巻物語   作:一葉 さゑら

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011-B

 高校一年時に、進学校のテストにも拘らず100点を取ったことがある。そしてそのテストは驚いたことに、あの戦場ヶ原でさえ満点を取っていなかったという。

 

 そのせいか、あたかも僕の数学の成績が全国トップクラスであるかのように勘違いしている人がいるらしいけど、実際はそんなことなく、僕の数学の実力は精々偏差値60とちょっとしかない。

 数年後に終わるらしいセンター試験に直せば、9割行くか行かないかだ。

 

 高校数学の公式及びその応用は全て頭に入れたというのにこの成績。羽川と戦場ヶ原を味方につけてのこの体たらくなので、才能がなさすぎると羽川に愚痴ったら過程にオリジナリティが溢れすぎていると窘められたこともある。

 確かに思い返せば、解答解説を読んでも違和感を持ったことは数知れず、特にセンター試験では誘導に乗っかれず最後まで苦労させられた。

 なんていうか……なんと言おうか……。

 そう──僕は台形の面積を求める時に図形を切り貼りして長方形に直すタイプの人間なのだ。

 あるいはベクトルの置換を極力少なくできないか試行錯誤して沼にハマるタイプ。問題文の解釈を、出題者の意図を履き違えたまま正解するタイプ。

 公式の意味を曲解するタイプ。

 

 それでもまあ、何だかんだ彼女と同じ良い大学に入れたのだから僕は運が良かったのだと思う。

 要領は悪かったけど。

 

 じゃあなんで高校時代の僕はあんなに理数科目の点数が良かったのかというと、やはりその理由、要因、原因には彼女の存在があるのだろう。

 

 老倉育。僕の幼馴染。

 『ハウマッチお幾ら?』と英語のディスカッションで話しかけたらみぞうちに良い打撃をくれた華の女子大生。この世界に存在しているかは分からないけど、いたとしたら絶対生き辛そうな顔をして街を歩いてるだろう未曾有の高校生。

 そんな老倉育が僕の根元に燻っているに違いない。

 そりゃあ、出会った人と影響を与え合って生きて行くのが人生というものなのだから(僕が人かは置いておいて)僕の根底に彼女がいようとなんの不思議もないわけだが、僕が言いたいのはそんな陳腐な話ではなく──ある意味では陳腐な話なのだが──もっと、当たり前の話。

 意識もしないような当然のこと。

 そう──老倉育が数学好きでなかったという話。

 

 小さいことからABCだの次数だの虚数だのと小難しい単語を複素数平面に乗っけるのが大好きな奴だったけど、それでも彼女は臆面もなく、恥じらいもなく、躊躇なく言い切ってしまう。

 

「私が数学好き?私は蓼食う虫じゃないことを知っていての言葉なのか?」なんて。

 彼女曰く、『人間の細胞はセテウスの船の如く十年と経たず綺麗さっぱり変わり切って、代わり切る。手足の皮膚から脳味噌の神経まで全て。……ああ、そうだ。昔の私は今の私ではない。だから昔の私がどれだけ数学に夢中だったとしてもそれは【老倉育】という別人であり、結論から述べるならば、私という【老倉育】は数学が好きではないのだ』とのこと。

 ご高説拝聴願った時は思わず乾いた笑いが出てしまい老倉にボロカスに罵詈雑言を浴びせられた。

 そして笑ってしまったのが禍となり、これ以降、老倉は僕の『数学好き』なイメージ払拭するべく高校の卒業論文で書いたらしい『私がいかに数学が好きではないか』という電波エッセイを見せてきたり、大学のディスカッションの話題で必ずといっていいほど『非生産的な学問としての数学』を滔々と語ってきたりしている。

 「フェルマーの最終定理に人生をかけた数学者ばりに数学に囚われてんじゃねえか」と突っ込みたい気持ちも山々なのだが、割り切った彼女と違い未だ距離を測りかねている僕は何も言わずに聞き続けている。

