IS VS Build   作:シュイム

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この話から週一になると言ったな?あれは嘘だ。
いや調子乗りましたマジすんません!
あの話で終わらせるのは忍びないので急遽連続投稿です。
次話からマジで週一投稿になります。
それではどうぞ!


第16話 勝者とリーダーは決まった!

「1組の代表は織斑一夏くんです。あ、一繋がりでいい感じですね!」

 

数日後のSHRで山田先生が嬉々として話す。

それに合わせてクラスの皆も盛り上がる。一夏は「なんで?」みたいな顔をしてるが

 

「先生、こないだの決定戦は無くなったし仕方なく決めるにしても何で俺なんですか?」

 

「それはーー」

 

「それはわたくし達が辞退したからです。」

 

山田先生の発言を遮り、セシリアが話す。

そう、彼女の言っていた「提案」とは一夏にクラス代表を譲ることなのだ。

セシリアは今回の勝負で再び自分が驕っていた事を痛感し、代表候補生としてあるべき姿になるべく、また新たに勉強を始めたらしい。

そして『ビルド』である俺を気遣い、これからの成長なども考えて一夏に代表を任せようという話になったのだ。

元々俺は面倒だったし、原作通りになって良かったと思う。

 

「勝負はつきませんでしたが、きっとあのまま続いていればわたくしは負けていました。それにわたくしは以前のことからまだ人の上に立てるような器でないと思ったのです。そして桐生さんの正体が『ビルド』であると知れ渡ってる中、彼に任せるのはとても負担になってしまうでしょう。そう桐生さんと話し合ったのです。」

 

「...そうか、分かった。二人の分も頑張るよ」

 

意外とあっさり引き受ける一夏。クラスの皆もそれに賛成する。

ちなみにクラスの皆とは最初こそ少し溝があったものの、相川さん達や本音のおかげで徐々に元の関係に戻りつつあった。

元々気の利く子たちだったからか俺がビルドである事の話を避けるでもなく俺の都合を考えて話してくれたし、「かっこよかった」や「テレビ見てファンだった」なども言ってくれて少し照れくさかった。

未だに別のクラスなどから質問攻めにあったりするが織斑先生や楯無さんに一蹴され、なんとかなっている。

 

「一夏、俺達も出来る限りお前のサポートするよ。教えられることがあったらなんでも聞いてくれ。それでもいいかな?箒さん。」

 

「ああ、構わない。だが、私も同伴はさせてもらう。」

 

こちらも意外とあっさり引き受ける箒。

セシリアが一夏に好意を持ってないと分かってるからか余裕がある。俺達が教える事も一夏の為になると分かってるだろうしな。まあそれでも出来る限りは二人きりで居たいと思ってるだろうが。

 

「そういうわけだ。1組のクラス代表は織斑一夏。異論はないな。」

 

珍しく最後までセリフが無かった織斑先生。

原作と違って皆謙虚になっていさかいも少ないしな。

このまま原作乖離で織斑先生も優しくなってほしいもんだ。

 

パァンッ!

 

「...お前今何か無礼なことを考えていただろう」

 

「すみませんでした」

 

「分かればいい。」

 

ついでにどうやったら読心術が身につくのか教えて欲しいもんだ。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

四月も下旬に入り、知識だけでなく技能の授業も入るようになったこの頃。

俺達は今外で織斑先生による飛行に関する実践が行われていた。

 

「ではこれよりIS及びビルドの基本的な飛行操縦を実践してもらう。ビルドに関してはあまり意味は無いと思うだろうがISに肩を並べるほどの力を持つものであるということを諸君も理解しておくべきだ。織斑、オルコット、桐生。やってみせろ。」

 

さて、久々にビルドになるな。しかも皆がめっちゃ見てる中。

俺は2人と違いベルトを使って変身するのでピッチピチのスク水みたいなISスーツは必要ない。

(ちなみにビルドの力やフルボトルについては教えられる限り先生達に伝えてある。)

ビルドドライバーをセットし、フルボトルを振る。

 

シャカシャカシャカシャカ

シャカシャカシャカシャカ

 

『タカ!!』

『タァンク!!』

 

レバーを回し、俺の変身を今か今かと待ち続け、皆釘付けになる。

 

『アー ユー、レディィ!?』

 

「変身」

 

掛け声と共にビルドのハーフボディが俺を挟んで合体。

橙と青で形成されたビルドのトライアルフォーム、『ホークタンクフォーム』になる。

あの場で見てなかった者も居たため、興奮して騒ぐ子も居た。

 

「静かに! 織斑も早く展開しろ。熟練のIS操縦者ならば一秒とかからんのだぞ。」

 

そう言われ、一夏は焦りながらも集中し『白式』を呼び出す。

セシリアは既に展開済みで地面から少し距離を空けて浮かんでいた。

その後の織斑先生の言葉で俺とセシリアはすぐさま上昇。一夏も遅れながら遥か頭上で静止した。

 

「スペックでは上って言われてもな... どうしてもまだ感覚は掴めないし飛ぶ時のイメージに慣れないんだよなぁ」

 

「織斑さん、イメージは所詮イメージです。あらゆる方法を試して自分に最適なものを選ぶことがベストですわ。それに織斑さんは飛ぶ時にISがどうなってるのか学ぶよりも体で覚えるよう何度も試す方がよろしいかと。」

 

少し棘があるが全くの正論である。

一夏も自分の事ながら同感なのか頷く。

とは言え多少は言葉を理解すべきだと思う。練習に付き合っていて、というか一応知っていた事だったが箒の教え方は「ぐっ」だの「ずかーん」だの擬音ばっかで酷いのだ。ここら辺は姉妹似た者同士だな。

 

