ウルトラマンティガ シンデレラギャラクシー   作:ヴェルミナティー

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はじめましてヴェルミナティーです
はじめての小説投稿ですので
至らぬところだらけだと思いますが
どうぞよろしくお願いします


第1話 再会からのスタート その1

「6年ぶりか」

 

僕、円 明人(マドカ アキト)はふと空を見上げながら呟いた 。

医師である両親と共に小学生の頃この国を離れてからそれだけの時間が流れたと思うと感慨深い。

 

「街並みもずいぶん...いや、ここには初めて来たんだった。」

 

ここは東京新宿ちなみに僕は鳥取出身...うん、ここには初めて来たね。

なんてやってる場合じゃない、もうすぐ彼女との約束の時間だ。

 

「6年ぶり、本当に久しぶりだ。」

 

僕は昨日送られて来た写真を思い出しスマホを取り出す。

そこに写っているのはあの頃と変わらない、いや。もっと素敵な笑顔を浮かべる少女だった。

「髪型は相変わらずのサイドテールか。」

そこだけはやっぱり変わらないと思ったところで。

「おーい!アキくーん!!」

僕を呼ぶ声が聞こえた。

彼女の仕事の都合からかメガネをかけてシンプルな服に身を包み、でもトレードマークのサイドテールは変わらずに。

「久しぶり、響子。」

僕はその日、幼馴染の少女【五十嵐 響子】と再会した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

同時刻 新宿 とあるビルの地下駐車場

 

「本当にこんな金を?」

2人の男が話し合っている。

1人はやや目つきの悪い壮年の男、もう1人は...

 

「えぇ、もちろんですよ前田さん。()()は私にとって重要なものですから」

 

黒いスーツ、そして真っ白な髪が印象的な年若い青年だ。

 

「へっ、チョロいもんだったよ、研究所の連中も全く警戒してないんだからな。」

 

前田、と呼ばれた男が得意げに話す。

 

彼は自分の勤める研究所からとある()()を盗んできたのだ。

 

「なんに使うかしらねぇけど、そいつはサンプル以上の価値はねぇーぜ。」

 

「お気になさらず、それに()()だけでは確かに大したことは出来ませんからね。」

 

青年は飄々と答える。

 

「まぁ、なんにせよ俺は金さえ貰えればそれでいいさ。」

 

そう言うと前田は自分の車に戻ろうとした...ところで。

 

「あぁ、前田さん。」

 

青年が前田を呼び止める。

 

「なんだよ?」

 

訝しげに振りいた、その目に映ったのは...銃のような物を手にする青年の姿だった。

 

「なっ」

 

思わずたじろぐ前田、しかし青年は何事もなさげに喋り出す。

 

「ギャンブルはほどほどに、リスクを負い、リターンを手にする。確かに魅力的です。でもリスクを見誤ればきっと後悔します...そう、今みたいに。」

 

謎のカプセルのような、弾丸のような物を手にした銃に装填する青年。

 

『ゴモラ』

 

銃から機械音が流れる。

 

青年はニコリと微笑みながら、先ほどの取引で手にした容器を放り投げ。

 

それを前田ごと撃ち抜いた。

 

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「えへへ〜」

 

「嬉しそうだね、響子。」

 

再会した僕たちは並びながら街を散策している。

 

先ほどから響子が嬉しそうだ。

 

「そんなの当然だよ!」

 

響子が力強く答えた。

 

「6年ぶりなんだよ、こうやってまた一緒にいられるなんて、それとも、アキくんは嬉しくない?」

 

途端にシュンとしてしまう響子

 

「そんな訳ないよ、僕だってその...本当に嬉しかった」

 

僕も慌ててそう言った。

もちろんこれは本心だ、嬉しくない訳ない。

 

「へへっ、よかったー」

 

すぐに笑顔を取り戻す響子、うわっ可愛い!

