IS VS Build   作:シュイム

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模試が(色々と)終わったんだから今日くらいいいよね!
てか最近書き方が分からなくなってて話し進まないわキャラブレるわ大変大変。
そのせいで前編後編と分けることになってしまいました。サーセン


第22話 天空に立つ暴れん坊達 前編

「やっぱりハヅキ社製のがいいなぁ」

 

「え? そう?ハヅキのってデザインだけって感じしない?」

 

「そのデザインがーー」

 

休日が明け、月曜日の朝。

一夏達クラスメイトはISスーツについてカタログ片手に談笑している。

俺はビルドだからスーツは必要ないんだけど、あんなピッチピチの水着みたいなのは思春期男子には目に毒だ。

...まあ前世の歳も含めたら30代で未経験(ウィザード)な奴が思春期も何もないけどな。

 

「えっと、ISスーツって着けてると確か反応速度が...なんだっけ?」

 

「ISスーツは肌表面の微弱な電位差を検知することによって、操縦者の動きをダイレクトに各部位へと伝達、ISはそこで必要な動きを行います。」

 

「あ、そう! それです!」

 

「また、そのスーツは耐久性にも優れ、一般的な小口径拳銃の銃弾程度なら衝撃は感じるものの、完全に受け止められる。ですよね?」

 

「はい! 桐生くん、その通りです!」

 

すらすらと説明しながら現れた山田先生。

この人は普段はいじられキャラだがこういう時とてもかっこ良い。

俺は普段からとても尊敬している。

 

「山ちゃんも桐生くんも凄い!」

 

「今日が皆さんのスーツの申し込み開始日なので、一応先生として予習はしてあるんですよ。....って、や、山ちゃん?」

 

「うん、山ぴーとかまーやんとかもあるよ?」

 

ほら、これが山田先生のいじられキャラとしての才能だ。

既に彼女は8つものあだ名がある。

 

「あ、あの、教師はあだ名で呼ぶものでは...」

 

「えー? じゃあ最初のヤマヤとかもダメ?」

 

「あ、あれは本当にやめてください!」

 

何故か「ヤマヤ」というあだ名をとても嫌がる。

大方名前が「山田真耶」で回文だもんだからさんざんからかわれたとかだろうな。

 

「山田先生、そろそろ授業始まるんじゃないですか?」

 

「! は、はい! 皆さんも桐生くんのようにちゃんと予習復習、名前に先生を付けることを心がけてください!」

 

俺に先生と呼ばれたからかすっごい嬉しそうな顔してみんなに注意を促す先生。

多分最後のを特に伝えたいんだろうが当の彼女達は暖簾に腕押し、糠に釘、豆腐にかすがい...。

 

「諸君、おはよう」

 

「「「お、おはようございます!」」」

 

先程とはうって変わり織斑先生の登場でその場が引き締まる。

彼女の持つオーラというかそんなようなものが自然と俺たちに働きかけているのだろうか。

 

「今日からは本格的な実験訓練を開始する。 訓練機ではあるがISを使った授業なので各人気を引き締めるように。 今は学校指定のISスーツを使用する。忘れたものは水着か下着で受けろ。」

 

俺は映司じゃないので無理です。

アンク復活、CSMオーズドライバー発売おめでとうございます。

てか俺は必要ないわ。

 

「えっと、ではホームルームを始めますが、その前に...転校生を2人! 紹介します!」

 

「え...」

 

「「「えええええっ!?」」」

 

...遂に来たか、この時期が。

俺が内心色々と画策してるとは皆思わず一斉に叫び出す。

まあ1クラスに同時に2人なんてこと前世でもなかったし、驚くのも無理はないけどな。

 

「失礼します。」 「.......」

 

教室に入ってきた2人の転校生の内の1人に皆が目を引く。

何故ならば...

 

「シャルル・デュノアです。 フランスから来ました。 この国では不慣れな事も多いかと思いますが、よろしくお願いします。」

 

その者が俺、一夏に次ぐ3人目の()()だったからだ。

 

「お、男...?」

 

「はい。こちらに、僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国より転入をーーー」

 

「きゃ、」

 

「え?」

 

「「「きゃあああああーっ!」」」

 

「ぎゃああああーっ!」

 

煌めく金の髪を後ろにまとめ、顔は中性的ながら優しげで、姿勢よく礼儀正しい。

まさに貴公子。

そんな彼に皆は思わず叫び声を上げる。

なお最後のは一夏の別の悲鳴だけどな。

 

「男子! 3人目の男子もうちのクラスに!」

 

「美形! 守ってあげたくなる系の!」

 

「地球って素晴らしいのね! この星ナメてたわ!」

 