 

 放っておけば一晩中喋っていそうなその姿勢はまるで、彼氏に対する愚痴を話すそぶりで彼氏の自慢する女だ。

 どこかで屈託しそうなものだが、一体なにがそこまで彼女を切迫しているのか。

 それに老倉育はああ言うけれど、人間の本質は細胞の中に留まり続けるようなものではないし──彼女の語ったテセウスの船に倣うなら──現在の彼女は造り変わった船なんかではなく、取っ払った古材で作られた船だ。その際どちらが【老倉育】なのかと聞かれたら、もちろん僕は古材こそが育であると断言しよう。

 僕を始めとした様々な要因という名の波に溺れて削られて磨耗した成れの果て。若干18歳の彼女の本質はやはり数学に魅了されたどうしようもない少女なのである。

 

 多分、いや、分かりきったことだが彼女が嫌いなのは数学そのものではなくあくまで数学とそれに付随する僕との淡い思い出だ。

 僕への期待が裏切られ、自らの人生が確定的に狂わされた分岐点の記憶。それは覆しようのない事実であるとともに、僕が背負ってはいけない罪悪だ。

 なぜなら彼女が救援を口に出さなかったのが悪いし、ただ警察の息子であっただけの僕に何かを期待することがそもそもの悪手であり手違いであり、そしてなによりもお門違いだった。

 

『気付かなくてごめん』

 

 喉の声帯が何度この言葉を造り整えたか。

 僕が謝ることはとても簡単で、けれど、羽川やひたぎにいわせたらそれはただの逃避だという。

 僕にとっても、老倉にとっても。

 結果として『謝らない』という、なんとも度し難い自己満足のような贖罪を選んでいないか問われて否と答えたらそれはそれで嘘になってしまうけれど──それでもまあ。

 最終的には老倉育とはなんだかんだ話す仲に戻ることができた。

 そしてそれは僕達が大人になったからなどではなく、僕が彼女に気付かなかったことを気遣いしないと決めた、その意思が伝わったからだと僕は信じたい。

 どんなに彼女が数学嫌いであろうと数学は彼女のことを好きなのだから……。

 まあ、そんな彼女の所属は数学科なのだけど。

 

「……それで、4月に入ってから一度も学校に来ない理由はなんや?」

「……」

 

 ついつい現実逃避をしたいという願望が募りすぎて、心の距離が最も離れているであろう老倉育に長いこと思いを馳せてしまったが此処は職員室。

 この学校では教務科と書いてマスターズと読むらしい。

 なんだか力関係が分かり易い名称だなあ、なんて考えながら軽々しく入ってみたらそこは、開けてびっくり入ってびっくりのオンパレードだった。

 

 簡単にいうと嗅覚的に視覚的に聴覚的に驚いた。

 まず、部屋中に隠しきれない煙臭さが充満している。あのニオイの原因は銃の火薬なのだろうが、慣れない僕にとっては異臭以外の何物でもない。その上、目の前でこちらをギロギロギラギラと射抜かんばかりの視線を向けている蘭豹先生はただでさえ煙い室内で平然とタバコをふかしている。硝煙の匂いに甘煙いタバコが入り混じり吐き気を催すフレーバーを部屋中に醸し出していた。

 

 次に驚いたのは目に入る凶器と狂気の数々。

 凶器といってもこの世界では当たり前に持たれている銃火器や刀剣類であるのだが、だからといって侮ることなかれ。

 一般女生徒が手に持った文具にさえ腰を抜かしそうになった小心者の阿良々木さんだから驚いたんじゃないですか? なんていえたもんじゃない。

 手の届く範囲に必ず何かしらの凶器が置かれているのだ。

 僕の懐に銃が忍ばされているように。

 蘭豹先生の手元に馬鹿でかい拳銃が置かれているように。

 足元だろうが天井だろうがお構い無しに凶器が落ちている。もしくはぶら下がっている。

 その凶器の密度たるや、どこぞの武器庫だと言われても「なるほどですね!」と元気よく相槌を打ってしまいそうな程だ。

 

