PERSONA XANADU / Ex   作:撥黒 灯

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 プロローグ短い東ザナと、割とプロローグ長いペルソナ。
 まあ後者については、ペルソナ覚醒しないとコミュ築けないので、そういう制約になるのでしょうが。
 この作品の導入が終わらないのは、そこら辺が関係しているのか……え、こじつけ? そんなまさかぁ。




4月14~15日──【マイルーム】心と物の準備

 

 その後は帰路につき、道中で夜と翌朝の分のお弁当を購入しつつ帰宅した。

 部屋に戻ると、やはり最低限の生活が送れるだけの環境しかない。

 学校が始まるのは明後日。それまでに充分な整理整頓をすべきだろう。

 加えて、日用品の買い揃えを明日中にすべて行うとしたら、今のうちに必要なものを洗い出さなければならない。

 幸いにして、昨日と今朝で一通りの掃除が終わっている。引き続き細かいところの清掃をしつつ、動かせるものから配置していこう。

 

 

────

 

 

 結構綺麗になった。リビングは特に片付いた場所と言って良い。置くべき荷物が極端に少ないだけだが。

 その後も、使う場所から順番に整理していく。

 キッチン、洗面所、トイレ、お風呂、寝室。流石にすべては片付かないものの、一通りは済ませることができた。

 部屋の景観的には問題ない。趣味嗜好品がなく簡素に纏まったというくらいだろう。纏まりすぎな気もするが、今後の自分に期待だ。

 

 しかしながら決定的に、日用品が不足している。石鹸やトイレットペーパーなどはある程度買い置きしておきたい。

 それに、学校用品。主なものを挙げるならばノート等も不足していた。

 

 明日は、結構な回数で往復しなければならないだろう。

 そう考えると、早めに休んでおいた方が良い気がしてくる。

 

「……そろそろ休むか」

 

 決定的に物の数が少ない寝室へと向か──おうとして、1つ思い出した。

 

 そういえば、昼に借りた(押し付けられた)CDを、未だ開封すらしていない。

 

──select──

 >聴く。

  聴かない。

─────

 

 

 折角だし、聴いてしまおうか。

 

 居間に戻り、パソコンの電源を点ける。

 起動音に加えて、数秒の待機時間の後、ようやく立ち上がった。

 専用のドライブを起動、読み取ったCDを自動で流し始める。

 

 

 

 曲名は、「Seize the day」。

 勢いがあって、元気が出る歌だった。

 

 ……ああ、凄い。正直感動したと言ってもいい。

 CDからでも、充分な熱量が伝わってくる。

 不安定な未来を不安視するより、今を──一瞬一瞬の選択を大事にした方が良い、と。

 暗き世の不安と、それを超える為の明るさと力強さ。

 それらが感じ取れる音楽だった。

 

「この手で選んだものが、答えを紡いでいく……」

 

 ああ、そうなのだろう。

 今日はそんな話を何度も聞いた。何度も胸に刻んだ。

 

 未来も過去も真っ暗な自分だが、だからこそ、今の過ごし方が重要になる。

 

 ……寝よう。

 もう1度、この曲を貸してくれた少女に出会ったら、きちんとしたお詫びとお礼をしなければ。

 そんなことを考えつつ、寝室へ再度向かう。

 

 今夜はぐっすり眠れそうだ。

 

 

 

────────

 

 夢を見た。

 よく分からない夢だ。

 

 見覚えのない校舎での学園生活。

 見覚えのない級友との雑談。

 見覚えのない教師による指導。

 見覚えのない仲間との部活動。

 

 本当に、訳の分からない夢だった。

 見覚えのないことばかりである。

 

 それでも、辛うじて唯一分かったことがあるとすれば。

 

 

 この夢の主人公(岸波 白野)は、この日常を。

 なにもなく、平凡で退屈で、だからこそ平和なこの時間を。

 心の底から好いていたことくらいである。

 

────────

 

 

 ──4月15日 (Sun)──

 

 

 目が醒める、昨日よりも片付いた部屋で。

 今日の予定は一通りメモしてある。

 基本的には買い物しか書いていないが。

 

 取り敢えず予め買ってあった弁当を食べて、外出の準備をしよう。

 

 

────

 

 一通りの買い物を済ませた。

 私生活が充実している気がする。

 

 必要最低限の物を揃え終えた頃には、もう夕刻となっていた。

 今晩も変わらず食すのは弁当である。

 折角だし、料理もしてみたいが……如何せん作り方が分からない。

 

 そういえば、駅前広場に本屋があった。

 今度、本の1つでも買ってみようか。

 それ以外にも学校の図書室などを見てみると良いかもしれない。

 吹き抜けの2階建て。あそこまで大きければ、色々な知識を得られるだろう。

 

 それと平行して、食材を買う場所も決めなければならない。

 あまり近くに買える場所がないから、我慢するか、足を用意するかだろう。

 

 ……まあ、急を要するテーマでもない。

 出費は気になるが、それ以上にやるべきことが多いからだ。

 まずは、明日。

 学校に慣れるところからだろう。

 

 

 明日の初登校に備えて準備をする。

 送られてきた制服は学ランだった。きっちりとしていて良い。サイズもぴったりだ。

 体育着やスクール水着なども普通。水着は流石に必要ないだろうが、体育着は一応持っていっておこう。

 教科書などは明日もらえることになっているので、あと自分が用意するのはノート数冊と筆記用具くらい。

 数十分で支度を終え、本日やるべきだったことも大体完遂。

 あとは寝るだけだ。

 

 ……学校生活。

 どうなるのだろうか。

 淡い期待を抱きつつ、その夜を過ごした。

 

 

 





 次回ようやく、学校へ。
 お前いつ異界いくんや……

────
選択肢!

ケース7ー2。

──select──
  聴く。
 >聴かない。
─────

 聴かないでおこう。
 ……本当に良いのか?


──select──
  聴く。
 >聴かない。
─────

 聴かない。
 だが、渡してきた彼女の必死さが思い浮かぶ。
 それを考えると──


──select──
  聴く。
 >聴かない。
─────

 やはり聴こうとは思えなかった。
 よくよく考え直しても、押し付けがましいだろう。
 ……しかし、曲に罪はないはず。
 時間も良い感じに余っている。
 どうだろうか?

──select──
  聴く。
 >聴かない。
─────

 これが、最後の、選択だ。


──select──
  聴く。
 >壊す。
─────

 壊してしまおう。
 断固として聴かない。CDがあるからそんな誘惑があるのだ。
 なら、元凶を破壊すればこの欲求もとまるはず。
 さあ、さらば──!

 →BAD END。絶対に詰みます。原作違うけど道場行き案件。
繰り返し選択肢は癖で挑んでしまうから注意。
  これは悪い文明。

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