いや、この星をナメるなよ

 

「あー、騒ぐな。 静かにしろ」

 

「み、皆さんお静かに! まだ自己紹介は終わってませんよ〜!」

 

めんどくさそうにする織斑先生に必死に宥めようとする山田先生。

今回は俺も織斑先生に同感だ。ちょっとこれはウザいし引く。

それに俺はまあ知ってるから分かるけどなんか、あれだな。

原作より男っぽい?というか。気のせいか。

どうせ後にハッキリするんだ。

 

「........」

 

忘れられて...ゲフンゲフン何も話さず1人佇む銀髪の小柄な少女。

ドイツ軍人の試験体、ラウラ・ボーデヴィッヒ。

左目には軍人が着けている黒眼帯、シャルルとは違いまとめること無く伸ばしっぱなしの髪。

うまく言えないが織斑先生に似た「何か」が彼女からは感じ取られる。

 

「...挨拶をしろ、ラウラ」

 

「はい、教官」

 

初めて見せるまともな表情と言葉。

彼女は過去に織斑先生に直接指導を受けており、以来織斑先生を心酔している。

 

「私はもう教官ではないし、お前も一生徒だ。これからは織斑先生と呼べ。」

 

「了解しました」

 

ビシッとバリバリ軍人の敬礼をするラウラ。

ある意味礼儀正しいっちゃ正しい。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

「「「.......」」」

 

「あ、あの、以上...ですか?」

 

「以上だ。」

 

どうだ一夏、名前だけ紹介された気分は。

このいたたまれない空気がどれだけめんどくさいか分かったか?

 

「! 貴様がーーー」

 

あ、やべ。

シャカシャカシャカ

 

パシッ!

 

「「「!?」」」

 

一夏の前に立ち、平手打ちかまそうとするラウラの手を止める。

フルボトル使ったからね、一瞬の出来事でクラスメイトや目の前に居た一夏、殴ろうとした当のラウラも何が起こったか分からなかったようだ。

 

「!? き、貴様! 何をする!」

 

「まあまあ、落ち着けっていきなり殴ることないだろ?」

 

「! 貴様が桐生建兎か。織斑一夏だけでなく貴様にも用はある」

 

「っ! お、俺がお前に何したってんだよ! 建兎だって何の関係が!」

 

「ふん! 私は貴様があの人の弟であるなどとは認めない! 桐生建兎、貴様も覚悟していろ。」

 

俺から手を離しすたすたと自分の席に向かうラウラ。

...なんで俺こうもトラブル体質なの?

 

「ゴホンゴホン! ではホームルームを終わる。 今日は2組と第二グラウンドで合同授業で模擬戦闘を行う。時間に遅れぬようすぐに着替えろ。解散!」

 

さて、俺は必要ないから直接向かうとして一夏に釘刺しとくかな。

 

「織斑、デュノアに更衣室への案内をしてやれ。」

 

「は、はい。」

 

「君達が織斑くんに桐生くん? 初めまして。僕はーー」

 

「とにかく移動が先だ。女子が着替え始めるから。」

 

「一夏。」

 

「な、何だよ建兎。俺達急がなきゃー」

 

「シャルルにあまり馴れ馴れしくするなよ? 体をペタペタ触ったり名前をいきなり呼び捨てにしたり...俺は気にしないけど他人からしたら迷惑だったりするから」

 

「...え? あれって迷惑だったのか?」

 

「うーん... 人にもよりけりだけど」

 

「そんな...俺は同じ男子と仲良くしようと思って...」

 

ズーンとでも聞こえてきそうな落ち込みポーズをとる一夏にシャルルが慰めるという構図が出来た。なんだこれ。

 

これからは気をつけるよ...と消え入りそうな声でシャルルに支えられながら歩いていく一夏を見送って俺はグラウンドに向かう。

どんだけショックだったんだよ....。

 

さて、俺はやるべき事をするかな。

近くに誰も居ないことを確認し、ビルドフォンでとある人に連絡する。

 

『もしもーし! 皆大好き束さんだよ!』

 

「もしもし、束姉さん? ちょっと調べてほしいんだけど」

 

『ガンスルー!? 罵倒されるよりキツいんだけど!』

 

「今日来た転校生の事なんだけどさ、束姉さんも知ってるよね?」

 

『はあ、スルーで通すのね...。 うん、知ってるよー! てゆーか既に正体とかも色々分かるよー! けんくんも知ってるだろーけどね!』

 

「うん、シャルル・デュノア。あいつは...()だ。」




バラすの早くない?と思った方。
こうしないとグッダグダになるので耐えてください。
ああああ、お願いします!
いつかヒロイン達の番外編書くつもりなので見捨てないで!

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