オルスvision start
「ん……朝かな……起きて鍛えよう……」
朝起きて布団をたたむ、一誠君は・・・あれ?いないな、もう起きて鍛えているのかな?
「ふぁ・・・ってここにもいない・・・まぁいいや、俺は自分も鍛えないといけないからこの時間は大切にしないとね」
そう言って俺は
「この段階からどうやって進化するかだよね・・・」
正直なところこの段階からの進化のヴィジョンが見えない、ただやみくもに気を高めたってそれは俺自身の体から溢れるだけ、今の状態から更に気を体に纏わせるか・・・果たしてそんなことが出来るだろうか・・・
「まぁ、物は試しだよね・・・ッハァアアアアアアアア!!!!!」
本気を出して気をためる、やはり漏れるよね・・・だけど関係ない、このあふれ出る気を・・・
「ングググググゥッ!!!!」
痛い・・・体内で灼熱の蛇が這いずり回っているようで気持ちが悪い・・・ッマズイ・・・サイヤ人ノ・・・本能ガ・・・顔ヲ・・・!
『ンガァアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』
ついに・・・俺の中のサイヤ人が―――
オルスvision fade-out
一誠vision start
『ンガァアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』
「ッ?!え?!何?!何が起きてんの??!!!」
俺は兄ちゃん?らしき声で飛び起きる、でも兄ちゃんがこんな声を出したことなんて一度もなかったのに・・・それになんだか嫌な予感がする・・・何故だか分からない、でも俺は外に出ないといけないような気がしてならなかった、勿論【赤龍帝の籠手】を出してBosstを発動させながら
「え・・・?にい・・・ちゃ・・・ん・・・?」
俺が見た光景、それは自分の力を抑えれらなくなり、暴れ狂った兄の姿だった・・・
でもあれは不味い、本当に不味いだろあれは!!!
このままだと屋敷ごとみんなが消し飛ばされちまう!
「取りあえず・・・止まってよ兄ちゃん!」
『ンギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!』
目は白くなり理性を失っている兄ちゃん、あれじゃまるで猿じゃないか・・・ん?
俺はあることを思い出す、それは兄ちゃんが来た日、俺が兄ちゃんを見つけて家族になった日に聞かせてもらった話だ
―――回想―――
『そういえば兄ちゃんって尻尾が生えているよね、それって本物なの?』
『ん?ああこれね、そうなんだ、俺の意思で動くし俺の弱点でもある』
『やっぱり兄ちゃんにも弱点ってあるんだね』
『当然だよ、俺はこの尻尾を握られたら力が抜けてしまうんだ、まぁ触らせる気はないけどね』
―――回想終了―――
「そうか!尻尾だ!」
思い出した!尻尾を握ってしまえば俺の勝ちだ!でも兄ちゃんはいつも尻尾を服の中に締まっているからな・・・俺だけじゃ出来るかどうか・・・そもそも兄ちゃんのスピードについていけるのか・・・?
「どうやら困っているようだねイッセー君」
「え?」
声のした方を見ると木場がそこに立っていた、いつからそこにいたんだあいつ
「僕も一緒にやるよ、僕にとってもいい鍛え方になる」
「木場・・・全く、お前は本当にイケメンだな、イケメン過ぎて妬いちまうぜ・・・」
俺はため息を吐いて構える、さぁ、行くぜ・・・ッ!!!
「いいか木場、兄ちゃんの攻撃のほとんどは俺が受ける、その隙に兄ちゃんの後ろにある尻尾を握れ、それが兄ちゃんの弱点だ」
「尻尾?オルス先輩はまさか人間じゃ・・・」
『ンガァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』
「っと、喋っている暇はなさそうだぜ!!!」
兄ちゃんがこちらに向けて一気に突進してくる、いつもよりずっと速ぇ・・・!
「まずは一発だ!くらいやがれぇ!!!」
拳を兄ちゃんに向けて撃ち放つ、拳を拳で受けたが大砲のような一撃が俺を襲う、一発一発が大砲のような一撃のせいで俺の拳も痺れる
「んな・・・兄ちゃんは本気でもこんな力はなかったはず!」
「イッセー君、オルス先輩の体を見てくれ」
「体・・・?」
俺は兄ちゃんの体をマジマジと見る、一見見れば
「どうやらオルス先輩は進化したみたいだね・・・」
「まさか理性を失ってまで進化してるなんてな!やっぱり戦闘民族サイヤ人は伊達じゃないぜ!」
「そういえばオルス先輩やイッセー君は
まさか戦闘民族サイヤ人が分かっていないなんてな・・・取りあえず簡単な説明だけはした、それでも兄ちゃんが暴れ狂う攻略にはならないけどな・・・
「おま………え………は………ッ」
兄ちゃんの方から声が聞こえる、顔を見てみると半分は白目、半分は黒目とだいぶ器用なことになっていた
「お前………はぁ………戻れぇええええええええ!!!!!!」
兄ちゃんの自力の気合によってなんとか暴走は収まった、あの状態から自分を取り戻すなんて・・・なんて精神力の強さだ!
「ふぅ・・・心配かけたね2人とも」
「本当だよ!まったく・・・なんであんなことになったのさ?」
「それは僕も気になります、話してくれませんか?」
一誠vision fade-out
オルスvision start
「あれは俺自身が進化しようとしてたんだよ」
「そうなの?でもなんかブースターみたいなのが背中に付いていたし・・・あれは進化とは呼べないの?」
ブースターか、確かに滅茶苦茶早かった気もするけど・・・俺の中だとあれは進化とは呼べないかなぁ・・・
「名前を付けるとしたら・・・
「ま、また速さで・・・」汗
木場君がOh………となっているが・・・なんか申し訳ないことでもしたのかな?
「兄ちゃん・・・」
なんか一誠君がすげぇ憐れんだ目で見てくる!なんで?!俺なんかしたの?!
「あ……れ……?」
や、やばい・・・力・・・がぁ・・・
ここで俺の視界はシャットアウトした