ウルトラマンティガ シンデレラギャラクシー   作:ヴェルミナティー

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第2話です
本作には何人かのアイドルが特捜チームGUTSやTPCの職員として参加しています
それにしても小説書くのって大変だと実感しました


第1話 再会からのスタート その2

『ウイングコマンドよりウイング各機。東京新宿に怪獣出現、破壊活動を行いながら進撃中。市民の避難が完了するまでの時間が必要だ。直ちに迎撃に迎え。また出現した怪獣は1998年アメリカに出現した怪獣、【ゴモラ】と類似した点があることから仮称として、【ゴモラⅡ】と呼称する。』

 

「ウイング1了解。似てるかしら?」

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東京 新宿

 

僕と響子は今全力で走ってる。

先程から後ろでは爆発や悲鳴。

そして怪獣の鳴き声が鳴り響いている。

 

「アキくんっ」

 

今はなんとしてでも逃げないと。

あの怪獣腕からミサイル、頭からビームまで撃ちまくってる。

本当に滅茶苦茶だ!

 

「アキくんっ」

 

とにかく安全なところ、でもどこが...

 

「アキくんっ!!」

「あっ、響子?」

 

さっきから呼び掛けてくれてたのだろう。ただでさえ走ってるのに大声を出したのもあって息切れしている。

 

それでも僕に伝えてきたのは...

 

「TPCの多目的シェルター。あそこなら...」

 

「そんなものがあるのっ!?」

 

地球平和連合TPC、戦争がなくなった現代で世界各国が力を合わせて未知なる脅威ー怪獣や宇宙人などーから人々を守る組織だ。

 

「前に、プロデューサーさんが教えてくれて、もしもの時はそこに行きなさいって。」

 

なるほど、ありがとう響子のプロデューサーさん。

心の中で感謝し、響子に教えてもらったシェルターに向かうことにした。

 

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同時刻 東京上空

 

「へっくしゅん」

「ちょっとー」

 

新宿に急行するTPCの特捜チームGUTS。

 

その主力戦闘機ガッツウイング1号3機のうちの1機、コールサインウイング1のパイロットたち。

 

「風邪でもひいた?それとも誰かキミの噂でもしてるのかな?」

「すいません、でも僕の噂って」

「例えばキミの担当アイドルとか」

 

軽い口調で話す女性、彼女がこの機体の機長にして特捜チームGUTSの副隊長だ。

 

「いやぁ、それはないですよ。」

 

彼女に応答する真面目そうな若い青年はそう言いつつ少し嬉しそうだ。

 

「まぁ、それもそうね」

 

思わずガクッとする青年。

 

「そんなぁ、自分で言ったのに」

『お二人ともぉ〜、そろそろ戦闘空域ですよ〜』

 

そんな時、2人のもとに僚機、コールサインウイング2よりのんびりした女性からの通信が入る。

 

「了解よ、ウイング2」

 

そう答えるとと共に先程までとは一転。

 

「ウイング1よりウイング各機、敵怪獣【ゴモラⅡ】は頭部からの光線やミサイル状の物体を用いて周囲の破壊を繰り返している。接近には充分注意しなさい」

 

『ウイング3、了解』

『ウイング2、了解、光線を回避するならこうせんと〜、うふふ』

 

「こらっ、ウイング2」

 

ダジャレは彼女の趣味だ

 

「ハァ、みんな緊張はとけた?OKいくわよ!!」

 

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シェルターに向かって走り続ける僕たちの上を何かが通り過ぎていく。

 

「あれは...」

「ガッツウイング!」

 

駆けつけたガッツウイングが怪獣に攻撃を開始する。

3機とも僕たちとは反対側に飛んでいく。

どうやら怪獣を引きつけようとしているみたいだ。

 

「ギャオオオオオオオン」

 

怪獣もすぐにガッツウイングに注目する。

 

「アキくん、もうすぐだよっ」

 

響子に言われてハッとする。

目の前にはたくさんの人が集まっていた。

 

