礎 遷形のヒーローアカデミア   作:Owen Reece

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長くなってしまったので分けます。









第10話 対人戦闘訓練 後編 Part 1

爆豪によって爆破され、緑谷によって粉砕されたのでビルは使いものにならなくなった。そういう訳で別のビルに移動することになった。

 

その前にオールマイトは先程のチーム分けのくじをまた取り出した。

 

「さぁ!時間も限られてるし、どんどん行こう!!」ビーーー!!!

 

と取り出された時に音が鳴った。あれ?これってもしかして…。

 

「おおっ!礎少年!君が入るのはチームIだ!」

 

結構早くに出たな、もう少し皆の力を見たかったが。あ、そうだ。

 

「先生。」

 

「どうした?礎少年?」

 

「相手チームを屋外に放り出すのはありですか?」

 

「あり、だ!相手を核から遠ざければそれだけ有利になるからね!但し、あまりに危険な高さなら即座に中止する。いいね?」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

 

良し…戦略は増やせる。チームIか、確かそのチームは…

 

「礎っ!俺らとだ。」

尾白と透明な子だったか、歓迎してくれるといいんだが。相手はチームB、見た感じは氷の鎧の轟と複数の腕が膜でくっついた男子だ。

 

まずい…個性はなんとなく見当はつくがテストの順位も高いし、腕力的にも強そうな二人だ。

 

マスクを持ったまま考えていると、透明な女子が急かしてきた。別のビルへ進みつつお互いの事を話した。

 

「それじゃ、お互い簡単に自己紹介から始める?」

 

(尾白、ナイス!)

 

「うんっ私は葉隠透(ハガクレ トオル)。見ての通り透明だよ!」

 

「あー、俺は尻尾があるってだけだ。武術をやってるから、尻尾と武術で戦うって感じだな…。」

 

尻尾を軽く振りながら俺にとっては2度目の自己紹介を聞いた。

 

「礎遷形だ。俺の個性は「変換」だ。自分の中心から約半径40cm範囲のあらゆるエネルギーを吸収して蓄積できる。そんで任意のエネルギーに変えて放出。

ただ放出する時は、そのエネルギーが範囲内にないと放出できないんだ。後は目に見えないエネルギー、重力とかな。そういうのはジャンプするなりして動いて()()()()()吸収も放出もできん。」

 

「「………。」」

 

二人とも黙ってしまった。もう少し掻い摘んで説明をs「めっちゃ強い個性じゃん!!」

 

(ッ!?葉隠っ!?ステルスアタックかよ。)

 

「シー!葉隠!」

人差し指を口の前に立て、もう1つの手で耳を押さえて小声で言った。

 

「普通に殴る蹴るが効かないってことか?」

 

「ん!、運動エネルギーだからな。あぁ、吸収できる。」

 

「すげぇ、無敵じゃん。いや敵じゃなくて良かったよ。」

 

「ホント、ホント!良かったー!」

 

「そうでもないよ。蓄積し過ぎると俺の動きが鈍くなる。それとデカいエネルギー、例えば蓄積したのを一気に全部放出するとヘトヘトになる。」

 

弱点はまだあるがこれくらいで充分だろう。

 

「ねぇ、今どれくらいエネルギーを蓄積してあるの?」

 

「いつも通り、50%位。85%位から動きが鈍くなってくる。放出したエネルギーは自分から40cmの範囲ならある程度コントロール出来るよ。範囲から出ると威力がデカくなって基本的には任意の方に一方通行。方向バラしてもできるけど威力が分散する上に疲れる。」

 

と話していたら直ぐにビルに着いて中入った、やっぱり話せる時間は短い。

 

「作戦というか戦略だけど、個性から考えて俺と尾白がヒーローと戦う。んで隙を見て葉隠が捕獲テープで奇襲、って辺りが妥当かな?」

 

階段を上っている途中、即興の戦略を伝える。

 

「あぁ。」

 

「そうだね!」

 

二人とも納得してくれたようだ。

 

「よし。私、ちょっと本気出すから脱ぐね!」

と数少ない衣服であるブーツと手袋を葉隠が歩きながら器用に脱いだ。見える訳がないけどじろじろするものでもないだろう。

 

目的の部屋に着いたので、詳しい作戦を相談する。

 

尾白:前衛。後衛の礎のサポートをしつつ、ヒーロー達の動きを見て場合によっては後衛に。

 

葉隠:戦闘には参加せず何処かに潜み、相手に常に警戒をさせて、礎と尾白以外にも敵が居る事で二人に集中させない。

 

礎:後衛。個性で中距離から攻め、様子を見て尾白に後衛を任せ近接に移る。

 

という戦略が決まった。次は戦場の確認だ。

 

壁に近づき、建物の見取り図を思い浮かべながらコンクリート壁を弄る。

 

「どうしたの?礎君。」

 

「この部屋は、少し狭い。俺の中距離攻撃と尾白の近距離を合わせるなら、広くて開けた場所がいい。いいか?」

 

二人が頷いたので少し離れるように言うと、壁に手を置き_________ドガッ!!

