イナズマイレブン1!2!3!4!? 比企谷 八幡伝説   作:投げやーりー

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そして、熱血サッカーバカと出会う

物心ついた時から、俺はサッカーボールで遊んでいた。

別にサッカーをしている訳では無い、寧ろまともなサッカー経験は皆無まである。

 

何しろ俺は子供の時から孤立しがちで、サッカーしている集団の輪に拒否され、運良くサッカー出来ても俺と周りとのサッカーの技術レベルに差が開いており、俺のワンサイドゲームになって相手チームはおろか、自チームの空気すら悪くしてしまう。

 

そんなにこともあり、俺はサッカーでは無くずっとサッカーボールで遊んでいた。

 

だが、実際の試合を意識しながらドリブルしてみたり、一人でワンツーが出来ないか試行錯誤した結果、一人でワンツーが出来てしまい、それを利用したパス練習をしてみたり、何度も壁に向かって全力でシュートし、跳ね返ったボールをまたシュートする練習をしたりと、そんな事を繰り返すうちに、ボッチな小学生時代に幕を閉じた俺を待っていたのは……

 

親父の東京への転勤だった。

 

 

住み慣れた千葉から家族で東京に移り住む俺達、どういうわけかお袋も東京への転勤となると言う、どう考えても何らかの作為的なものが働いているような偶然を感じながらも、俺は稲妻町と言う町に引っ越して来たのだ。

 

そして、入学式…

 

俺は雷門中学校と言う中学校に入学した。

 

にしてもこの学校、まともじゃない格好をしてるやつ多くね?いや、寧ろまともな格好をしてるやつ少なくね?大丈夫なのか?この学校。

 

そんな事を思いながら入学式の校長の話とかを聞き流していく。

 

そして、教室に入り適当に自己紹介を済ませたあと、担任の話を聞き流し、学校初日を終える。

 

 

 

そして、数日後、面倒な体育の授業が早速ある。

 

今日はクラスの奴等とサッカーをするらしい。

 

クラスを二分してチームを作り、早速試合開始だ。

 

俺はディフェンスだから適当にボールを奪って、パスを繋げていった。

 

思いの外上手く行くのだが、相手側の熱血バンダナ野郎のキーパー能力が高く、素人シュートでは一点も入れることが出来ていなかった。

 

仕方がないので攻撃に転じることにする。

ひとりワンツーで邪魔する奴等を避けながら、俺の全力連続壁シュートの賜物で生まれた技をつかう。

 

ボールを蹴って少し浮かせ、黒いエネルギーを溜めた右足でシュートする。

 

「レイブンショット」

 

シュートには鴉のオーラが纏わり付き、バンダナ野郎を襲う。

 

バンダナ野郎はレイブンショットを受け止めることが出来ず、直ぐに弾き飛ばされた。

 

 

ヤバイ、熱くなりすぎてつい力んじゃったZE……

こうなったら起こりうる事態は怯えられるか、喧嘩になるか…

 

どっちにしても厄介なことに成っちまった。

まあ、悪いのは完全に俺なんで謝り倒すしか無いんですがね。

 

 

俺はバンダナの奴に急いで駆け寄り。

 

「そ、その、すまんかった。大丈夫か?」

 

 

「す…………スッゲェ!!!!お前すげぇな!あんなシュート受けたの初めてだ!!なあなあ、お前名前なんて言うんだ?俺は円堂 守!この雷門中サッカー部のキャプテンなんだ!まあ、作ったばっかで部員募集中なんだけどさ…、それでお前の名前は? 」

 

「ひ、比企谷だ、比企谷 八幡」

 

な、なにこいつ怒られるでも怖がられるでも無く思いっきり誉められたんですけどー!?べ、別に嬉しくなんてないんだからね!