「よし。やっと着いたか」

 

僕は響子と共に人々の流れにのる。

 

「よかった。これでひとあんしん...きゃっ」

「響子っ」

 

見ると響子が人混みにさらわれていく。

 

とはいえあれならシェルターの中に入れるだろう。

 

「あとで必ず追いかけるからっ。先に行って!」

「うん!わかったー!」

 

なんとか答えてくれた響子にひと安心し。

 

「よし」

 

僕はシェルターと逆方向に駆け出した。

 

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『ウイング3、被弾しましたっ』

「ちぃ」

 

思わず舌打ちするGUTS副隊長。

【ゴモラⅡ】は予想をはるかに超える攻撃力、そして頑強さを持っていた。

 

「こんなことならガッツウイング2号があれば」

 

思わず青年隊員も愚痴る。

 

「ないものねだりは出来ないわっ」

 

あとで絶対配備をしてもらおう、とは思っているが...

 

「ギャアアアアアアン」

 

【ゴモラⅡ】が鳴き声と共に放った光線がウイング1に迫る。

 

「しまっ、キャア」

 

軌道がデタラメすぎる攻撃を回避しきれず被弾するウイング1。

 

「こちらウイング1、被弾したっ、不時着する」

 

「あらあら、少しマズイですね」

 

いつもおっとりしているウイング2の女性パイロットも流石に動揺する。

 

「ですが、ここで引くわけにはいきませんよ」

 

そう言うと凄まじい軌道で【ゴモラⅡ】に接近するウイング2。

 

ビーム機銃ニードルと対獣ミサイルヒートを的確に顔面に直撃させる

しかし...

 

「効果なしですか」

 

【ゴモラⅡ】は少しも怯まず攻撃を再開する。

 

なんとか回避するウイング2。

 

しかし流石に限界がきそうな...その時!

 

「えっ?」

 

その眩い光は現れた。

 

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響子と離れた僕は人のいなくなった道路にやってきた。

空で戦うガッツウイングがすでに1機だけになっている。

 

「くっ」

 

僕が早くあの()()()を使っていれば。

いや、そんな場合じゃない。

僕は鞄の中からあるモノを取り出す。

これを手にした時から決めたんだ。

 

「ヒーロー、か」

 

そんな大層なものかはわからない。

でも僕はこの()()()で...

 

手にしたモノを空に掲げ僕は叫ぶ。

「ティガぁー!!」

 

みんなを護るって!

 

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眩い光が街を包み込む。

思わずたじろぐ【ゴモラⅡ】。

ウイング2や避難している人々も眩しさのあまり目を閉じる。

そして光がおさまった、そこには、

 

「あれは」

 

誰かが呟く。

 

「巨人」

 

ウイング2も呟く

 

「光の巨人...」

 

シェルター内のモニターを見た響子も。

 

「ジュア!」

 

そこにいたのは。

紫、赤、銀、3つの色を持つ。

巨大な光の巨人だった。

 

「ギャオオオオオオオン」

 

突然現れた光の巨人に闘争心をむき出しにする【ゴモラⅡ】は、その体中の武器を光の巨人に向かって放つ。

 

光の巨人に降り注ぐ攻撃

そして大爆発

 

「ギャオオオオオオオン」

 

勝ち誇るように雄叫びをあげる【ゴモラⅡ】

 

しかし、煙が晴れたそこに居たのは...

 

「ジュアッ」

 

無傷の光の巨人だった。

動揺する【ゴモラⅡ】に向け駆け出す光の巨人。

 

顔面に放たれた拳が、胴体にめり込む蹴りが、ガッツウイングの攻撃に身動ぎ1つしなかった【ゴモラⅡ】を追い込む。

 

そして

 

「ジュアッ!」

 

光の巨人は両腕を腰に、そこから前に突き出しクロスさせ、そして大きく横に広げる。

 

「綺麗...」

 

まるで舞うような一連の流れに、思わず呟く響子。

 

「デュアッ!」

 

L字に組まれた腕から凄まじい光線が放たれる。

そしてそれは...

