原作未プレイが幻想入り   作:セメダイン広住

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六話 異変の陰

 

俺「再生力...」

 

紫「...」

 

永琳「再生力が高いと言っても少し傷の治りが早いとか そんなレベルじゃないわ」

 

永琳「少なくとも私達 蓬莱人に匹敵する再生力を貴方は持っている ここ(幻想郷)に来たときに細胞が突然変異でもしたのかしら...」

 

紫「永琳、その再生力の弱点とかは無いのかしら?」

 

永琳「勿論...っと言って良いのか分からないけど勿論あるわよ」

 

俺「どんな弱点ですか?」

 

永琳「調べてみると この細胞の再生力は外部からの損傷のみ発動するみたいね」

 

俺「...つまり、内部からのダメージ 風邪などのウィルスなどには発動しないってことですか?」

 

永琳「簡単に言えば そう言うことね。他にも薬物にもその能力は効果が出ないみたいね」

 

俺「う~ん なんか微妙じゃないですか?」

 

永琳「は?」

 

俺「え?」

 

永琳「ハァ...肝心な所で頭が回らないのね」

 

永琳「いい?この能力は貴方が今後、病気などに懸からない限り貴方は100%寿命を迎えて死ぬことが出来るのよ?人間としては出来すぎてる能力だわ」

 

俺「そんなに凄いんですか 俺の再生力って」

 

永琳「首をはね飛ばされても、心臓がある体の方から頭が生えてくる程度にはね」

 

俺「はぇ~ 凄いですね これで妖怪とも怪我を気にせず戦えますね」チラッ

 

紫「!?...」

 

俺「他には何かありましたか?」

 

永琳「そうねぇ...血糖値、尿酸値ともに正常だし...あっ」

 

俺「ん?何かありましたか?」

 

永琳「ちょっと気になったのだけれど、貴方って妖怪を拳1発でぶっ飛ばしたのよね?」

 

俺「まぁ、一応 その場のノリでしたけど」

 

永琳「そのあと霊夢を担いで鈴仙を追い越して永遠亭に来たのよね?」

 

俺「その時はもう無我夢中で...」

 

永琳「...昔からそんな事ってあった?」

 

俺「そんな事って...火事場の馬鹿力ってやつですか?」

 

永琳「まぁ そんなところね」

 

俺「う~ん...」

俺は昔の記憶をたどってみる...

確かに運動会の終盤や友人と東方の旧作をどちらが買うかで腕相撲をした時など精神的に追い詰められてる時などに、自分でも驚く位の力が出ることは結構あった(その後は体調を崩しやすかった

 

俺「確かに結構ありましたね...」

 

永琳「...そう となれば これは体質なのかしら」

 

俺「?」

 

永琳「貴方の体は普通の人間よりもアドレナリンを出しやすい体質のようね」

 

俺「アドレナリンですか...」

 

永琳「そう。そして その大量のアドレナリンに対応できる強い体質を持ってる まぁ、ある程度のダメージは受けるみたいたけど...よく力を出した後は体調とか崩さなかった?」

 

紫「Zzz...」

 

俺「崩してましたね...発熱とか」

 

永遠「やっぱりね」

 

俺「やっぱりと言うと?」

 

永遠「率直に言うと貴方は火事場の馬鹿力が他人よりも出やすい体質っぽいわね」

 

俺「なるほど...通りで昔からピンチの時は異常に力が出るわけだ...」

 

永遠「貴方の再生力と良い組み合わせじゃない?」

 

俺「おぉ!確かに考えれば!」

 

永琳「能力はその人に合った物だからね 妥当な能力だと私は思うわよ?」

 

紫「私も思うわ」

 

俺「確かにそうですねぇ 永琳さん色々ありがとうございました」

 

永琳「いえいえ、こちらこそ色々新しい発見があって面白かったわ 今度、実験体として家に来なさいよ 時給いいわよぉ~」ニヤニヤ

 

俺「あはは...遠慮しておきます」

 

コンコン

「師匠~入ってもよろしいですか?」

 

永琳「いいわよ」

 

ガチャ

 

鈴仙「失礼します 霊夢さんが起きたので一応報告に...」

 

永琳「そう じゃあ血圧を測って正常値なら退院させて大丈夫よ もともと深めの切り傷だったし 二人も一緒に案内させてあげなさい」

 

鈴仙「分かりました ではお二方、案内しますのでどうぞこちらに」

 

俺「永琳さんありがとうございました またの機会があればまた」

 

紫「永琳 後で霊夢の治療費持ってくるわねぇ~」

 

永琳「はいはい 霊夢には感謝でもするように言っておきなさい」

 

 

バタン

 

 

 

永琳「...ハァ 眠」

 

 

 

―廊下にて―

 

鈴仙「こちらの部屋が霊夢さんのいる病室になります」

 

俺「案内ありがとうございます」

鈴仙「いえ、仕事なので当然です」

 

俺「では 失礼しま~す」

 

紫「失礼するわ」

 

ガラガラ

 

俺は静かに扉を開ける...

