『君は死んでしまったようだ、だから次の人生は上手く生きるんだよ』
「ここ・・・は・・・?」
謎の声と共に俺は起きる、謎の声が聞こえたと思ったが気のせい・・・だっだ・・・のか?
目が覚めて上を見ればそこは知らない天井、周りを見れば見たこともないようなフィギュアが置いてある
「いや・・・マジでどこ・・・」
「おぉ!やっと起きたか!」
ドアが開きそこに立っていたのは俺と同じぐらいの身長をした青年だ、髪は茶色を少し暗くしたような色で調子が良さそうな雰囲気をしている
「あんた家の近くに倒れていたんだぜ?」
「そうなのか・・・?すまんな、起きたばっかりで頭が上手く働かないんだ・・・正直ここがどんな街なのかも分からない・・・」
俺の言っていることは事実だ、俺自身の記憶がない、あるのは自分の本来の名前とかけ離れた特殊な名前、そして自分がどんな人間・・・いや、種族なのかだけだ
「倒れていて更に記憶喪失なのか?ここは駒王町だぜ、俺の名は兵藤一誠だ、よろしくな」
「あぁ、俺の名は・・・あー・・・」
本当にこれは俺の名前であっているのか・・・?なんで野菜をカッコよくしたような名前なんだよ・・・
「俺の名はオルスだ、よろしく」
「オルス?イカした名前してるじゃないか、よろしくな」ニカッ
兵藤と名乗ったこの青年はいい笑顔で挨拶を返してくれる、いい顔してるなこいつ
「母さん!起きたよー!ほら、オルスも行こうぜ!」
「あぁ、おっと危ない、腕を引っ張るのは待ってくれないか?ちょっと立ちくらみが酷くてな・・・」
一誠君は『あ!スマン!』と言って手を引くのをやめてくれる、ありがてぇ・・・
「あらぁー!よく見たらかっこいい顔してるじゃないの!きっとお腹すいてるでしょ?たくさん作ったからいっぱい食べてね!」
一誠君の母親が作った料理・・・何故だろうか・・・自分の種族のせいかすごく腹が減った・・・!
「ほ、本当にお腹いっぱい食べて・・・いいんですか?」
「いいんだいいんだ!うちの母さんのご飯は美味いぞ~?」
喉を唾液がツーッと伝う、もう我慢できねぇ・・・!
「「いただきます!!!」」
まず口に含むのは野菜炒めだ、シャキシャキとした触感が食欲をそそる
「美味い!いつ食べても母さんのご飯は美味い!」
「あらあら、早く食べないと全部食べられちゃうわよ?」
「ガツガツムシャムシャ!!!」
美味い!美味すぎる!さっき食べた野菜炒め!レバニラ炒めも!ハンバーグも!どれもこれも美味すぎる!!!
「おおい??!!!すげぇ食いっぷりだなオルス!」
「
「口の中の物飲み込んでから喋れよ!」
そんなこんなで俺のこの世界での初めての楽しい食事は終わった、いやぁ、本当に美味すぎた・・・
「なぁオルス、お前はどこか行くあてはあるのか?」
行くあてか・・・いきなり知らないところに飛ばされていきなり気を失っている・・・そんな俺に行くあてはあるのか・・・?
「もしもないならさ、母さんが許可したらだけど一緒に住まないか?」
「お、俺がか?」
「あぁ、お前と一緒にいると暇しねぇからさ、それにさっきの食べっぷりももう一度見たいからさ」
一誠君の誘いはありがたいが・・・しかし助けてもらったし・・・うーん・・・
「じゃ、じゃあたまにうちに寄るってのはどうだ?それならいいだろ?な?!」
そもそもなぜこんなにも俺なんかにこんなに熱心になるのだろうか、それがどうも引っかかるな・・・
「一誠はお兄ちゃんが欲しいのよ、オルス君は多分年上よね?それに前々から『俺に兄ちゃんがいたらな~』なんて言ってるのよ~♪」
「ちょ!母さんそれ言わないでよ!」
「そうか、一誠君はお兄ちゃんが欲しいのか・・・」
一誠君はいい子そうだしなってもいいんだが・・・迷惑になる気がするしな・・・
「あ、迷惑とかは気にしなくてもいいのよ?今更子供が一人増えたって変わらないわ♪」
「なぁ、頼むよ・・・」
「うーん・・・」
そんな子犬みたいな目で見らたら・・・よし、決めた
「分かりました、そんなに言うならお言葉に甘えさせてもらいます」
「え?いいの?本当に・・・?」
「あぁ、男に二言はないよ」
「それならあなたの名前は兵藤オルスね!!お父さんには私から言っておくわ♪」
そして俺はこの日から兵藤家の家族として、一誠君のお兄ちゃんとしてこの世界に過ごすこととなった
「そういえばさ、
「に、兄ちゃん?ま、まぁいいや」
俺は深呼吸をして自己紹介を始める
「俺は