「織斑、オルコット。急降下と完全停止をしてみせろ。目標は地表から10センチだ。桐生は翼を用いてあの時の様に低空飛行をやってみせろ。」

 

「了解です。ではお二人共、お先に。」

 

そう言って慣れた様子で地上へ向かっていく。

一夏も感心したように眺めている。今更ながら彼女の実力が分かってきたのだろう。

さて、とある事の予防のために先俺行くか。

 

「じゃな」

 

「え? お、おう。」

 

俺はそう言って頭から落ちる。そこから翼を広げて一回転。地面スレスレを飛びながら徐々に減速。周りからは拍手が起こる。

よし、用意するか。

 

シャカシャカシャカシャカ

 

『ゴリラ!!』

 

『アー ユー、レディィ!?』

 

「ビルドアップ」

 

俺はタカからゴリラに差し替え、『ゴリラタンクフォーム』にビルドアップする。茶色のボディに目を引く太い腕。複眼はゴリラの横顔になっている。

落ちてくる『白』の落下地点を予測し、ゴリラで受け止め...タンクで支える...!! 地面にタイヤ痕が出来ながらも一夏を受け止められた。

...ふぅ、なんとかクレーターが出来なくて済んだな。

 

「良くやった、桐生。それに引き換え織斑。桐生が受け止めなければ地上に激突していたぞ。ちゃんと覚えろ馬鹿者。」

 

「はい...。」

 

いや確かに穴あく所だったけど厳しすぎませんかね?

俺は一夏を下ろす。これ以上やってたらキャーキャーうるさいし。

次は武装の展開の実践である。

 

まず一夏が『雪片弐型』を呼ぶ。

右腕から光が放出、形を作り上げ完全に光が収まると実体化していた。

 

「遅い。0.5秒で出せるようになれ。次はオルコットだ。」

 

やっぱり褒めなかった。一応こいつ日頃から出せるように努力してんのにな...。

 

「はい」

 

すると左手を肩まで上げ、右手から強い光が。一夏と違い、一瞬でライフル『スターライトmkⅢ』が展開される。これはやはり経験の差だろう。あれから再び努力をし、正面に向けて展開も出来ている。

左手を上げる癖はまだ抜けてないが最初と比べればマシになった方である。

 

「よし、次は近接用だ。」

 

「はい!」

 

先程よりも強い声で気合を入れる。

ライフルを光の粒子に戻し、今度はナイフの様な武器『インターセプター』が出てきた。

これもまたセシリアの努力で出来るようになったものだ。

あれから俺もセシリアの練習に付き合い、偏向射撃は未だあれ以来出来ていないがある程度は素早く出来るようになっていた。

やはりセシリアには才能があるのかもしれない。

 

「上出来だな。改善すべきは左手を上げる癖だ。なんとかしておけ。これからも鍛錬を怠ることのないように」

 

「は、はい!」

 

織斑先生に褒められ嬉しそうにするセシリア。

次の俺の番ではドリルクラッシャーを展開し、ブレードモードからガンモードへ素早く変形させたりしてお褒めの言葉を貰い、授業は終わった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

夜、IS学園にツインテールの小柄な女が立っていた。

 

「ふぅん、ここがそうなんだ...。さて受付はーっと」

 

そう言ってポケットから紙を1切れ出す。しかしそれはくしゃくしゃになっており、文字が見にくくなってしまっていた。

 

「本校舎1階総合事務受付...がどこにあるのか分からないから探してんだけど。 はあ、自分で探すしかないわね。」

 

ぶつくさ言いながら再び歩き出す。

しかしやはり良くわからない。誰か案内してもらえる人がいないかと辺りを見回すと...

 

「ん? 男子? って事は一夏?」

 

「え? あ、凰さんか。どうしたの?」

 

そこには一夏と同じくらいのルックスにすらっとした背、優しそうな雰囲気を漂わせた男だった。恐らくこいつが『2人目』の「桐生建兎」で『ビルド』なのだろう。

 

「えっと、実はここの場所が分かんなくて」

 

「えーっとここはね...。こっち」

 

そう言って先導してくれる。やはり雰囲気で感じた通り優しい奴だ。

...ん? 『凰さん』?

 

「ねえ、なんであんたあたしの名前知ってたの?名乗ってないわよね?」

 

「え?あ、あー。調べたんだ、中国の代表候補生の凰鈴音さん。俺結構気にするからそういうの。」

 

そうは言うが少し焦ったような様子でなーんか気になる。けどまあそういう事でいいか。

 

「ふーん勉強家なのね。あたしは他の国の事とか気にしないけど」

 

「あ、言い忘れてたけど俺は「桐生建兎でしょ?それくらいは知ってるわ。何せ『ビルド』だしね」そ、そうなんだ。あ、ここだよ。」

 

「ん、ありがとうね。あ、ちなみに一夏って何組か知ってる?」

 

「一夏は1組だよ。ついでにクラス代表だし。」

 

「ええ!?あいつが!?じゃあ、あたしもクラス代表になれば...いや、同じクラスならそれはそれで...

 

「えっと、凰さん?」

 

おっといけないいけない。ついつい自分の世界に

 

「ん?ああごめん。ちなみにあんたは?」

 

「俺も同じ1組だよ。」

 

「そ。あ、ここまで本当にありがとうね。また礼はするわ。」

 

「いいよそのくらい。じゃあこれから縁あったらよろしくね。」

 

そう言って桐生と別れ、私は受付へ向かう。

聞くとあたしは2組らしいからこれはもうクラス代表になるっきゃないわ!!

待ってなさいよ、一夏!あと桐生!




というわけでセカンド幼馴染、鈴ちゃんとの邂逅でした。
鈴ちゃんの言葉遣い難しい...。
色々模索しながら頑張ります!
それではまた次回!

Next→第17話 現るハーフの幼馴染

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