ダンジョンに八雪を求めるのは間違っているだろうか 作:神納 一哉
ベルに伝えたとおり、夕食と風呂を済ませた後で雪乃と合流し、ヘスティア様の居室へ行き、【ステイタス】を更新してもらった。
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LV1
力:I20 耐久I12 器用:I58 敏捷:I14 魔力:G286 幸運:H 精癒:H 神秘:H 収納:G
《魔法》
【
・無詠唱で発動可能。
・物品を鑑定する。情報化できる。
・様々なものを測量する。測量の際は対象に触れる必要有り。情報化できる。
《スキル》
【
・物品を亜空間に収納できる。容量は【アビリティ:収納】によって増加する。
・物品を
【
・空間収納内で源素を元にして記憶にある物品を作成できる。ただし世界に適合した
・空間収納内で物品を複製できる。
・空間収納内で物品を解体・精錬できる。
・空間収納内で物品を修復できる。
【
・【魔法:鑑定眼】で見たもの・測ったものを情報化して保存できる。
・
【
・早熟する。
・
・愛情の丈により効果上昇。
・雪ノ下・雪乃と【スキル:空間収納】【スキル:記録】を共有する。
・雪ノ下・雪乃と【
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LV1
力:I20 耐久I12 器用:I58 敏捷:I14 魔力:G286 幸運:H 精癒:H 神秘:H 収納:G
《魔法》
【
・白銀の毛皮を纏う聖獣に変身する。俊敏になる。
・聖獣化しているときは
・詠唱魔法「この身を
【
・召喚時、雪ノ下・雪乃を中心として半径3
・守護獣は敵対するモノに攻撃する。
・詠唱魔法「守護を司る優しくも猛き獣よ、我が召喚に応えたまえ。
《スキル》
【
・世界の情報を調べることができる。
・入手した情報は【スキル:記録】に情報化して保存できる。
【
・物品を亜空間に収納できる。容量は【アビリティ:収納】によって増加する。
・物品を
【
・【スキル:知識の泉】で入手した情報を保存できる。
・
【
・早熟する。
・
・愛情の丈により効果上昇。
・比企谷・八幡と【スキル:空間収納】【スキル:記録】を共有する。
・比企谷・八幡と【
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「うん。まあ【比翼連理】があるからアビリティが同じなのは、納得がいかないけど許容できる範囲内だ。でもね、なんで雪乃君は魔法が増えているのかな!?あと、八幡君の【錬成】も、『物品を修復できる』とかヤバい匂いがプンプンするし、補助アビリティが軒並み上がっているのもどうかしているんだけど!?」
というのが、【ステイタス】更新後に
「そう言われても、魔法やスキルを使いまくったから上がったとしか言えないよなあ?雪乃」
「魔法を使ったのは八幡だけなのだけれど。私も試しに使ってみればよかったかしら。魔法が増えたのは、戦う力が欲しいと願ったからかしらね」
その増えた魔法の詠唱にある
「君たちが規格外なのはわかったよ。ボクとしては他の神に目を付けられないように
「まあ、善処する」
「それ、絶対にやらかす奴の
頭を抱えるヘスティア様を残して、そそくさと居室を退去すると、雪乃と二人で俺の部屋へと戻り、いつものようにベッドに並んで腰を下ろす。
「さて、じゃあ【錬成】を試してみるか」
「私にも
「俺は土石とゴブリンと水を源素にしてみるから、雪乃は薬草類以外の植物を源素に変えてくれるか」
「ええ。わかったわ」
岩、礫、土、ゴブリン、水を順番に源素へと変えていき、その後で残しておいた薬草類を精錬してみることにした。
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空間収納G 13/400 上限40000