思わず動揺してしまったな。

なるほどこれが。

 

「でも驚いたよ、響子がアイドルになったって聞いた時は。」

 

そう彼女はアイドルなのだ。

この日本で、いや世界でも一大ブームを巻き起こしている、ジャパニーズアイドルである。

 

「夢が叶ったんだね、改めておめでとう。」

 

「あっ...うん、ありがとうアキくん。覚えててくれたんだ。」

 

はにかむ響子に僕も笑顔を浮かべる。

 

幼い頃に2人で話した将来の夢、響子はアイドル。そして僕はと言うと...

 

「アキくんはヒーローになる、だっけ?」

 

「うっ、覚えてたんだ...」

 

そう僕のその時の夢はヒーローになること。

子供っぽいけど実際子供だったからなぁ。

 

「当たり前だよ。アキくんが覚えてて私が忘れる訳ないよ。」

 

そういうものかな。

 

「でっ、アキくんの夢は叶ったかな?」

 

少し悪戯っぽく聞いてくる響子。

 

「いやいや、子供の頃のことだよ?」

 

「私はアイドルになりましたよー」

 

うーんそう言われると...

 

「あはは、ごめんなさい。少しからかっちゃった」

 

やっぱり変わらないな。

 

普段はとても優しくていい子なのに、こう言う悪戯っぽいところをたまに見せる。僕は年も一個上なのによくからかわれた。

 

「ほらっ行こうアキくん!」

 

笑顔で僕の手を引いてくる響子。

僕も笑顔を浮かべ付いて行った。

 

あの()()()がヒーローと呼べるかはわからない。

でも僕は、こうして笑顔を見せる君を、絶対に守りたい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はっ」

 

地下駐車場にて目を覚ましたのは先ほどあの青年に撃たれたはずの男、前田。

 

「なんだ、なんだってんだ。」

 

自分の体に異常がないかを慌てて確認する。

 

「ゆめ...か...?」

 

しかし金はある。

 

ともかくそれだけは持って急いで自分の車に乗り込み急いで発進する。

 

「なんだったんだ、アイツ?胡散臭そうな奴だとは思ってたけどよ。」

 

しばらく車を走らせ呟く前田。

 

「まぁいいさ、どうせ今後あうことなんてっ!?」

 

突然体の内側から発せられる痛み、操作を失った車は信号停車中の前の車に激突。

「うっ、あああ」

 

体がどうにかなりそうな感覚に飲み込まれる。

 

「おい、アンタ大丈夫か?」

 

事故を目撃した通行人の1人が前田に駆け寄る。

 

「たっ、すけ...」

 

その瞬間彼の命はこの世界から消えた...

 

そしてその場には全く別の()()()が生まれた。

 

「ふふふ」

 

前田の死と()()()の誕生をビルの屋上から眺めるのはあの青年。

「ありがとうございます前田さん。あの生物だけでなく、ご自分の命まで提供して頂いて。」

 

邪悪な笑顔を浮かべる青年。

 

「さぁ、UE計画オンステージです。」

 

 

 

「ギャオオオオオオオン」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ギャオオオオオオオン」

 

辺り一面に響く恐ろしい轟音。

 

「なっ、なんですか!?」

 

「鳴き声っ!?」

 

明らかに普通じゃない音。

 

あたりを見回す僕はそれを見つけた。

 

「怪...獣...」

 

ビルの合間から見えたその巨大な影。

常識や単純な生物学を軽く無視した存在そのものがぶっ飛んだ存在。

それが怪獣。

 

「うそ...」

 

響子が呆然と呟く。

 

「ギャオオオオオオオン」

 

再び怪獣が鳴き声をあげる。

 

次の瞬間、

 

「きゃあああああああ」

 

誰かが悲鳴をあげた瞬間一斉に逃げ惑う人々。

 

すぐに僕も我に返る。

 

「響子、響子っ!今すぐ逃げるぞ!」

 

未だに呆然としていた響子に声をかける。

 

うんと答えながらも動揺して体が動かない響子。

 

当たり前だ、怪獣を目にしてこうならない方がおかしい、

だけど。

 

「しっかりしろっ!まず走る、そして逃げる!今やるべきことはそれだけだ!」

 

「うっ、うん!」

 

僕は響子の手を取って走り出す。

 

あの()()()を使うのは響子の安全を確保してからだ。

僕は怪獣に背を向け走り出した。

 

 

 

 


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