 

霊夢「お、意外と早かったわね」

 

俺「おぉ...霊夢さん無事で何よりです」

 

霊夢「たかが切り傷で何心配しんてのよ、だから大丈夫って言ったでしょ...まぁ、ここまで運んでくれたのは...ありがとう」

 

俺「(ツンデ霊夢ありがとうございます!)」

 

魔理沙「おっと、私もいるぜ?」

 

俺「あ、魔理沙さん 昨日は紫さんに知らせてくれてありがとうございました。しかし、朝早いですね」

 

魔理沙「まぁ、私も何だかんだで霊夢の親友だからなぁ~心配で朝早く来ちゃったぜ」

 

霊夢「...よく言うわよ 昨日の夜中にこっそり来て私の手を握りながら「霊夢~死んじゃやだよ~」とか言って泣いてたくせに」

 

魔理沙「ば、バカやろう!それは言うなって言ったろ!」カァァ

 

霊夢「人がぐっすり寝てるのに手を掴みながら泣いてたからびっくりしたわよ」

 

魔理沙「だぁ~!分かったから止めろ!それぐらい霊夢を心配したんだぞ!」

 

霊夢「はいはい ありがとうね魔理沙」ナデナデ

 

魔理沙「///」カァァ

 

俺「(レイマリは俺のジャスティス...はっきりわかんだね)」

 

紫「(私も霊夢にナデナデされたいわ)」

 

鈴仙「(夜中に勝手に入らないで欲しいなぁ)」

 

 

霊夢「...それで紫 昨日話す予定だった話のことなんだけど」

 

紫「そうね、霊夢にだけ話す予定だったのに こんなに早く公にする事になるとわね...」

 

魔理沙「ん?何の事だぜ?」

 

俺「......」

 

紫「実弦は薄々気づいているようね...鈴仙、少し席を外してくれるかしら?」

 

鈴仙「分かりました 話が終わり次第声を掛けてください。霊夢さんの血圧を測るので」ペコリ

 

ガチャ...バタン

 

 

紫「...ハァ 早速計画が狂ったわね」

 

霊夢「さぁ、話して貰おうかしら」

 

魔理沙「?」

 

紫「いいわ 話しましょう。今幻想郷に過去最大の異変(危機)が訪れている事を」

 

魔理沙「!?なんだって!?」

 

俺「やっぱりですか」

 

魔理沙「実弦!?やっぱりって何か知ってるのかぜ!?」

 

俺「昨日の出来事からして妖怪が人里を襲うなんて明らかにおかしいですよ」

 

紫「そうね、けど問題はそれだけじゃない...」

 

紫「数年前から幻想郷に何者かの妖気が漂っている...最初はとても弱い妖気で私でも見逃す程度の量だったわ、でも最近その妖気の量が徐々に増え始め知能の低い妖怪や妖精がその妖気に当てられて凶暴化しているの」

 

俺「妖気...ですか?」

 

紫「今も幻想郷に漂ってるわ、ただ普通の人間じゃ到底分からない量...」

 

魔理沙「霊夢は分かるのぜ?」

 

霊夢「残念ながら」

 

紫「分からなくても当然よ この事態に気づいているのは私を含め守矢の神などの強力な力を持った人外くらいね」

 

魔理沙「そんで、その妖気に当てられてた妖気が人里で暴れたと」

 

紫「そうよ」

 

魔理沙「だったらその妖気をばら蒔いてる奴を倒せばいいだろ?」

 

紫「出来たらとっくにしてるわよ...誰が流してるのかは勿論 どこからその妖気が出てるのかも分からない...いえ 具体的に言えば染み出ている...かしらね」

 

魔理沙「染み出ている...」

 

紫「森に住んでる貴方なら分かるんじゃない?最近の変化に」

 

魔理沙「変化...あっ!?魔法の森のキノコか!」

 

紫「その通り キノコの異常発生が現状を物語ってる...もともと魔法の森のキノコは魔力を含んでいるからね 妖気なんかを取り込んだから突然変異でも起こしたのでしょうね」

 

紫「このまま行けばどんどん妖気の濃度は上がり、いずれは知能のある力を持った妖怪も妖気に当てられて暴走しかねないわ...実際は洗脳に近いかしら」

 

魔理沙「だったらどうするんだぜ?」

 

紫「恐らく異変の首謀者はそのうち力の強い妖怪にも手を出すわ、だから私は実弦を幻想郷に誘った」

 