技能:収納 錬成 解体 精錬 修復 整理 消去
植物源素 18451
生物源素 1254
鉱物源素 12687
硝子源素 3645
魔源素 4287
水源素 18684
回復草A 125
魔力草A 92
活力草A 41
瀉下草A 48
解熱草A 74
麻酔草A 62
魔石G 2
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地上の植物でSランクは稀らしいので、精錬ではAランクに止めておいた。まあ採取した物の中にAランクも混ざっていたから、納品しても高品質ってだけで問題にはならないだろう。魔石に関してはゴブリンの魔石のまま精錬をしていない。
「随分とすっきりしたわね」
「そうだな。普通に使い道なさそうなものは、回収するときに源素にした方がいいかもしれないな」
「そうね。空間収納内もすっきりするからいいのではないかしら」
試してみたいことがあったので、立ち上がってクローゼットを開け、中にしまっておいた地球の服や靴を鑑定してから回収し、再び雪乃の横に座った。
「おお…。すげえな、
かなり履き潰していたはずのスニーカーが、新品のように綺麗になって俺の横に置かれている。同様に
「ロゴとかは無くなってるし、サイズとかの文字は
「ねえ八幡。私のもお願いしていいかしら?」
「構わないぞ。回収してこい」
「ええ。行ってくるわ」
雪乃が自分の分を回収してくる間に、俺はとりあえず下着類と靴下を5着ほど複製してクローゼットにしまい、ネルシャツとチノパンは2着ほど複製してクローゼットにしまった。ロングコートは複製せずにハンガーにかけなおした。
「戻ったわ」
雪乃が戻ってきて俺の横に座り、少しソワソワしながら俺の方を見る。
「どうした?」
「その、ね。空間収納に入れてきたのだけれど、私のを修復する前に、鑑定眼で私を測量してから修復してもらえるといいかなと思って」
「そりゃまたどうして?」
「測量しておけば、私の身体に合わせて大きさを調整できるでしょう?」
「確かにそうだけど。いいのか?」
「お付き合いしているのだし、別に構わないわよ」
「じゃあちょっと失礼して」
そう断ってからそっと雪乃の手に俺の手を重ね、【観察眼】で雪乃を測量する。慎ましいとは
「何か不埒なことを考えなかったかしら?」
「……気のせいだ」
空間収納の中で雪乃の衣類を修復し、下着類・キャミソール・ストッキング・靴下を各5着、ブラウス、セーター、スカートを各2着複製する。それから少し考えて、俺のを元にして雪乃のサイズのスニーカーを作っておいた。色は無難な水色にしておく、って、普通に色とか変えられるのかよ。
それならばと複製したセーターとスカートの色もそれぞれ違う色にしてみる。
「ねえ八幡。複製してくれている服が色違いになっているようなのだけれど」
「ああ、なんか雪乃のスニーカーを作ったら色が変えられたから、服でもできるかなと思ってやってみたら変えられた」
「そうなのね。ありがとう。…他のやつも変えてくれていいのよ」
お礼の後にぽしょりととんでもないことを言うのはやめてもらえますかね、心臓に悪いんだけど。まあ、ご要望にお応えして、
「このスニーカーの方が移動には向いているわね。複製できるから靴はこちらにしてしまってもいいかしら」
「地上はそれでいいけど、迷宮は登山靴みたいなのがいいんじゃないか?ほら、こういうやつ」
「……何気に凄いことしてるわね。靴底も厚くてブーツ型だから洞窟を歩くにはよさそうね」
「おお、雪乃サイズで普通に作れちまった。俺サイズのも作っておいて、と。【錬成】ってチートすぎじゃね?」
まさか
「おお、入れ物は違うけど…ゴクッ、美味い!これは間違いなくマックスコーヒー!」
なら、アレもできるか?