 

「ギィィィィヤァァァァァア!!!」

 

【ゴモラⅡ】に炸裂!

その体を一撃で大爆発させたのだった!

 

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ゆっくりと頷く光の巨人。

胸のカラータイマーが点滅を始めている。

 

「シュワッチ!」

 

掛け声と共に空へ飛んでいく光の巨人に人々は唖然としそして。

 

「やっ、やったー!」

 

大歓声が巻き起こる。

 

抱き合って喜びを分かち合う人、泣きじゃくるひと。

様々な人々の合間をくぐって、響子は明人を探していた。

 

「アキくーん!アキくーん!」

 

とそこに。

 

「おーい!」

 

明人が走ってくる。

駆け出した響子は明人に飛び掛る。

 

「わっ、響子!?」

「すぐに追いかけるって、心配したんだよ!」

 

ほとんど半べその響子を抱き止める明人。

 

「ごめん、人が多くてね」

 

なんとか響子をなだめ終えたのはそれから30分後くらいになった。

 

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「ねぇアキくんはあの巨人さん、見た?」

 

僕にそうたずねる響子。

 

「えっ、あぁ、うん」

 

僕は一応そう答える。

 

「凄かったよね、こう、どかーん!びしゅーん!って」

「なにそれ?」

 

可愛らしい表現にクスリと笑ってしまった。

 

「もぉー、これくらい凄いってことですっ!」

 

ぷくっと膨れる響子は、でもすぐに笑った。

さてと、

 

「行こう、響子」

「うん!」

 

6年ぶりの再会はとんでもない日になってしまった。

沢山の人々が悲しい目にあった。

全てを護ることがどれだけ難しいかは知っていたはずだ、それでも僕は...

 

「ほらっ、いくよアキくん」

 

今は彼女の笑顔を守れたことを心にとめよう

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ティガの地」

「はい?」

 

ここはTPC極東本部司令基地【ダイブハンガー】

 

「あの巨人が始めて目撃されたモンゴルの土地の名前ですよ」

 

そう語るのは白衣を着てメガネをかけた明らかに子供なーというか本当に14歳なー少女だ

 

「ティガとは?」

 

歴戦の勇士のような−実際に自衛隊、国連軍と防衛に携わってきた大ベテラン−顔付きの【島村 礼二】GUTS隊長が少女に尋ねる。

 

「インドネシア語で数字の3を意味する言葉だが、ここがそう呼ばれていたのは相当昔からのようだから、別の意味の言葉だろうな」

 

「ならあの巨人さんは、ウルトラマンティガですね」

 

そこに入ってきたのは先程までとはの戦闘にウイング2として参加していた女性パイロット。

 

「楓さん、なんですそれは?」

 

突っ込む少女に、

 

「名前ですよ、ウルトラマンまでは出てたんですけど。ウルトラマンティガって語呂も良いとおも()()ませんか?」

 

ニッコリ微笑む女性こと【高垣 楓】隊員

 

「まぁ呼び名はいずれ必要になる」

 

島村隊長の言葉もあり、

 

「ウルトラマンティガか...まぁいいだろう」

 

少女【池袋 晶葉】技術主任が折れる形であの光の巨人の呼称が。

【ウルトラマンティガ】に決定するのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「フフっ」

 

とある建物の誰もいない一室

 

あの怪獣を生み出した謎の青年が夜のニュースを見て怪しげに笑っている。

 

「UE計画、人体の変質実験は成功ですね」

 

青年にとってあれほどの事件は実験にしか過ぎないのだ。

 

「おっともうこんな時間ですね」

 

というと青年はニュース番組の画面を操作して。

 

「さぁこれから楽しくなりますよ」

 

おもむろにアイドルのライブ映像を再生したのだった

 

 

 

 




最後のやつは決してふざけた訳ではありません

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