浅井初と記憶喪失少年が幻想入り   作:門矢心夜

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第三話「にとりの武器改造」

魔理沙の家で一夜を明かし、私とヒロ、そして魔理沙は魔法の森の北東にある、紅魔館を目指して歩いていた。

 勿論目的地は博麗神社なのだが、歩きでの移動の為、大変時間が掛かる。

 こんな時淀子姉さんのバイクがあれば、なんて思うのだが、肝心な時に姉さんは現実世界にいるという現実。

「なるほど、これがスペルカードか」

 先頭で歩きながら一枚の札、いやカードを見つめながら私は呟く。

「そうのぜ。一応使い方を覚えれば誰でも使えるのぜ」

「へー」

 てことは、

「なあ、私にも使えるのか?」

「多分な、でも何故だ?」

 今持っている武器を思い出しながら言う。

「今私の持っている武器な、無限連射可能になったインチキエアガンしかないのよ。

だから、スペルカードの使い方を覚えれば、殺さずに遠距離攻撃が可能な筈なんだ」

 某サイトで見た情報によると、スペルカードでの勝負は『殺し合い』を『遊び』に変える要素らしい。

 故に二丁拳銃を牽制目的で使用し、スペルカードで仕留める方法が、一番戦いやすいと気付いた。

「そういう事か。それなら、その拳銃を使ってスペルカードを使用できるようにしようぜ。

私の知り合いに機械に詳しい旅人がいるのぜ。

多分呼んだら来ると思うが」

 そんな奴いたかな・・・・・・?

「おーい、にとり」

 魔理沙がそう呼ぶと同時に、何もない空間から人が現れた。

 勿論東方キャラだから女性だ。

 ウェーブの掛った外はねが特徴的な青髪の上に、緑の帽子をかぶっている。

 瞳の色は青色で、大きなカバンを背負っている。

「よんだ?」

「おう、にとり。頼みがある。

そこの奴が持ってる拳銃を、スペルカードの技が使えるように改造してくれないか?」

 魔理沙の依頼を聞くと同時に、私と私の持つ拳銃を見て問う。

「アンタ、雰囲気的にここの国の奴じゃないよね。

名前は?」

「お、おう。私の名前は浅井初だけど・・・・・・。

お前が河城にとりか?」

「うん。私がにとりだよ」

 勿論イラストで見たことがある。スク水のイラストが多かった印象が・・・・・・。

 次ににとりは、ヒロを見て、

「そこのあんちゃん、名前は?」

「ヒロ」

 にとりはヒロの全身を見てから、再び問う。

「アンタは武器持ってないのかい?」

「ああ。武器なんて普段持ち歩かないからな」

「じゃあ、ここで戦う為にアンタの武器も作ってやるよ」

 そしてにとりは、私の拳銃を受け取ってから、作業を開始した。

 

◇◇◇

 

 六時間程その場で待ち。

 私の二丁拳銃の改造と、ヒロの武器の制作が完了したようだ。

 私はよく観察しながら、にとりに質問した。

「なあ、にとり。これって何か変更点みたいなのはあるのか?」

「うん。一応スイッチを付けた筈だから、それをオンにしてみな」

 にとりに促され、拳銃を確認すると、確かにスイッチのようなものがあった。

 カチリ、という音でスイッチを切り替える。

「一応スペルカードは、銃弾之星(スター・バレット)という奴だ。

使ってみな」

 私は少しだけ移動し、二丁拳銃を木に向けた。

 〇コンマ五秒の速さで照準を定め、引き金を引く。

 銃口から現れたのは、シルバーの光を放つ星だった。

 その星は木に激突すると同時に弾け、木を真っすぐに吹き飛ばす。

「このスペルカードは、あらゆるものの中でも強力だわ。

多分切り札になると思うわ」

「おう、ありがとな」

「それからヒロの武器だが、これなんてどうだ?」

 にとりがヒロに渡した武器は、刀。

「一応スペルカードの効果で、斬撃を飛ばせるようになっている」

「それなんの月牙〇衝・・・・・・?」

 てかブ〇ーチ来年実写化するらしいな。私はラ〇ライブの映画あったらそれ見たいが。

「まあやってみてよ」

 ヒロは両手で刀の柄を握り、木に向かって振り下ろす。

 同時に光の刃が木に激突し、木を斬らずに、木を吹き飛ばした。

 一応スペルカードは殺し合いを遊びに変える道具だから、殺傷はしないわけだ。

「と、こんなわけだ。最近悪霊に取りつかれる奴が多発してるから、気を付けてね」

 にとりはそれだけ言い残すと、どこかに行ってしまった。

「さて、じゃあ紅魔館へ行くぞ」

「おうッ!」

 そのまま北東に向かって、私達は再び歩き出す。

 


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