「ほら、雪乃、飲んでみ」
「…美味しいわ。これは部室の紅茶を再現したのかしら?」
「おう。カップもそれっぽく作ってみたんだが、どうだ?」
「悪くないわよ。それにしても、【錬成】のスキルはかなり応用が利くみたいね。これならアレも作れるのかしら?」
「アレ?」
雪乃は頬を赤らめてぽしょりと尋ねる。
「その…、生理用品を見たことはある?」
「……小町と母ちゃんは同じの使ってたぞ。買いに行かされたこともある」
「作れるかしら?」
「……確認してくれ」
「ギャザーもあるしテープもあるわね。とりあえず20枚ほど作っておいてくれると助かるのだけれど」
「了解。その、
「……お願いするわ」
ここで雪乃は紅茶を、俺はマックスコーヒーを飲むことで、強引に話題を切った。
「飲み終わったらカップは収納しておいてくれ」
「わかったわ」
俺は飲み終わった
「その、どのみち近々必要になるものだから作ってもらったのだけれど、ごめんなさい」
「蒸し返さなくていいから。まあ、そういうものって知ってるから」
「…では話を変えましょう。ある程度知っているものが作れるのなら、筆記用具とかも作れるのかしら?」
「まあ、作れるな。ほれ、こんな感じでどうだ?」
A4サイズのノート、シャーペン、替え芯、消しゴム、ペンケースを雪乃に渡す。奉仕部の部室で見たことがあるものを参考にしたものだ。
「あなた、私のことよく見ているのね」
「いや、使い慣れてる方がいいだろ?」
「そうね。ありがとう」
「こっちの世界の物も作れるか試してみる」
とりあえず回復薬、魔力回復薬、上級回復薬、上級魔力回復薬、解毒薬、解呪薬、エリクサーなど、ポーション系は問題なく作れた。見せてもらった素材も源素を元に作り出すことができている。【錬成】ヤベェ。
「服や靴はまだしも、武器とか防具を複製するのはさすがに拙いよな?」
「
「ヴェルフのやつは複製できるみたいだな。ヤベェ、どうしようこれ?」
何の気なしに腰に差している
「ふふっ。私のは
「ああ。ヴェルフはそう言っていた」
「使うこともないでしょうけど、念のため
「まあ予備ってことでそうするか。なんなら【保管庫】フォルダみたいなの作って、そこに入れるようにするか?」
「そうしましょうか。オリジナルのものを入れておきましょう。部屋に行ってくるから、フォルダ作りお願いね」
そう言うと雪乃は自分の部屋へと向かった。まあいろいろあるのだろう。忘れないように空間収納の中に【保管庫】フォルダを作り、クローゼットの中にしまっておいた、
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空間収納G 72/400 上限40000
技能:収納 錬成 解体 精錬 修復 整理 消去
【保管庫】34
植物源素 17546
生物源素 1162
鉱物源素 12247
硝子源素 3505
魔源素 4034
水源素 18368
回復草A 115
魔力草A 83
活力草A 41
瀉下草A 48
解毒草A 1
解熱草A 74
麻酔草A 62
解呪茸A 1
麻痺茸A 1
妖精茸A 1
銅
鉄鋳塊A 1
銀鋳塊A 1
金鋳塊A 1
ティーカップ【奉仕部仕様】A 1
飲料瓶A 1
回復薬A 1
上級回復薬A 1
魔力回復薬A 1
上級魔力回復薬A 1
解毒薬A 1
解呪薬A 1
エリクサーA 1
コボルト爪A 1
キラーアント甲殻A 1
パープルモス翅A 1
サラマンダーウールA 1
魔石E 1
魔石F 1
魔石G 2
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【精錬】の効果で魔石以外はAランクになっている。店で見た物は殆どがBランクかCランクだったんだけど、気にしないでおこう。おそらく【精錬】が
× × ×
次の日の朝、いつも通り洗顔と歯磨きを終わらせてから朝飯のために食堂へ足を踏み入れると、いきなり雪乃が抱き着いてきた。
「八幡。よかった。無事ね?」
「え、なに?どうしたん?」
「心配したんだから…」
「そう言われても何が何やら…」
「八幡く~ん。君は昨日、
「そういえば、昨日眠った記憶無いな。何、俺、倒れたのか?」
「そうよ。あなたの部屋に行ったらベッドに突っ伏していたから驚いたわよ。バカ、ボケナス、八幡」
「お、おう…。いやちょっと待て、八幡は悪口じゃないだろ。…まあ、悪かった」
謝りながら雪乃の頭を撫でると、額をぐりぐりと俺の胸に押し付けてくる。何この
「暫くそうしていなよ。雪乃君が落ち着いたらご飯を食べて、二人で居室に来るんだよ。精神疲弊で倒れたなら、おそらく【ステイタス】上がってるから更新しておこう」
「了解です」
命さんの視線が辛いが、甘んじて受けるとしよう。