ハイスクールD×D サイヤと奏でる悪魔の軌跡   作:厄丸

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第11話 サイヤと力と暴走と

オルスvision start

 

 

「ん……朝かな……起きて鍛えよう……」

 

朝起きて布団をたたむ、一誠君は・・・あれ?いないな、もう起きて鍛えているのかな?

 

「ふぁ・・・ってここにもいない・・・まぁいいや、俺は自分も鍛えないといけないからこの時間は大切にしないとね」

 

そう言って俺は【気の鎧IN腕足第二段階】(オーラメイルverアームレッグmark2)を纏う、さて・・・

 

「この段階からどうやって進化するかだよね・・・」

 

正直なところこの段階からの進化のヴィジョンが見えない、ただやみくもに気を高めたってそれは俺自身の体から溢れるだけ、今の状態から更に気を体に纏わせるか・・・果たしてそんなことが出来るだろうか・・・

 

「まぁ、物は試しだよね・・・ッハァアアアアアアアア!!!!!」

 

本気を出して気をためる、やはり漏れるよね・・・だけど関係ない、このあふれ出る気を・・・制御(コントロール)するんだッ!

 

「ングググググゥッ!!!!」

 

痛い・・・体内で灼熱の蛇が這いずり回っているようで気持ちが悪い・・・ッマズイ・・・サイヤ人ノ・・・本能ガ・・・顔ヲ・・・!

 

『ンガァアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』

 

ついに・・・俺の中のサイヤ人が―――

 

 

 

()()()()()()()()()

 

 

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

『ンガァアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』

 

「ッ?!え?!何?!何が起きてんの??!!!」

 

俺は兄ちゃん?らしき声で飛び起きる、でも兄ちゃんがこんな声を出したことなんて一度もなかったのに・・・それになんだか嫌な予感がする・・・何故だか分からない、でも俺は外に出ないといけないような気がしてならなかった、勿論【赤龍帝の籠手】を出してBosstを発動させながら

 

「え・・・?にい・・・ちゃ・・・ん・・・?」

 

俺が見た光景、それは自分の力を抑えれらなくなり、暴れ狂った兄の姿だった・・・

 

でもあれは不味い、本当に不味いだろあれは!!!

このままだと屋敷ごとみんなが消し飛ばされちまう!

 

「取りあえず・・・止まってよ兄ちゃん!」

 

『ンギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!』

 

目は白くなり理性を失っている兄ちゃん、あれじゃまるで猿じゃないか・・・ん?()・・・?

 

俺はあることを思い出す、それは兄ちゃんが来た日、俺が兄ちゃんを見つけて家族になった日に聞かせてもらった話だ

 

 

―――回想―――

 

 

『そういえば兄ちゃんって尻尾が生えているよね、それって本物なの?』

 

『ん?ああこれね、そうなんだ、俺の意思で動くし俺の弱点でもある』

 

『やっぱり兄ちゃんにも弱点ってあるんだね』

 

『当然だよ、俺はこの尻尾を握られたら力が抜けてしまうんだ、まぁ触らせる気はないけどね』

 

 

―――回想終了―――

 

 

「そうか!尻尾だ!」

 

思い出した!尻尾を握ってしまえば俺の勝ちだ!でも兄ちゃんはいつも尻尾を服の中に締まっているからな・・・俺だけじゃ出来るかどうか・・・そもそも兄ちゃんのスピードについていけるのか・・・?

 

「どうやら困っているようだねイッセー君」

 

「え?」

 

声のした方を見ると木場がそこに立っていた、いつからそこにいたんだあいつ

 

「僕も一緒にやるよ、僕にとってもいい鍛え方になる」

 

「木場・・・全く、お前は本当にイケメンだな、イケメン過ぎて妬いちまうぜ・・・」

 

俺はため息を吐いて構える、さぁ、行くぜ・・・ッ!!!

 

「いいか木場、兄ちゃんの攻撃のほとんどは俺が受ける、その隙に兄ちゃんの後ろにある尻尾を握れ、それが兄ちゃんの弱点だ」

 

「尻尾?オルス先輩はまさか人間じゃ・・・」

 

『ンガァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』

 

「っと、喋っている暇はなさそうだぜ!!!」

 

兄ちゃんがこちらに向けて一気に突進してくる、いつもよりずっと速ぇ・・・!

 

「まずは一発だ!くらいやがれぇ!!!」

 

拳を兄ちゃんに向けて撃ち放つ、拳を拳で受けたが大砲のような一撃が俺を襲う、一発一発が大砲のような一撃のせいで俺の拳も痺れる

 

「んな・・・兄ちゃんは本気でもこんな力はなかったはず!」

 

「イッセー君、オルス先輩の体を見てくれ」

 

「体・・・?」

 

俺は兄ちゃんの体をマジマジと見る、一見見れば【本気の気の鎧】(オーラメイルverフルパワー)だが・・・あれ?!後ろにブースターみたいなのが付いてる?!

 

「どうやらオルス先輩は進化したみたいだね・・・」

 

「まさか理性を失ってまで進化してるなんてな!やっぱり戦闘民族サイヤ人は伊達じゃないぜ!」

 

「そういえばオルス先輩やイッセー君は()()()()()()()()って言っているけど・・・人間ではないのかい?悪魔でもそんな種族は聞いたことないし・・・」

 

まさか戦闘民族サイヤ人が分かっていないなんてな・・・取りあえず簡単な説明だけはした、それでも兄ちゃんが暴れ狂う攻略にはならないけどな・・・

 

「おま………え………は………ッ」

 

兄ちゃんの方から声が聞こえる、顔を見てみると半分は白目、半分は黒目とだいぶ器用なことになっていた

 

「お前………はぁ………戻れぇええええええええ!!!!!!」

 

兄ちゃんの自力の気合によってなんとか暴走は収まった、あの状態から自分を取り戻すなんて・・・なんて精神力の強さだ!

 

「ふぅ・・・心配かけたね2人とも」

 

「本当だよ!まったく・・・なんであんなことになったのさ?」

 

「それは僕も気になります、話してくれませんか?」

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

「あれは俺自身が進化しようとしてたんだよ」

 

「そうなの?でもなんかブースターみたいなのが背中に付いていたし・・・あれは進化とは呼べないの?」

 

ブースターか、確かに滅茶苦茶早かった気もするけど・・・俺の中だとあれは進化とは呼べないかなぁ・・・

 

「名前を付けるとしたら・・・【本気の気の鎧IN推進力】(オーラメイルverプラスブースター)ってところかな、確かに速さは比べ物にならないだろうけど・・・」

 

「ま、また速さで・・・」汗

 

木場君がOh………となっているが・・・なんか申し訳ないことでもしたのかな?

 

「兄ちゃん・・・」

 

なんか一誠君がすげぇ憐れんだ目で見てくる!なんで?!俺なんかしたの?!

 

「あ……れ……?」

 

や、やばい・・・力・・・がぁ・・・

 

ここで俺の視界はシャットアウトした

 


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