 最後に聴覚的驚愕。

 これは意外なことに入室した僕が初めに違和感を覚えた驚きだった。

 少ない。

 あまりにも少ない。

 当然のように欠けている。

 こんなにも武器があちらこちらに散らばっているというのに肝心のそれらを扱う人が少な過ぎるのだ。

 

 ……いや、言葉が足りなかった。

 足りている。

 想像し難いしと思うし、体験している僕も信じ難いと思ってしまうが、『足りない、けど、足りている』のだ。

 

 人の声は足りているのに、人の数が足りていない。

 

 僕の後ろで、隣で、向こうで、四方八方から賑やかな話し声が聞こえる。学校のイベント(アドシアード)に関する計画や問題児に関する愚痴など、まあ職員室で普段交わされていそうないかにもな会話。実際入室前のぼくは、そのガヤを聞いて非常識な学校にしてはまとも面もあるのだと妙な拍子抜けを食らった。

 それがどうだろう。いや、どうなっているのだろうか。

 教室の中には蘭豹先生含め数人の先生しかいない。

 1メートル先で交わされているだろう会話の声を耳が捉えているにも関わらず、5メートル先まで人が見えない。

 

 超指向性スピーカーなんてちゃちなものじゃない。

 もはやこれは怪異だとか超能力の類だ。

 忍が何も言わないという事はこの現象はあくまでも人間による技術的なものなのだろうが。

 

 非常識の大本山はやはり、非常識だった。

 

「阿良々木ぃ。まさか無視してるんかぁ?」

「……聴いてます、ハイ」

「はい、じゃない!舐めとんのか!うちがしたのはオープンクエスチョンや!」

「ははぁ……すみません」

 

 のらりくらりと謝り倒す。

 のらりくらり、というには余りにも錆び付いた動作と言動だったけど。

 だけど、僕に呼び出しをくらうような覚えがあるはずないので僕は空気を読んで、それこそ煙に巻くようにやりすごすしかなかったのだった。

 蘭豹先生も答えないどころか応えすらしない僕の様子に心底呆れ果てたのか、吸った煙を僕に向かって吐き出して更にそこから一つ大きなため息をついた。

 

「……はあ。何も怒っとるわけやないし、武偵は自分で考えて自分で行動するのが当たり前や。だから本当はこないなこと言いたくもない──けどなぁ、阿良々木。報連相も武偵にとっては最重要事項や」

「……」

「確かに阿良々木は依頼の受領と終了の報告を怠ってなかったらしいけどな、それかてお前の組んでたチームの奴が代理報告してただけなんやろ?……お前は学生や。社会のヤシロにも入ってないようなぺーぺーが学校の出欠席すら連絡できません、じゃ話にならんやろ。お前のその、生徒のプライベートがたーっぷり詰まったケータイをなぜ今まで使わなかったんやっちゅーこと聞きたいだけなんよ?」

 

 手に持つ銃の曲がり角のトンガリ(なんというかちょっと曲がって出っ張っている奴だ)カチカチ鳴らして蘭豹先生は遂に三度問うた。

 仏の顔も三度までというがそれは阿修羅であっても変わらないらしく、先生は右腕の力を不自然に抜いて組んでいた足も両足地につけた。

 僕でも分かる──『答えなきゃ撃つ』を全身で表現していた。

 紫煙、というには余りにも濃すぎる空気が先生の口から漏れて宙へ消えていく。それを見ながら僕が『先生』なんて単語を思い浮かべたのはいつぶりだろうか、などと考えていると直ぐに先生の銃を持つ手に再び力が入り始めた。

 慌てた。

 それはもう。

 沢山。

 

「修行です!」

 

