今更ですが、頂いたご感想に返信しようかと思います。よろしくお願いします。
男子更衣室。
………
…
「いっ礎からっあんな声が出るなんてなぁ…ふふふっ」
「もういいよ…その話は…」
治ったとはいえギプスと包帯は外せないので、着替えを瀬呂に手伝って貰っていた。
「っふっくっくっ……あ、あれが素か?もっと轟よりの性格してると思ってた」
「素って言うか…隠してるわけじゃないよ。全部本当の俺だ、テンションの高低の差っていうか…」
確かにシモンズや、家族の前だとあんな感じではある。単純な話、まだ見せていなかっただけだ……
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「さっ!治ったんならもう帰りな」
「えっ?警察の聴取は?!」
「あっはっはっはっはっ!!おっお前と緑谷はぁっあっ明日聞くからいいっつって'ひぃーひぃ'たぜ…ブフッ!」
(なんてこった…何のために直したんだ…?)
これでは急いだ意味が無い、そう思った。
「へっ?!じゃ無理して治さなくてよかったんじゃ……!」
「「「「あっはっはっはっはっ!!」」」」
四人が一斉に笑う。
「あぁもう、ここは溜まり場じゃないんだ。服を着替えて安静にしときんさい!」
ふいに"服"という単語で思い出す。
「ちょちょちょ俺のコスチュームは…」
「ピーピーうるさいから更衣室に運んだよ!早く行きな!!下校時刻 何時だと思ってんだい?!」
皆揃ってと言うより四人は笑いっぱなしだったが…。無理矢理 部屋の外へと追い出された。
「はぁ…あんな奇声と醜態を晒すことになるなんて……」
「いいじゃん、壁が壊れたって感じで。なぁ?」
やっと笑い声が止まり、上鳴が俺の肩を組んで瀬呂に言う。
「くくくっ……まぁ新たな一面が見れたわな…くくっ」
(この笑い上戸めが……)
「礎くん…怪我はもう大丈夫?」
「脳みそヴィランにやられたって聞いて…」
「あぁもう平気、包帯やらは明日にでも外そうかな。緑谷は大怪我したそうだけど__二人は?というか四人か。怪我してない?」
「あっオレはヴィランに殴_..'上鳴っ'
'ん?あっそうか…'
「うん?」
二人が後ろへ半歩遠ざかり、背後に気配を感じた。
「礎っ…一緒に戦えなくて、ごめん!」
「私もっ途中で逃げt_「あーあーあー、よせよせよせ、謝んなって。約束を守ってくれたろ?それだけで十分だって」
「でも……!」
「敵の能力が予想以上だったのは俺の責任だ。仮に四人で戦ってても犠牲は避けらんなかったよ」
「「…………………」」
「hurm……相澤先生の援護に行く前に言ったこと思い出してくれ。俺から言えんのはそれくらいだ」
「……あっ!あれってそういう……!」
「じゃあ俺は着替えるから、瀬呂 ちょっと来てくれ」
「「えっ??」」
「呼んだ?つーか話、終わった?」
瀬呂と上鳴がこっちへやって来た。
「あぁ、着替えるからちょっと手を貸して欲しいんだ」
「お、わかっt「奇声は上げるなよ」ぶふふっ」
「…しばらく言われそうだな……もう二度と上げんからな。二人も早く家にかえらないと、親御さんが心配するぞ。じゃあな」
そう言って男子三人は行ってしまった。
「なんか…ズル…」
「というか礎はこうなる事予想してたね……はぁ…ズッル〜!」
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ようやく着替えが終わり、損傷したコスチュームを手に取る。案の定、右の掌の部分から中が見える。
「やっぱ、穴が…修理に出さないと。ほら」
「あ〜あ、こりゃ見事に穴が空いてる。スターク社製の一張羅っていくらすんだろうなぁ?」
「考えたくも無いよ…」
コスチュームを下ろして日本支社の連絡先を調べようと携帯を開いた。
「なぁマスクの中がチカチカ光ってるけど、どうなってんだ?これ」
「ん?それは初めてだな…貸して」
「はいよ」
携帯を置いて上鳴からマスクを受け取って、被る。すると
{スーツの損傷を確認}
{崩壊フェイズに移行しますか?}
{音声認識 Yes/No}
とディスプレイに表示されていた。
「礎 どうした?」
「崩壊フェイズに移行するかどうかって出てる。多分、ピーピーうるさかったのってコレのアラームだな」
黙り込んだ礎が気になり、瀬呂が話しかける。が聞いたことがない単語が口から出てきた。
「崩壊って…コスチュームがか?!どういう機能だよ!」
「いや……似たような言葉を見たことがあるんだ。確か…バクスタービルに見学に行った時だったか……」
…おそろしく長いホワイトボードに書いてあったような…思い出せない…なんだったか……
「マジか、バクスタービルっつったらF4じゃん。あのピチピチスーツの」
と上鳴が言葉で思い出した。
「……上鳴、ナイス。思い出した、音声認識"Yes"」
「ん??」
{崩壊フェイズに移行. .. ...成功}
{再生回帰開始}
「お?んだ?コスチュームがなんか…」
コスチュームの内側が胸から脚へと波打つように光り、右手の穴が塞がり始めた。
「マジか!スッゲェ!!」
「なぁお前がやったのか?!」
マスクを脱いで答える。
「いや、スーツの機能だろうな。崩壊フェイズってのは
「礎?」
「…元の形に修復する機能のことだったんだ。いや驚いた、F4のコスチュームって聞いてピンと来たんだ。電力はどこで賄ってんだ?一度コイツの機能を調べないと……」
無意識のうちに立ち上がって後ろに向き考えこむ礎。
「またわけわからん事を言い始めた…」
「また?……もう面倒だからほっとくか」
「そうだな…」
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ーー援護支援の少し前ーー
「…わかった…そろそろどっちかが動くぞ、覚悟決めろ」
「「…………………」」
…二人共黙ってしまった…。見なくても、聞こえなくても、二人の思いを感じる。恐怖、緊張、義憤、などを俺より多く感じているだろう。
「(何を言えばいい…?)…なぁ、二人共」
「…なに?」
「…俺が思うに…高校入ってすぐに会敵なんて、まともな状況じゃない。でも、二人は俺と一緒に戦う事を決めた。」
顔を向けることはできない。その分ゆっくりと、出来るだけハッキリと喋る。
「……うん」
「何をもって"ヒーローなのか"なんて、俺にはわからない___でも向こうに一歩出て、例えどんな結果になっても___お前らは"俺のヒーロー"だ」
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