俺「...」

 

魔理沙「なんでそこで実弦が出てくるんだ?そんなの私と霊夢で解決すれば...」

 

紫「...魔理沙も昨日戦って分かったはずよ、その妖気の一番恐ろしい効果を」

 

魔理沙「一番恐ろしい効果...?」

 

霊夢「霊力や魔力への耐性...」

 

紫「その通り その妖気に当てられた妖怪は元々幻想郷に存在するあらゆる力...霊力、魔力、妖怪、神力...全ての技に対して耐性を持つ様にパワーアップする 貴方達も戦って分かったでしょう?普通の弾幕では全く歯が立たないって」

 

紫「けど、幻想郷以外の場所の霊力や魔力には一切の耐性を持っていない 場所によって質が違うからね。そして実弦は外の世界の霊力を多少ながら持ってる...」

 

魔理沙「ま、まさか実弦にその異変の手伝いをさせる為に幻想入りさせたってのか!?」

 

紫「...」

 

魔理沙「紫お前!勝手過ぎるぞ!そんな危険な事、実弦が了承するわけ」

俺「いいですよ」カルー

 

魔理沙「!?」

 

紫「ありがとう、恩に着るわ」

 

魔理沙「はぁ!?実弦本気なのか!第一お前スペルカードとか持ってるのかよ!?」

 

紫「それに関しては修行させて会得させるわ、私も全力のサポートをするつもりよ」

 

魔理沙「っ!実弦はそれで良いのかよ!?」

 

俺「...昨日の紫さんの態度を見れば切羽詰まってるのが良く分かりますよ 外来人の俺の為にあそこまでするなんて普通の紫さんではあり得ないと思いましたし(偏見)」

 

俺「それに...」

 

魔理沙「...それに何だよ」

 

 

俺「俺が愛した幻想郷を壊させる訳には行きませんよ」

 

 

魔理沙「はぁ...分かったぜ 紫も承知してるなら私も協力するぜ」

 

俺「魔理沙さん、ありがとうございます」

 

紫「実弦さん改めて宜しくお願いするわ 貴方だけがこの妖気に対抗出来る唯一の存在...本当はもっと間を起きたかったのだけれど 意外にも早く妖気の影響が出てるみたいだからね」

 

俺「全力を尽くしますよ 俺の能力があればそう簡単に死にはしませんし 霊夢さんも改めて宜しくお願いしm」

霊夢「私は反対よ」

 

俺「!?」

 

紫「ハァ...霊夢?さっきの話を聞いてたでしょ?幻想郷出身の貴方じゃこの異変は解決出来ないわ」

 

霊夢「大丈夫よ スペルカードみたいな大技は効くみたいだし」

 

紫「雑魚妖怪に手傷を負わせられたのよ?それがもっと力のある妖怪相手になってみなさい、貴方...死ぬわよ?」

 

霊夢「だからって部外者を異変に巻き込むわけにはいかないわ」

 

俺「霊夢さん...」

 

紫「どうしても?」

 

霊夢「そうね、拳でしか勝負出来ないなんて足手まといよ」

 

紫「...じゃあ 貴方と実弦が勝負をして実弦が勝てたら文句はないでしょ?」

 

俺「!? 勝負!?俺が霊夢さんと!?」

 

霊夢「随分 実弦の事を買ってるのね」

 

紫「どうなの?」

 

霊夢「...良いわ その代わり私が勝ったら実弦は今回の異変には干渉させ無いこと 良いわね?」

 

紫「いいわ 早速始めましょう」

 

俺「えぇ...そんな勝手に」

 

霊夢「私は先に外に出てるわ そうね...中庭で待ってるわ」スタスタ

 

......

 

俺「紫さん!?どうするんですか!?霊夢さん本気でしたよ!勝てるわけないですよ!」

 

紫「そこは貴方の腕の見せ所よ」

 

俺「えぇ...けどなんで霊夢さんあそこまで拒むのかなぁ」

 

魔理沙「それは霊夢なりの優しさだぜ」

 

俺「え?」

 

魔理沙「霊夢は不器用だからな~素直に実弦の事が心配だって言えないんだぜ」

 

魔理沙「人里で悲鳴が聞こえたときに、ここで待ってろって言ったのも幻想郷に来たばかりのお前を危険な事に巻き込まないために言ったのぜ」

 

俺「霊夢さん...」

 

魔理沙「まぁ、勝負は頑張ってくれや 無理だとは思うけど」

 

俺「oh...」

 

紫「さぁ、頑張りましょう」

 

俺「うぅ...」

そして俺は霊夢さんが待っている永遠亭の中庭に向かった

 

 






何か話が分からなくなってきたぞ

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