[運動エネルギー]放出

…よし壁は脆い、イケる。掌より少し大きな穴が空いた。

 

「な!?」

「ちょっ、どうしたの礎君!?」

 

「壁を壊そうかなって…すまん、驚かせたか。」

 

「そりゃ驚くよ。……手伝うか?」

 

俺の弱点を聞いたからだろう、気を使ってくれた。

 

「大丈夫。これくらいなら準備運動レベルだよ。二人は部屋を出てて、すぐに済むから。」

 

二人を下がらせもう一度、壁に手を置いた。さっきより広範囲で____ドッゴッ!

 

[運動エネルギー]放出

 

「終わったよー!!」

二人を呼ぶ。

 

2倍程、広くなった部屋に立っていた俺を見ると、目つきを変えた。

 

「これ、今の一瞬の間に一人でやったのかよ…」

 

「すっごいねー!」

 

冷や汗を流す尾白に、興奮して跳ねる足音を発する葉隠。俺はもうすぐ五分だと二人に告げた。丁度、オールマイトの開始の合図が響いた。

 

 

 

 

この建物は、階段が二つある。分担して偵察に行くより、ここで待ち構えていたほうがいいだろう。

 

「な、なんか寒くない?」

 

薄着…というか全裸な葉隠が顎を震わせて喋る。俺はコートのお陰で感じな…(ゃばッ!!!)

 

「二人とも!俺の近_ッパキパキパキッ…

 

音とともに世界が氷に包まれ、そんな錯覚に陥る。油断はなかった。轟の個性が範囲に対し異様なほど速度を持っていた。

 

俺は寸前で吸収したが二人は間に合わなかった。

 

「痛タタタタ…!」

 

「氷……!」

 

「すぐにと……(ん?待てよ…)

 

 

「礎ッできれば溶かしt「二人とも作戦変更。」

「「えっ?」」

 

ヒーロー(あいつら)を騙すぞッッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

建物ごと凍らせた。昨日のテストで3位の奴…アイツだけどんな個性が分からねぇが、最低二人は止まった筈だ。

 

「…早いよ。」

 

予想通り、二人の脚は凍っている。アイツが着てたコート..は透明のに貸したのか、浮いてる。が、コイツの周りだけ氷が張ってない、どんな個性だ…?

 

「初めて会うな、礎 遷形だ。」

 

「……轟 焦凍(トドロキ ショウト)。」____ズォッ!!

 

…個性が不明ならコイツで動きを見てやる。

 

パキパキッパキッ…

 

ッ!やっぱ凍らねぇ。なら___ダッ!

近せtバキンッ!

 

瞬間、尾白の氷が割れ彼が飛び掛かった__...

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「アイツら騙すって?どうやって?!」

 

凍らせれて間も無く、葉隠の氷を溶かしていると尾白が聞いてきた。

 

「これ程の規模の攻撃、仲間を巻き込まんように一人で来てる可能性が高い。なら2対1、3対1に持ち込める。」

 

葉隠の氷は溶かしきった。次は彼女が脱いだ靴だ。

 

「ありがと。暖かいけどどうやったの?」

 

「手首の装置でエネルギーの...()()を作れる。指の操作で選んで、手首を外から内に曲げると出てくる。今のは燃焼しない程度の熱を起こした。葉隠、()()()()()()()()()()()()だけ氷を溶かした。少し冷たいかもしれないけど履いてみて。」

 

「えっ?あ、うん。」

 

「薄く氷が張ってるけど無理矢理 氷割って動けそうか?」

 

「うん。これくらいなら動ける!!」

 

「あとこれ、ヒーター付き。」

 

コートを脱いで渡し、ヒーターのスイッチを入れる。

 

「ありがと、わっ!あったか〜い!」

 

'シーッ、静かに葉隠。こっからは小声で話そう'

 

'わかった!OKッ'

 

OKサインは見えんが…次は尾白の氷を溶かしに行く。

 

'作戦を話す。まず凍らせたのは間違いなく轟だ。だから轟の意識を俺に集中させて、どれほどの個性かを見る。ダメージ食らわないからな'

 

よし、尾白のも全て溶かせた。

 

'俺はどうすればいい?'

 

'ちょっと待ってて…'

 

轟に気づかれないよう尾白のいた位置に氷を作る。

 

'よし、こっちだ'

 

'???'

 

尾白の手を引いて部屋の入り口近く、北側に連れて行く。

 

'轟の個性が凍らせるのか氷を作るのか分からないけど___一撃でいい。部屋に入るよう轟を誘導するから奇襲を仕掛けてくれ、壁を壊して出来たこっちの広い方に轟を蹴っ飛ばしてくれ。後は俺がやる'

 

'…この間合いなら出来そうだけど、上手くいくかな?'

 

'いくさ。じっとして、動かないで'

 

彼の足元に屈んで励ます。

 

'?礎、何やってんの?'

 

'見た目だけ氷を張る、葉隠も動けないって演技して'

 

'わかった!女優、葉隠 透です!'

 

'お、おう。あっやっぱ冷たい'

 

ッ!やっぱり温度下げんのは慣れないな、練習が足らん。

 

ようやく張り終えた。次は___

 

'葉隠、もし_...ッ!…もう来たか。足音が聞こえる。二人とも聞こえたらしく、黙った。

 

 

 

 

 

 

 

「…早いよ。」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

(尾白!?何で凍ってなッ__ッド!!!

ッドシャッ!

(ッッ!!辛うじで防げたが核から離されたッ....くそ...)

 

 

 

 

 

よし…「奇襲成功だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 




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