 多分この暴力的な世界に適合した言い訳が見つからなかったからだろう。

 思わぬ言葉が自分の口から出た。

 

「……ほう?」

 

 蘭豹先生はニタリと笑い「続けろ」と銃をついに構えた。

 咄嗟の言い訳に巫山戯たことだと半ば切れかけているのと中々面白えこというじゃねえかと戦闘民族ばりの威嚇をしているの。どちらの方が僕にとって利益ある反応か。

 僕は目の前に燻る煙と一緒に消えてしまいたいと嘆きたい気持ちをぐっと抑えて胸を張った。

 

「修行です!」

 

 ──途端。

 マズルフラッシュ。

 爆音、震える頰。

 まるで巨人が象の土手っ腹を思いっきり殴ったかのような音がした。

 少し遅れて体の右側から途轍もない力が加わる。

 よろけそうになる体を無理やり支えて僕は阿呆みたいに口を開けていた。

 

「……へ?」

「次は上半身や」

 

 静かに呟いた先生の言葉。

 そらを聞いて「ああ、撃たれたのか」と納得する。

 恐る恐る後ろを見れば割れた花瓶が涙を流していた。

 恐る恐る前へ向き直ると、とてもいい笑顔で先生が笑っていた。

 

(……撃った。撃ちやがった!)

 

 ドット吹き出る冷や汗と早まる鼓動。

 ドクドク耳裏まで届く早鐘はまるで警鐘のようだ。

 僕の後ろに配置された割れた花瓶が水を垂らす音だけが職員室に響いている。

 不自然な喧騒も今ばかりは鳴りを潜め、時計の音すらしない。

 

 1秒、2秒。

 

 ここがどこだか判らなくなりそうな数秒間。

 ひたすら心臓を握り締められて刹那の時を耐える。

 清廉潔白を示すべく先生を見返しても見るけれど、恐怖から面白いほど自分の目が泳いでいるのが分かった。

 

 やがて蘭豹先生は銃を下ろして楽しそうに笑い始める。

 傍目には笑顔から笑顔に変わっただけなのだが、僕にとってその変化は南極から東京へ帰ってきたかのような変化だった。

 事実、周りの喧騒もこれをきっかけにまた戻り始めた。

 

「小夜鳴先生!こいつどう診ます?」

「蘭豹先生。職員室で発砲するのはあれほどやめて下さいって言ったじゃないですか」

 

 ぬっ、と僕の背中から現れたのは長身痩躯の優男。

 柔らかい物腰と丁寧な口調からは想像もできない身につけた白衣から漂う、病院を連想させる強烈な匂いが印象的な先生だ。

 しばらく蘭豹先生に箴言を掛けながら僕を観察した小夜鳴先生は顎に手を当ててほお、と吐息を漏らす。

 

「……うーん。これが阿良々木くんの言う『修行』の成果なのかは分かりませんが、肉体改造はかなり無理のある程度には行っていますね」

「そうか?自分にして見れば前よりもヒョロヒョロになった気しかせえへんけどなぁ」

「いえいえ、そんなことありません。前回の健康診断を担当した身からすると、これは驚くべき変化ですよ。癖のある体勢からの発砲が原因で無駄についてしまった右太ももと左右の二の腕と胸の筋肉。それ以前に普段の姿勢の悪さから偏ってしまっていた重心。平均よりもやや硬かった筈の股関節と手首。目につく肉体的欠陥が全て改善されています!特に筋肉バランスは理想的と言ってもいいですね!……阿良々木くん、参考までにここ数ヶ月何をしていたのか僕にも教えてくれませんか?!」

「あ、いえ……」

 

 早口でまくし立てられても、そんな肉体改造に心当たりがない……こともないが、それは十中八九吸血鬼化の名残だろう。

 体調を最も良い状態に保つという特性。

 妹には『お兄ちゃんはシックスパック作って調子乗り始めた』などと散々な評価を受けていたため、どんなに食べても太らない体になった程度にしか気に留めていなかったけれど、言われてみれば今の僕は細マッスル男、略して細マッチョだ。

