁまぁ落ち着いて、俺と今からラーメンを食いに行こうじゃないか、さっき戦ってて腹減ったでしょ?俺もさっきまで体育祭だったんだよ」
「は!さっきまでお仲間の悪魔クンと殺し合っている奴とラーメン食いに行くなんて正気じゃねぇなお兄様!だが行かせてもらおうじゃないの、勿論おごりだろ?」
「君中々ふてぶてしいね、でもいいよー、誘っているのは俺だし、そこに突っ立ってないで木場君も行くよ!」
「え?!ぼ、僕もですか?!」
取りあえずこの前のラーメン屋に行った、木場君はこの前豚骨ラーメンを食べていたが今度は塩ラーメン、フリード君は醤油豚骨を頼んでいた
オルスvision fade-out
フリードvision start
俺は心底困惑している、この前まで敵……いや今でも敵か、そんな奴らと今ラーメンを食っているんだ、おかしいよな……?
「んんん!美味い!やっぱりここのラーメンは美味いなぁ!」
「この前は豚骨を頼んで美味しかった・・・この塩ラーメンも美味しい!!!」
俺はまだ手を付けていない、敵から出された怪しいラーメンだ、一応味は頼んだが・・・本当に大丈夫か?
「あれ?フリード君ラーメン食べないの?じゃないと俺が食っちゃうけど」
「食べないとは言ってない、俺ちゃんもいただくとするかね」
一口ズズッとすする、口の中には濃厚なスープの風味と醤油のサッパリした味が口の中に広がる・・・このラーメンメチャメチャ美味いじゃねぇか・・・!!!
「おー、その顔は驚いてるね?ここのラーメン美味いでしょ、俺のオススメの店なんだよね」
「確かに・・・これは美味いな、こんな美味い店があるならもっと早く知りたかったぜ」
「それで?君たちは何で戦っていたのかな?」
まぁ、やっぱり聞いてくるよな、正直話すのはあまりいいとは思っていない、そう思っていたら悪魔クン、剣士君が最初に話してきた
「僕たちはたまたま会っただけなんです、何故ここにいる?って聞いたら『聖剣』という
単語が出てきたのでその話を詳しく聞こうとしたら戦闘になりました」
チッ余計なことを・・・俺ちゃんとしてはあまり話してほしいことではなかったが・・・まぁこのお兄様ならいいだろう
「そうかぁ、結局のところはやっぱり聖剣なんだね、てかフリード君がもっているその剣が聖剣でしょ、神聖な気配が鞘から駄々漏れだよ?」
ッ・・・マジかよ、俺ちゃんとしてはバレていないもんだと思っていたが・・・こうなったら仕方がないか?
「あぁそうですぜ?俺ちゃんの仕事はこの
「そんな大事なことを俺にベラベラ喋っていいのかい?俺は一応悪魔と繋がっているしそこにいる木場君も悪魔だけど?」
正直俺ちゃんはもうどっちでもいいと思っている、この聖剣を持ってしてもお兄様の速さには着いていける気がしないからな
「ふ~ん・・・まぁ、一つだけ忠告しておくよ?」
その瞬間、俺はイッセーのお兄様の恐ろしさを垣間見ることになった
「この前みたいに俺の弟に手を出してみろよ・・・死ぬだけじゃすまさねぇからな・・・ッ!」
「ッ・・・そろそろ帰るとするかねい、あんがとよお兄様、ラーメン美味かったぜ」
「俺の名はオルスだよ、次会ったときはそう呼んでくれ」
そういって俺はラーメン屋を去っていく・・・これは中々ハードなお仕事になりそうだな
フリードvision fade-out
木場vision start
「さて、俺達も帰ろうか!腹いっぱいになったしもう大丈夫でしょ?それにもうその雰囲気だとグレモリーさん達には話したみたいだしね、俺からはもう何も言わないよ」
……本当にオルス先輩には敵わないな、僕にはもったいない先輩だよ、小猫ちゃんが好きになるのも納得できる
「はい、少しですが吹っ切れることが出来ました、またラーメンありがとうございます」
「また一緒に食べに行こうね!あそこのラーメン屋は麺系統以外にもチャーハンも美味いんだ!トッピングに焼豚もつけると更に美味いよ!」
はしゃぐオルス先輩と一緒に部室へ帰る、みんなにも心配をかけたし僕も帰らないと
だけどこの時の僕には分からなかったんだ、数日後、更にこの殺気は増幅して僕の中に侵食してくることに・・・