 

その後もサッカーを楽しんだ俺達は意気投合し、テンションMAX状態の俺は普段ではあり得ない位の即決でサッカー部に入部した。

 

 

サッカー部に入部したことを小町に伝えると、小町はとても喜んでくれた。守りたいこの笑顔。

 

小町、お兄ちゃん頑張るからな。

 

 

そして、円堂との練習の毎日。基本的に俺は体に錘を着けて練習をしている。具体的に言うとリュックにダンベルを入れ、更に手首、足首に錘を着けて走り込みやひとりワンツーをその状態で行う。

 

これを円堂にもそれを試して貰うことにした。

 

基礎練習で体が慣れたら、お互いに錘を着けた状態で俺は円堂に向かってレイブンショットを撃ち、円堂は其を止めると言うなんともシンプルなトレーニングを行う。

 

グラウンドは他の部活が使用するため、俺らが使用するのはもっぱら河川敷の一角である。

 

最初に練習した時は、ちょっとのことでふらつき倒れていた円堂だったが、1ヶ月と少し経った今では、かなりのセーブ率を誇っている。

 

さて、そろそろ円堂にも必殺技を習得してもらうか。

 

「なあ、円堂。ちょっといいか?」

 

「ん?どうしたんだ?比企谷?」

 

「お前に、キーパーの必殺技を教えたくてな、悪いけどポジションチェンジだ。円堂、俺に向かって思いっきりボールを蹴ってくれ。」

 

「ああ、分かった。それじゃあ、いくぜ!」

 

トレーニングの成果が発揮されたのか、小学生時代のサッカー少年たちと比べて、明らかに段違いな速度でボールが俺に向かって来る。

 

俺は思い出す。ネットで50年以上過去のサッカーの試合の動画を見たときの心から震えるあの感覚を。

 

そう、あのキーパーの必殺技は正に神の手と表現するにふさわしい必殺技だった。

 

あれを見よう見まねで使えるようになったとき、俺は心から感動した。

 

俺にとって非常に思い入れのある必殺技。

 

そう言えば、あのキーパーも円堂って苗字だったな……

偶々だろうけどな。

 

さて、止めるか!

 

「ゴッドハンド!!」

 

手に貯めたエネルギーで大きな手を作り出す。その手はまごうことなく神の手と表現するに相応しかった。

 

ゴッドハンドは円堂のシュートをあっさり防ぎ、ボールは俺の手に収まった。

 

円堂は俺にシュートが止められた途端、走って俺に詰めよって来た。しかし、その表情は決して穏やかなものではない。

 

そして、円堂は力強く俺の襟元を掴んだ。

ひぇ!?な、なんだ!?俺円堂に何かしたか?確かにきついトレーニングかも知れんかったが、ここに来てストレス爆発なのか?

 

 

「な、何で比企谷がじいちゃんの必殺技を使えるんだ!?」

 

しかし、俺が耳にしたのは予想外の言葉だった。

 

「ま、ま待てって円堂、この技は昔の試合の動画で見てカッコ良かったから使わせて貰っただけで…」

何言ってんだよ俺!!こんなに恥ずかしい黒歴史確定の浅い理由を垂れ流してる上に、元祖の孫にその理由話すとか、馬鹿にしてるようなもんじゃねぇか!

「む、昔のドーガ?」

 

円堂はアホの子みたいな顔をしていた。

 

 

 

 

俺は円堂の自宅に行くことでその疑問を解消させた。

普段PCを扱わない円堂は某動画サイトの事を知らなかったらしく…

 

円堂大介の試合を見せると、

 

すげーぇ!とかおおー!とか普通に興奮していた。

 

マネージャーの木野も俺も苦笑いだったのは言うまでも無いだろう。

 

そして、次の日から円堂との必殺技特訓が始まった。

 

と言っても円堂の基礎はもういつゴッドハンドを使えても可笑しくない位の実力に成っているので、後はイメージとエネルギーの操作位だろう。

 

 

「これはあくまで俺のゴッドハンドのやり方だ。出来る保証はないぜ?」

 

「ああ、比企谷、よろしく頼む!」

 

「先ずは心臓から作られたエネルギーを手に溜めるイメージをしてくれ。」

 

「心臓から、手に」

 

「そして、溜めたエネルギーを大きな手に変えて前に突き出す!これだけだ。」

 

「溜めたエネルギーを大きな手に変えて、突き出す!」

 

円堂は大きな手をエネルギーで作り出し、ゴッドハンドを発動させた。

 

練習時間は僅か30秒、まあ、必殺技は本人に基礎能力が備わっていれば出来て当然だろう。

 

その後はひたすら技の精度を高めていった。

 

俺はレイブンショットを打ち、円堂はゴッドハンドでそれを止めるの繰り返し。その日は必殺技が使えなくなるまで練習し続けた。

 

 




比企谷 八幡
属性 山

必殺技
ひとりワンツー A
超 レイブンショット(オリジナル)
絶 ぶんしんディフェンス
超 ゴッドハンド

以上現在の八幡でした。

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