 肉付きの良い男。

 まさに良い男。

 男、オブジ、男。

 それが今の僕。

 吸血行為のためのあらゆる必要事項に対応できるようにと本能が改造した肉体。

 人間に化け物だと気づかれることなく近付く為に理想的に配置された骨格と筋肉。

 そう考えると僕の体は一般人としてだけじゃなく、武偵としても最上と言ってもいいのかもしれなかった。

 ……身長を無視すれば。

 

「ほーん」

 

 蘭豹先生は面白くなさそうに銃を机に置く。

 代わりにパチスロの雑誌を手に取る。

 テンション下がりすぎだろ。

 面白いまでの二面相だ。

 面白いか面白くないかで生きているに違いない。

 

「ま、そんなことはどうでもええ。阿良々木がどんな生活を送ろうがうちらの管轄やない。修行も依頼も学科も好きにしたらええよ。留年もあと一年は可能やし自主退学だったらいつでも歓迎や」

 

 歓迎するなよ。

 小夜鳴先生も呆れたように蘭豹先生を見てるじゃん。

 蘭豹はいかにも億劫そうに三本目の煙草を咥え、先っぽを千切り火をつける。

 随分と健康に悪そうな吸い方をするな、おい。

 いつ撃たれるか戦々恐々としている生徒を目の前に悠々と浮かぶ煙に目を細める先生。やけに様になる仕草ではあったが怯え続ける方は堪ったものじゃない。

 武偵のぶの字も知らないような小心者にいつまでも睨みを向けるんじゃないと叫びたい思いでいっぱいだ。なんで銃を持ってないのにそんなに威圧的なんだよ。

 精神はもう、いっぱいいっぱいである。

 

 よく考えたら、先生にとって僕の不良素行はどうでもいい話で。そんなどうでもいい理由のために銃を突きつけ続けられるなんてのは大分理不尽な話で。しかし非はこっちにあるわけで。

 

 追い詰められた心が、こここそが逆境だと言わんばかりに妙に肝っ玉の据わった怒りの感情をひり出し始めた頃合で。

 蘭豹はようやっと吸い終わった煙草の吸殻を灰皿に落とした。

 既に灰皿にこんもりと盛られた残骸の山のせいか、灰皿に落とすというよりも灰皿に投棄したように思えてならなかった。

 タバコに色が移り、心なしか色の薄くなった唇を歪ませて蘭豹は言う。

 

「よし!じゃあ、阿良々木。お前罰として今日中に地下倉庫(ジャンクション)の掃除してこい。ゴミ袋一袋に古くなった弾入れてこいや」

「……は?っああいや。分かりました!了解しましたから銃向けないでください!」

「初めからそういえ。かや……あ、いや、地下倉庫の奥の方にある弾が大体古いからEランクの阿良々木でもさすがに身分けくらいつくやろ」

「かや……?って、はい?Eランク?」

 

 最低ランクなのか?Cランクじゃなくて?

 最低ランクの落ちこぼれがこんな学校で不良を働いたのか?出会ったばかりの僕ですら痛感した教師の柄の悪さを一年多く味わった上でこの素行って自殺志願かよ。

 この世界に業界は4つもない。

 最も色濃く才能を受け継ぎ最も素質の無かった暗殺者の兄はいないのだ。

 

「そりゃそうやろ。今年のランク測定試験をサボったのはお前やろうが」

「……」

「ルームメイト揃って同じ行動取りやがって。うちは優しいから今回はこれで勘弁してやるが、今後同じような態度を取るなら……」

 

 分かったらさっさと行かんかい!

 ブンブンと馬鹿でかい銃を振り回す蘭豹から逃げるように僕は退出した。

 廊下の扉を開けると職員室以上に大きな喧騒が僕を震わせた。


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